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農林水産省

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(2)食育の推進、「和食」の保護・継承


(食育の推進の取組)

食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられます。また、様々な経験を通じて、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる取組として重要です。

農林水産省では、平成23(2011)年3月に、「食育基本法」に基づき策定された「第2次食育推進基本計画」(平成25(2013)年12月一部改定)に基づき、関係府省との連携のもと、「日本型食生活(*1)」の推進や農林水産業の理解の増進等に向けた取組を推進しています。

近年、少子高齢化、単身世帯の増加、女性の社会進出等、社会情勢が変化する中で、食の外部化・簡便化が進展・定着しています。このような現状の中、食育の推進のためには、消費者の多様なライフスタイルを踏まえたきめ細かな対応が求められています。

このため、「日本型食生活」の推進に当たっては、国民各層が理解しやすく、かつ、実行性の高いものとしていくため、消費者の特性やニーズに対応した手法により、科学的根拠、ごはん食のメリット、中食(*2)や外食の有効活用を含め、内容、特徴等を分かりやすく周知していくこととしています。

農林水産省が消費者に対して行った調査によると、<1>日常的な欠食、<2>ごはん食の頻度が低い、<3>外食、中食、冷凍・レトルト食品、缶詰、インスタント食品の夕食が週5回以上、<4>調理ができないの4つの食習慣について、該当する項目が多いほど、「日本型食生活」の柱となっている主食・主菜・副菜を揃えた食事の頻度が低くなっています(図1-3-6)。

これらの4つの食習慣に該当する人に、栄養バランスを整えるための知識として、ごはんを中心とした食事は主食・主菜・副菜が揃いやすいメリットがあること、外食、中食、冷凍食品、レトルト食品等の外部サービスを適切に活用できること、「食事を準備する力」の向上も重要であること等を伝え、「日本型食生活」の実践を、段階的に、分かりやすく推進することが重要です。


*1、2 [用語の解説]を参照


また、農林漁業体験等の様々な体験活動は消費者の食や農林水産業の理解増進に有効であることから、幅広い世代に対する体験機会の提供が重要となっています。

農林水産省が消費者に対して行った調査によると、野菜を購入する際、農林漁業体験の経験のある人の方がない人に比べ、国産野菜を選択する傾向が高くなっています(*3)。また、「作っている人を信頼できる」や「国産のものを応援したい」といった生産者とのつながりに関する理由において、農林漁業体験の有無で大きく差が生じており、生産者との信頼関係の構築にも有効です(図1-3-7)。

このような状況を踏まえ、平成26(2014)年度、学校教育における教科等を関連づけた教育ファームの教材や、企業の社会的責任(CSR)活動、研修における教育ファームの活用を促すための手引きを作成しました。

このような「日本型食生活」の普及と食と農林水産業の理解増進の取組を、効率的・効果的な食育活動となるように、一体的に推進していきます。

また、地域に根ざした食育活動の担い手が地域で食文化の保護・継承に向けた食育活動を推進する際の手引きとして、効果的な食育活動を類型化した「地域の伝統的な食文化の保護・継承のための手引き」を作成するとともに、学校給食については、地域の農産物の使用を通じて地域の自然や文化、産業等に関する理解を深めることに留意しつつ、米飯給食の推進など関係省庁と連携した施策を推進していきます。


*3 農林水産省調べ

事例:食育ボランティアによる食育活動の取組

滋賀県栗東市
中井あけみさん(中央奥)(みそづくり体験の様子)
中井あけみさん(中央奥)
(みそづくり体験の様子)

滋賀県栗東市(りっとうし)の中井(なかい)あけみさんは、約18年前、「食べることは楽しい、作ることはもっと楽しい!」という思いを伝えるため、農業体験や料理体験の取組を始めました。

農業体験では、田植・草取り・稲刈りと米づくりの一連の作業を体験するイベントを開催し、平成21(2009)年からは、ニゴロブナを放流し、田植に参加した子供たちに農薬を使っていない田んぼであることを見せるなど環境学習にも取り組んでいます。

また、郷土食・伝統食の普及にも力を入れており、田植や稲刈りイベントで実施している野菜バイキングでは必ず郷土料理を取り入れるとともに、料理教室では、みそ・豆腐づくり、そば打ちのほか、滋賀県の伝統食である鮒寿司づくりを実施しています。毎年、大晦日にそば打ちの集いを開催し、平成26(2014)年は140人の参加がありました。

現在、「滋賀の食事文化研究会」に所属して地域の伝統料理を学んでおり、今後は、地域の伝統食である薬師ごぼう、エビマメ、鮒寿司、いとこ煮(かぼちゃと小豆の煮もの)等を伝えるための取組を行っていく考えです。

 

コラム:塩分を抑えカルシウムも補える「乳和食」

かぼちゃのミルクそぼろ煮資料:一般社団法人Jミルク
かぼちゃのミルクそぼろ煮
資料:一般社団法人Jミルク

近年、健康志向の高まりを受け、事業者等による減塩メニュー開発等の取組が進められており、その一つとして、牛乳を和食に用いた減塩メニュー「乳和食」が推進されています。

「乳和食」は、みそやしょうゆ等の伝統的調味料に、「コク味」や「旨味」を有している牛乳(成分無調整牛乳)を組み合わせることで、利用されている食材本来の風味や特徴を損なわずに食塩やだしを減らし、おいしく和食を食べることができる調理法で、食塩過剰摂取の防止に加え、カルシウム不足の改善や、特に高齢者で不足しがちな動物性たんぱく質を補うことができます。

 

(「和食」の保護・継承の取組)

平成25(2013)年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」(*1)がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを契機として、「和食」の次世代への継承に向けた国民的な機運を醸成し、和食志向を維持・増大させていくことが重要となっています。

このような中、ユネスコ無形文化遺産への登録に際して、「和食」の保護・継承に責任を持つ組織と位置付けられ、日本の食を支える食品メーカー、流通・小売業、観光業等の企業、地域の郷土料理保存会や食育団体、NPO(*2)、料理学校、学会・研究者等の食に関わる団体・個人等を会員とする「「和食」文化の保護・継承国民会議」において、和食文化を次世代へ継承し、その価値を国民全体で共有する活動が行われています。

同会議は、農林水産省が主催する「和食」の保護・継承に向けたイベントやシンポジウム等に協力してきたほか、会員と連携し「和食」に関する情報発信にも取り組んでいます。また、同会議の会員である特定非営利活動法人日本料理アカデミーが食育事業や講演等を実施したほか、会員企業等が和食の啓発活動や和食メニューの情報発信等を行うなど、会員個々の活動も活発に行われています。

なお、同会議は、将来に亘って安定的かつ継続的に「和食」の保護・継承活動を展開していくため、平成27(2015)年2月、「一般社団法人和食文化国民会議」を設立し、新たに会員を拡大して、同年4月以降、本格的に活動を展開しています。今後、同会議には「和食」を次世代に継承する全国の活動のけん引役となることが期待されます。

また、平成26(2014)年3月、和食の料理人による「和食給食応援団」が結成され、地元産の農産物等を使用した和食給食の献立の開発や和食の調理指導等を行うとともに、児童と一緒に給食を食べながら和食についての話や大切さの説明等を行っています。

このような和食文化の保護・継承の取組が全国各地で進められています。


*1、2 [用語の解説]を参照

事例:「和食給食応援団」の取組

食育授業の様子
食育授業の様子

和食の料理人20人による青少年等への和食継承活動を行う「和食給食応援団」が、栄養教諭・学校栄養職員等と連携した和食献立の開発、青少年等に対する情報発信等、学校給食における和食文化継承のための取組を全国の小中学校25校で実施しました。

青森県八戸市(はちのへし)の市立種差小学校では、「和食のすばらしさ」をテーマに、全学年30人の児童を対象とした調理実習形式による食育授業を実施し、料理人が児童たちの目の前で調理することで調理工程や調理技術を説明しました。

また、料理人が市給食関係者と協力して考案した和食献立の給食を調理し、児童と共に実食しました。

児童たちは調理の様子を興味深く見学し、和食給食を残さず食べるなど、食に対する理解・意識が向上しました。

 


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