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近畿農政局

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平成29年度第3回「食育シンポジウム」概要

 

平成29年11月26日(日曜日)に池坊会館(京都市)において、平成29年度第3回「食育シンポジウム」~和食を身近なものにしよう~を開催しました。
このシンポジウムは、消費者、流通事業者、食品事業者等の関係者が、「和食の保護・継承」を推進するために和食への理解を深めて考える場として開催し、約90名の方にご参加いただきました。



 以下にシンポジウムの概要をご紹介します。

講演
 ・ 伝承料理研究家 奥村 彪生 氏 
       「家庭料理は簡単でいいんだ」

パネルディスカッション

 コーディネーター
     龍谷大学農学部食品栄養学科 教授 宮崎 由子 氏

 パネリスト
 ・ 伝承料理研究家 奥村 彪生 氏 
 ・ 株式会社オノウエ 代表取締役 尾上 一幸 氏 
 ・ 兵庫県加古郡稲美町立稲美中学校 栄養教諭 大西 徳子 氏 
 ・ イズミヤ株式会社人事総務部総務担当部長 下村 喜幸 氏  

講演

伝承料理研究家 奥村 彪生 氏

 「家庭料理は簡単でいいんだ」

 

私は、先月10月12日に満80才になった。調査によると和食が「地味」、古臭いと若い女(ひと)は言う。しかし地味だからこそ、身体にいい。心がほのぼのとなる。それは「慈味」、慈しむ味で、しみじみとした滋養あふれる味である。そして地場の味である。だから若い人の多くは誤解している。そして和食は「近づき難いと感じる」という言葉もあった。いや、和食は簡単、特に煮物は簡単である。京都では日常のごはんのおかずはハレの日のご馳走と異なり、雑に作るからお雑用とかおばんざいという。おばんざいという言葉は昭和になってから生まれた。

昭和の戦前までの京都の日常の暮らしをお話させてもらう。一日の食事は「朝がゆや昼一菜に夕茶漬け」と言って、朝はおかゆさんで、その粥も「町屋の白粥、農家の茶粥」。白粥は平安時代からの貴族の文化である。貴族は夜遅くまで飲み明かし、和歌や漢詩を作る。今とは違う、私も中学卒業するまで朝は茶粥でした。京都の茶粥は宿茶というのを使う。今日一日に出した茶のでがらし。これを翌朝もう一回炊き出して昨日の昼、炊いた残ったご飯を入れる。これを入れ茶粥という。農家のおばあちゃんに聞いたら、色だけで香りも味もない。江戸時代に式亭三馬という戯作者が書いた文書に「茶粥をすする音が愛宕山まで響いてきた」とある。それほど盛んに農家では茶粥を食べていた。昼は飯を炊き、汁物とおかず一つがついた。夕食はお茶漬、三食共に漬け物が欠かせなかった。

       奥村彪生氏
 

ハレの日(年中行事や冠婚葬祭)に作るのが一汁二・三菜の本膳。1尺2寸の足つきのお膳にご飯と汁物、いわゆるみそ汁(吸い物)と煮物や焼き物、和え物と漬け物のセット。本膳の場合でも、日常の食事でもご飯に欠く事ができないのが、香の物こと、漬け物。ご飯をより美味しく食べるための塩気である。たくあんは偉い。室町時代から昭和40年(1965)くらいまで日本中の食生活を支えてきた。大根を干して米糠とつけるが、食べる時期にあわせて干し加減、塩加減、糠を加減して、蓋をし、重石して、堪え忍んで味を出す。この沢庵以外に京都には漬け物はいろいろある。この漬け物と飯は切っても切れない縁で、これに味噌汁とおかず(菜)がひとつつくのが日常の昼食の基本でおかずは野菜や乾物を切り刻みして煮たり、和えたりしたのが中心で、たまに塩物の魚を焼いた。これらを菜と呼び、どれかがひとつついた。これが一汁一菜。 

今は一汁三菜を推奨しているが、日常はしないでよい。疲れるし、そんな時間はない。ハレの日だけにする。普段は簡単でいい。朝はしっかり食べる。昼はほどほどに、夜は軽くするのがよい。刺身はハレの日でよい。一番のご馳走である。刺身が一番上位。刺身はどこにつけるのか。お膳の右肩。ご飯と汁物は手前、取りやすいように、ご飯は左、汁物は右。実は刺身の事を料理と言う。美しく切って、美しく器に盛る事である。日本料理は、生食が真なのである。 

料理屋では板長(料理長)がする仕事が刺身を切る(造る)ことである。これは下の者では作れない。第二番目の地位にあるのが焼き物、三番目が煮物、四番目が和え物、家庭料理の中心は煮物と和え物である。焼き物は滅多にしない。刺身は本当はハレの日の食べ物である。私のように前が海、後ろが山のような村で生まれ、育った者でも刺身はめったに食べられなかった。おかずにも格があるというのを知って欲しい。日常的に刺身なんて食べなくていい。あれは晴れやかなご馳走、主役だと思って有りがたく食べる。毎日刺身なんて贅沢極まりない。 

京都というより日本の庶民の食事は時々魚を食べて、後は野菜、乾物、大豆製品の豆腐やその加工品を使った料理が主役であった。言い換えると準菜食型、準精進物であるから日本の家庭料理に一番影響を与えたのは禅寺の精進物である。平安末期から鎌倉室町時代にかけて中国から伝わってきた禅寺でのお坊さん達の食事が日本の家庭料理に一番影響を与えた。昭和40年まで日本人は世界で一番野菜を食べていた。私は食生活サービスセンターで調べた昭和40年で160kgである。今は少ない、今世界でどこが一番野菜を食べているでしょうか?フランスで、あれだけワインを飲み、脂っこい物を食べながら、長寿者が多い、3位か4位くらいだと思う。それは野菜を沢山食べるから。一人約160kgである。次いでベトナムの人も良く食べる。 

京都の食べ物が粗末だったということであるが、今はがらりと変わりました。今はやっぱり肉(牛や鶏)で、米よりパンとなっている。京都の個人でのパンの消費量は日本一。牛肉の消費量も日本一か二位、鶏もそうである。この傾向は全国的になっている。時代が変わっていっているということを認識しないといけない。 

そこで言いたいのは料理屋の料理と家庭の料理は違うということ。考え方や技術が違うということを認識して欲しい。料理屋の真似しても出来ない。向こうはプロ、お金をとっている。家庭料理は無償の行為である。料理屋の料理は酒の肴で、現在は昔と違う、昔は先にご飯を食べ、あとで酒肴が出て酒を飲んだ。それを継承しているのが茶事懐石、先にご飯とみそ汁を食べる。それから膾や椀物、焼き物が出てから杯を主人と客が交して最後に濃茶を飲むのがお茶事である。濃茶を美味しく飲むためにごく少量の料理を食べるのが懐石である。懐の石と書く。それは昔、禅宗のお坊さんの食事は朝と昼の2食。朝は粥と梅干し1個、たくあん2切れだけである。昼は一汁一菜。夜はなし。それでは修行に耐えられないから暖かい石を布で巻いて懐に入れて空腹をしのいだ。それになぞらえて、ごく少量の食事を取る。お茶事の場合、濃茶、濃い抹茶を飲むから空腹だとカフェインで胃がやられる、胃を守るために濃茶を飲む前に少し食事を取る。 

先ほど、汁物と吸い物の話をしたが、どう違うと思うでしょうか?これは明治以降ほとんど区別がつけられなくなった。汁物というとご飯のおかず。味噌仕立て、すまし仕立て、関係ありません。ですから、具をたっぷり入れて、お椀に蓋をつけなくてもよろしい。具がたっぷりという事をインプットしていただきたい。いま皆さん方が作るみそ汁は具が少ないでしょう。具が少ないのを飲むから身体に良くない、塩分だけ取る事になるから。だから粗汁。野菜たっぷり入れたら塩分も排出してくれる。具をたっぷり入れた汁を作ればおかず兼用。他に一つおかずがあれば、十分、一汁一菜でいい。私が家で作る味噌汁は具がたっぷり。吸い物は酒の肴で、具も汁も少なく上品に盛る。料理屋さん行くと椀物が出てくる。あれは吸い物。必ず蓋付きのお椀に盛る。室町時代からの日本の約束事。昔の人はそういう区別がはっきりできていた。もうすぐ正月に雑煮をいただくが、雑煮は汁物と違う。あれは煮物で酒の肴。正月に年神様と御神酒(おみき)を交わす酒の肴である。上品に具を盛って、上品におつゆをはる。 

今おせちと呼ばれている重詰料理は、雑煮にくむから昔は組肴(くみざかな)と呼んだ。重に酒肴を詰めているから組重という。今は逆転して、おせちというと重詰めだけど、本当は正月の祝いの一番大事なのは雑煮。これは全国家々で違う。家の格によって中身が変わる。平等社会では美味しい物は生まれない。地域によっても違う。それは地域の地場の産物を用いて雑煮を作るのが、基本になっているからである。日本列島は亜寒帯から亜熱帯まであり、地形も変化に富むから、産物は地域で異なる。郷土料理はその産物を用いるから自ずと食べ方や出来上がりが異なる。私は、全国調査したが、山ひとつ越え、川を渡るだけで言葉も産物も異なっていた。そのため雑煮の中身も違う。家の格(大名や一般武家、商人、農家、漁家など)によっても異なっていた。言葉が異なると考え方が違うというのが後で分かった。要するに郷土料理や雑煮は方言型の地場の味なのだ。これをもっと評価しないといけない。 

私はやはり家庭料理をもっと大切に考えて欲しい。身体を育てるだけでなく、精神(心)や人格を作る一番の基本になっているからで、私は糖尿を患ってかれこれ45年くらいになるが、いつ時72kgあった体重は昔食べた細食に切り換えて一年で元の体重の54~56kgをずっと守っている。糖尿病を患った原因は、東京に単身赴任で行った頃は仕事は朝早くて、晩遅い。お惣菜作りを専門にしているが、家で作るのが面倒。毎晩近所の寿司屋に行ってビール飲んで、にぎり寿司を食べていた。半年後、目の前が黄色くなって病院に行ったら糖尿病になっていた。それから、食事は細食にして、運動し、出来るだけエスカレータ、エレベータに乗らない。歩いて一年間で元に戻した。それを今も守っている。 

伝統食は昔のまま伝えようとするから失敗する。今の時代に合うように創意工夫する。言い換えれば新しい郷土の味を作り出す。今の子供さんの食べてきたものとおばあさん、おじいさん達が食べてきたものは違う。そのことを認識した上で和食文化を伝えていかないといけない。どっちが近づくかというと子供に近づけて行かないとだめ。無理に引っ張っていくと拒否反応が起こる。ここの所を間違っているように思う。和食文化の特徴は外来の食文化を全て日本の気候・風土・日本人の嗜好に合うように改造してきた歴史がある。日本独自の食文化は少ないという事を知って欲しい。長い年月の中で外来の食文化を全て日本化(油脂を少なく、うま味の効いただしや味噌、醤油でシンプル化する)にしてこんにちがある、時代性を持たない物は消えていく。今の時代に合うように工夫する。今に残っている伝統食も昔のままでなく、時代と共に変容しながら洗練された。その極みは握りずしです。そのことを認識した上で、和食文化の継承を考えていかなければいけないと私は思っているし、そこを基本に運動もしていく次第である。

 

調理実演

「家庭料理は簡単でいいんだ」

 

 実演料理
 
 きのこ入り炊き込み飯


 鯖と白菜のすき煮

 柿と大根の酢味噌ドレ

 大根の漬け物

調理実演

 実演料理5

     

実演料理の様子1

実演料理4

調理実演の様子3


株式会社オノウエ 代表取締役 尾上 一幸 氏

 

従業員が20名ほどの小さな総菜屋で、京都の料理屋さん、ホテル、旅館、などに業務用のお惣菜を卸すことから始めた企業である。私は総菜屋としては、2代目であるが祖父が始めた佃煮屋からすでに総菜を作っていたので、おばんざい屋として3代目と言わせていただいる。先代社長であった父から教わったことのひとつに、「物」に「心」を込めると「惣」になるという言葉がある。この「惣」という漢字は、惣菜の「惣」ですけれども、最近の惣菜の「そう」という漢字は、総合の「総」とか創造の「創」とか色々な書き方をするが、うちでは「物」に「心」という漢字を惣菜の「惣」にして、心を大事に物づくりをしていく、おかず作りをしていくという考え方を表したいと思っている。
食育というテーマが、そんなお惣菜をご家庭で皆様食卓を囲んで食べていただけるような、そんなお惣菜作りをしていきたいと思いつづけてきた。

    尾上一幸氏  
 

実は、会社もこの9月に移転した。それまでは、京都の中央市場のすぐ近くで100坪の土地に3階建ての大きな工場でお惣菜作りをやっていた。ところが、流通用のお惣菜を売っていくと、なかなか自分たちが作っている京都のおばんざいというか、家庭料理というものを価格も安定させて作っていくことが難しく、量を作ることも難しくて、もう一度京都の家庭料理を自分たちが作りたいと思い、素材のために今は3分の1くらいの規模の工場に移った。

このようにやってきているが、基本は、調理屋というか煮炊き屋である。皆さんに良く申し上げるのは、大きな釜と大きな台所があるので、何か作りたい物があったら是非色々ご相談いただきたいということである。裏方の仕事から私たちが、作りたい物を作っていくように切り替えていきたいと思っている。そう思うのは、良い素材についてであったり、良い素材が正確に調理されていないことであったり、そういう色々なことに思いを寄せていて、小さな会社でも家庭料理の基本みたいな物を大事に作って、今は頑張っている。お客様に喜んでいただいて、また電話いただいて、そうして、作ることが嬉しくて頑張って作り続けて行けているのだと思っている。


兵庫県加古郡稲美町立稲美中学校 栄養教諭 大西 徳子 氏

 
 

稲美町では小学校5校、中学校2校、合計約2760食もの給食を実施している。各学校に給食室がある単独校方式、調理方法は町直営で行われている。週5日の内4日はご飯の日で、稲美町の学校給食の特徴は、二つある。一つは稲美町のブランド米「万葉の香」を使ったご飯給食である。

「万葉の香」は減農薬栽培で肥料には堆肥を用い、町内2地区の営農組合で栽培されている。品種はコシヒカリで、この美味しいお米を各学校で炊いている。自校炊飯なので、バラエティにとんだ炊飯の調理が出来、子供達が温かいご飯を食べる事ができる。春には淡路島の一宮産のふきを使ったふきご飯、愛媛県産の鯛をオーブンで焼いて、出汁昆布と一緒に炊き込む鯛飯、夏にはお隣の播磨町で出来た蒸しダコが入ってできたたこ飯、他には梅ご飯やとうもろこしご飯、秋にはほぐした塩鮭と大根葉を混ぜた鮭菜めし、地元の食材を使った小芋ごはんや、サツマイモご飯、冬には京都の味のゆで干し大根を炊き込みゆで干しごはん、丹波産の黒大豆を入れた黒豆ご飯等々、四季折々の変わりご飯がある。この他にも子供達に人気のキムチチャーハンやポパイピラフ等、ご飯メニューは約40種類ある。

    稲美町大西徳子氏  
 

もう一つの特徴は地産地消の給食で、稲美町は古くからキャベツの栽培が盛んで、国の指定産地になっている。学校の周りにも沢山のキャベツ畑が広がっているにも関わらず、当時は長野県のキャベツを使用していた。なんとか稲美町の野菜を給食に使えないかと、町の産業課やJAさんと協議を重ね、平成7年頃から徐々に町内産の野菜が使用出来るようになった。

今では稲美ブランドのキャベツやトマト、スイートコーン、いなみ野メロン等、新鮮な旬の野菜や果物を年間35種類程使用出来ている。この他にも特産の大麦を加工した干し麦や米粉、味噌等も使用している。

町内産の野菜は前日に収穫された物が届いている。きゅうりは洗う時には痛くなる程のイボイボで、包丁で切るととてもみずみずしい。また、一般的に子ども達にはあまり好まれないと思われる小松菜のお浸しも食べ残しはない。保護者の方からは家で作っても食べてくれないのが、何か特別な調味料を使っているのか?と聞かれる。皆さんも良く使われている普通の濃い口醤油とごまだけで、と答えるとびっくりされている。素材の新鮮さは美味しさに繋がることを実感する。

稲美町では毎月19日の食育の日を兵庫の日としてその季節の地元の食材を使った献立を実施している。春はイカナゴの唐揚げ、淡路タマネギのみそ汁、夏はたつの市の揖保乃糸の素麺を使った素麺汁や、明石だこの唐揚げ、秋は姫路蓮根のきんぴら、冬はあまり知られていないが、兵庫県が漁獲量日本一のハタハタの唐揚げ、丹波のしし肉を使ったボタン汁等。

これらのメニューで地産地消メニューコンテストに応募させていただき、幸いにも9年連続近畿農政局長賞をいただいている。町内産の野菜を使うに当たっては、生産者の方々やJAの担当の方に大変お世話になっている。生産者の方には野菜の生産だけでなく、学校での食育にも関わっていただいている。野菜やお米の栽培の指導、社会科等での授業でのお話や交流給食、中学校では進路学習の中での職業コーナー等、様々な場面で活躍していただいている。

私達、栄養教諭は地元の食材を使った献立の日は各クラスにプリントを配り、給食時に食材についての放送を流している。この他にも生産者を取材して作った地域の食材を紹介する掲示物やその月の行事に合わせて行事食についての説明を校内に掲示している。また、給食時にその日に使われている食材や写真等をもって教室を巡回する。例えば、サワラの香味焼きの日には下味に使われている木の芽を持って行った。手のひらにのせた木の芽をぱっと叩いて、生徒に匂いをかいでもらった。麦ご飯の日には稲美町産特産の六条大麦を持って行き、麦の列が6列に並んでいるから六条大麦というようなことを説明している。この他地域の方々に給食を知って頂くために夏休みには学校給食展を開いている。給食に関する展示や楽しいゲーム試食等を行っている。今年は煮干しの出汁と鰹節の出汁を見分けるきき出汁や正しいお箸の持ち方を練習して豆つまみゲーム等を行った。また、給食メニューのリーフレットを作成し、JAの直売所等で配布した。給食の試食会は各学校で行われている。以上のように地域の方々に協力を得ながら、調理員さんと力を合わせて子供達の為に日々安心安全な給食作りに励んでいる。



イズミヤ株式会社人事総務部総務担当部長 下村 喜幸 氏


イズミヤというのは食料品、衣料品、住居関連品という形で店舗でやらせていただいていたが、最近は食品だけのスーパーを中心に出店させていただいている。創業は大正10年1921年、平成33年には創業100周年を迎える企業である。店舗は現在関西に集中しており、京都では13店舗がお世話になっている。大阪は50店舗で、合計82店舗で商売をしているる企業である。

地産地消では、現在農産物の売り場で地産地消のさんさん市場ということで、各スーパーで最近行われているが、生産者の顔が見える農産物ということで、この近畿圏の近くのそれぞれのお店の地場農業の農産物を取り扱いし、ここ数年増やしている。

    イズミヤ下村喜幸氏  
 

特に白梅町(京都市)のお店が、京都の地場野菜という事で商品を集めている売り場がある。これは、大阪は大阪、奈良は奈良ということでそれぞれの地域の生産者の方から商品をご提供いただいて新鮮な商品をお届けする売り場である。さんさん市場という名前の由来は、これ(イズミヤのロゴ)は太陽のマークで、太陽ということでSUN、太陽がサンサンと降り注いで育ったお野菜を提供するということでさんさん市場と名付けさせていただいている。

地元の商品、地場の商品ということで各エリアのお店でそれぞれ違うが、地元の食材ということでお酒やお漬け物のコーナーを作り地元を盛り上げていこうということで商品の展開もしている。

今までのスーパーの魚売り場で申しますと切身をパックして、並べているだけという売り方が非常に多かったが、大手様は、漁港まで買い付けに行かれている所もあるが、私どもはそこまで出来ていなく、地元の市場に直接買い付けに行かせて頂いて買い付けた魚を丸ごと売り場に並べさせているという店舗をここ数年増やしている。

和食を伝承していくという話があったが、なかなかメニューが思いつかない、何を作ったら良いのかわからないということを良く聞かせていただく。そういう方々のためという訳ではないが、イズミヤのホームページの中では365日の愛情レシピという事で1日1品レシピの参考になるような物をホームページで開示させていただいている。現在スマホで1分動画という形で簡単にレシピを見ることができるアプリもあるが、まだ、そこまでイズミヤでは入っていないが、ホームページを見ていただいたら参考にしていただける物もある。ホームページの中で単純にレシピを紹介するだけでなく、ホームページの下のあたりにおばあちゃんの知恵袋というコーナーも作り、先ほどの奥村先生のお話にもあったが、おばあちゃんから伝わるちょっとしたアドバイスなどいろいろな事を載せている。



パネルディスカッション

パネリストとシンポジウム会場参加者による意見交換


 

<龍谷大学農学部食品栄養学科授綬 宮崎 由子 氏
いろいろな立場から和食を身近なものとするためにという事で現在の取組を紹介頂きましたが、皆様がお話を聞かれて皆様素晴らしい取組をされているので、ご意見・ご提案をお願いしたい。

 <会場からの質問>
奥村先生の話の中で食育は家庭という意味では給食もとても大事だと思うし、日々の晩ご飯の時間に買ってきたスーパーで学ぶ事ができれば、食卓にフィードバックできる。そういう意味ではイズミヤさんの話の中のクッキングサポートという場所がスーパーの中で情報発信の拠点になっていくのだろうと、新しくできたスーパーが多くなってきたと思う。イズミヤさんに教えていただきたいことは、都市部の人間にとっては道の駅、直売所というのが農家さんの顔の見える場所だったのが、スーパーでもコーナーが出来るようになってきた。地方では朝農家さんが持ってきて、夕方持って帰る姿も見ていて、新鮮な物が手に入っていると実感しているが、スーパーはどういうシステムで農家さんが作った物を、売れ残りもあると思うが、どのように管理されているか? 

   意見交換の様子
 

<イズミヤ(株)下村 喜幸 氏>
普通の商品につきましては、季節によってそれぞれ産地が変わってくるが、お店にまで届くには数日かかっていろいろな所を経過してお店に届く。私どものさんさん市場では今言ったような農家の方が直接持ってこられるということはないが、それぞれ地元の仲買いの方、一ヶ所だけ流通しお店に届いているので、他の商品と比べると鮮度は上がっている商品というのが現状である。売れ残りに関しては、売れ残る程多く商品を入れているわけではないので、基本はその日に売り切ってしまう。返品する事もない。出来るだけその日のうちに売り切れるように、最後は値引きもしながら売り尽くしている。

<龍谷大学 宮崎 由子 氏
11月24日は和食の日となっているが、先ほど365日のレシピ集があるということだったが、私もスーパーに行った時は今日のご飯を何にしようかと悩みながら動き回るが、例えば和食の日なら和食の日のレシピが売り場にあり、その場に書かれているメニューの食材が固められていたら嬉しいなと思うが、そのような取組はどう思われるか?

<イズミヤ(株)下村 喜幸 氏>
買い物に来る方は、7~8割はメニューを決めずに売り場に来られると伺っている。その中で今日はこういう日だからこういう物がお勧めというのを本当はやらなければいけなくて、我々も取組んではいるが、なかなかお客様に伝わっていないということで社内でも検討している。土用の丑等はわかりやすいが、出来るだけ細かくメニューのケアが出来るようにやっていきたいと考えている。お客様に伝わっていないということは出来ていないことなので、伝わるような形で今後も引き続きやっていきたいと思っている。まとめてというお話もあったが、一部、温度帯の問題等があり、そういう所もクリアしないといけない所もあり、実現できていないことも多々あると思っている。

会場からの質問
和食を通じた日本文化の伝承ということで特に学校の役割が重要だと思う。私が住んでいるのは市町村の小さな町だが、行政と学校と地域の役割というのが連携を取るのが難しい中で、大西先生の所では町で和食給食を実践されているが、何か苦労話や良い方法をお聞かせていただきたい。

<稲美中学校 大西 徳子 氏>
稲美町は恵まれていて、お米も野菜も沢山採れる地域で、和食をしやすい環境にあるのが一つの大きな要因だと思う。地元の野菜を使うという事も間にJAさんに入っていただきながら地域で協力して実現出来ている。小学校1年生の場合、ひじきをはじめて食べるという子もいる。私も小学校に30年程勤めていたので、切り干し大根を食べたことがない子も、稲美町は、田舎の方であるがたくさんいる。ひじきはツナを入れてひじきの煮物を作る。少し邪道とも思うが、まずは食べてもらわないとはじまらないので、「ツナの味がする、美味しい」というと細々食べていた子供が全部食べてくれたという事もあった。とうもろこしは皮むきを小学1年生にさせたりする。えんどうご飯も子供にむかせるとただのえんどうご飯をすると食べない子供も、自分でむいたりするとすごく興味を持ってくれる。給食を通じてきっかけ作りが出来ればいいなと思っている。家庭科の授業でも12月はかまぼこの飾り切りを子供にさせると、それがきっかけになり、家のおせち料理を手伝うと言って、家でおせち料理作りを手伝ってくれたという家庭が多かったという話を聞かせてもらった。学校が和食を家庭に広げるきっかけを作っていくのはとても大事な役割だと感じている。

龍谷大学 宮崎 由子 氏
自分たちが関わった時の食材を食べる時は生き生きした顔をして、美味しさが伝わる。奥村先生もそういう経験をされたことはあるか?

<奥村 彪生 氏
私は十人兄弟(姉妹系)の七番目でしたが兄弟皆家事を手伝いながら中学卒業するまで両親と暮らした。話は変わるが、日本の家庭は冠婚葬祭における料理というのは村の中、町の中、コミュニティの中で伝えられた物。私が奈良県に住んだ当初、お葬式の料理を手伝ったが、長老(男性)の采配のもとでおばさん達が動いている。そこに新しく嫁に来た人達が下働きしながら身につけていく。若いお嫁さんに対する冠婚葬祭のしきたりとか、料理の仕方を伝承していく場であったというのを発見し、学会で発表したら大絶賛だった。そういうコミュニティがなくなった。その責を学校給食が担っている。だから、子供に手伝わせているというのは素晴らしく良い事である。手伝う事によってどんな味になるだろうと次の予測をしていく。だから美味しく食べられる。みんなが参加して物作りをするということの重要さを話した。私は、食育は家庭内でするものだと言ったが、もうそういう事が出来ない時代になっている。それを社会がしていく時代を迎えている、その場が学校給食だと言って間違いないと思います。頑張って欲しいのは担当者である管理栄養士さん、栄養教諭さん、調理師さん。地域の中で地域の食文化として育てていくという事が非常に重要。現場で働いている皆さん、子供達もひっくるめて、連携を取る事が一番いい姿ではないかと思う。

龍谷大学 宮崎 由子 氏
子供たちに和食という物を知って頂く機会は学校給食だろうと思う。私達、管理栄養士の立場からしても、そこに力を注がなければならないと奥村先生の話を聞いてすごく思う。もう一つ尾上社長にお願いする事は、例えば学校給食の中で、筑前煮等を工場見学という事で、衛生面という事もあるが、和食を作っているという場所を見るという事も必要かと思うが、そういう取組はどう思われるか?

<(株)オノウエ 尾上 一幸 氏
ずっと取り組んでいた。前工場の近くに七条第三小学校があり、年に1回社会科の授業で3時間ほどかけて、お惣菜をつくるところをはじめから全部見てもらった。当日は白衣を3チームに分かれて交代で着替えていくとか、必ず三角巾を持って、マスクをして、順番にチームに分けて工場の中を見せていた。そのあと、色々な質問をもらったが、私にとって非常に楽しみな日であり、緊張する日でもあった。惣菜って知っているかと問いかけると、地域的なことで知っている人が多かったり、中央市場が近いので家族が中央市場で働いているから知っているという人がいたり、色々な答えが返ってくる。その中で感じたのは、色々な形で食が提供されているのを子供たちは知るべきではないかなということだった。お母さんが作っているのもそうだし、ここ(会社)で作っているようなものそうだし、給食で出されているものもあるし、さらに、買っていただくようなメニューを提案して販売しているところなどもあることを知ってもらえたらと思っている。

工場見学は、午前中の授業なので、子どもたちが帰る時にその日の朝から炊いたものと、ポテトサラダを持って帰ってもらって、給食で食べてもらっている。そのあと、皆さんからポスターを書いていただいて、私にとっての嬉しい良い時間で、今の工場でもできればいいなと考えている。

京の惣菜組合の理事長をしているが、業界全体でそういうことをしていかなければならないと考えている。あとは、素材、魚はどういう形か知らない、お造りの状態しか知らないというのでは困るし、野菜についても同じことがいえる。竹の子が生えているもので、湯がいて食べるということを知らないとか。色々な作業を経て口に入るということ、色々な業種があって、食べられる、届けられているということを知ってもらうために、我々も業界全体でやっていきたいと思っている。午前中の授業なので、質問を受け、帰ってもらう時に、その日の朝から炊いたものとポテトサラダを持って帰ってもらって、給食で食べてもらう。その後は皆さんからポスターを頂いて、嬉しい良い時間、京の惣菜組合の理事長をしているが、業界全体でそういう事をしていかなければならないと思っている。

会場からの質問
私は小学生向けの料理教室に、小さい頃から通っていて、今、そこのスタッフとして小学生に料理を教えているが、高校生になって、小学生、中学生は給食があって食育に理解が深まっているが、高校生になるとお弁当やコンビニで買う等で食育が薄れていくようだが、今の高校生にとって大切な事はどんなことか?

<稲美中学校 大西 徳子 氏>
私は今、中学校に勤めているのに、中学生に話をするのは食べた物で身体が作られるという事、今は家の人が料理を作ってくれたり選んでくれているけれども、これからは自分で選んだり、自分で作ったりしていかないといけない、という話をする。食べた物で身体が出来る、どんな物を食べるかが大事ということを話す。

<イズミヤ(株)下村 喜幸 氏>
あまり良い答えではないかも知れないが、外で食べる事が全くダメという訳ではないが、家庭で食事をする時に少しでもお母さんを手伝い、一緒に作ることによっていろいろな事が見えてくる、その中で会話も生まれ、色んな事が伝わっていくかと思う。私も娘がいるが、なかなかそういう事を高校生でしていない。してないから、何も知らないのが現状だと思う。個人的な感想は家で一緒に料理を手伝う事は一番いいことだと思う。

<(株)オノウエ 尾上 一幸 氏
私にも高校生の娘がいるが、仕事柄、家で食べるものの話をよくする。家庭で食卓を囲む時間を作ることが一番大事だと思っている。大変ならうちの惣菜を使ってもらっても、前の日の残り物でもいい。一緒に作ったり、お母さんが作ったりと。また食卓でなくても外食でもいいので、食事の時間に会話をしながら食べることができれば、いいと思う。人にはそれぞれ考え方があるから。家で3つだけ残す食材があったら何がいいかという質問で、娘はお茄子!と答えていた。そんなことでもいいので、一生懸命考えることができたらいいと思っている。

<奥村 彪生 氏
大学を卒業してサラリーマンになると家庭から自立する。私がずっと教えていたお母さんが、今まで大学生の頃までは自分が作った料理を美味しい美味しいと食べた。サラリーマンになると私の料理が不味いと怒り出した。それは学習である。お金を自分で儲けて、自分で儲けたお金で店に行って食べる。そのことで食べた料理屋、居酒屋とお母さんの料理を比較対照するからです。母の料理よりおいしく感じるのはお金を払っているという代価価値があるからである。

高校生は中途半端、家庭内で両親がきちんと食べ方を言わないと、放りっぱなしにするから、「ばっかり食い」をする。自分の身体を自分で管理するような一言、二言を親が正確に言うべきだ。そこに親と子のコミュニケーションという重要さがある。食べるという事は、親子、兄弟、親族、料理人とのコミュニケーションを取る重要な装置である。外交でも難しい話をする時は食事を共にする。それを武器にしているのが、中国とフランスである。日本もそれであって欲しいという事で京都に迎賓館を作った時にそこの責任を担っていた熊倉功夫さんに京都の迎賓館では洋食やフランス料理はしないで、きちんとした京料理でもてなしてくださいと進言した。

コミュニケーションを取るのは言葉である。親と子の語り合いの中からそういう教育が出来る。食事の時は絶対に叱ったらいけない。これほど食べ物を不味くすることがない。成績が悪くても決して成績の話は食事の場ではしない。絶えず食事は楽しく和やかにすませる。そういう所に一言、お父さんお母さんの言葉が入ればいいなと思う。一言でいい。身体に優しい物を食べなさいとか、姿勢を正して器と箸を手に持って美しく食べなさいとか、やはり親子の断絶があるという事は問題である。平和な家庭を築く事が平和な食卓になる。楽作楽食(簡単)が一番いい。

龍谷大学 宮崎 由子 氏
食事が一番楽しい場であるという事が奥村先生の話の中にあった。和食を身近なものにするという事が今日のテーマであるが、私が和食の利点だと思う所は季節感がメインにある。春の食べ物、夏の食べ物、秋の食べ物、冬の食べ物、学校給食はそういう形が現在もあると思うし、家庭でも季節にあった食べ物を取り入れて円卓で会話をしながら、という事がとても大事だと思う。

もう一つ和食の利点は行事を大事にする心。とても大事だと思う。季節感の中に行事を取り入れた食事をして、行事についても会話をしてもらうという事が和食を身近にする良いきっかけになるのではと思う。季節感と行事食というのも改めて食育の分野に入れればと思う。



お問合せ先

消費・安全部消費生活課
担当者:食育班
ダイヤルイン:075-414-9771
FAX番号:075-417-2149