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東北農政局

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山形地域からの便り(令和3年度)


山形の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

ワインを起爆剤にした地域活性化の取組 -山形県・上山市- (2022年1月20日掲載)

上山市では、地域活性化の取組の一つとして、平成27年から生産(農業者)、醸造(ワイナリー)、消費(観光、商業)、金融、行政といったワインに関係する各組織が連携して「かみのやまワインの郷プロジェクト(協議会会長:上山市金融協会)」を推し進めています。
 
当地は、高い技術で栽培するワイン用ぶどうの産地であり、ワイン醸造に関しても長い歴史と高い技術がある地域です。このように高品質なワイン用ぶどうを生産できる好条件にありながらも、生産者の高齢化に伴う離農や規模縮小によりぶどう生産量が減少したことなどから、ワイナリーの新規参入と雇用創出の機会を失ってきました。
 
これらの課題解決に向け、1.ワイン用ぶどうの生産振興、2.ワインの醸造拡大、3.ワインの消費拡大の3つをワンストップで支援し、ワインを起爆剤とした地域活性化に取り組んでいるのがこのプロジェクトで、就農からワイナリー創業まで一括して自治体が支援しているのは全国でもまれとのことです。
 
プロジェクトの一環として「ワインぶどうセミナー」を開催したことで、事務局にワイナリー設立やぶどう栽培希望の相談が多く寄せられるようになりました。初期の相談者の中には、プロジェクトの支援を受けワイナリーを設立し、自らの園地で栽培したぶどうを使いワイン醸造・販売を始めた事業者もいます。
 
平成28年6月には、「かみのやまワイン特区」として認定を受けたことで、製造免許申請時の最低製造数量基準が引き下がり、市内にワイナリーを設立するハードルが下がりました。現在、ワイナリー創業を希望している5事業者がプロジェクトの支援を受けながらオープンを目指しており、市内のワイナリーは近い将来、8場となる予定です。
 
また、山形県の園芸団地整備事業を活用してワイン用ぶどう団地(約14ヘクタール)が令和2年度から整備されており、ワイン原材料の栽培・供給体制も整いつつあります。このように、プロジェクトが深化することで関係者の士気もますます高まっており、「ワインの郷づくり」が着実に進むことで、かみのやまの認知度アップと交流人口増加が期待されます。

 

  • お問合せ先:上山市農林夢づくり課(協議会事務局)
  • 住所:山形県上山市河崎1-1-10
  • 電話:023-672-1111(内線411)
  • WEBページ:https://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/
 

(情報収集)山形県拠点  電話:023-622-7271

ワインを起爆剤にした地域活性化の取組

プロジェクトイメージ図

プロジェクトイメージ図

ワイン用ぶどう園

ワイン用ぶどう園

ワイナリー醸造施設

ワイナリー醸造施設

かみのやまワインの数々

かみのやまワインの数々

(イメージ図・写真:上山市 提供)

高品質な花を全国へ~庄内町の取組~ -山形県・庄内町- (2021年9月21日掲載)

庄内町は全国有数の米の産地であり、幻の米「亀の尾」が生まれた地として知られています。しかし、花きの生産が盛んな地域であることはご存じでしょうか。
山形県は「ストック」「トルコギキョウ」ともに全国トップクラスの産出額(ストックは全国第2位、トルコギキョウは全国第4位。いずれも農林水産省生産農業所得統計令和元年産)で、いずれも庄内町が主な産地の一つとなっており、品質についても主な出荷先である中央卸売市場から高い評価を受けています。

庄内町でも他産地同様、高齢生産者のリタイアが増加する一方、花きを生産する若い世代の生産者の減少に頭を悩ませています。
このような状況のなか、庄内町では、1.町所有の2カ所の種苗センターが、特に技術力を求められる育苗を担うことで、年間を通じて品質の高い種苗を安定供給していること、2.JA単位にある花き部会の連携組織となる「庄内町花き振興会」が、町全体で同じ目標に向かうように、高い技術指導や幅広い支援を行っていることで、地域における質・量ともに充実した生産を支えています。

庄内町種苗センターを訪問した際には、生産者自らが高価格で取り引きされる「八重咲きストック」の種苗選別作業に精を出していました。施設を管理している株式会社庄内町種苗センター業務管理部長の斎藤信哉さんの話しでは、「経験を積めば、発芽状態を見て八重の花を咲かせるかどうか選別できるようになる。」とのことでした。
また、庄内町花き振興会会長の池田宏志さんからは、「花きの栽培は奥が深い。試行錯誤により品質が向上し、市場から高い評価を受けた時には“頑張った甲斐があった”と大きなやりがいを感じられる。こうした花きの魅力を広く伝え、共に町内で生産する者を増やしていきたい。」との思いを語っていただきました。
庄内町農林課齋藤主査からは、「コロナ禍で花きの需要減少が懸念されるが、花の町として地域を盛り上げられるよう引き続き生産者をバックアップしていきたい。」との意気込みが語られました。

 

  • お問合せ先:庄内町農林課農産係
  • 住所:山形県東田川郡庄内町余目字町132-1
  • 電話:0234-43-2211
  • E-mail:info@town.shonai.yamagata.jp
 

(情報収集)山形県拠点  電話:023-622-7271

高品質な花を全国へ~庄内町の取組~

生産者向け展示会の様子

令和3年7月29日にトルコギキョウ新品種の実証ほ場で行われた生産者向け展示会の様子

「ストック」の種苗選別作業を行う生産者

庄内町種苗センターにて「ストック」の種苗選別作業を行う生産者

庄内町花き振興会会長の池田宏志さん

町の現状や課題を語る庄内町花き振興会会長の池田宏志さん

町内施設に展示されたトルコギキョウ

庄内町花き振興会事業「庄内町の花応援・PR事業」の取組として、町内施設に展示されたトルコギキョウ

(写真左から1枚目:庄内町 提供)
(写真左から2、3、4枚目:山形県拠点職員 撮影)

地域農業へGAPを広めたい ~置賜農業高等学校の取組~ -山形県・川西町- (2021年6月21日掲載)

山形県立置賜農業高等学校(校長:鈴木通明、生徒196人)では、令和3年2月8日にJGAP認証(米(玄米))を山形県内の高等学校で初めて取得しました。
作物専攻の3年生が中心となり、全学年の生物生産科の生徒がJGAPに取組んでいます。

JGAP認証についての学習は令和元年から始まっており、各年次の作物専攻の3年生が中心となり進めてきました。きっかけは、授業の中で、同高校がある川西町ではGAP認証を取得した農業者がいないことを知り、高校として認証取得に取組むことで、地域の農業者にもっと認証取得について関心を持ってもらうことを目的に、プロジェクト学習(研究)として選びました。

JGAPの取組みは本年度作物専攻の3年生6名が引継ぎ、「労働の安全」、「食品の安全」、「環境の保全」の3つを重点に実施しています。
日常的に資材庫やライスセンター等の施設の清掃、整理整頓、肥料・農薬等の在庫管理の徹底、農場内の危険箇所の点検による事故や怪我の未然防止等のリスク管理を進め、食品としての安全性を確認するため農業用水の水質検査、環境に配慮した生産について学習するため土壌の残留農薬の検査や水田の生き物調査を行っています。

今年は認証取得後初めての栽培となり、5月28日に15アールの水田に生徒自らが育てたコシヒカリの苗の移植作業を行いました。この水田では、合鴨を放ち肥料や農薬の使用量を減らした栽培についても学習します。
JGAPに取組みながら、稲作について、肥料や農薬を減らした栽培の研究や近隣のバイオガス発電所から提供される液肥を使用した栽培の研究など、様々な課題に取り組むこととしています。

作物専攻の3年生は、「JGAPの取組みを継続し、10月に予定している継続審査に合格したい。審査の様子を地域の農業者にも公開しGAPの普及に貢献出来ればと思う。地域の全ての農業者がGAPの観点で取組み、農業が消費者にも農業者にも安心・安全な産業となることを目指していきたい。」と話しています。

 

  • お問合せ先:山形県立置賜農業高等学校
  • 住所:山形県東置賜郡川西町大字上小松3723
  • 電話:0238-42-2101
  • WEBページ:http://www.okitama-ah.ed.jp/[外部リンク]
 

(情報収集)山形県拠点  電話:023-622-7271

地域農業へGAPを広めたい ~置賜農業高等学校の取組~

安全確保
草刈り作業の安全確保
としてヘルメットとエ
プロンも着用します

田植機の操作
田植機の操作を学びま
す「まっすぐ植えるの
は難しいなぁ」


資材の管理
使い終わった資材の管
理も徹底します

水田の生き物調査
水田の生き物調査を通
し、環境に配慮した農
業について学習します


(写真左から1,3,4枚目:置賜農業高等学校 提供)
(写真左から2枚目:山形県拠点職員 撮影)