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関東農政局

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5.農業農村整備におけるメリットと今後の課題

農業農村整備における性能設計のメリット

  性能設計を農業農村整備事業に導入した場合、次のようなメリットが考えられます。

 受益農家、国民に対する説明の明確化

  施行する建物の機能や性能、あるいはその信頼性を明示することができるので、より明瞭かつ透明性の高い説明責任が果たせる。発注者と使用者(農家や水土里ネット)および民間事業者とのコミュニケーションが高まることにより合理的な事業が推進される。

コストの縮減や環境への配慮

  地域の実情や特性に合わせた設計が可能になるとともに、新技術の導入などによって建設コストやライフサイクルコストの縮減が期待できる。また、「要求性能」に環境対策をあげることで、地域の環境に配慮した工事が促進される。

日本の技術力が引き続き海外でも発揮される

  我が国では、現在100名ほどの技術者を海外に派遣しており、技術基準を国際標準に整合させることで、引き続き日本の高い技術力が海外で発揮される。 

性能設計の課題

  このような新しい方式を採用すると、これまでの技術基準、設計、発注図書の作り方、積算方法、契約、検査など一連の方法をすべて根本から変えなければなりません。

  まず構造物の「何を性能とするか」を過不足のないように定めようとすれば、なかなか難しい議論になります。

  また、事業者間でバラバラな設計体系が構築されると、発注者の混乱が生じます。包括的な性能設計の概念(原則)のようなものが必要になります。

  さらに、設計時、完成時など各段階における性能照査システムを確立するとともに、信頼性分析のための基礎データの収集・蓄積を行う仕組みの確立が重要となっており、性能が保障されない場合の保障制度や保険制度のあり方についても取り組むべき課題となっています。

  新しい設計法としての「性能設計」は、すでに確立された設計体系ではなく、その枠組みも含めてこれから構築していくべきものです。

  いずれにせよ、この性能設計への転換は日本が早急に対処しなければならない重要な課題です。大変な労力を伴いますが、それはグローバル化への対応ばかりではありません。世界の社会経済システム自体が大転換期を迎えている今日、さらに自然環境に配慮した事業を推進していくためにも、日本の農業農村整備にとっても大きな飛躍のチャンスととらえるべきだと思われます。

お問合せ先

農村振興部設計課

ダイヤルイン:048-600-0600
FAX番号:048-600-0624