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九州農政局

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「農事組合法人 下久末」(福岡県柳川市)

~大豆生産の向上とともに地域の農地を守る!~

  平成27年4月に設立した「農事組合法人下久末」(以下、同法人)は、筑後平野の肥沃な土壌を活かした土地利用型農業に取り組んでおり、作業計画に基づく適期作業を基本として、土作りや排水対策、病害虫・雑草防除等の基本技術の励行により、地域平均を上回る収量を実現しています。
  さらに、地域の後継者不足や農地維持等の課題にいち早く危機感を持ち、周辺組織に先だって法人化を進め、他組織の法人化におけるモデルとなっています。
  法人の経営理念として「地域の農地を守る」ことを第一に掲げ、農地中間管理事業を活用した農地の集積・集約化により、作業の効率化とともにコスト削減を通して、地域の農地維持に貢献しています。
柳川市の土地利用の様子 「農事組合法人下久末」の組合員のみなさん
柳川市の土地利用の様子
「農事組合法人下久末」の組合員のみなさん

大豆栽培の規模拡大と団地化の取組み

  当地域では当初、水稲の転作として大豆の作付けを開始しましたが、平成2年に機械の共同利用による生産コスト削減や労務費の削減を図るため「下久末地区機械利用組合」を設立。大豆の栽培面積拡大に努めてきました。
  平成18年には、同法人の前身である「下久末営農組合」の設立を契機に、大豆の団地化栽培を開始。団地化と合わせてブロックローテーション*を導入し、農地の地力維持による永続的な農業経営に取り組んでいます。
  また、大豆団地化によって生産効率が向上し、年々栽培面積を拡大してきました。現在では、経営面積の概ね50%、約16haとなっています。
*ブロックローテーション:田畑輪換の一形態であり、地域内の水田を数ブロックに区分し、そのブロックごとに集団的に転作。これを、1年ごとに他ブロックに移動し、数年間で地域内のすべてのブロックを循環する形態
同法人所有の農業機械(汎用型コンバイン)
同法人所有の農業機械(汎用型コンバイン)

大豆の安定した収量の実現に向けて

  当地域は、粘土系の土壌で、排水が悪いうえ、過去のほ場整備で施工した本暗渠も老朽化が進み、収量向上を図るうえで、ほ場の排水対策が必須となっていました。
  そこで、老朽化していた本暗渠の再整備(H26年度~H29年度)の際、全てのほ場にFOEAS(フォアス)*を導入。排水改善による湿害対策だけでなく、干ばつ時の地下かんがいが可能となり、天候不順の年でも気象に対応した安定生産が可能になりました。
  一方、水田の畑利用の進展等により、土壌の酸性化や土壌有機物の消耗、養分欠乏等、地力が低下していることが土壌分析から判明。大豆収量の低下の原因となっていることがわかりました。
  このため、土壌改良剤の施用と合わせて、稲わら・麦かんのほ場すき込みや腐植酸を主成分とした腐植酸苦土肥料の施用など、ほ場に有機物を投入することで地力の維持と収量の向上を図り、法人経営の安定化に努めています。
*FOEAS(フォアス):地下水位制御システムのことで、かんがい・排水の両機能を併せ持ち、設定水位を自動的に維持することができるしくみ
大豆のは種作業の様子  地下水位の設定を行う組合員
 大豆のは種作業の様子  地下水位の設定を行う組合員

「全国豆類経営改善共励会」(大豆集団の部)において農林水産大臣賞を受賞

これらの取組みが評価され、「平成29年度全国豆類経営改善共励会(大豆集団の部)」において農林水産大臣賞を受賞されました。

<添付資料>
「農事組合法人 下久末」(PDF : 411KB)

問い合わせ先

名称:柳川市役所 農政課
住所:福岡県柳川市大和町鷹ノ尾120
電話: 0944-77-8734
名称:柳川農業協同組合 営農センター
住所:福岡県柳川市大和町栄360-2
電話: 0944-76-5155

お問合せ先

企画調整室
担当者:松田、木場
代表:096-211-9111(内線4117、4124)
ダイヤルイン:096-300-6012
FAX:096-211-8707

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