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近畿農政局

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近江牛の美味しさ、世界中に伝えたい ~自家繁殖による繁殖肥育一貫経営により、納得の近江牛を~(畜産)
-有限会社岡喜牧場(竜王町)-

美味しく有名な牛肉は日本各地にありますが、滋賀県には世界に誇る牛肉として近江牛があります。
近江牛は、「豊かな自然環境と水に恵まれた滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種」と定義されており、融点の低い不飽和脂肪酸を多く含むことから、口溶けの良い脂が特徴とされています。また、その歴史は400年以上と古く、日本最古の銘柄牛の一つと言われています。なお、近江牛は、平成29年12月、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示法)に基づき、地理的表示(GI)※に登録されました。
近江牛を自らの手で子牛から育て、その美味しさを広く伝える。そんな取組をご紹介します。
※地理的表示とは、農林水産物・食品等の名称で、その名称から当該産品の産地を特定でき、産品の品質や社会的評価等の確立した特性が当該産地と結び付いているということを特定できる名称の表示のことです。

有限会社 岡喜牧場:https://www.okakihonten.jp/kodawari/

岡山健喜代表

代表取締役の岡山健喜さん

自家繁殖による繁殖肥育一貫経営へ

有限会社岡喜(おかき)牧場は、竜王町と近江八幡市の牧場で700頭の牛を飼育し、年間300頭の牛を近江牛として出荷しています。
以前は競りで買った生後約10ヶ月の子牛を育て、出荷する‘肥育’ をメインに行っていましたが、近年、子牛の価格が高騰していることをきっかけに、自分たちで母牛を飼い、産まれた子牛を育て出荷する‘自家繁殖による繁殖肥育一貫経営’ に取り組んでいます。

 

体温センサと監視サーバ

出産間近の母牛に挿入した体温センサ(左)と、センサからの体温データが送られる監視サーバ(右)

繁殖に大切なこと…まずは観察力、そしてIT技術も 

出産をひかえた母牛の世話はとてもデリケートで、些細な変化を見逃さないことが何よりも重要だそうです。そこで頼りになるのは8名のスタッフの皆さん。繁殖の成果を上げるために最も重要な発情を見抜く観察力と、出産時の事故を軽減するために分娩に立ち会うのですが、その分娩の些細な兆候を見逃さない観察力。スタッフの皆さんのこれらの優れた観察力(中でも4名の女性スタッフの観察力はすばらしいそうです)のおかげで適切な対応をとることができるのです。
そして、もう一つ頼りにしているのが遠隔監視による分娩感知技術。母牛の体内に挿入した体温センサからのデータを解析し、分娩前の体温変化がある場合、メールが送信されます。連絡を受けると母牛のもとに駆けつけ、不測の事態に備えることができます。
観察力を磨き、IT技術を上手く活用することにより、繁殖技術を高めています。

 

牧場で生れた子牛

牧場で生まれた子牛
(小さい間はハッチで過ごします)

納得のいく近江牛を育てたい、美味しく味わってもらいたい

できる限り自分たちの手で育てることにより、納得のいく近江牛を生産する、その取組は、少しずつ実を結んでいます。そして併せて取組んでいるのは、「自分たちが育てた近江牛の美味しさを、世界中に伝える 」ことです。
有限会社岡喜牧場のグループ会社では、滋賀県内で精肉販売やレストランでの料理提供、インターネット販売を行っています。更に平成23年から牛肉の輸出を開始し、現在、タイ・シンガポール・台湾へ輸出しています。また、昨年11月には、タイにレストランをオープンしました。
「自分たちの手で育てるからこそ、世界中の人に自信を持って提供できる」そんな気持ちでつくられた近江牛は、今日も世界のどこかで雄弁にその美味しさを伝えていることでしょう。 

 

お問合せ先

滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261