アグリ・インフォ九州第193号
アグリ・インフォ九州第193号(2017年5月12日発行:九州農政局)《 今月の話題 》
☆コラム・こらむ☆
『わりとすぐそばにある食品リスク』九州農政局 消費・安全部長 賴田 勝見 (よりた かつみ)
☆1☆ とぴっくす
★九州
1. 六次産業化・地産地消法に基づく事業計画の認定について2. 平成29年度九州農政局夏期インターンシップのお知らせ
★全国
1.「平成28年(2016年)熊本地震」に関する情報2. 平成29年度「第1回食育活動表彰」の受賞者を決定しました
3. 6次産業化支援対策のご案内
4.「飼料用米多収日本一」の公募について
5.「逆引き事典」更新のお知らせ
6. 第13回食育推進全国大会の開催について
☆2☆情報定期便
1.数字でみる農林水産業2. 平成30年産からの米政策の見直しに係る情報提供について
3.食育イベント情報(5月以降)について
4.九州農政局「消費者の部屋」からのお知らせ!
5. 食品表示における被疑情報受付のお知らせ
6.九州のトップランナーの取組みを紹介!
7.農政の動き
コラム・こらむ
『わりとすぐそばにある食品リスク』九州農政局 消費・安全部長 賴田 勝見 (よりた かつみ)
私たちの身の回りには様々な食品にまつわるリスクが存在しており、その代表的なものは細菌やウイルスによる食中毒です。皆さんは食中毒のリスクから身を守るための3原則=食中毒の原因菌を「付けない」:調理前や食事前の手洗いをしっかりやる、「増やさない」:低温で保存する、「退治する」:加熱処理する、をご存じでしょうか。この3原則をしっかり守れば、細菌やウイルスによる食中毒のほとんどは防ぐことができます。
(参考⇒http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/)
一方、例年この時期に発生しやすいけれどあまり広く知られていない食品リスクもあります。春から夏にかけ野山で採れる山菜や野草を食べるのはこの季節の楽しみのひとつですが、こうした食べられる山菜や野草に外見が非常によく似ていて実は有害な成分を含む植物は珍しくありません。例えば、スイセンの葉(有毒)をニラと間違って食べたことなどによる食中毒などは今年も既に発生していますし、過去にはイヌサフラン(有毒)の葉をギョウジャニンニクと間違ったことなどによる死亡事故も発生しています。有毒成分の中には加熱しても容易に分解しない(「退治できない」)ものも多いので注意が必要です。山菜等と間違え易い植物の知識を身につけ、よく知らない、安全かどうか不確かな植物は食べたり人にあげたりしないようにして下さい。
(参考⇒https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/natural_toxins.html)
また、最近では、1歳未満の乳児にハチミツを混ぜた離乳食を与えたことにより乳児ボツリヌス症が発生し、乳児が亡くなるという痛ましい事故も起こっています。 これは菌が熱に強い「芽胞」という形でハチミツの中に潜んでいて、その菌が乳児の腸内で増殖する過程で産生する強力な毒素によるもので、先ほどの食中毒予防3原則では防ぎきれず、「1歳未満の乳児にはハチミツを与えない」ということを守るしかありません。
この他、最近、農作物の鳥獣害防止と地域振興の両面で話題になっている鹿やイノシシのジビエ料理についても、3原則通り衛生的な食肉処理や加熱調理が行われていれば問題はないのですが、「新鮮であれば安全」=「と殺した直後であれば肉や内臓を生で食べても安全でしかもおいしい」という、無知と無理解に基づくトンデモナイ誤解が未だまことしやかに喧伝され実践されている現実があります。こうした野生鳥獣は、人に感染し重篤な症状を引き起こし得るE型肝炎ウイルスや肺吸虫などを保有している可能性があり、その肉等を生で食べることは非常に危険な行為です。鳥獣肉の鮮度と生食の安全性には全く何の関係もありません。他人から勧められても絶対に食べないのはもちろんのこと、ジビエに関わる人達が間違っても生食を勧めたり販売したりしないよう、皆さんも是非厳しい目で監視し、もし見かけたら止めてあげて下さい。
このように私たちの身の回りには様々な食品にまつわるリスクがあるため、こうしたリスク関連情報に日頃から関心を持ち、情報を正確に理解し行動することが大切です。
☆1☆ とぴっくす
★九州
1. 六次産業化・地産地消法に基づく事業計画の認定について六次産業化・地産地消法に基づく、九州管内の認定件数(累計:平成29年4月28日時点)は387件となりました。
うち農畜産物関係320件、林産物関係26件、水産物関係41件となりました。
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/seiryuu/syokuhin/rokuzika/nintei.html
(担当)経営・事業支援部地域連携課
2. 平成29年度九州農政局夏期インターンシップのお知らせ
九州農政局では、大学(短期大学を含む)又は大学院の学生が九州農政局の実際の行政事務に接することにより、学生の学習意欲を喚起し、高い職業意識を育成するとともに、農林水産業、農山漁村及び農林水産行政に対する理解を深めてもらうことを目的としてインターンシップを実施します。
受入期間は、平成29年7月から9月のうち受入部署が設定する期間とし、実習時間は、原則午前9時から午後4時30分までです。
応募をお待ちしております。
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/soumu/jinji/intern/index.html
(担当)総務部総務課
★全国
1.「平成28年(2016年)熊本地震」に関する情報平成28年(2016年)熊本地震の農林水産業関係被害の概要について、平成29年4月10日現在で更新されました。
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/j/saigai/zisin/160414/kumamoto/taiou.html
2. 平成29年度「第1回食育活動表彰」の受賞者を決定しました
農林水産省は、平成29年度「第1回食育活動表彰」の農林水産大臣賞及び消費・安全局長賞の受賞者を決定しました。
平成29年6月30日(金曜日)に「第12回食育推進全国大会inおかやま」において表彰式典を開催します。
日時:平成29年6月30日(金曜日)
(11時~食育活動表彰式等、14時50分~シンポジウム)
会場:岡山コンベンションセンターコンベンションホール
所在地:岡山県岡山市北区駅元町14-1
九州農政局管内の受賞
☆ボランティア部門
【農林水産大臣賞】NPO法人霧島食育研究会(鹿児島県霧島市)
☆教育関係者・事業者部門
【農林水産大臣賞】熊本県立大学(熊本県熊本市)
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/taikai/12th.html
3.6次産業化支援対策のご案内
農林水産省は、雇用と所得を確保し、若者や子供も集落に定住できる社会を構築するため、農林漁業生産と加工・販売の一体化や、地域資源を活用した新たな産業の創出を促進するなど、農林漁業の6次産業化を推進しています。
この度、「6次産業化支援対策のご案内」とともに「特に輸出に取組む皆様へ」のパンフレットが掲載されましたので、ご活用ください。
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika.html
4.「飼料用米多収日本一」の公募について
飼料用米については、食料・農業・農村基本計画に定める生産努力目標の確実な達成及び「日本再興戦略」改訂2015に定める、10年後に担い手の60kg当たりの生産コストを5割程度低減させるというKPIの実現に向け、生産性を向上させるための取組が重要となっています。
これらの目標実現に向けて飼料用米生産農家の生産にかかる技術水準の向上を推進するため、平成28年度より「飼料用米多収日本一」を開催しています。
平成29年度の実施につきましても、5月1日から6月30日まで公募を行うこととしておりますので、ご応募、あるいは周囲の飼料用米の生産農家へのご周知をよろしくお願いします。
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/j/seisan/kokumotu/siryouqa.html
5.「逆引き事典」更新のお知らせ
「逆引き事典」の補助金については、都道府県事業を検索する機能が新たに追加されたところです。この度、掲載している都道府県が更新・追加されましので、ご活用ください。
掲載した都道府県は、農業編27道県、林業編20県、水産業編10県になります。
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.gyakubiki.maff.go.jp/appmaff/input
6. 第13回食育推進全国大会の開催について
平成30年開催の第13回食育推進全国大会が、大分県との共催により、平成30年6月23日(土曜日)~24日(日曜日)の両日、ホルトホール大分等で開催されます。
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/taikai/13th.html
☆2☆ 情報定期便
1.数字でみる農林水産業
「野菜の入荷量と価格の見通し(平成29年5月)」について
福岡市中央卸売市場の野菜の入荷量及び卸売価格の見通しをお知らせします。詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/seiryuu/yasai/yasai2.html
(担当)生産部 園芸特産課
統計新着情報ご案内
★九州〔4月25日〕平成28年海面漁業・養殖業生産統計(九州)
・平成28年(1~12月)の九州における海面漁業・養殖業の生産量は83万2,162tで、 前年に比べて4万5,002t(5%)減少しました。
・海面漁業の漁獲量は54万3,291tで、前年に比べて6万4,985t(11%)減少しました。
・海面養殖業の収獲量は28万8,871tで、前年に比べて1万9,983t(7%)増加しました。
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/toukei/index.html
(担当)統計部統計企画課
★全国
〔4月4日〕平成28年産西洋なし、かき、くりの結果樹面積、収穫量及び出荷量
・西洋なしの収穫量は、前年産に比べて6%増加し、かきは同4%減少し、くりは同1%増加しました。
〔4月18日〕平成28年木材統計
・素材の需要量は2,602万9千立方メートルで、前年に比べて3.7%増加し、素材供給量のうち国産材は2,066万立方メートルで、前年に比べて3.0%増加しました。
〔4月25日〕平成28年漁業・養殖業生産統計
・漁業・養殖業生産量は、前年に比べて8.0%減少しました。
・まいわしの漁獲量は、前年に比べて10%増加しました。
〔4月25日〕平成28年産指定野菜(春野菜、夏秋野菜等)の作付面積、収穫量及び出荷量(併載:平成28年産きゅうり、なす、トマト及びピーマンの年間計)
・春野菜の収穫量は前年産に比べて2%増加し、夏秋野菜は同2%減少しました。
また、たまねぎは同2%減少しました。
〔4月28日〕青果物卸売市場調査(平成28年年間計及び月別結果)
・野菜の卸売数量は3%減少し、卸売価額は3%増加しました。
また、果実の卸売数量は5%減少し、卸売価額は2%増加しました。
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/j/tokei/index.html
2.平成30年産からの米政策の見直しに係る情報提供について
農林水産省は、平成30年産からの米政策の見直しにおいて、生産者や集荷業者・団体の主体的な経営判断や販売戦略に基づき、需要に応じた米生産ができるよう環境整備を進めています。米の流通に係るよりきめ細かい需給・価格情報、販売進捗・在庫情報等の提供を行っています。
詳しくは、農林水産省ホームページをご覧下さい。
(相対取引価格・数量)については、
⇒https://www.maff.go.jp/j/press/seisaku_tokatu/kikaku/170411.html
(契約・販売状況、民間在庫の推移)については、
⇒https://www.maff.go.jp/j/press/seisaku_tokatu/kikaku/170425.html
3.食育イベント情報(5月以降)について
九州地域においては、多様な関係者により、様々な食育が行われています。これらのうち、九州農政局で把握できたイベント等について、「食育イベント情報」として、取りまとめましたのでお知らせします。
現地で取材をされる場合は、事前に「問い合わせ先」へご確認頂きますようお願いいたします。
(主な取組)
♦福岡県で「平成29年度 出前料理教室「作ってみよう!スクールランチ」を開催
♦長崎市で「平成29年度春の長崎市西公民館講座~男性料理教室 まかせて厨房~」を開催(5月13日~6月17日 全6回)
♦熊本市南区で「おいしい楽しいお弁当づくり~子ども料理教室~」を開催(5月21日)
♦大分市で「高齢者の健康寿命を延ばすためのサロン」を開催(5月10日、17日、24日)
♦宮崎県東臼杵郡門川町で「四季をまるごと体験ecoスクール」を開催(5月~3月)
♦鹿児島市で「グリーンファーム体験プログラム」を開催(5月1日~31日)
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/syohianzen/hiroba/island/event/event.html
(担当)経営・事業支援部 地域食品課
4.九州農政局「消費者の部屋」からのお知らせ!
九州農政局「消費者の部屋」では、食料・農業・農村に関する各種施策の情報提供や普及啓発を行っています。5月は、「九州産の新茶をどうぞ!」及び「毎年6月1日は『牛乳の日』、6月は『牛乳月間』です!」をテーマに特別展示を下記の両会場において実施しますので、是非ご来場下さい。
(展示場所)熊本地方合同庁舎A棟1階 消費者の部屋
(展示時間)8時30分から17時15分(土日、祝日を除く)
展示初日は13時から、最終日は17時まで
(展示場所)フードパル熊本「熊本市食品交流会館」熊本市北区貢町581-2
(展示時間)10時から17時
第1、第3月曜日(当日が祝日の場合は翌日)は休館日
♦テーマ1:「九州産の新茶をどうぞ!」
お茶の消費拡大に向け、お茶の機能性や九州管内産地の新茶情報等を提供します。
(展示期間)平成29年5月8日(月曜日)から5月19日(金曜日)まで
♦テーマ2:「毎年6月1日は『牛乳の日』、6月は『牛乳月間』です!」
全国的な取組にあわせ、牛乳・乳製品の消費拡大に向けた、牛乳・乳製品に関する情報を提供します。
(展示期間)平成29年5月22日(月曜日)から6月2日(金曜日)
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/syohianzen/syokunoanzenansin/syouhisya/syouhisya.html
(担当)消費・安全部 消費生活課
5.食品表示における被疑情報受付のお知らせ
九州農政局表示・規格課では、食品の品質表示に関する監視・指導をおこなっています。「食品小売店や加工製造業者を巡回し表示が適正に行われているか」「科学的分析により「品種」や「産地」などが適正に表示されているか」等を調査しているほか、[食品表示110番]を設置して、広く国民の皆様から食品の偽装表示や不審な食品表示に関する情報などを受付けています。
[食品表示110番]096-211-9156
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/syohianzen/jassquare/110月11日0.html
(担当)消費・安全部表示・規格課
[食品表示110番]は被疑情報の受付専用として開設していますので、食品表示に関するご相談及びお問合せについては、消費者庁、もしくはお住まいの県の担当部署へお願いします。
詳しくは消費者庁ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.caa.go.jp/foods/toiawase2.html
6.九州のトップランナーの取組みを紹介 !
九州の優良事例ポータルサイトでは、九州の農林漁業者の皆さんや地域の方々の先進的な取組みや優良事例等を紹介しています。第3回目は『株式会社くしまアオイファーム』の取組みをご紹介します。
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/portal/toprunner.html
九州の優良事例ポータルサイトもご覧ください。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/portal/kyushu_yuryou.html
(担当)企画調整室
7.農政の動き
★本局福岡県久留米市の農業法人等との意見交換(4月28日)
☆県拠点
(株)ひのかげ「アグリファーム」のグランドオープン式典が開催されました。
(4月20日)宮崎県拠点
六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定証交付式を開催しました。
(4月14日)大分県拠点
六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定証交付式を開催しました。
(4月11日)福岡県拠点
詳しくは、九州農政局ホームページ(あぜみち写真館)をご覧下さい。
⇒https://www.maff.go.jp/kyusyu/photo/index.html
(担当)企画調整室
◇◇編集後記◇◇
天候に恵まれた今年のゴールデンウィーク、皆さんはどのように過ごされましたか?
私は、毎年のことながら長期休暇に実家へ帰省し、水稲の種まき作業に汗を流しました。
苗が丈夫に育って、田植えの時期を無事に迎えられたらと思っていますが、これから九州各地では、麦や茶、飼料作物等の収穫作業、また、水稲や夏秋野菜等の植付準備作業で農繁期に入ります。
どうか、災害もなく、みのり多いことを願っています。
お問合せ先
企画調整室担当者:松田、木場
代表:096-211-9111(内線4117)
ダイヤルイン:096-300-6012
FAX:096-211-8707