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九州農政局

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農事組合法人 八女美緑園製茶(福岡県八女市)

~直売・カフェの展開による “みりょく” あるお茶づくり~

地域の概要

  八女市は福岡県の南部に位置し、日中気温が高く、夜間冷え込む内陸性の気候と年間1600mm~2400mmに及ぶ降水量、朝霧や川霧の発生さらに、ミネラルを豊富に含んだ土壌などの気象・土壌条件を活かした全国有数の高級茶の産地です。
 
展望所から望む茶畑 八女美緑園 代表理事 江島一信氏
展望所から望む茶畑 八女美緑園   代表理事   江島一信氏

法人設立の経緯

  農事組合法人八女美緑園製茶(以下、美緑園)は、平成8年、5戸の生産者で設立されました。
  法人設立前は、生産者それぞれが自前の工場を構えて製茶を行っていましたが、施設の老朽化や繁忙期の早朝から深夜に及ぶ重労働など共通した課題を抱えていました。こうした共通課題の解決さらに、”直売”による新たな経営展開を図る構想に賛同し、平成8年、農事組合法人を設立しました。
  現在、市場出荷、茶商との相対取引、輸出、店舗での直売・カフェといった多角化経営でリスクの分散を行いながら安定した法人経営を実現しています。
  これらの活動が高く評価され、令和2年度農林水産祭において、内閣総理大臣賞を受賞されました。
 
八女美緑園   店舗 煎茶工場
八女美緑園   店舗 煎茶工場

受賞者の特色

(1)抹茶への早期取組と茶の直売や商品開発

  美緑園では、地域の生産者が高齢化し、茶園の集積・規模拡大が進む中、工場の処理量が限界に近づき、荒茶工場増設か抹茶の原料となるてん茶工場の新設かの2択を迫られ、最終的な経営判断として、てん茶の取組を選択し、平成21年当時の八女市では初となるてん茶工場を新設しました。
  幹線道路沿いの直営店では、お茶の他に、女性の感性に訴求する”かわいい”をコンセプトにした商品やお洒落な茶器などを販売するとともに、隣接するカフェで、茶や抹茶アイスなどのデザ-トを提供しています。
(※抹茶とは、てん茶を微粉末状に加工したものです。)

(2)広告に頼らない販売戦略

  直売所を単なるお茶の販売店と位置づけるのではなく、来店者と直接対話してお茶の良さを理解してもらう場として位置付け、併設したカフェと一体となって来店者に、茶の選び方や茶器の使い方などのお茶の楽しみを提供しています。この取組が口コミで好評となり、営業活動に注力しなくても購買層が拡大しました。
  また、海外茶商との直接取引が実現し、台湾・ベルギ-への茶輸出にも取り組んでいます。
 
八女茶カフェ   ぶんぶく
八女茶カフェ   ぶんぶく

今後の発展方向

  これまで、個人経営では出来ないことにチャレンジできるのが法人経営の強みとの思いで懸命に突っ走ってきました。現在、後継者も育ちつつあり、次世代へのバトンタッチを視野に入れて、役員の定年を70歳とする定年制を導入しました。
  今後は、後継者たちが活躍する時代を見据え、茶園の面積拡大や茶品種の適正化、高樹齢茶園の更新を図るとともに、更なる輸出の拡大に向けて、有機JAS認証の取得や輸出相手国に対応した栽培管理の確立を図ることとしています。
  また、販売面では、店舗やカフェの集客力を高め地域内外の顧客獲得に努めることとしています。
  なお、例年、新茶の時期を中心に観光バスが年間200台ほど来訪していましたが、今年はコロナ禍によりキャンセルが相次ぐなど急激な需要の落ち込みに直面しています。今後は、通販や宅配も視野に入れた需要の掘り起こしを考えています。

お問合せ先

名称:農事組合法人  八女美緑園製茶
住所:福岡県八女市大字豊福269-2
電話:0943-24-2000
代表:江島一信 氏

<添付資料>
   農事組合法人 八女美緑園製茶(福岡県八女市)(PDF : 373KB)


(参考)  九州農業の取組事例集「トップランナーの取組」
URL:https://www.maff.go.jp/kyusyu/portal/toprunner.html


お問合せ先

九州農政局  企画調整室

担当者:木之下、西田
代表:096-211-9111(内線4117)
ダイヤルイン:096-300-6012
FAX番号:096-211-8707

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