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関東農政局

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3.仕様設計とISO規格

これまでの公共工事

  これまで我が国では、過去の経験や事例を基礎とした技術基準(法令)を用いて設計を行い、構造物の材料や寸法も具体的に規定してきました。工事の発注では、

  • 発注者(国や県、市町村)がこの技術基準に基づいて設計した図面や材料の数量(=「発注図書」)を、工事の請負を希望する民間の事業者に提示する。
  • 民間の各事業者は、その発注図書どおりに造るために要する金額を提示し(入札)、最も安い金額を提示した会社にその工事を請け負わせる(落札)。
  • 工事完了後には、この構造物が「発注図書」通りにできているかどうかを発注者が検査して合格すれば発注者に引き渡す。

という手順が契約に基づいて進められてきました。

  発注図書には、具体的な材料、寸法、作り方などの仕様が指定してあることから、こういう形での設計を「仕様設計」と呼んでいます。 

グローバル化の進展

  日本には2千年にわたって蓄積されてきた世界に誇るべき「農業土木」の歴史があります。この「仕様設計」もそうした技術の集積によって定められてきたものであり、ODAなど海外の工事でも大きな枠割を果たしてきました。

  しかし、一方、貿易交渉などでは「日本は勝手な技術基準を持っていて、技術面で世界に門戸を開いていない」といった声も上がってきています。

  WTO(世界貿易機関)協定に付随する「政府調達協定」では、水路、ダムなどのかんがい施設の建設に関して「技術仕様は、デザインまたは外形的な特徴ではなく、性能を基準とし、国際規格を優先し、国内強制規格、国内任意規格又は建築規準に基づいて定めなければならない」と規定されていますまた、TBT協定(貿易の技術障害協定)でも国際規格を強制規格の基礎とすることが義務づけられています。

  ここでいう国際規格とは、実質上、ISO規格のことであり、日本国内においても全面的にISO規格の採用が義務づけられたことを意味します。

  ISOは9000や14000シリーズで知られていますが、ISO2394は「構造物の信頼性に関する一般原則」であり、10章にわたって細かな原則が規定されています。そして、それらの原則は必ずしも日本の設計基準に即したものではなかったのです。

お問合せ先

農村振興部設計課

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FAX番号:048-600-0624