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植物防疫所

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米国向けなし検疫実施要領

   沿革
   

平成02315 2農蚕第1244
平成0471 4農蚕第3882
平成11111 10農蚕第9493
令和02715 2消安第1780


第1 趣旨

1 アメリカ合衆国本土(以下「米国」という。)へ輸出するなしの生果実(以下「米国向けなし」という。)について、米国向けなしの生産者(以下単に「生産者」という。)、選果技術員(病害虫寄生果の選別及び選果並びに選果従事者への技術指導を行う者をいう。以下同じ。)、選果こん包施設の責任者等が実施する園地管理、選果こん包等が関係法令に従って適切に実施されることを確保するほか、植物防疫官が行う検疫を斉一に実施することをもって我が国からの米国向けなしの円滑な輸出を確保するため、本要領を定める。

2 米国向けなしの検疫は、植物防疫法(昭和25年法律第151号。)、同法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)及び輸出植物検疫規程(昭和25年農林省告示第231号。)に定めるもののほか、この要領により実施するものとする。なお、栽培地検査実施細則(昭和32年4月9日付け32振局第1065号振興局長通達)は、米国向けなしの検疫については、適用しない。

 

第2 定義

この要領において「なし」とは、Pyrus pyrifoliaをいう。

 

第3 対象地域

この要領に基づいて米国になしを輸出できる地域は、沖縄県を除く都道府県(奄美群島、小笠原諸島及びトカラ列島を除く)とする

 

第4 輸送方法

この要領に基づいて米国へなしを輸送できる輸送方法は、船積み貨物又は航空貨物とする。

 

第5 補助員の設置

1 植物防疫所長は、植物防疫官が行う第7の1の栽培地検査の事務を補助させるため、病害虫に関する知識を有し、かつ、米国向けなしの売買に直接利害関係を有しない者を、米国向けなし検査補助員(以下「補助員」という。)として、第1号様式による辞令を交付して委嘱できるものとする。

2 補助員は、米国向けなしを生産する都道府県(以下「都道府県」という。)の主務部長が推薦した者の中から委嘱するものとする。

3 植物防疫所長は、補助員を委嘱したときは、当該補助員に対し、その担当すべき地域及び事務の内容を指示するものとする。

4 補助員の担当地域を管轄する植物防疫所(支所及び出張所を含む。以下同じ。)の植物防疫官は、当該補助員に対し、その担当すべき事務について講習及び指導を行うものとする。

 

第6 栽培地検査の申請

1 米国向けなしの生産者又は生産者が属する生産者団体等(以下「生産者団体等」という。)の責任者は、次の措置が的確に実施される生産園地を、米国向けなしの生産園地として栽培地検査の実施を申請するものとする。当該申請は、栽培地検査申請書(規則第12号様式)を作成の上、当該生産園地の所在する都道府県に提出することにより行うものとし、申請書の内容に変更が生じた場合には、遅滞なく、変更した申請書を提出するものとする。

(1) なしの無袋果、破袋果が発生した場合の速やかな除去

(2) 別表1に掲げる病害虫の防除

2 栽培地検査申請書の提出を受けた都道府県は、提出された申請書を取りまとめ、原則として、毎年4月30日又は栽培地検査を受けようとする30日前のいずれか早い日までに、当該申請書を当該生産園地の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとし、1により変更された申請書の提出を受けた場合には、遅滞なく、当該植物防疫官に提出するものとする。

3 1の生産者又は生産者団体等の責任者は、当該生産園地の見やすい場所に、規則第24条第2項の表示(以下「標札」という。)を行うものとする。

 

第7 生産園地における栽培地検査

1 第6の1の申請を受けた植物防疫官((1)の実施にあっては、植物防疫官又は補助員)は、栽培中のなし生果実への袋かけ期直後及び収穫期直前の時期に、申請者に対し、あらかじめ、期日を通知した上で、それぞれ次に掲げる方法により、栽培地検査を行うものとする。その際、生産者又は生産者団体等の責任者は、これに立ち会うものとする。

(1) 袋かけ期直後については、栽培地検査申請書に記載のある全ての樹について、袋かけの状況及び別表1に掲げる病害虫の発生状況を確認するものとする。

(2) 収穫期直前については、都道府県ごとに、地理的な状況又は生産者に応じ、同一の栽培管理が行われていると考えられる生産園地から、それぞれ3から6の園地を抽出し、園地ごとに別表2に掲げる数量の樹について第7の2の事項を確認して行うものとする。当該抽出にあっては、申請年の過去2年間に抽出されていない園地を優先する。 

(3) 確認の結果は、米国向けなし生産園地成績表(第2号様式)により記録するものとする。

2 植物防疫官は、1の栽培地検査において、生産園地が次に掲げる要件を満たしていることを確認したときは、当該生産園地の申請者に対し、栽培地検査合格証明書(規則19号様式)を交付することとし、要件を満たさない場合には、不合格の理由を通知し、標札の除去を命ずるものとする。

(1) なしの無袋果又は破袋果がないこと。

(2) 別表1に掲げる病害虫が無発生又は低発生であること。

 

第8 選果こん包施設及び選果技術員の申請

1 米国向けなしの選果こん包を実施しようとする施設の責任者(以下単に「施設の責任者」という。)は、米国向けなしの選果こん包に際し、第10に基づく選果こん包が的確に実施される選果こん包施設及び第10の選果こん包に立ち会って選果こん包を指導する者を、米国向けなしの選果こん包施設及び選果技術員として申請するものとする。当該申請は、米国向けなし選果こん包施設登録申請書(第3号様式)を当該選果こん包施設の所在する都道府県に提出することにより行うものとし、申請書の内容に変更が生じた場合には、遅滞なく、変更した申請書を提出するものとする。

2 申請書の提出を受けた都道府県は、提出された申請書を取りまとめ、原則として4月30日までに、当該申請書を当該選果こん包施設の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとし、1により変更された申請書の提出を受けた場合には、遅滞なく、当該植物防疫官に提出するものとする。

 

9 選果こん包施設の登録及び公表並びに選果技術員への技術研修の実施

1 第8の1の申請を受けた植物防疫官は、施設の責任者に対し、第10に掲げる選果こん包の具体的な実施方法を聴取するとともに、選果技術員に対し、病害虫の識別に関する技術研修(以下「識別研修」という。)を実施するものとする。

2 植物防疫官は、施設が第10に掲げる選果こん包を実施する能力を有しているものと認め、選果技術員に対する識別研修を実施したときは、米国向けなし登録選果こん包施設等一覧表(第4号様式、以下「こん包施設一覧表」という。)に当該施設に関する情報及び識別研修を修了した選果技術員氏名を登録し、当該選果こん包施設が所在する都道府県に対し通知するものとする。

こん包施設一覧表(選果こん包施設責任者氏名及び選果技術員氏名の欄を除く。)は、植物防疫所ホームページにおいて公表するものとする。ただし、1の申請時に植物防疫所ホームページでの公表を望まないとした登録選果こん包施設については、この限りではない。

3 登録選果こん包施設が登録の要件を満たしていないことが判明した場合、植物防疫官は、当該登録選果こん包施設の責任者に対し、改善を指導し、改善が行われるまでの間は、当該こん包施設で米国向けなしの選果こん包を行わないよう指導するものとする。なお、改善が行われない場合には、植物防疫官は、当該登録選果こん包施設の登録を取り消すものとする。

 

10 選果こん包等の実施

1 施設の責任者は、選果こん包の実施に際し、第9の2の登録を受けた選果技術員のうち1名以上を立ち会わせ、次に掲げる条件を確保するものとする。

(1) 米国向けなしの選果の開始前に、施設の清掃が適切に行われていること。

(2) 施設内に米国向けなし以外のなし生果実がある場合、米国向けなしは、他のなし生果実と隔離すること。

(3) 米国向けなしの選果こん包を実施している間に、第7の2の栽培地検査合格証明書の発行を受けた生産園地以外で収穫されたなし生果実が施設内に搬入されることがないこと。

(4) 選果対象が、第7の2の栽培地検査合格証明書の発行を受けた生産園地で生産されたなし生果実であることを確認すること。

(5) 選果にあっては、生果実の表面に傷のあるもの及び別表1に掲げる病害虫の付着したものが除去されること。除去された生果実は、施設外への搬出、密閉容器への保存等の再汚染防止措置を講ずること。

(6) 日没後に選果こん包作業を行う場合は、別表1に掲げる害虫の侵入がないよう、施設の開口部の閉鎖又は防虫網等による被覆が行われること。

(7) こん包に用いる容器は、原則として密閉式の容器を使用するものとするが、非密閉式の容器を使用する場合には、別表1に掲げる害虫の侵入がないよう、次に掲げるいずれかの再汚染防止措置を行うこと。

ア こん包又は束ねたこん包全体を網等で覆うこと。

イ こん包を海港又は空港へ輸送する際は、別表1に掲げる害虫の侵入がないよう、密閉式輸送機器を用いること。

(8) 米国向けなしの各こん包の側面には、以下の字句を表示すること。

ア 米国向けの表示

For U.S.A.

イ 登録選果こん包施設番号及び栽培地検査合格証明書に記載の栽培地番号

2 登録選果こん包施設の責任者は、選果こん包等が1に掲げる全ての条件が確保されていると判断した場合は、品種別の数量(kg又は個)が記載された書類を添付した米国向けなし選果こん包実施報告書(第5号様式。以下「実施報告書」という。)を2部(輸出検査申請書添付用及び輸出者保管用)作成し、米国向けになしを輸出しようとする者(以下「輸出者」という。)に交付するものとする。ただし、第12の輸出検査が、米国向けなしの登録選果こん包施設の選果こん包ライン上で行われる場合は、この限りではない。

 

11 輪出検査の申請

輸出者は、植物等輸出検査申請書(規則第14号様式(イ))に米国政府が発行する輸入許可証の写しを添えて、輸出検査の実施を希望する場所の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとする。第10 の2による実施報告書の交付を受けた場合は、これも植物防疫官に提出するものとする。

 

12 輸出検査

1 第11の申請を受けた植物防疫官は、米国向けなしの登録選果こん包施設の選果こん包ライン上又は植物防疫官が適切と認めた場所において、次に掲げる条件を確保した上で、輸出検査を行うものとする。この際には、輸出者に対し、あらかじめ、輸出検査の実施期日及び実施場所を通知するものとする。

(1) 検疫対象病害虫を発見するための適切な照明が備えられていること。

(2) 日没後に検査を行う場合は、別表1に掲げる害虫の侵入がないよう、施設の開口部の閉鎖又は防虫網等による被覆が行われること。

(3) 選果こん包ライン上で検査を行う場合は、なし生果実がこん包される直前に、選果こん包ラインの速度が病害虫の確認が十分可能な程度に遅い状態で検査を行うこと。

2 輸出検査では、次に掲げる検査量単位(以下「ロット」という。)から無作為に抽出した6%以上の数量の生果実について、別表1に掲げる病害虫の付着を確認するものとする。

(1) 選果こん包ライン上で輸出検査を行う場合は、選果日ごとに、生産者が同一の生果実を1ロットとする。

(2) 選果こん包ライン上以外の植物防疫官が適切と認めた場所において輸出検査を行う場合は、品種ごとに、第7の1の(2)において同一の栽培管理が行われていると考えられる生産園地において生産された生果実を1ロットとする。

3 輸出検査が選果こん包ライン上にて行われる場合には、植物防疫官は上記の検査に加え、第10の1に掲げる事項が確保された上で選果及びこん包が行われていることを確認するものとする。

4 植物防疫官は、検査の結果、次に掲げる全ての要件に適合すると認めた場合は、申請者に対し、合格証明書(規則第18号様式())を交付するものとする。

(1) 荷口のなし生果実が米国向けの登録選果こん包施設において選果こん包されたものであること。

(2) 別表1に掲げる病害虫の付着が認められないものであること。

(3) こん包に第10の(8)の表示がなされていること。

 

13 低温保管施設の認定

1 輸出者は、合格証明書の発行日から船舶又は航空機への積込みまで30以上が経過することが見込まれる場合において、輸出検査後の荷口を選果こん包施設以外の場所で保管しようとするときは、米国向けなし低温保管施設登録申請書(第6号様式)を、あらかじめ、当該低温保管施設の所在地を所管する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとする。

2 1の提出を受けた植物防疫官は、書類の記載内容を確認の上、輸出者又は低温保管施設の責任者に対し、荷口の具体的な保管方法を聴取し、低温保管施設において、米国向けなしとそれ以外のなし等の生果実とが隔離した状態で保管し得ることを認めた場合は、申請者に対し、当該低温保管施設を米国向けなしの低温保管施設として認める旨を通知するものとする。

3 低温保管施設の認定後に、低温保管施設が認定の要件を満たしていないことが判明した場合、植物防疫官は、申請者に対し、改善を指導し、改善が行われるまでの間は、当該低温保管施設での検査後の荷口の保管を行わないよう指導するものとする。なお、改善が行われない場合には、植物防疫官は、当該低温保管施設の認定を取り消すものとする。

 

14 輸出検査済み荷口の再検査

1 輸出者は、合格証明書の発行日から船舶又は航空機への積込みまでに30日間以上が経過した場合には、植物等輸出検査申請書(規則第14号様式(イ))及び米国政府が発行する輸入許可証の写しを、輸出検査の実施を希望する場所の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に提出するとともに、輸出検査に合格した荷口の再検査を希望する旨を申し出るものとする。

2 1の申請を受けた植物防疫官は、再度、荷口に対する輸出検査を行い、検査の結果、次に掲げるすべての要件に適合すると認めた場合は、申請者に対し、合格証明書を交付する。

(1) 別表1に掲げる病害虫の付着が認められないものであること。 

(2) こん包に第10の(8)の表示がなされていること。

 

15 記録の保管

植物防疫官は、栽培地検査、選果こん包施設の登録、輸出検査及び低温保管施設の認定の記録を実施年度から2年間保管するものとする。

 

16 米国農務省による輸入検査、現地査察等

1 米国における輸入検査の結果、別表1に掲げる病害虫が複数回発見される等、米国農務省が米国農務省の検査官(以下「米国側検査官」という。)による現地査察を必要と認めた場合には、植物防疫課長は、米国農務省に対して米国側検査官の招へいを要請するものとする。

2 輸出関係者は、米国側検査官による現地査察が実施されるときは、その円滑な実施に協力するものとする。

 

附 則(令和2年7月15 2消安第1780号)

改正後の要領(以下「新要領」という。)の施行の際現に改正前の要領の規定によりされている申請その他の行為は、新要領の施行後は、新要領の相当規定によりされた申請その他の行為とみなす。



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