このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

第8節 農業を支える農業関連団体


農業者の取組を支援している各種農業関連団体は、農家の高齢化と減少、農業法人の増加等の農業の構造変化に伴い各種制度が改正される中で、その役割も少しずつ見直されてきています。

(1)農業協同組合

(農産物販売事業や農業生産資材購買事業の改革への取組を4割の農業者が評価)

農協は協同組合の一つで、農業協同組合法に基づいて設立されています。農業者等の組合員により自主的に設立される相互扶助組織であり、農産物の販売や生産資材の供給、資金の貸付けや貯金の受入れ、共済、医療等の事業を行っています。

総合農協(*1)の組合員数の推移を見ると、平成29(2017)年度の組合数は平成28(2016)年度に比べ4組合減少し657組合となっている一方で、組合員数は、7万人増加し1,051万人となっています(図表2-8-1)。組合員数の内訳を見ると、農業者である正組合員数は減少傾向で推移していますが、非農業者である准組合員数は毎年増加傾向にあります。

図表2-8-01 農協(総合農協)の状況

平成28(2016)年4月に改正された農業協同組合法等に基づき、農協においては、農産物の有利販売や生産資材の有利調達等の農業所得(*2)を向上させるための自己改革の取組を進めており、農林水産省としても、そのような自主的な取組を促しています。

農林水産省が実施した平成30(2018)年度のアンケート調査によれば、地域の農協が農業者の所得向上に向けて農産物販売事業や生産資材購買事業の見直しを進めているかを尋ねた設問で、総合農協、農業者双方とも「具体的な取組を開始した」との回答が調査を開始してから毎年増加していますが、総合農協と農業者の評価には一定の差があります(図表2-8-2)。

引き続き、事業の見直しを進めるとともに、その成果を組合員に伝えていくことが求められています。

図表2-8-02 農協改革に関するアンケート結果

また、全国農業協同組合連合会(*3)(以下「全農」という。)は、「農業競争力強化プログラム」を踏まえ、農業生産資材の価格引下げや農産物の有利販売に向け、平成29(2017)年3月に年次計画を策定して、取組を進めています。

*1 農業協同組合法に基づき設立された農協のうち、販売事業、購買事業、信用事業、共済事業等を総合的に行う農協

*2 用語の解説2(3)を参照

*3 全国の総合農協等を会員として、会員の農産物販売や生産資材購買等の事業を補完する組織

事例:全農によるトラクター共同購入の取組

開発された60馬力トラクター

開発された60馬力トラクター

全農は、60馬力の大型トラクターについて、農業者団体等との議論や1万名を超える農業者へのアンケートにより農業者の意見を聴いた上で、おおむね1日無給油で作業ができる燃料タンクやオートブレーキ等必要な機能を絞り込み、農業機械メーカー4社に開発を要求し、入札により1社を指定しました。機能を絞り込むことでメーカーの製造コストを削減し、全国の農業者から注文を集めることでスケールメリットを活かすとともに、さらには入札も行うことで、農業者の購入価格のおおむね2から3割引下げを実現しました(平成30(2018)年10月から販売開始)。

また、他のメーカーも新たなトラクターを安価に売り出しており、全農の取組の効果が農業機械メーカー業界に波及しています。

事例:商系事業者と農業資材店舗を共同で運営(茨城県)

茨城県水戸市
農協の系統商品と商系商品が一緒に販売されている様子

農協の系統商品と商系商品が
一緒に販売されている様子

茨城県水戸市(みとし)にある水戸(みと)農業協同組合では、平成29(2017)年9月にアイアグリ株式会社と農業資材店舗「JA水戸(みと)・農家の店しんしん内原(うちはら)店」をオープンし共同で運営しています。

組合員から同農協に農業資材の在庫や商品数が少ない、土日営業をしてほしい、専門的な相談機能を持った職員にいて欲しい等の声があり、そのニーズに応えるため、ノウハウを持った商系事業者との連携が不可避と考え、1年の協議期間を経て合意に至りました。

この共同運営により、取扱商品数は10倍となり、農業者が求める商品を1度で購入することができ、農協系統商品(*1)とアイアグリ株式会社の扱う商系商品(*2)を同一店舗でスタッフによる説明を聞きながら比較して購入することが可能となり、商品の選択肢の幅が広がりました。また、組合員から要望の多かった土日営業や営業時間の延長にも対応しており、これまで同農協との取引が少なかった農業者にも販売ができるようになりました。さらに、同じ敷地内にある農産物直売所についても、売上げが10%増加するなどの相乗効果が生まれました。

*1 農協組織でのみ取扱っている商品

*2 資材店等小売業者、ホームセンター等が取扱っている商品

(2)農業委員会

(全ての農業委員会が新体制に移行)

農業委員会は、農地法に基づく売買・賃借の許可、農地転用案件への意見具申、遊休農地(*1)の調査・指導等を中心に農地に関する事務を執行する行政委員会として市町村に設置されています。平成28(2016)年4月に改正された農業委員会等に関する法律では、農業委員会の業務の重点は、農地利用の最適化の推進であることが明確化されました。また、農業委員は選挙制と市町村長の選任制の併用から、市町村議会の同意を要件とする市町村長の任命制に変更され、農業委員の過半数を原則として認定農業者(*2)とし、若者、女性を積極的に登用することとなりました。さらに、農業委員とは別に、各地域において農地利用の最適化を推進する農地利用最適化推進委員が新設されました。平成28(2016)年から平成30(2018)年にかけて順次新体制への移行が行われた結果、1,355の農業委員会が農地利用最適化推進委員を新設し、農業委員会の人員は全国で15.6%増加しました(図表2-8-3)。年代別には、50歳未満の占める割合が増加し農業委員の若返りが進みました。また、女性の農業委員の割合は11.8%となり、4.3ポイント上昇しました。

新体制への移行を終え、現場の仲介役として、担い手への農地の集積・集約化(*3)、遊休農地の発生防止・解消、新規参入の促進の本格的な推進が求められています。

図表2-8-03 農業委員会の状況

*1~3 用語の解説3(1)を参照

(3)農業共済団体

(災害に備え、農業共済や収入保険への加入を促進)

農業保険法の下、農業共済組合等は、農業共済制度の実施に関する業務を行っています。近年、業務の効率化等のため、農業共済組合等と農業共済組合連合会との統合を推進しており、平成30(2018)年4月1日時点で32の都府県で1県1組合化が実現しています(図表2-8-4)。

また、平成30(2018)年4月に全国農業共済組合連合会が設立され、平成31(2019)年1月から始まった収入保険(*1)の業務を実施しています。その業務の一部は、各都道府県の農業共済組合等に委託されています。

農業共済団体は、引き続き1県1組合化等による業務の効率化を進め、昨今多発している災害への備えに万全を期すため、農業保険(収入保険・農業共済)への加入を促進していくこととしています。

図表2-8-04 農業共済団体の状況

*1 第2章第2節(6)を参照

(4)土地改良区

(土地持ち非農家が増加し、耕作者の意見が適切に反映される事業運営体制が必要)

土地改良区は、ほ場整備等の土地改良事業を実施するとともに、農業水利施設(*1)等の土地改良施設の維持・管理等の業務を行っており、平成29(2017)年度末時点で4,504地区となっています(図表2-8-5)。

土地改良区の運営をめぐっては、組合員の高齢化による離農や農地集積の進展に伴い、組合員の中で土地持ち非農家(*2)が増加している等の課題があります。今後も、土地持ち非農家の増加が続けば、土地改良施設の管理や更新等に関する土地改良区の意思決定が適切に行えなくなるおそれがあり、耕作者の意見が適切に反映される事業運営体制に移行していくことが求められています。

また、土地改良区の業務執行体制が脆弱(ぜいじゃく)化する中で、適正な事業運営を確保しつつ、より一層の事務の効率化を図っていく必要があります。

このため、平成30(2018)年6月に公布された土地改良法の一部を改正する法律では土地改良区の組合員資格の拡大、総代会の設置、土地改良区連合の設立に係る要件の緩和等の措置を講ずることとしています。

図表2-8-05 土地改良区の状況

*1 用語の解説3(1)を参照

*2 用語の解説2(2)を参照



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室

代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883
FAX番号:03-6744-1526

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader