特定非営利活動法人 伊万里はちがめプラン(佐賀県伊万里市)
~「生ごみを宝に!」資源循環による持続可能な地域社会を目指して~
生ごみの堆肥化に取り組む「特定非営利活動 法人伊万里はちがめプラン」(福田理事長)は、毎日大量に発生する生ごみを税金を使って焼却処分するのは「もったいない」との思いから、平成4年に飲食店のメンバーとともに「生ごみ資源化研究会」を発足させ、調査・研究を始めました。平成9年には、市民の参加や商工会議所の協力を得て「生ごみ堆肥化実行委員会」を結成し、市民を巻き込んだ活動に発展。活動の愛称を「伊万里はちがめプラン*」と名付け、平成12年に待望の生ごみ堆肥化実験プラントが完成し、生ごみの堆肥化がスタートしました。
同法人では、各種団体や事業者(農家)、行政、市民、大学等と協働して「ごみ減量」という課題に取組み、食資源循環による地球温暖化防止の推進を目指しています。
*はちがめ:“生きている化石”といわれるカブトガニは、 伊万里地方の方言で 「はちがめ」と呼ばれています。日本最大級のカブトガニ産卵地である伊万里湾を、 美しい状態で子ども達へ手渡したいという願いを込めて、「伊万里はちがめプラン」と名づけました。
「特定非営利活動法人伊万里はちがめプラン」理事長の福田俊明さん |
伊万里はちがめプラン |
生ごみ堆肥化活動
同法人では、飲食店やスーパーなど71業者と30ヶ所の一般家庭生ごみステーション(300世帯)から、年間約500tの生ごみを回収。集めた生ごみは種菌*とともに水分調整材(もみ殻、米ぬか、かんな屑など)と混ぜ合わせ切り返しを行い、水分調整を徹底。100日以上かけてゆっくり発酵・熟成させることで、微生物を多く含んだ良質な堆肥を約250t生産しています。
生産した堆肥は、「はちがめ堆肥」というブランド名で地元農家へ販売するほか、はちがめプラン農産物直販所“風道”や道の駅などで家庭菜園やガーデニング用として販売されています。
*種菌:平成9~11年、生ごみに対して活発に反応する発酵菌群の選別培養に成功。種菌として改良と培養を行いました。
平成9~11年 微生物の培養実験の様子 |
平成12年生ごみ堆肥化実験プラント完成 |
はちがめ堆肥(小袋) |
菜の花プロジェクト活動
同法人では、地元農家の協力を得て休耕地に「はちがめ堆肥」を施し、菜の花を栽培。春に菜の花を鑑賞した後、菜種油を生産して、飲食店や市民などに提供しています。廃食油は回収後、菜の花エコハウスで廃食油ディーゼル燃料に精製。クリーンなバイオマス燃料としてディーゼル自動車等に活用しています。
菜種の収穫や菜の花の移植作業には多くの市民や小中高校生が参加し、恒例のボランティア行事として定着しています。
菜の花栽培の様子 |
菜種の選別作業の様子 |
廃食油を精製したBDF(廃食油燃料) |
環境教育と環境啓発活動
小中高校への「生ごみ堆肥化」・「菜の花プロジェクト」の出前授業や、市民向けに環境学習会などを毎年開催しています。また、堆肥化実験プラントへの視察研修やJICAを通じての外国人研修生の受け入れ、さらに、環境フォーラム等で講師として招かれるケースも多く、全国各地へ「はちがめプラン」のノウハウや技術の支援に取り組んでいます。
出前授業の様子 |
視察研修の受け入れの様子 |
JICA紹介による研修生の視察の様子 |
第6回「食品産業もったいない大賞」において農林水産大臣賞を受賞
これらの取組みが評価され、第6回「食品産業もったいない大賞」において農林水産大臣賞を受賞されました。髙鳥農林水産副大臣(右)と福田理事長(左) |
髙鳥農林水産副大臣と受賞者との記念撮影 | 伊万里市長に農林水産大臣賞受賞を報告 |
問い合わせ先
名称:特定非営利活動 法人伊万里はちがめプラン理事長 福田 俊明(ふくだ としあき)住所:佐賀県伊万里市大坪町狩立(今岳)乙2436-1
電話:0955-22-4058
<添付資料>
特定非営利活動法人 伊万里はちがめプラン(PDF : 300KB)
お問合せ先
企画調整室担当者:松田、木場
代表:096-211-9111(内線4117、4124)
ダイヤルイン:096-300-6012
FAX:096-211-8707