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農林水産省

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第4節 食料消費の動向と食育の推進


人口減少、高齢化により国内市場が量的に縮小傾向で推移する中で、消費者ニーズは多様化、個別化し、消費総量の減少と食の外部化(*1)が一層進展していくことが見込まれています。また、国産農林水産物の消費拡大や和食文化の保護・継承に向けた様々な活動が展開されています。

*1 用語の解説3(1)を参照

(1)食料消費の動向

(単身世帯の1人当たり1か月間の食料消費支出は、減少傾向)

世帯別に1人当たり1か月間の食料消費支出を見ると、二人以上の世帯は横ばいで推移しており、平成30(2018)年は、2万3,893円となりました(図表1-4-1)。10年前に比べて、家庭で調理する必要のある生鮮食品の支出が減少し、調理食品の支出が増加しています。

一方、単身世帯の食料消費支出は、調理食品や外食の支出額が多いことから二人以上の世帯に比べて高く、平成30(2018)年は、3万8,524円となっています。

食料消費支出の内訳を見ると、単身世帯では、10年前に比べて外食の支出が減少しています。これは、60歳を契機に外食の支出が極端に減少する傾向があり、世帯主が60歳以上の単身世帯の割合が10年前に比べて増加していることも一つの要因と考えられます(図表1-4-2)。

図表1-4-1 世帯別品目別食料消費支出(1人当たり1か月間)

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図表1-4-2 単身世帯のうち世帯主が60歳以上の単身世帯割合

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(二人以上の世帯は、世帯主の年齢が高いほど食料消費支出が多い傾向)

二人以上の世帯を世帯主の年齢別に見ると、世帯主の年齢が高いほど、1人当たり1か月間の食料消費支出が多く、平成30(2018)年は、29歳以下の世帯1万5,993円、70歳以上の世帯は2万7,998円となっています(図表1-4-3)。単身世帯では、世帯主の年齢が低いほど、外食の占める割合が高くなっています。

また、10年前に比べると、いずれの階層においても生鮮食品は減少し、調理食品が増加しています。

中食(*1)と外食に関するアンケート調査(*2)によると、中食が増えた理由として「料理や後片付けの手間が省ける」や「家庭で作ることが難しい又は面倒な料理を味わえる」等簡便性や料理の内容を重視する回答となっています。簡便なだけではなく、味、メニュー等の面でも多種多様な調理食品が増加してきていることがうかがえます。

図表1-4-3 世帯主の年齢別に見た品目別食料消費支出(1人当たり1か月間)

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*1 用語の解説3(1)を参照

*2 株式会社日本政策金融公庫「中食と外食に関する消費者動向調査」(平成30(2018)年7月調査)。全国の20歳代から70歳代の男女2千人を対象としたインターネットによるアンケート調査。中食が増えた理由の回答結果(2つまで)は、「料理や後片付けの手間が省けるから」男性66.5%、女性66.9%、「家庭で作ることが難しい又は面倒な料理を味わえるから」男性31.5%、女性29.4%

(生鮮食品の中では、生鮮肉と生鮮野菜が食料消費支出に占める割合が高い)

世帯主の年齢別に生鮮食品の支出の内訳を見ると、いずれの階層においても生鮮肉と生鮮野菜の占める割合が高くなっています(図表1-4-4)。

他方、生鮮魚介は、食の簡便化が進む中で、調理が難しいことや買置きができないこと等から、いずれの階層においても消費が減少しています。

図表1-4-4 世帯主の年齢別に見た生鮮食品の食料消費支出(1人当たり1か月間)

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(世帯主が60歳以上の階層は、主要食品の購入単価が高い傾向)

世帯主の年齢別に主要食品の購入単価を見ると、世帯主の年齢が高いほど、平均の購入単価よりも高い単価で購入しています(図表1-4-5)。

特に、生鮮肉のうち牛肉の購入単価は、最も単価の高い70歳以上の階層で393.71円/100g、最も低い29歳以下の階層で230.32円/100gと1.7倍の差があります。

また、生鮮肉に限らず米、パン、生鮮魚介、牛乳、卵等ほとんどの品目で、世帯主の年齢が高い階層ほど購入単価が高くなる傾向があります。

しかしながら、生鮮野菜のうちトマトだけは、世帯主の年齢が低い階層の購入単価が高くなっています。

他の調査によると、高齢者ほどトマトを食べる頻度が高く、トマトに「健康に良い」、「手軽に食べられる」とのイメージを持つ人の割合が高くなっており、逆に「おいしい」とのイメージを持つ人の割合は若い世代の方が高くなっています(図表1-4-6)。

図表1-4-5 世帯主の年齢別に見た主要食品の購入単価(平成30(2018)年)
図表1-4-6 トマトの消費動向

(食料消費支出額の品目順位では、3種類の肉類が10位内に)

平成30(2018)年の食料消費支出額の上位20位までの品目を見ると、10年前に比べて豚肉が4位から3位、鶏肉が14位から10位、ヨーグルトが25位から16位と順位が上がっています(図表1-4-7)。逆に、米が2位から4位、外食のうち洋食が10位から15位、ビールが11位から20位へ順位が下がっています。

外食のうち他の主食的外食、和食、すし(外食)の順位は大きな変動を見せず、洋食のみ順位を下げており、代わりに豚肉、鶏肉の順位が上がっていることから、外食よりも家庭で肉類を食べる機会が増えていることがうかがえます。また、特定保健用食品(*1)となっているヨーグルト(*2)や高たんぱく・低脂肪といった特性を持つといわれる鶏肉は、健康志向の高まりから支出が増加していると考えられます。

順位を大きく下げたビールは、低価格の発泡酒やビール風アルコール飲料が登場したことから、ビールと発泡酒・ビール風アルコール飲料(*3)で消費支出が二分されたと考えられます。

図表1-4-7 食料消費支出額の上位20品目(平成30(2018)年)

*1 食生活において特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該特定の保健の目的が期待できる旨を、有効性や安全性について消費者庁の審査を受け、許可を受けた食品

*2 消費者庁「特定保健用食品許可(承認)品目一覧」(平成31(2019)年3月12日時点)ヨーグルトは30品目が許可

*3 平成30(2018)年の順位は24位。平成20(2008)年の発泡酒の順位は32位、ビール風アルコール飲料は他の酒に区分され、順位は56位

(2)食育の推進と国産農林水産物の消費拡大、和食文化の保護・継承

(国産農林水産物の消費拡大に向けた食育とフード・アクション・ニッポン)

農林水産省では、食育を推進する一環として、消費者に健全な食生活の実践を促し、ごはんを中心に多様な副食等を組み合わせた日本型食生活の推進を図っています。日本型食生活は、我が国の気候風土に適した多様性のある食として、地域や日本各地で生産される豊かな食材も用い、健康的で栄養バランスにも優れています。ごはんと組み合わせる主菜、副菜等は、家庭での調理だけでなく、中食、冷凍食品、レトルト食品等も活用する形で普及を図っています。

国産農林水産物の消費拡大の前提となる食や農林水産業への理解増進につながる農林漁業体験の機会が、全国の教育ファーム等で提供されています。酪農においては、一般社団法人中央酪農会議が体験の受入れや学校への講師派遣等を行う牧場を酪農教育ファームとして認証しており、平成30(2018)年度末時点で認証牧場は289件となっています。また、このような酪農教育ファームの活動は、平成30(2018)年度で20年目を迎えました。

国産農林水産物の消費拡大に向けた取組として、毎年11月を「食と農林漁業の祭典」の月間と位置付けてイベントを開催しています。この取組の一環として、我が国の農業や農林水産物、食文化について、見て、触れて、食べて、体験できるイベント「ジャパンハーヴェスト 2018丸(まる)の内(うち)農園」を農林水産省が主催しました。平成30(2018)年度は、2日間で13万人が来場し、来場者アンケートでは「今後国産の農林水産物を購入していきたい:95%」と高評価を得ています。また、平成30(2018)年度で10周年を迎えたフード・アクション・ニッポン(*1)の推進パートナー数は、平成30(2018)年度末時点で10,667社となっています。さらに、国産農林水産物の消費拡大に寄与する民間事業者の優れた産品を表彰するフード・アクション・ニッポン アワードを毎年開催し、平成30(2018)年度は入賞100産品、その中から受賞10産品、「和ごはん」(*2)を食べる機会を増やすことが期待できる産品を特別賞として3産品が選定されました。受賞産品は、審査委員である大手百貨店、流通、外食事業者10社の販路を通じて販売されています。

ジャパンハーヴェスト2018丸の内農園の様子

ジャパンハーヴェスト
2018丸(まる)の内(うち)農園の様子

フード・アクション・ニッポン アワード2018

フード・アクション・ニッポン アワード2018

*1 民間企業・団体・行政等が一体となって、国民運動として推進する国産農林水産物の消費拡大の取組

*2 日本の家庭で食べられてきた食事であって、(1)ごはん、汁物、おかず等、若しくはその組合せで構成されているもの、又は、(2)だし並びにしょうゆ及びみそをはじめとする日本で古くから使われてきた調味料等が利用されているもの

(和食文化の保護・継承の取組)

プロジェクトのロゴマーク

プロジェクトのロゴマーク

「和食;日本人の伝統的な食文化」(*1)が平成25(2013)年12月にユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、我が国では、食の多様化や家庭環境の変化等を背景に、和食文化の存在感が薄れつつあります。和食文化の保護・継承に当たっては、食生活の改善意識が高まりやすい子育て世代や若者世代等に対し、和食文化の良さを理解してもらい、実践してもらうことが重要です。平成30(2018)年度には、子育て世代と接点の多い栄養士や保育士等向けに、和食文化をテーマとした食育活動を実施してもらうための研修会、妊娠中の方や子育て中の母親・父親、親子向けに、家庭で和食文化を取り入れてもらうためのワークショップ、若者世代向けに、大学や企業等と連携した和食文化に関する講座やワークショップを実施しました。次世代を担う子供たち向けには、小学生を対象とし、和食や郷土料理に関するお絵かきや和食文化の知識と技を競うイベントとして、第3回「全国子ども和食王選手権」を開催しました。

また、共働き世帯の増加等の社会情勢の変化を受け、食事に伴う多くの行動が「時短したい家事」とされている中で、和食文化の保護・継承のためには、子育て世代が実際に手軽に和食を食べる機会を増やす環境を作り出すことが重要です。このため、ユネスコ登録5周年を機に、平成30(2018)年度に官民協働の「Let’s!和ごはんプロジェクト」を新たに開始しました。本プロジェクトでは、食に関わる事業者と行政とが一体となって官民協働で、子供たちや忙しい子育て世代に、身近・手軽に健康的な「和ごはん」を食べる機会を増やしてもらうための活動を推進しています。例えば、食品製造業者や流通業者は調理が簡単にできる和食の商品やレシピの開発・販売、中食業者は和の総菜や弁当の開発・販売、外食業者はレストランで子供向けの和食メニューの展開等を行っています。

さらに、一般社団法人和食文化国民会議(わしょくぶんかこくみんかいぎ)では、全国の小・中学校、保育所等を対象として和食給食の提供や和食文化に関する授業を行う「だしで味わう和食の日」の実施のほか、年間を通じて和食文化の大切さを訴求する「五節供(ごせっく)プロジェクト」を開始するなど、和食文化の普及・啓発等の活動を展開しています。

*1 用語の解説3(1)を参照



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