青森地域からの便り(令和2年度)
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「田子町ガーリックセンター」~にんにくのおいしさや品質の高さを世界へ情報発信~ - 青森県・田子町 - (2021年2月5日掲載)
青森県田子町と言えば、有名な「にんにく」が頭に浮かぶはずです。この町は、農業が基幹産業で、県最南端に位置し秋田県、岩手県との境に接しており、森林が町の面積のうち約8割を占め、日中の寒暖差が大きく、畑作、水稲及び畜産を組み合わせた複合経営が主流です。
今回紹介するのは、「田子町ガーリックセンター」です。
同センターは、1988年に田子町とギルロイ市(米国)が、にんにくを通じて姉妹都市の提携をしたことをきっかけに、国際交流とにんにくの産業振興を主な事業目的に町が中心となりJA等を加えて1993年設立されました。
国際交流事業については、ギルロイ市や瑞山市(韓国)で開催される祭りに相互訪問する等、活発な交流を継続しています。特にギルロイ市とは、一般町民向けに英会話教室を開催するほか、町の支援により地元の中学生を現地に派遣し、ホームステイを通じて世界へ視野を広げるための取り組みをしていましたが、今年はコロナ禍で、オンラインホームビジット交流となりました。
産業振興事業では、小さな売店とレストランから始まり、田子町産にんにく商品の開発と販売(小売・卸)を手掛けながら、2003年に第1工場(加工品)、2008年には第2工場(生鮮品)を操業し、現在では毎年100トン以上のにんにくをJAから買い入れています。原料のにんにくは生産者ごとトレーサビリティを管理したうえ自社専用冷蔵庫で保管し、生鮮品から加工品さらに販売まで一貫した管理体制のもと製品を流通させています。この一貫体制は、消費者等から製品に対する生の声が反映し易いとともに、食の安全・安心の一翼も担っています。
ブランド化の取組としては、JAが平成18年に「たっこにんにく」(地域団体商標登録)を取得し、統一した栽培基準やL・Mサイズ以上の大玉を出荷規格とすること等により産地間の差別化を図っています。
同センター総務課長の佐藤さんは、これからも「全国に知られるにんにくの産地として、お客様の御期待に応える高品質の製品やサービスを提供するとともに、さらに田子町とにんにくの魅力を世界に広げるべく情報発信して行きます。」とのことでした。
にんにくと言えば、青森県田子町!にんにくの町へ、GoTo田子町!
皆さんも、コロナ禍の影響が収まれば一度本物の美味しさを味わう旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
- お問合せ先:田子町ガーリックセンター(正式名称:(一財)田子町にんにく国際交流協会)
- 住所:青森県三戸郡田子町大字田子字田子11
- 電話:0179-32-3165
- WEBページ:https://garlicenter.com/[外部リンク]
(情報収集)青森県拠点 電話:017-775-2151
![]() にんにくの植え付けの様子と 一番人気のネット入り 「たっこにんにく」商品 |
![]() 田子町ガーリックセンターの外観と 国際交流での「折り鶴」作製の様子 |
![]() 田子町ガーリックセンターで 店頭に並ぶにんにく商品 |
![]() レストランの様子、人気メニューの 「にんじゃあ麺」と「ビーフカレー」 |
(写真:「田子町ガーリックセンターで店頭に並ぶにんにく商品」及び「レストランの様子に掲載している「にんじゃあ麺」と「ビーフカレー」」の写真は青森県拠点職員撮影。その他の写真は田子町ガーリックセンターより提供。) |
約400年続く伝統野菜の「大鰐温泉もやし」を活かし、町を元気に! - 青森県・大鰐町 - (2020年11月5日掲載)
今回ご紹介するのは、令和2年3月30日に地理的表示(GI)保護制度に登録された「大鰐温泉もやし」です。
産地である大鰐町(おおわにまち)は、津軽地方の南端に位置し津軽の奥座敷と呼ばれる大鰐温泉があり、古くから湯治場として親しまれています。また、平野部が少なく雪が多いことから、野菜の栽培が難しい冬場でも生産可能な「大鰐温泉もやし」は、昔から貴重な野菜として大切に受け継がれてきました。
大鰐温泉もやしは、温泉パイプを埋めた土の中で約1週間かけて育てます。栽培から出荷まで温泉水のみを使用しているため風味が増しているのが特徴です。さらに、原料の豆は、小八豆(こはちまめ)という江戸時代から引き継がれている在来品種の大豆を使用し、長さが30センチ以上、太さは一般的な豆もやしの半分以下で、シャキシャキとした独特の歯ごたえがあります。
これまでは、世襲制によって栽培技術を伝えていましたが、後継者不足から大鰐町が新規就農者を受け入れ、現在は6戸12名で栽培しています。
今回伺った生産者の八木橋祐也さん(32歳)は、11年前に就農し、原料となる小八豆の生産から、もやし栽培まで一貫した経営を行っています。
「栽培は、特に土の温度管理が難しく、温度が低くても高くても発芽率が低下してしまう。また、大鰐温泉もやしの産地化やブランド化等を進める大鰐温泉もやし増産推進委員会で、年間を通じた栽培及び販売にチャレンジすることになり、これまで夏場(6~10月)の栽培技術がなかったが、試行錯誤を繰り返して、ようやく生産できるようになった。」と栽培の難しさを話してくれました。
大鰐温泉もやしは、地元の食堂などに卸されるほか、町内の日帰り温泉施設「大鰐町地域交流センター鰐come(ワニカム)」の産直店などで購入できます。
伝統を受け継いできた深い歴史と風味、シャキシャキとした食感を味わいに、足を運んでみませんか。
- お問合せ先:大鰐町農林課
- 住所:青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字羽黒館5-3
- 電話:0172-55-6574
- WEBページ:http://www.town.owani.lg.jp [外部リンク]
「大鰐温泉もやし」の購入に関するお問合せ先
大鰐町地域交流センター鰐come
住所:大鰐町大字大鰐字川辺11-11
電話:0172-49-1126
(情報収集)青森県拠点 電話:017-775-2151
![]() 土に溝を掘り温泉水パイプで加温 |
![]() 丁寧に収穫する生産者の八木橋さん |
![]() 温泉水で洗うことによって風味が増す |
![]() 鰐comeなどで販売 また、町内の各食堂では 大鰐温泉もやしラーメンを提供 |
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つがるブランドを全国へ ~今が旬のメロン~ - 青森県・つがる市 - (2020年8月5日掲載)
青森県の北西部に位置するつがる市は、新田開発で生まれた広大な田んぼと、砂丘地帯の屏風山地域で知られ、寒暖の差が大きい北国特有の気候から、稲作や夏秋野菜の栽培に適した地域です。
つがるブランド推進会議(会長:福島弘芳市長)では、平成19年につがる市産農産品のブランド化に向けて、米、りんご、メロン、スイカ、トマト、長いも、ねぎ、ごぼうの8品目について、有機肥料の使用や減農薬、生産履歴の整備等の基準「つがるブランド認定制度」を設けました。
今回は、つがるブランド主力のメロンに注目。全国5位の収穫量(農林水産省「平成30年産野菜生産出荷統計」に基づく順位)を誇る青森県の7割以上を占めるつがる市。8月に最盛期を迎える露地メロンは、ネット系を中心に白皮・黄皮系品種が雨よけトンネルで栽培されています。中でも「タカミ」は、果肉は緑色で、肉質がしっかりしていて日持ちが良く、糖度は15度以上あると評判です。平成25年、地元JAに最新鋭の複合型光センサー選果機を導入。糖度、重さ、体積、形、ネットの粗さ等を測定、自動で選別し箱詰めされます。正確な品質測定と、識別番号による生産履歴の開示により、全国の市場からの信頼度がアップし、生産者の意欲向上に繋がっています。
7月6日は「つがる市メロンの日」。毎年、旬や美味しさを覚えて欲しいと市内の小中学校等の給食に完熟メロンを提供しています。また、市内の販売施設において1玉666円の特別販売が行われるなど、メロンのつるに見立てた「6」が徐々に浸透しています。このほかにも特色あるイベントを開催しています。
東京・神楽坂。お洒落な街並みの中に、日本初のメロン専門工房「果房メロンとロマン」があります。メロンに特化したアンテナショップとして、昨年7月につがる市が開設。日本と世界から集めた旬のメロンオリジナルメニューを提供しています。6月下旬~9月上旬は、つがる市が誇るメロン5種類を中心に、生メロンの食べ比べやパフェ等が登場、メロンを通してつがる市の魅力を発信しています。
今年は好天に恵まれ、生育は順調。品質、糖度ともに抜群です。外観が美しく糖度17度以上の極上品「プレミアム」の増加が期待されます。出荷目標は20万箱、5億円。7月14日には「メロン出荷式」が行われ、「タカミ」2,600箱が消費地へ出発しました。
つがるブランドは、つがるの風土と心を込めた宝物。美しい農村風景と共に発展していくことを目指しています。つがる市のマスコットキャラクター「つがーるちゃん」も応援よろしくお願いします。
- お問合せ先:つがるブランド推進会議
- 住所:青森県つがる市木造若緑61-1 つがる市役所内
- 電話:0173-42-2111
- WEBページ:http://www.tsugarubrand.jp [外部リンク]
(情報収集)青森県拠点 電話:017-775-2151
![]() 1. つがるブランド「タカミメロン」 複合型光センサー選果機 (充実度センサーでは糖度を計測) |
![]() 2. 7月6日は「つがる市メロンの日」 (つがる市マスコットキャラクター 「つがーるちゃん」と給食の様子) |
![]() 3. 日本初のメロン専門工房 「果房メロンとロマン」 ~東京・神楽坂~ メロンとシャンパンと白のパフェ |
![]() 4. 令和2年度 つがるブランド認定メロン 出荷式 |
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地域の伝統文化を伝えるために(むつ市) - 青森県・むつ市 - (2020年5月7日掲載)
下北半島は本州の最北端に位置し、そこに暮らす人々は、冷涼な気候による厳しい生活をしてきましたが、古くから北前船の寄港地だったことから、様々な物資や文化の流入により、田名部(たなぶ)祭り(豪華絢爛な山車の巡行)や能舞、神楽等などの民俗芸能など地域独特の文化が育まれてきました。
そのような中、認定NPO法人「斗南どんどこ健康村」は、地域の伝統文化と昭和中期頃までの人々の生活を、体験学習を通じて地域の子供達に伝えていく活動を行っています。
むつ市を流れる田名部川沿いの高台にある、「斗南どんどこ健康村」には、地域の民俗資料を展示している下北郷土資料館、古着を裂いて横糸に使う南部地方の伝統工芸の展示と体験ができる南部裂織(さきおり)館、隣村から移築した古民家等があります。
この施設では、地元の小学生が、囲炉裏端での食事、石臼を使ったきな粉作り、洗濯板による洗濯、郷土料理のべこ餅作り、南部裂織の機織り等の体験学習を行っており、貴重な課外学習の場となっています。
「斗南どんどこ健康村」は、これらの食育活動により、令和元年度地産地消等優良活動表彰の教育関係部門で、東北農政局長賞を受賞しており、東北農政局長も現地を訪問しています。(詳しくは東北農政局Webのフォトレポートをご覧下さい)
「斗南どんどこ健康村」は、一般の方でも無料で見学や南部裂織の体験行うこともできますので、かつての下北地方の姿に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
- お問合せ先:認定NPO法人 斗南どんどこ健康村
- 住所:青森県むつ市大字田名部字下道4
- 電話:0178-22-4208
- WEBページ:(東北農政局Webのフォトレポート内) https://www.maff.go.jp/tohoku/tiiki/aomori/photo/h31_ao.html#20200256
(情報収集)青森県拠点 電話:017-775-2151
![]() 斗南どんどこ健康村 下北郷土資料館 |
![]() 昭和30年代頃の茶の間の風景を 再現した展示物 |
![]() 斗南どんどこ健康村 南部裂織館 2月の撮影のため 雪に覆われています |
![]() 展示中の織り機 これを使った南部裂織の 機織り体験ができます |
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