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農林水産省

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(3)農産物貿易交渉の状況


(EPA/FTA交渉等の取組)

我が国は、平成27(2015)年3月現在で15の国・地域とEPAを締結・署名しています。WTO(*1)ドーハ・ラウンド交渉の行方が不透明な中、世界的にEPA/FTA網が拡大を続けています(図1-1-13)。

このような中、平成26(2014)年6月24日に改訂された「日本再興戦略」では、「2018年までに、FTA比率(*2) 70%(2012年:18.9%)を目指す(*3)」とされ、このため、「経済連携交渉については、国益を最大化する形でのTPP交渉の早期妥結に向けて引き続き取り組むとともに、世界全体の貿易・投資ルールづくりの前進を通じて我が国の対外経済関係の発展及び国内の構造改革の推進を図るべく、RCEP(*4)(東アジア地域包括的経済連携)や日中韓FTA、日EU・EPAなどの経済連携交渉を同時並行で戦略的に推進していく」こととしています。このような中、平成26(2014)年4月には日豪EPAについて、国内農林水産業の存立及び健全な発展を図りながら、食料の安定供給にも資する内容で大筋合意を確認し、同年7月に署名され、平成27(2015)年1月に発効しました。同協定では、我が国が締結したEPAとして初めて「食料供給章」が設けられ、豪州内の食料生産が不足した場合にも我が国に対して輸入禁止措置等を導入しないよう努める旨が規定されています。また、日モンゴルEPAについても、平成26(2014)年7月に大筋合意に達し、平成27(2015)年2月に両国間で署名されました(表1-1-2)。


*1 [用語の解説]を参照
*2 FTA相手国(発効国及び署名済国)との貿易額が貿易総額に占める割合
*3 平成27(2015)年1月15日に発効した豪州との貿易額を含むFTA比率は2013年:22.6%
*4 Regional Comprehensive Economic Partnershipの略。ASEANとFTAパートナー諸国によるEPAを目指すもの。FTAパートナー諸国は、日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドの6か国

表1-1-2 EPA/FTAの状況

(TPP協定交渉の概要)

TPP協定交渉は、平成18(2006)年に発効した環太平洋戦略的経済連携協定(通称「P4協定」)の締約国であるシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイに加えて、米国、豪州、ペルー、ベトナムの8か国により、平成22(2010)年3月に開始されました。その後、マレーシア、カナダ、メキシコ、日本が交渉に参加し、平成27(2015)年3月末現在12か国で協議を行っています。

TPP協定交渉は、平成23(2011)年11月のAPEC首脳会議で発表された「TPPの輪郭」において「関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃する」とされており、包括的で高い水準のバランスの取れた協定を達成すべく、21の分野で交渉が行われてきました(図1-1-14)。


図1-1-14 TPP協定交渉で扱われる分野

我が国のTPP協定交渉参加については、平成25(2013)年2月22日に日米首脳会談が開催され、日米共同声明において「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP協定交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないこと」等が確認されました。

また、平成25(2013)年4月18日に参議院、19日に衆議院の農林水産委員会において「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること」等が決議されました。

TPP協定交渉では、交渉参加国の間で厳しい交渉が続いていますが、我が国は、二国間会合や全体会合の場で、衆参両院の農林水産委員会決議があることや、農林水産品が慎重に扱うべき事項であることを粘り強く説明し、各国の理解を求めています。引き続き、この決議が守られたという評価を得られるよう、政府一体となって全力で交渉に取り組むこととしています。

TPP協定交渉に当たっては、経済再生担当大臣を本部長とする「TPP政府対策本部」の下、複数の分野にわたって関係省庁が情報を共有しながら、一体的に対応しています。国民への情報提供についても、交渉会合の前後に与野党の会合で交渉の状況を説明し、また、関係団体や地方公共団体に随時説明会を開くなど、できる限りの情報提供に政府全体で取り組んでいます。


(WTO農業交渉の状況)

平成13(2001)年、WTOドーハ・ラウンドが開始され、農業、鉱工業、サービスの自由化、アンチダンピング等のルールの策定、強化等を含む包括的な貿易交渉が始まりました。このうち、農業分野では、関税・国内補助金の削減、輸出補助金の撤廃等について交渉が行われ、平成16(2004)年7月末には交渉の大枠となる「枠組み合意」が成立しました。その後、関税削減等の方式を決めるモダリティ交渉が行われ、平成19(2007)年7月以降、議長が提示したテキストに基づく議論が続けられましたが、モダリティはまとまらず、部分合意等により打開の道を探ることとされました。

これを受け、平成25(2013)年12月、インドネシアのバリ島で開催された第9回WTO閣僚会議において、農業分野の一部、貿易円滑化、開発の3分野からなる「バリ・パッケージ」が合意されました。農業分野では、<1>開発途上国の食料安全保障目的の公的備蓄に関する暫定措置、<2>関税割当に係る透明性向上及び消化率の低い品目の運用改善、<3>輸出補助金の最大限の抑制等について合意されました。

平成26(2014)年11月、WTO一般理事会特別会合において、貿易の円滑化に関する協定をWTO協定の一部とするための議定書が採択され、今後、農業を含むドーハ・ラウンド交渉の残された課題に取り組むこととしています。

WTO農業交渉において、我が国は、引き続き「多様な農業の共存」を主張し各国の農業が発展可能となるルールの確立を目指していくこととしています。


コラム:各国の農業政策

EUでは、加盟国28か国で共通の農業政策(CAP)を実施しています。CAPでは、農業者の所得を支えるための価格・所得政策(主に直接支払)、農業部門の構造改革や農業環境対策を実施する農村振興政策が実施されています。平成27(2015)年には、農業の公共財としての役割を強化する等の観点から、CAPの見直しの一環として、各国の直接支払予算の3割により、環境重点用地の設定等を受給要件とするグリーニング支払が行われることになりました。

また、米国では、従来、穀物等を担保として農業者への短期融資を行う価格支持融資、過去の作付面積等に基づき固定額を支払う直接固定支払、市場価格が目標価格を下回った場合に差額を補填する価格変動対応型支払等の価格・所得政策が実施されてきましたが、2014年農業法において、直接固定支払や価格変動対応型支払を廃止する一方で、収入・価格の変動に対応するための新たなセーフティネット(当年収入が保障収入を下回った場合に、差額の一部を補填する農業リスク補償等)が導入されました。

 


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