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東北農政局

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秋田地域からの便り(令和2年度)


秋田の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

肥料も農薬も使わない酒米づくり ~鵜養酒米の郷~  -秋田県・秋田市- (2021年3月22日掲載)

秋田駅から東へ車で約40分走ったところにある秋田市河辺岩見の鵜養(うやしない)地区は、秋田市最奥部の小盆地で秋田県の中央部に位置します。大又川と小又川の2つの清流に挟まれ、茅葺の家も残る自然豊かな鵜養地区は、山々に囲まれ、上流に人家が無いことから水が綺麗で、上流部から取水される水量豊富な用水は、鵜養地区内の田んぼや各家々へ分水されています。

平成28年に発足した「鵜養酒米の郷」は、秋田市の新政酒造株式会社と協力して、同年から酒米づくりを開始しました。5.5haで始めた酒米づくりは、耕作放棄地を復田して面積を拡大し、令和2年には約23haとなりました。

栽培している品種は、秋田酒こまち、美郷錦、陸羽132号の3品種です。陸羽132号は通称「愛亀(あいかめ)」と呼ばれる品種ですが、90歳になる同地区のおじいさんが「愛亀がいがったなあ」と語ってくれたのがきっかけとなり、100gの種から栽培が始まりました。新政酒造を有名にした「きょうかい6号酵母」が生まれた昭和5年頃、この地区で作付けされていた主力品種が愛亀であり、ドラマを感じます。

鵜養地区は山々に囲まれ風通しが悪く、昔からいもち病が発生しやすいことから、「鵜養酒米の郷」では窒素成分を抑制するため、肥料を入れずに酒米を栽培しています。また、平成30年からは減農薬栽培を始め、令和2年からは全ての酒米ほ場で肥料も農薬も使わない栽培に取り組んでいます。そのため、一番大変なのは除草作業で、6月中旬からの約1か月間は3台の乗用型除草機をフル稼働させています。

埼玉県出身の加藤誠士さんは、関東の大学を卒業後、「地域の魅力が詰まった酒米づくりがしたい」と平成31年に新政酒造へ入社し、令和元年7月から上司と二人で「鵜養酒米の郷」の一員として酒米づくりを行っています。

加藤さんは、「酒米づくりは気候や風土に影響されるので、教科書どおりにはいかない。鵜養地区でのベストな栽培のため、地域に長く住んでいる農家の皆さんと話し合いながら、様々な課題を乗り越えて進めていくことにやりがいを感じている。」と話しています。

秋田の原風景が残る「鵜養酒米の郷」の酒米づくりには収量向上などの課題もありますが、秋田杉を使った酒造用の木桶工房建設や酒蔵の新設など、今後も新政酒造の構想と一体となった取り組みを進めていきます。

  

  • お問合せ先:新政酒造株式会社  加藤誠士
  • 住所:秋田県秋田市大町6丁目2番35号
  • 電話:018-823-6407
  • WEBページ:http://www.aramasa.jp/ [外部リンク]
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5755


肥料も農薬も使わない酒米づくり ~鵜養酒米の郷~
「鵜養酒米の郷」メンバー

「鵜養酒米の郷」
メンバー

河辺へそ公園から見た鵜養地区

河辺へそ公園から見た
鵜養地区

収穫期の「陸羽132号」(通称・愛亀)

収穫期の「陸羽132号」
(通称・愛亀)
鵜養地区を流れる大又川の「伏伸(ふのし)の滝」

鵜養地区を流れる
大又川の
「伏伸(ふのし)の滝」

(写真:「鵜養酒米の郷」メンバーについては新政酒造株式会社からの提供、それ以外は秋田県拠点職員撮影)

有機農業で社会に貢献したい  ~ゼロから始めた無農薬・無化学肥料栽培~  -秋田県・仙北市- (2020年12月22日掲載)

「令和元年度東北ブロック未来につながる持続可能な農業推進コンクール」の有機農業・環境保全型農業部門で東北農政局長賞を受賞した秋田県仙北市のアグリ・アサノ・ファームは、平成16年、水道工事等の自営業から農業に転身しました。

元々非農家だったファーム代表の浅野洋子さんご夫婦は、「無農薬・無化学肥料栽培」の野菜を自ら生産、販売することで社会貢献ができるかもしれないと考え、耕作放棄されていた農地を50aほど購入してゼロから有機農業を始めました。

当初から、完熟牛ふん堆肥、発酵鶏糞、米ぬかと納豆を使った自家製のぼかし肥料等で土づくりを行い、現在は、140aの畑に約60種類の野菜を栽培しています。

栽培した野菜の首都圏での有利販売に向けて、令和2年度内の有機JAS認証の取得を目指しています。

また、栽培した野菜を材料にした加工品の製造も行っており、黒にんにくはファーム自慢の看板商品です。ご自宅の隣のにんにく工房で、手のひらサイズのジャンボにんにくをひとかけらずつほぐして薄皮を残し、電気炊飯器の保温機能を使い、約2週間かけて製造するそうです。

ファームでは農家民宿も営んでおり、県内外の小中学生の農業体験や国際交流プログラムによる外国人等の農村体験を受け入れるなど、食農教育、日本の農業・農村文化の伝承、地域の国際交流にも積極的に取り組んでいます。

民宿の台所は流し台が低く、外国人等の利用者に不便な思いをさせてきたことから、先般、令和2年度の「農山漁村振興交付金(農泊推進対策)」を活用してキッチンをリフォームしました。残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で、今年はほとんど受入れができませんでしたが、ファームでは、来年は利用者数が復活することを心待ちにしています。

  

  • お問合せ先:アグリ・アサノ・ファーム  代表  浅野 洋子
  • 住所:秋田県仙北市田沢湖生保内字宮ノ前24-3
  • 電話:0187-43-3636
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


有機農業で社会に貢献したい  ~ゼロから始めた無農薬・無化学肥料栽培~
浅野さんご夫婦と代表の洋子さんの妹の涼子さん(右)

浅野さんご夫婦と
代表の洋子さんの妹の
涼子さん(右)

「にんにく工房」で製造されている黒にんにく

「にんにく工房」で
製造されている
黒にんにく

農山漁村振興交付金を活用してリフォームした農家民宿のキッチン

農山漁村振興交付金を
活用してリフォームした
農家民宿のキッチン

農業体験した生徒からの感謝の声

農業体験した生徒からの
感謝の声

(写真:秋田県拠点職員撮影)

北限のお茶 ~歴史を繋ぐ小さなお茶産地で~  -秋田県・能代市- (2020年9月23日掲載)

秋田県能代市の檜山(ひやま)地区で檜山茶保存会の会長を務める梶原啓子さんは、“北限のお茶”檜山茶の歴史を後世に伝えるための取組を続けています。

檜山茶は今から290年程前の江戸時代中期1730年(享保15年)頃、この地を治めた檜山城主峰経(みねつね)が京都の宇治から茶の実を持ち帰らせ、自家用茶園を作ったのが始まりとされています。その後、天保の飢饉の際に武士の副業として奨励され、最盛期には200戸ほどで約10ヘクタールの茶園があったそうですが、現在、栽培農家はわずか2戸、面積は0.4ヘクタールに減少してしまいました。

梶原さんは地元で菓子店を家族経営する傍ら、自ら檜山茶を販売しています。梶原さんは檜山茶の伝統的な製茶技法を引き継ぐだけでなく、よりおいしいお茶にしようと、製茶の一過程である茶葉の手揉み技術の習得のため、毎年静岡等の先進地まで足を運んでいます。

また、茶栽培の経営基盤を築いていくことも必要と考え、平成29年から山の斜面を借り受けて苗を植えたり、休耕地に挿し木で苗を育てたりしています。

同保存会では、10年前から毎年6月の新茶の時期に、「檜山茶フェスティバル」を開催し、檜山茶を知ってもらう活動を行ってきました。茶葉の手揉みを行うことができ、貴重な体験ができるほか、地元のお母さん達の手料理も味わえると好評で、市内外から参加があるとのことです。今年は、10回目の記念イベントとして、東北各地のお茶産地の賛同を得ながらサミットを開催する予定でしたが、新型コロナの関係で断念しました。来年は是非開催したいと意欲を燃やしています。

また、新茶の時期だけでなく、冬場の1月~3月にも手揉み愛好家が集まり、手揉み技術の勉強会を実施しています。

小さなお茶の産地で「歴史を繋いでいく」歩みが続きます。

  

  • お問合せ先:檜山茶保存会  会長  梶原啓子
  • 住所:秋田県能代市檜山字赤館21
  • 電話:090-2025-9949
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


北限のお茶  ~歴史を繋ぐ小さなお茶産地で~
昨年の手揉み体験の様子(今年は中止)

昨年までの
手揉み体験の様子
(今年は中止)

檜山茶保存会の梶原さん

檜山茶保存会の梶原さん
檜山茶の茶畑

檜山茶の茶畑
育成中のお茶の苗木

育成中のお茶の苗木

(写真:「手揉み体験の様子」は檜山茶保存会から提供。それ以外は秋田県拠点職員撮影)

コロナに負けない!陽気な母さん達のチャレンジ  -秋田県・大館市- (2020年6月19日掲載)

秋田県大館市にある、陽気な母さんの店は平成13年に設立され、直売所や食堂、仕出し、野菜セット等の宅配、食品加工(ごま餅等)、加工体験(きりたんぽ作り等)、農泊、農業体験、郷土料理の講習等々、地域に根差した農業と関わりのある様々な取り組みを行なってきました。

しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で食堂は休業、加工体験の団体予約はほぼキャンセル、修学旅行生の農業体験もほとんどが延期となってしまいました。

直売所についても休業を考えましたが、「買い物が出来なくて困る」、「直売所を続けて欲しい」と毎日のように地元の沢山の方々から電話があったことから、今まで直売所を利用し支えてくれた地元のお客様のために営業を継続しました。継続にあたっては、営業時間の短縮や店内従業員を少なくすること、購入品の袋詰作業をお客様自身にお願いする等、安全確保に努めながら営業を続けています。また、外出自粛で家食が多くなった家庭のために、休業した食堂のスタッフが地元の野菜等を活用して作った惣菜販売にも一層力を入れています。

さらに、比内地鶏の生産者から、比内地鶏が売れず在庫を抱えていると聞いたことから、ゴールデンウィークに秋田に帰省出来なくなった秋田県出身者に地元の味を届けようと、比内地鶏と地元の郷土料理等をセットにした宅配セットの販売をスタートさせました。この宅配セットは、関東圏を中心にゴールデンウィーク期間中だけで64セットを出荷し好評を得ており、今後も広くPRし販売を続けて行く予定です。

石垣代表は「自粛解除後の5月15日から食堂を再開し、土日はお客様が戻ってきている。加工体験工房も6月から少しずつお客様を受け入れる予定で、このままコロナが落ち着いてくれたら農泊も再開したい。」と話されていました。

また「コロナによる減収は大きく、経営は大変厳しいですが、皆が笑顔で集まれる日を願って、これからも微力ながら農家の母さんに出来ることを続けていきます。」とのことでした。

陽気な母さん達の前向きなチャレンジはまだまだ続きます。

  

  • お問合せ先:陽気な母さんの店株式会社  代表取締役  石垣 一子
  • 住所:秋田県大館市曲田字家ノ後97-1
  • 電話:0186-52-3800
  • WEBページ:http://yoki-kasan.com  [外部リンク]
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5639


コロナに負けない!陽気な母さん達のチャレンジ
比内地鶏ステーキ用お肉の他、きりたんぽ鍋セットや惣菜2種類が入った「ふるさと大館セットA」

比内地鶏ステーキ用お肉の
他、きりたんぽ鍋セットや
惣菜2種類が入った
「ふるさと大館セットA」

代表取締役の石垣一子さん(左)と事務職員の高橋えり子さん(右)

代表取締役の石垣一子さん
(左)と事務職員の高橋
えり子さん(右)
ずらりと並ぶ母さんの手作りお惣菜

ずらりと並ぶ母さんの
手作りお惣菜

笑顔の母さんの看板が目印

笑顔の母さんの
看板が目印

(写真:「ふるさと大館セットA」は陽気な母さんの店株式会社から提供。その他は秋田県拠点職員撮影)