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近畿農政局

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近畿地域食育実践者等の交流会の概要~平成25年度上期~

  • 日時等:平成25年7月6日(土曜日)13時15分~17時
  • 場所等:大阪ガス株式会社 本社ビル 3階ホール(大阪市中央区平野町四丁目1番2号)

未来につなぐ食育倶楽部発足後4回目となる今回の交流会は、食品安全に関するスペシャリストによる講演を内容とする「食育セミナー」、会員が行う食育活動の紹介・参加者相互の情報交換からなる「交流会」の2部構成で開催し、会員や食育に関心のある方など約110名にご参加いただきました。

以下に交流会の概要をご紹介します。

  • 会員等からの食育活動情報提供

食育活動の取り組み (Kobe Sweets Garden)

開会挨拶 

小栗 邦夫(近畿農政局長)

小栗局長
  • 本日のテーマである食育の推進については、平成17年に食育推進基本法が成立して以来、国民生活の向上のために「食べることの大事さ」を知らしめるという、施策の中でも重要な位置づけにある。
  • 第一次食育推進基本計画では食育という概念をまず国民の皆様に知っていただくのが第一目標であった。
  • 平成23年3月に策定された第二次食育推進基本計画では、具体的に国民一人一人に健全な食生活を実践していただくため、小学校あるいは高等教育や社会人などの段階において、食育活動の支援者である教師や給食事業者の方など、それぞれの立場から食育を実践する方々を育てることを目標としている。
  • 近畿農政局では戦略的取組として、地域の方々と取り組む食育実践活動を強化しているところであり、また、食育実践者のための「未来につなぐ食育倶楽部」をつくり、活動の輪が広がるように取り組んでいる。

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食育セミナー  『食品の安全について』-食品の安全とリスク分析(アナリシス)について- 

姫田 尚 氏(内閣府食品安全委員会 事務局長)

姫田 尚氏
  • 知育、体育、徳育に続く4つめとして食育があるが、近年その食育に偏りがあるように感じられる。食育というのは、一つは農業あるいは食品産業などの生産現場を通じて、“いのち”がどう食べられるか、動物も植物も命がある、そういう命がどう繋がっていくかというのを学ぶ教育、もう一つは、栄養をどう摂っていくかという栄養教育、そして今日、話をさせていただく食品安全の教育、これも食育の一環である。
  • 国際的に食の安全を確保すべくリスク分析の考え方や、農場から食卓まで、フードチェーン全体の一貫した安全対策、つまり最終段階での安全確認ではなく生産の各過程で安全性を確保していこうという動きが始まった。我が国でもBSEの発生を契機としてリスク分析の考え方による食品安全のシステムが構築された。
  • 日本でも、消費者の健康保護を最優先することや、リスク評価・リスク管理・リスクコミュニケーションの3つから成るリスク分析を導入することが決定された。“後始末よりも未然防止”という考えのもと、科学的根拠に基づき、リスク評価を行いリスク管理を行っていくこと、それらの情報を交換・疎通していくことが基本的になっている。
  • 人体に影響を与える物質は、人工物だけではなく自然界にも存在し、さらに近年、分析技術の進歩により新たな食品由来のハザード(アクリルアミドのような物質)が発見されている。
  • リスクとは量の概念、つまりハザードの毒性と体内への吸収率でその程度が決まると同時に、それが意味するところは特定の食品をとりすぎることで身体に悪影響を及ぼす可能性があるということである。その代表例がサプリメントによる特定の栄養成分の過剰摂取などである。
  • 食品に含まれる天然の汚染物質は、取り除くことが難しく、どうしても基準値を超えてしまう場合がある。同じものばかり食べるとリスクが上がる。食育では一日30品目を摂取、と言われるが、これは栄養の面だけでなく、安全の面からもリスクを下げることにつながり、すばらしいことだと思う。
  • 予防原則とは人に対する悪影響が特定され、その科学的根拠が不明な場合、緊急に販売停止等を行うものであり、不安だから禁止するべきといった考え方ではない。
  • 要するにバランスのよい食事を摂りましょう、ということ。サプリメントに頼らないで、普通に色々なものを食べていただきたい。米、麦、食肉、牛乳、乳製品、卵などの食品をしっかりとバランスよく食べる。野菜なども、できれば色々な野菜を食べていただきたい。

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会員等からの食育活動情報提供 

『食育活動の取り組み』

波々伯部 宏 氏(Kobe Sweets Garden代表)

波々伯部 博
  • 私の農場は、神戸市北区の大沢(おおぞう)という場所にある。ブルーベリーの栽培をしたいと思っていたところ、11年前に神戸市から「農業特区を作るので仕事をしてみないか」という話をいただき農業を行うようになった。
  • 食農ファームとして、大学のゼミの先生、学生、小学生(2~5年生)が交流しながら食育を行う。近所の農家とも連携し、田植えの際にわらをどのように取り扱うのか、籾殻、ぬかをどのように利用するか勉強してもらっている。「学びあう食育-子どもたちのニュースクール-」のプロジェクトが始まって4年間続いている。
  • 親子料理教室、味噌づくり体験などを行っており、親子や事業者向けの様々な体験教室を実施している。
  • 地域活性化や環境問題に取り組んでいる神戸の団体にも農業体験や料理教室などを通して協力している。また、お米屋さんと「おいしいご飯の炊き方」と題して150人規模でアンケートを行ったり、数種類のじゃがいもを栽培し、料理体験を実施している。
  • 神戸のレストランと共同して農業を実施しており、従業員が栽培、収穫を行い、レストランで提供する取組を行っている。
  • 食育は、旅行や遠足などのレジャーではないので、参加者は農家が何でもやってくれるものと期待されると困る。食育は、ボランティアでやっているが、農家に経費が掛かってしまうので、経費負担がなく取組ができるようお願いしたい。

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『栄養教諭を目指す学生による食育模擬授業への取り組み』-沖縄伝統菓子の調理実習を通して- 

比屋根 彩 氏、喜屋武 友香 氏、上地 彩華 氏、八木 奈苗 氏、徳村 江美 氏(羽衣国際大学 人間生活学部食物栄養専攻 4年生)

羽衣国際大学
  • 〔沖縄県の食文化・風習、家庭料理、お菓子について、さーたーあんだぎー、ムーチー、ちんびん、ヒラヤーチー、中身汁、ナーべーラーのみそ煮、人参しりしりー、ふうちゃんぷるー、タコライス、ポークたまごおにぎりなどをそれぞれの謂われや特徴を示しながら紹介。〕
  • これらの料理は、欧米の食文化と日本の食文化が入り混じる沖縄ならではの家庭料理で、多くの県民に親しまれている。ただし、欧米化した料理は、どれもエネルギーが高くなる傾向があるので、素朴なおばぁの家庭料理が一番健康的だと思われる。
  • 沖縄料理は、沖縄そばに代表されるように、地域によって特色がある。さらに、伝統料理にはそれらに付随する沖縄独特の習慣がある。
  • 大学の下級生に向けてムーチーについての模擬授業を行ったことは、食育活動の一環として、下級生に沖縄の伝統料理や文化を伝えられただけではなく、同時に管理栄養士及び栄養教諭を目指す学生が、教える立場に立ったときの注意点やポイント等も学ぶことができた。
  • 今後も沖縄の食文化や伝統料理を多くの人に積極的に伝えていきたい。

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『大阪ガス「食育」の取り組み』 (大阪ガス株式会社) 

岩佐 美紀子 氏(大阪ガス株式会社 リビング事業部 お客さま部 サービス企画チーム)

大阪ガス
  • 次世代教育として現在、エネルギー環境教育、食育、火育の3つのプログラムを展開している。食育は「いただきますで育もう」をスローガンとして、料理する楽しさを生きる力に、おいしく食べて豊かな心に、食の理解を通じてつながりのある社会の実現を目指している。
  • 次世代を担われる教員の先生方に食育の教材として使用していただくため、ご希望いただいた小学校(大阪ガス供給エリア内限定)に食育Bookを無料配布している。現在では、累計で約14万部を配布している。
  • 食育プログラムの一環として親子でのコミュニケーションや絆、そして料理をするきっかけとしてもらいたいという思いから、親子クッキングコンテストを開催している。また、食と環境を同時に学べる「エコ・クッキング」というプログラムも用意している。※「エコ・クッキング」は東京ガス株式会社の登録商標です。 
  • Riceサイエンスセミナーは、お米がご飯になる過程を科学的に話し、実際にご飯を炊くだけであるが、お米の研ぎ方を知らない人も見受けられ、基本的なことから食育を伝えていかなければならないと感じた。
  • 食育セミナーでは様々な分野から講師を招いて食育とは異なる観点から食育について語っていただいている。また、他企業とコラボレーションすることでより多くの人々に食育を広めようという取組を行っている。
  • 私どもの活動を知ってもらいたいということで、メールマガジンを発行している。食育、環境教育などの情報発信のほか、著名な先生方に記事を執筆いただくので、よろしければご覧いただきたい。

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会場の様子 

会場の様子1

セミナー受講の様子

会場の様子2

交流会の様子

 

お問合せ先

消費・安全部消費生活課
担当者:食育班
ダイヤルイン:075-414-9971
FAX:075-414-9910