4.太陽エネルギーを地上に蓄積できるのは植物だけ!【第1章「農」ってなーに?】
太陽エネルギーは、地球上でさまざまな働きをしながら、最終的には、ほとんどすべてが熱の形となって宇宙に戻っていきます。しかし、0.02%というほんのわずかな割合(でも、すごい量)ですが、ある生物によって地上で別なエネルギーに変えられ、蓄えられます。・・・いったい、どんな生物なのでしょうか。・・・実は、この太陽エネルギーを地上に固定しているのは植物なのです。緑色をした植物は太陽の光をあびると、水分と空気中の二酸化炭素をもとに生命活動に必要な炭水化物(ブドウ糖やデンプン)をつくります。そして、余分になった酸素を空気中へ出します。これを光合成といいます。つまり、植物は、光合成によって、太陽エネルギーを自分の栄養となる食物的エネルギー(これは、化学エネルギー※に分類される)に変えて育ちます。だから、植物はモノを食べなくても、太陽の光と水と土があれば成長するというわけです。
また、植物(特に森林)の光合成で生み出される酸素によって、私たち人間や動物は生きていられるし、火を燃やしたりできるのです(月では酸素がないので焚き火もできない)。石油や石炭、天然ガスも、古代の植物などが地中に積もって生成されたものです。つまり、植物が何億年とかけて蓄えてきたエネルギーの「貯金」みたいなものですね。
この太陽エネルギーを地上に固定できる生きものは、植物(木や草花、あるいは海の藻や海草、植物性プランクトンなど)だけなのです。
化学エネルギー・・・ある物質、例えば水(H2O)は、水素(H2)と酸素(O)という原子が結合してできています。この原子が化学変化によって、離れたり結合したりして結びつきが変わると、エネルギーを出したり、吸収したりします。化学エネルギーとは、こうした化学結合の形で蓄えているエネルギーのことです。例えば、水素と酸素を化合させると電気が流れます(燃料電池の原理)。これは、分子が結合する時に発生する化学エネルギーを電気エネルギーに変換するわけです。木が燃える(酸化される)時には、木の化学エネルギーが熱エネルギーに変換されます(C+O2→CO2)。石油も電池も化学エネルギー。緑色植物は、炭酸ガスを吸って、太陽の光エネルギーを炭水化物(炭素と水でできている化合物)という化学エネルギーに変換しているのです。
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