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農林水産省

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4 若手農業者の雇用に関する動向等


(1)若手新規就農者の動向

(若手新規就農者数は3年連続で2万人を超過)

平成28(2016)年の新規就農者数は6万150人となり、うち49歳以下の若手新規就農者は2万2,050人と36.7%を占めています(図表22)。

「2023年に40代以下の農業従事者を40万人に拡大」する目標(*1)が掲げられる中、49歳以下の新規就農者数は3年連続で2万人を超えており、近年、新規雇用就農者(*2)が増加傾向となっています。

営農類型別に見ると、新規自営農業就農者(*3)は稲作が多く、新規雇用就農者は畜産が多くなっています。

また、平成28(2016)年における若手新規雇用就農者の雇用直前の就業状態を見ると、「農業以外に勤務」が61.3%と最も高く、次いで「学生」が22.4%を占めています。

図表22 49歳以下の新規就農者

*1 「農林水産業・地域の活力創造プラン」(平成28(2016)年11月改訂)

*2、3 用語の解説2(5)を参照

事例:農協が出資している農業法人が就農を支援(長野県)

長野県上田市
信州うえだファームで研修した後に就農した宇田川(うだがわ)さん夫妻

信州うえだファームで研修した
後に就農した宇田川(うだがわ)さん夫妻

農業協同組合が出資している農業法人である長野県上田市(うえだし)の有限会社信州(しんしゅう)うえだファームでは、平成21(2009)年度から、独立就農を目指す就農希望者を雇用し、栽培技術等の研修を行う新規就農者育成事業を実施しています。

同社に雇用された就農希望者には、給与支給により研修に専念できる環境が与えられるとともに、果樹や野菜等の就農を目指す作目の研修ほ場が各人に設定されます。2年間の研修を終えた就農希望者は、研修ほ場を受け継ぐ形で独立就農を行い、平成28(2016)年度までに研修を終えた20人が果樹や施設野菜の新規就農者となりました。このうち13人は長野県外の出身者であり、同事業は減少が続いてきた担い手の確保にも貢献しています。

近年、醸造用ぶどうの栽培を目指す就農相談が多く寄せられるようになったことから、同社では同事業にワインコースを新設し、醸造用のぶどうを植栽した研修ほ場の整備も進めています。

(2)44歳以下の常雇いの分析

(法人経営体の44歳以下の常雇いは雇用先人数規模10人以上の経営体に68.7%が集中)

44歳以下の常雇い人数は、平成27(2015)年において、法人経営体が4万8,803人、販売農家が3万8,376人となっています。

一方、これら44歳以下の常雇いを雇い入れた経営体の割合を見ると、法人経営体で46.5%、販売農家で1.5%となっています(図表23)。農産物販売金額規模別に見ると、法人経営体では3,000万円を境に50%を超え、販売農家では3,000万円を境に1割未満から2割台へと大きく伸びています。

図表23 農産物販売金額規模別の法人経営体と販売農家における44歳以下の常雇いを雇い入れた経営体の割合(平成27(2015)年)

44歳以下の常雇い人数の営農類型別割合を見ると、法人経営体では養鶏、施設野菜、養豚が、販売農家では施設野菜、露地野菜、花き・花木が、それぞれ高くなっています(図表24)。

また、これら人数の農産物販売金額規模別割合を見ると、法人経営体では農産物販売金額1億円以上の経営体が6割となっています。

さらに、これら人数の雇用先人数規模別割合を見ると、法人経営体では50人以上の経営体が24.0%、10人以上の経営体が68.7%となっています。一方、販売農家では、4人以下の経営体が63.4%となっています。

図表24 営農類型別、農産物販売金額規模別、雇用先人数規模別の法人経営体と販売農家の44歳以下常雇い人数の割合(平成27(2015)年)

(3)法人雇用者の満足度や将来に対する考え(法人雇用者:79人)
ア 就職情報の入手経路

(非農家出身者は、求人サイトや求人誌、行政相談窓口の活用割合が高い)

法人雇用者に就職情報の入手経路を尋ねたところ、「人からの紹介」が35.4%と最も高く、次いで「ハローワーク」が15.2%、「学校」が13.9%となりました(図表25)。

これを出身別に見ると、非農家出身者は、これら以外に「求人サイトや求人誌」や「行政相談窓口」も高くなっています。

図表25 就職情報の入手経路

イ 現勤務先の満足度

(「満足の者」は「給与」以外の項目で「不満の者」を上回る)

現勤務先の満足度を尋ねたところ、「やりがい・楽しさ」、「労働保険・社会保険」、「人間関係」の項目で「満足の者(*1)」は6割以上となりました(図表26)。「給与」については「不満の者(*2)」が「満足の者」を上回りました。

図表26 現勤務先の満足度

*1 「満足」と「やや満足」を選択した者の合計

*2 「不満」と「やや不満」を選択した者の合計

ウ 将来の進路と身に付けたい技能

(現勤務先への残留意向が39.2%、独立就農意向が30.4%)

将来の進路を尋ねたところ、「現勤務先にとどまる(*1)」が39.2%と最も高く、次いで「独立して就農」が30.4%、「実家に戻り農業を継ぐ」が7.6%となりました(図表27)。

将来に向けて身に付けたい技能を複数回答で尋ねたところ、「栽培・飼養技術」が70.9%と最も高く、次いで「経営分析能力」が68.4%となりました(図表28)。これを将来意向別に見ると、「経営への関与意向がある者(*2)」は「経営への関与意向がない者(*3)」に比べ、「経営分析能力」と「財務管理能力」を挙げる割合が高くなっています。

図表27 将来の進路
図表28 身に付けたい技能(複数回答)

*1 「現勤務先で経営主や役員になる」、「現勤務先で従業員として昇進する」、「現勤務先で現在の地位のまま」を選択した者の合計

*2 「現勤務先で経営主や役員になる」、「独立して就農」、「実家に戻り農業を継ぐ」を選択した者の合計

*3 「現勤務先で従業員として昇進」、「現勤務先で現在の地位のまま」、「他の農業法人等へ転職」を選択した者の合計

事例:農業法人が従業員の技能向上を通じて、昇給を実現(岐阜県)

岐阜県高山市
トマトの生産状況を確認する橋場康夫さんと従業員

トマトの生産状況を確認する
橋場康夫さんと従業員

岐阜県高山市(たかやまし)でトマトと菌床椎茸(しいたけ)の栽培を行っていた橋場康夫(はしばやすお)さんは、平成12(2000)年に(有)橋場農園(はしばのうえん)を設立して代表に就任し、現在は、パート等を含む従業員40人を雇用し、トマト、椎茸の生産、トマト加工品、干し椎茸の製造等を行っています。

橋場代表は、各従業員に担当部門を割り当てるとともに、外部研修の受講等を推奨することで、一人ひとりが考え技能向上できる就業環境づくりに努めています。

このような就業環境づくりは、収量や作業効率の向上等を通じて会社の収益を高めることにつながっており、増加した収益は各従業員の業務成績や技能等に応じて昇給や賞与という形で還元されています。

また、これを通じてリーダー級の人材が育った場合、経営の拡大が可能となり更なる収益の向上にもつなげられます。

橋場代表は、会社の成績が給与等に反映されるとの認識が社内に広がり、会社の収益向上を意識して従業員が一丸となって働けるようになったと考えています。



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