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九州農政局

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岩切 治俊・辰江(いわきり はるとし・たつえ) 夫妻(宮崎県宮崎市)

水田を集積し粗飼料自給率100%を達成!地域農業の維持に貢献

岩切治俊氏(以下、岩切氏)は、平成6年に45歳で新規就農し、20頭規模の肉用牛繁殖経営を開始しました。
平成21年に後継者が就農したことを契機に、補助事業を活用して牛舎等の整備を行い、100頭規模まで経営を拡大しました。しかしながら平成22年に宮崎県内で口蹄疫が発生。全頭(繁殖牛70頭・子牛55頭)が処分対象となりましたが、地域でいち早く肉用牛の導入等に取り組み、現在では、口蹄疫発生前よりも飼養規模が拡大しています。
また、平成6年の就農と同時に、飼料稲(WCS)の栽培に取り組み、飼養規模の拡大に併せて地域内の水田を集積。自ら飼料稲(WCS)や飼料用米、飼料用作物を生産すると共に、地域内の水田面積の約半分(22ha)の飼料稲(WCS)を収穫して、粗飼料自給率100%を達成しました。更に、高齢化等で危惧されていた地域農業の維持に貢献しています。

岩切さんご家族 ラッピングした飼料稲(WCS)  
 岩切さんご家族  ラッピングした飼料稲(WCS)  

国産濃厚飼料の生産で飼料費の大幅削減を実現!

本地域は水田主体の地域でしたが、担い手の確保が難しく、水田の荒廃が懸念されていました。一方、地域の水田は排水不良田が多く、トウモロコシやソルガムなどの長大飼料作物の栽培に適さない状況でした。そのような中、岩切氏は地域の農業経営の安定に貢献すべく、飼料の生産基盤を水田に置き、飼料稲(WCS)栽培を開始。農地集積や遊休水田の積極的な活用など、耕畜連携に取り組んでいます。
また、水田での作業効率が悪いため、コンバイン型専用収穫機と自走式ラップマシンを平成22年に導入し、作業効率の向上に努めています。
更には、平成26年からは、県や民間企業と連携して、飼料用米の生産と粉砕機の導入により、SGS*の取組を開始。
母牛に配合飼料の代わりとして給与することで、飼料費の大幅削減を実現しています。
*SGS(ソフトグレインサイレージ):収穫した飼料用米(生籾米)を乾燥させずに、そのまま破砕処理し、フレコンなどに密封保存してサイレージ化(乳酸発酵)したもの。

コンバイン型専用収穫機 自走式ラップマシン 飼料用米粉砕機と調整作業の様子
 コンバイン型専用収穫機  自走式ラップマシン  飼料用米粉砕機と調整作業の様子
SGS(ソフトグレインサイレージ)    
SGS(ソフトグレインサイレージ)    

新たな国産濃厚飼料生産と給与試験に挑戦

平成29年からは、秋冬作として二条大麦を作付けし、麦発酵粗飼料に取り組むことで、更なる国産濃厚飼料生産を進めています。
一方、飼料生産に限らず、自家産牛を活用した給与試験*にも率先して取り組んでおり、給与体系確立に向けても、熱心に研究を行っています。
*給与試験:(SGS区40頭、SGS+配合飼料区20頭、配合飼料区30頭)


新たに始めた二条大麦の栽培 出穂した二条大麦
 新たに始めた二条大麦の栽培  出穂した二条大麦

建設業の経験を活かした牛舎建設

就農当時の畜舎は、所有地の山土を圃場整備に提供した後の平地を有効活用し、建設業の従事経験(2級建築士資格有り)を活かして自力施工で牛舎を建設しました。
また、飼養規模の拡大に伴って建設した2号・3号の牛舎でも、利便性や牛の快適性を確保・追求しながら自力で各種改良を行うなど、民間企業時代のノウハウを畜産経営に活かしています。

牛舎風景 牛舎と敷地内に積まれたWCS
 牛舎風景  牛舎と敷地内に積まれたWCS

第4回 平成29年度全国自給飼料生産コンクールおいて農林水産大臣賞を受賞

これらの取組みが評価され、「第4回 平成29年度全国自給飼料生産コンクール」(飼料生産部門肉用牛繁殖経営)において、農林水産大臣賞を受賞されました。

添付資料

岩切 治俊・辰江 夫妻の取組事例(PDF : 378KB)

お問合せ先

企画調整室
担当者:松田、木場
代表:096-211-9111(内線4117、4124)
ダイヤルイン:096-300-6012
FAX:096-211-8707

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