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農林水産省

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(2)平成30年度発生災害の農林水産関係の被害状況


(大きな被害をもたらした平成30年7月豪雨)

梅雨前線や平成30(2018)年6月29日に発生した台風第7号の影響により、日本付近に暖かく非常に湿った空気が供給され続け、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となりました。6月28日から7月8日までの総降水量が四国地方で1,800mm、東海地方で1,200mmを超えるところがあるなど、場所によっては7月の平年降水量の2倍から4倍となる大雨となりました。気象庁は、過去に例のない広域での豪雨への警戒を呼び掛けるために、大雨が発生する前からホームページや記者会見等でこまめに情報提供を行ったほか、岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、広島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県の11府県に特別警報を発表し、最大限の警戒を呼び掛けました。

しかしながら、大雨による河川の氾濫、浸水害、土砂災害等が発生し、平成30(2018)年度末時点で死者237人、行方不明者8人となり(*1)、豪雨災害としては昭和57年7月豪雨と台風第10号以来、最大の死者数となりました。また、全国各地で断水やライフライン、交通インフラ等に甚大な被害をもたらしました。

主な農林水産関係被害としては、愛媛県宇和島市(うわじまし)を中心に大規模な樹園地の崩落、収穫物運搬に用いる農業用モノレール等の損傷、道路の寸断が発生したほか、これらを免れた樹園地においてもパイプライン等の農業用施設の破損により農業用水が確保できない事態が生じました。

また、岡山県、広島県等において、水稲、麦、大豆等について、冠水や土砂の流入といった被害が発生し、農林水産省は各地域の被害状況に応じた迅速かつ適切な対応を図るため、冠水被害を受けたほ場の防除対策、集出荷施設等が被災した場合の対応等を内容とする通知を7月11日に発出しました。

さらに、広島県を中心に複数のため池が決壊し、下流に大きな被害をもたらしたほか、豪雨が収まった後も変状が見つかったため池において、下流の住民に避難指示の発令が相次ぐなどしました。広島県東広島市(ひがしひろしまし)を中心として山地災害も発生し、それに伴う林地荒廃や林業関連施設への被害等も甚大なものとなりました。

中国地方、四国地方を始めとする全国40道府県の農林水産関係被害額は3,307億円となり、このうち農業関係の被害額は、農作物等が295億円、農地・農業用施設関係が1,405億円となりました。

樹園地の崩壊とパイプライン、農業用モノレール、小屋の損壊(愛媛県宇和島市(うわじまし))

樹園地の崩壊とパイプライン、農業
用モノレール、小屋の損壊
(愛媛県宇和島市(うわじまし))

土砂が流入した水田(広島県東広島市(ひがしひろしまし))

土砂が流入した水田
(広島県東広島市(ひがしひろしまし))

冠水した水田(岡山県倉敷市(くらしきし))

冠水した水田
(岡山県倉敷市(くらしきし))

*1 消防庁調べ

(四国から北海道にかけて被害をもたらした台風第21号)

図表 特1-4 台風第21号の経路

台風第21号は、平成30(2018)年8月28日に南鳥島(みなみとりしま)近海で発生し、日本の南を北西に進み、9月4日に強い勢力で徳島県南部、兵庫県神戸市(こうべし)付近に上陸した後、速度を上げながら近畿地方を縦断、日本海を北上しました(図表 特1-4)。

主な農業関係被害としては、四国から北海道にかけて広い範囲で猛烈な風や高潮によって、農作物の塩害や農業用ハウスの損壊、果樹の落果・枝折れ等の被害が発生し、被害額は359億円となりました。

強風で枝が折れた柿(和歌山県橋本市)

強風で枝が折れた柿
(和歌山県橋本市(はしもとし))

強風によるハウスの損壊(大阪府岸和田市)

強風によるハウスの損壊
(大阪府岸和田市(きしわだし))

強風で支柱ごと倒木したりんご(長野県須坂市)

強風で支柱ごと倒木したりんご
(長野県須坂市(すざかし))

(沖縄から東北地方にかけて被害をもたらした台風第24号)

図表 特1-5 台風第24号の経路

台風第24号は、平成30(2018)年9月21日にマリアナ諸島近海で発生し、沖縄県の南を北西に進み、9月28日から30日の明け方にかけて、強い勢力で沖縄地方に接近した後、9月30日和歌山県田辺市(たなべし)付近に上陸し、東日本から北日本を縦断しました(図表 特1-5)。

主な農業関係被害としては、沖縄から東北地方にかけて広い範囲で猛烈な風や高潮によって、農作物の塩害や農業用ハウスの損壊、果樹の落果・枝折れ等の被害が発生し、被害額は424億円となりました。

強風で倒伏した秋冬ねぎ(千葉県横芝光町)

強風で倒伏した秋冬ねぎ
(千葉県横芝光町(よこしばひかりまち))

潮風害によるレタスの流出(静岡県島田市)

潮風害によるレタスの流出
(静岡県島田市(しまだし))

(熊本地震以来の震度7を観測した北海道胆振東部地震)

平成30(2018)年9月6日未明、北海道胆振(いぶり)地方中東部を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生し、平成30(2018)年度末時点で震度7が1回、震度6弱が1回、震度5弱が2回、震度4が21回、震度3以下の地震が320回発生しました(*1)。

震度7を観測した地震は熊本地震以来であり、土砂崩れの面積は明治以降最大の13.4km2(速報値)(*2)となり、この地震による北海道内での死者は42人に達しました(*3)(図表 特1-6)。また、家屋の損壊やライフライン、交通インフラ等に甚大な被害をもたらし、北海道電力創設以来初となる道内全域での停電が起こり、市民生活や農業を含む産業活動に大きな影響が出ました。

主な農林水産関係被害としては、林地の大規模崩壊や林道の損傷のほか、農地・農業用施設への土砂堆積や損壊、鳥獣防護柵の損壊等の被害も発生しました。また、北海道全域における停電により様々な2次被害も発生し、自家発電装置がない農場では搾乳や生乳の冷却ができず、乳房炎等の病気や生乳の廃棄等の被害が出ました。さらに、道内に39か所ある乳業工場のうち、自家発電設備がある2つの工場を除く全ての乳業工場が稼働を停止し、生乳の受入れができませんでした。これらによる被害額は24億円となりました。

このため、農林水産省は、乳業団体に対し、非常用電源設備の導入等、非常時の対応強化に積極的に取り組むよう要請しました。

農林水産関係被害額は1,145億円となり、このうち農業関係では、農作物等が85億円、農地・農業用施設関係が580億円となりました。

図表 特1-6 平成における震度7以上の震災(平成30(2018)年度末時点)
山腹崩壊による農地への被害(北海道厚真町)

山腹崩壊による農地への被害
(北海道厚真町(あつまちょう))

乳房炎被害の状況(北海道)

乳房炎被害の状況
(北海道)

共同利用施設入口の破損(北海道厚真町)

共同利用施設入口の破損
(北海道厚真町(あつまちょう))

*1 気象庁調べ

*2 国土交通省調べ

*3 消防庁調べ



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