このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

1 若手農業者がいる販売農家の経営構造分析


平成27(2015)年における農業経営体(*1)137万7,266経営体のうち、販売農家(*2)は96.5%に相当する132万9,591戸と大宗を占めています。以下では、2015年農林業センサス等を用い、若手農業者の有無別の経営構造を販売農家について分析を行い、明らかにしていきます。

*1 用語の解説1、2(1)を参照

*2 用語の解説1、2(2)を参照

(1)若手農業者の現状

販売農家の世帯員である基幹的農業従事者(*1)175万4千人のうち49歳以下は17万7千人と10.1%を、販売農家と法人経営体(*2)における常雇い(*3)20万4千人のうち44歳以下は8万7千人と42.8%をそれぞれ占めています(図表1、図表2)。

図表1 年齢別の基幹的農業従事者数(平成27(2015)年)

データ(エクセル:61KB / CSV:1KB

図表2 年齢別の常雇い人数(平成27(2015)年)

データ(エクセル:61KB / CSV:1KB

*1 用語の解説1、2(4)を参照

*2 法人の組織経営体のうち販売目的のものであり、一戸一法人は含まない。

*3 用語の解説1、2(4)を参照

(2)若手農業者がいる販売農家の分析

全体で見ると、49歳以下の基幹的農業従事者がいる販売農家(以下「若手農家」という。)は、いない販売農家(以下「非若手農家」という。)に比べ戸数は大幅に少なくなっています。若手農家では、この10年間で個々の経営の規模拡大が進む中、常雇いが拡大するとともに、投資を通じて労働生産性と農業所得の向上を実現している姿が確認できました。以上が本項における分析結果の概略となります。

ア 若手農家と非若手農家の経営構造の比較

(若手農家は大規模経営による面積シェアが高い)

若手農家は、非若手農家に比べて、準単一・複合経営(*1)の割合が高く、単一経営(*2)では露地野菜、施設野菜等の割合が高くなっています(図表3)。このような違いは、非若手農家の稲作において、規模の小さい農家が多数存在していること等に起因しています。

農産物販売金額規模別に見ると、非若手農家では300万円未満が82.8%を占める一方で、若手農家では1,000万円以上が45.2%を占めています(図表4)。

経営耕地を有する販売農家で見ると、若手農家の戸数は非若手農家の1割程度にすぎませんが、若手農家の経営耕地面積は非若手農家の6割程度の規模となっています(図表5)。経営耕地面積規模別に見ると、若手農家においては10ha以上の経営体が全体の73.1%の面積シェアを占めています。

図表3 営農類型別の戸数割合(平成27(2015)年)
図表4 農産物販売金額規模別の戸数割合(平成27(2015)年)
図表5 経営耕地面積規模別の戸数割合と規模別農家による面積シェア(平成27(2015)年)

*1 「準単一複合経営」と「複合経営」の合計(「準単一複合経営経営体」「複合経営経営体」については用語の解説2(1)を参照)

*2 「単一経営経営体」については、用語の解説2(1)を参照

イ 若手農家における経営規模の拡大の進展

(若手農家の経営規模の拡大は、稲作をはじめ各部門で進展)

図表6 稲作単一経営の1戸当たり経営規模

土地利用型部門の代表である稲作単一経営について、直近10年間における若手農家と非若手農家の1戸当たり経営規模の動向を見ると、非若手農家はほぼ横ばいであるのに対し、若手農家は経営規模が1.5倍に拡大しています(図表6)。

平成22(2010)年から平成27(2015)年までの5年間における各規模階層に属する農家の動きを見ると、非若手農家では66.5%が同一階層にとどまる一方、上位階層に移ったものは14.5%でしたが、若手農家では30.7%が上位階層に移っており、規模拡大がより進展しています(図表7)。

図表7 直近5年間における稲作単一経営の規模の動向(平成22(2010)年から平成27(2015)年にかけての規模階層間移動)
図表8 稲作単一経営以外の若手農家の経営規模(平成17(2005)年を100とする指数)

データ(エクセル:60KB / CSV:1KB

また、若手農家では、稲作単一経営以外の部門においても、この10年間で規模拡大が進展しています(図表8)。

ウ 若手農家における雇用労働力の広がり

(常雇いを雇い入れた若手農家の割合は、直近10年間で5.3%から12.6%へ上昇)

図表9 雇用者を雇い入れた農家の割合

規模拡大に必要な労働力を確保したり、親世代のリタイア等により減少した労働力を補完するため、若手農家においては常雇いが広がっており、直近10年間で常雇いを雇い入れた農家数は1万2千戸から1万8千戸に増加しています。この結果、常雇いを雇い入れた農家の割合は非若手農家を大きく上回るペースで上昇しました(図表9)。

若手農家1戸当たり農業従事日数を見ると、常雇いが一貫して増加しています(図表10)。また、一貫して規模拡大が進んできた中で、農業従事日数はさほど大きな伸びを示していません。

図表10 若手農家の1戸当たり農業従事日数

エ 若手農家における投資とその効果

(若手農家は、投資により、労働生産性と農業所得の向上を実現)

水田作における若手農家(*1)の経営では、非若手農家の経営に比べ、10a当たり労働時間が短く、農業固定資産装備率が高いことから、労働時間の短縮を図るための投資が進んでいることが分かります(図表11)。このことが、規模拡大や高い農業所得につながっていると考えられます。

同様に酪農における若手農家の経営でも、非若手農家の経営に比べ、搾乳牛1頭当たり労働時間が短く、農業固定資産装備率が高くなっており、このことが、規模拡大や高い農業所得につながっていると考えられます。

このように、若手農家においては、投資を行うことで労働生産性の向上を図り、規模拡大を通じて農業所得の向上が図られていると考えられます。

図表11 主な営農類型別の若手農家の経営状況(平成25(2013)年から27(2015)年までの3か年平均)

*1 ここでいう「若手農家」は49歳以下の農業専従者がいる経営体、「非若手農家」はいない経営体。「農業専従者」については、用語の解説2(4)を参照



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室

代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883
FAX番号:03-6744-1526