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農林水産省

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(6)防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策等


近年の豪雨、高潮、暴風・波浪、地震、豪雪等、気象の急激な変化や自然災害の頻発化・激甚化に対し、国民の生命・財産を守る防災・減災、国土強靱(きょうじん)化は、一層重要性が増しており、喫緊の課題となっています。

また、平成30年7月豪雨、台風第21号、北海道胆振東部(いぶりとうぶ)地震、台風第24号を始めとする近年の自然災害により、ため池の決壊やブラックアウトの発生等、国民の生活や経済活動に大きな影響を及ぼす事態が発生しています。これらの教訓を踏まえ、重要インフラが自然災害時にその機能を維持できるよう、平時から万全の備えを行うことが重要です。このため、「重要インフラの緊急点検の結果及び対応方策」(*1)のほか、ため池等に関する既往点検の結果等を踏まえ、防災のための重要インフラ等の機能維持、国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持の観点から、特に緊急に実施すべきハード・ソフト対策について、3年間で集中的に実施することとし、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」が平成30(2018)年12月14日に閣議決定されました。

農林水産省においては、農業水利施設、ため池、治山(治山施設、海岸防災林)、流木対策、森林、漁港、海岸保全施設等(水門・陸閘(りっこう)等、情報基盤、海岸堤防(高潮対策、耐震化))、卸売市場、畜産関係施設等(乳業施設、貯乳施設、酪農家、食肉処理施設)、農業用ハウスを緊急対策の対象施設としています。

*1 平成30(2018)年11月27日「重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議」報告

(ため池の緊急対策)

農林水産省は、平成30年7月豪雨により防災重点ため池でない小規模なため池が決壊し、甚大な被害が発生したことを受け、平成30(2018)年7月15日に「平成30年7月豪雨を踏まえたため池対策検討チーム」を設置し、防災重点ため池の考え方の見直しや今後のため池対策の検討を行いました。また、これと並行して、その後の豪雨や台風に備えて、決壊した場合に下流の家屋や公共施設等に被害を与える可能性のある全国88,133か所のため池において、8月末までに点検を行った結果、1,540か所のため池で応急措置が必要と判断され、貯水位の低下等の応急措置を講じました。

これらを踏まえ、農地等の被害を防止するとともに、非常時にも機能や安全性を確保するために必要な約1,000か所のため池の改修等の緊急対策を実施します。

(牛乳・乳製品の安定供給上重要な酪農家、乳業施設等に関する緊急対策)

農林水産省が酪農家、乳業施設、貯乳施設を対象に緊急点検を行った結果、停電時の対応計画を作成していない施設等の存在が判明しました。このため、全国10の各ブロックにおいて、指定生乳生産者団体、乳業者等が地域の関係者と連携し、都道府県の区域を越えて広域流通する生乳の実態を踏まえた、停電時の対応計画(*1)を作成すること等により、停電時における生乳の生産・流通を確保する体制を整備することとなりました。

*1 ブロックごとの集送乳の継続体制の整備や、地域の生乳流通継続のために基幹となる酪農・乳業関連施設等における非常用電源の確保等、停電時においても生乳の生産・流通を継続するための計画

(農業用ハウスの災害対策の取組)

農林水産省は、平成30(2018)年の豪雨、台風、大雪被害等の多発と被害拡大を踏まえ、十分な耐候性のない可能性のある農業用ハウスの緊急点検を行った結果、老朽化等により対策が必要な農業用ハウスが約9,000haあることが判明したため、都道府県が被害防止計画を策定した上で、市町村等が農業用ハウスの補強や保守管理の強化等の対策を実施することとなりました。

また、近年多発する豪雨や台風等の自然災害により農業用ハウスに大きな被害が発生しています。このような災害への備えとして、耐候性ハウス等の導入への支援等を行いました。さらに、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」に基づく農業用ハウスの補強等への支援を行うこととしました。農業用ハウス損壊の被害を抑えることができれば、営農再開も早期にできる可能性があります。

ため池改修等の緊急対策を実施

ため池改修等の緊急対策を実施

農業用ハウスの補強材を支援

農業用ハウスの補強材を支援

耐候性ハウスの導入

耐候性ハウスの導入

(農業者自身等が行うべき自然災害への備え)

図表 特1-15 被害防止に向けた技術指導等の例

農林水産省では、台風、大雪、地震等により園芸施設の倒壊等の被害が多発している状況に鑑み、毎年、台風前の6月と降雪前の11月を「災害に強い施設園芸づくり月間」として、台風や積雪による被害の防止に向けた技術指導の徹底、災害への備えとしての園芸施設共済・収入保険(*1)への加入促進を重点的に行うなど、農業者自身等が災害への備えを行うよう積極的に取り組んでいます。なお、台風接近等を踏まえ農業用ハウスの被覆資材を事前に除去・切断する場合は、共済組合等が了解したものについて補償対象となっており、このような内容の周知も図っています(図表 特1-15、図表 特1-16)。

図表 特1-16 園芸施設共済・収入保険への加入促進

静岡県では、平成23(2011)年に発生した台風第15号により、農業用ハウスが甚大な被害を受けたことから、平成24(2012)年度に施設園芸における台風・強風対策マニュアルの作成をするとともに、平成24(2012)年度から平成26(2014)年度に県内各地区8か所に補強展示ほを設置し、自然災害に強い施設園芸の確立と普及を図ってきました。御前崎市(おまえざきし)では、平成30(2018)年台風第24号において、最大瞬間風速46.8m/sを記録し、強風により農業用ハウスの倒壊、破損等の被害が発生しましたが、補強展示ほの農業用ハウスは、一部でビニール等破損があったものの、大きな被害には至らず、改めて農業者自身等で行う災害への備えの重要性が示されました。

モデル展示ほにおけるハウス補強のイメージ図

モデル展示ほにおけるハウス補強のイメージ図

ハウスのアーチ部分にタイバー補強

ハウスのアーチ部分にタイバー補強

ハウスの側面に鋼管設置

ハウスの側面に鋼管設置

補強展示ほ(奥)と補強されておらず倒壊したハウス(手前)

補強展示ほ(奥)と補強されておらず
倒壊したハウス(手前)

*1 第2章第2節(6)を参照

(家庭で行う自然災害への備え)

平成30(2018)年度に多発した自然災害により、日頃から備えることの重要性が改めて明らかとなりました。

内閣府が実施した「防災に関する世論調査」(平成29(2017)年11月調査)における「大地震が起こった場合に備えて、どのような対策をとっているか」との設問に対し、45.7%が「食料や飲料水、日用品などを準備している」と回答している一方で、10.4%が「特に何もしていない」と回答しています(図表 特1-17)。

図表 特1-17 大地震に備えている対策 上位5項目等(複数回答)

また、厚生労働省が実施した「国民健康・栄養調査報告」(平成23(2011)年11月調査)によれば、災害時に備えて非常用食料を用意している世帯の割合(地域ブロック別)は、最も割合の高い東海地域で65.9%となっている一方で、最も低い九州地域では24.6%となっており、地域間で災害への備えに対する意識の違いが見られます(図表 特1-18)。日頃から食料や飲料水等を備蓄して国民一人一人が今後起こり得る大災害に備えることが重要です。

図表 特1-18 災害時に備えて非常用食料を用意している世帯の割合(地域ブロック別)


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