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農林水産省

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(2)農福連携の現状


(障害者による農業の取組が進展)

特定非営利活動法人日本セルプセンターが平成26(2014)年3月に公表した調査では、就労継続支援事業所等の33.5%が農業に取り組んでいます(図表 特3-2)。取組を始めた時期を見ると、この10年間で開始した事業所が多く、農業に取り組む就労継続支援事業所等は増加しています。

また、障害者の雇用に特別の配慮をし、雇用されている労働者を親会社における障害者の雇用率に算定することができる特例子会社は、平成29(2017)年6月1日時点で464社設立されており、少なくとも40社が農業活動を行っていることが確認されています(*1)。近年では、企業の社会的責任(CSR)の一環として、農業分野での障害者雇用に取り組む例も増えています(*2)。

このような中で、ハローワークを通じた障害者の農林漁業分野への年間就職件数は、平成20(2008)年度から平成25(2013)年度までの5年間で4倍程度になり、その後、3千件弱の水準で推移しています。

図表 特3-2 就労継続支援事業所等の農業分野への進出割合

*1 平成30(2018)年6月に農林水産政策研究所が企業のホームページ等から集計

*2 平成30(2018)年6月に農林水産政策研究所が企業のホームページ等から集計した結果、CSR活動の一環として企業出資で開設され、農業分野に進出している就労継続支援A型事業所を全国で17施設確認

(障害者の工賃、賃金の向上を達成することも可能)

就労継続支援事業所の平均工賃・賃金を見ると、障害者の工賃や賃金は上昇してはいるものの、依然として低い水準にとどまっており、その引上げが、障害者の生活の質を上げていく上で大きな課題となっています(図表 特3-3)。

このような中、就労継続支援事業所が農業を行ったり、農業経営者から農作業を請け負って施設外就労を行ったりすることで、工賃や賃金が向上した事例も見られます。就労継続支援事業所等や農業経営者、民間企業等の関係者のほか、消費者も含む様々な主体が農業を通じた障害者の社会進出と工賃・賃金の向上に寄与していくことが期待されます。

図表 特3-3 就労継続支援事業所の利用者の平均工賃・賃金(平成29(2017)年度)

コラム:農福連携による障害者・農業者への良い影響

農作業や園芸活動には、心身の健康への良い影響が期待されています(*)。また、野菜や花等の生産物を介したコミュニケーションにより人間関係を円滑にする良い影響も期待されます。

障害者に関しても、平成25(2013)年度に特定非営利活動法人日本セルプセンターが就労継続支援事業所等を対象に行ったアンケートによると、農業活動に取り組んだ結果、45.0%が身体の状況が、57.3%が精神の状況が「よくなった・改善した」と回答しています。

また、平成26(2014)年度に同センターが農業者等を対象に行ったアンケートによると、農作業を就労継続支援事業所等に委託した影響として、「障害者への理解が深まった」(57.1%)、「労働力に余裕ができ新たな作業が可能になった」(47.1%)等が上位に挙げられており、農業者等の障害者に対する意識面の変化につながることや、担い手不足への対応に良い影響を与えていることがうかがえます。

このように、農福連携により障害者が農作業に携わることは、障害者・農業者双方にとって良い影響や変化を及ぼすことが期待されます。

* 例えば、65歳から74歳の5,210人の健康診断データを農業従事者(趣味農業従事者を含む)と非従事者に分けて比較した結果では、農業従事者は非従事者に比べて、高血圧者や糖尿病患者等の比率が低いなどの既往研究がある(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所「農作業と健康についてのエビデンス把握手法等調査報告書」平成25(2013)年3月)

(農作業による障害者への影響)
(就労継続支援事業所等への農作業委託による農業者等への影響(複数回答))


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