手作りこんにゃく~その2~ R3.3.25
日が長くなり、すっかり春めいてきました。
別れと旅立ち、そして新たなスタートの季節ですね。 新しい生活の準備や年度末の業務など、慌ただしくしている方も多いかと思います。
さて今回は、前回に引き続き、こんにゃく芋を使ったこんにゃく作りについてご紹介します。 こんにゃく芋は刺激が強く、素手で触れるとかぶれるので、作業時にはゴム手袋を利用します。
【こんにゃく】 ◯材料 こんにゃく芋(茹でて皮をむいたもの)300グラム ぬるま湯A(50~60℃)1,000cc 炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)8グラム ぬるま湯B(50~60℃)100cc
1.こんにゃく芋は良く洗い、卵ほどの大きさに切って、竹串がすっと通るぐらいに茹でます。 2.1の芋が熱いうちに、割り箸を突き刺して押さえ、スプーンで皮をむきます。 300グラムを計り取り、残りは冷凍保存します。
3.2の芋とぬるま湯Aを数回に分けてブレンダー(ミキサー)にかけ、大きめの鍋(ボール)に入れ、1時間以上寝かせて固めます。
4.ぬるま湯Bに炭酸ソーダを入れ、透明になるまでよく溶かします。
5.固まった3を手で良くかき混ぜて、4を加え、さらに素早くかき混ぜます。(ゴム手袋必須!) ✿この時、あのこんにゃく特有の臭いがしました!
6.混ぜているうちに、固形状のものが糊(のり)状になっていきます。糊状になったら、混ぜ過ぎないこと!
7. 水でぬらした容器に流し込んで20分以上寝かせす。 ✿水でぬらすことで、容器とこんにゃくの間に膜を作り、こんにゃくが取りやすくなります。 ✿Wさんは、この時点でアイスクリームディシャーを使って、丸く作るそうです。
8.7のこんにゃくを容器から取り出し、適当な大きさに切って、たっぷりのお湯で茹でます。 ✿容器から取り出すのが大変でした。
9.30分~40分茹で、中まで火が通ったら出来上がり。茹で汁にいれたまま冷まし、小まめに水を取り替えます。 私は、2日ほど水に浸してアクを抜きました。
うまくできるか不安でしたが、何とか「こんにゃく」になりました(^-^)v
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出来たてのこんにゃくは、刺身にして食べると最高です♪ 田楽味噌とわさびじょうゆでいただきました。 ぷにぷにの弾力となめらかな食感。こんにゃく特有の臭みはなく、いい具合に風味が感じられて美味しいです。 こんにゃくのきんぴらも、美味しくいただきました。
こんにゃく芋は栽培にも手間暇がかかりますが、こんにゃくを作るのも根気のいる作業です。 私は、茹で上がるまでの工程で3時間半ほどかかりました。 Wさんから「実験しているようなものだよ」と教えてもらいましたが、まさにそのとおり。 ぷにぷにしたこんにゃくは化学反応そのものです。
大変でしたが、美味しく出来たので達成感を味わえました(^○^)
手軽にスーパーで手に入るこんにゃくですが、思いがけず貴重な手作り体験をさせていただきました。 Wさん、ありがとうございました。
令和3年3月25日
手作りこんにゃく~その1~ R3.3.18
皆さん、この画像を見て何だかわかりますか?
正解はこんにゃく芋。 こんにゃくの原料ですが、そのままのネーミングですね(^o^)
職場の福島県出身のWさんから、自宅で栽培したこんにゃく芋をいただきました。 私ははじめて見ましたが、滅多にお目にかかれないものですよね。
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こんにゃく芋は、サトイモ科の植物の球茎(きゅうけい)で、成長するまで何と3年ほどかかるそうです。
まず、春に種芋を植え付け、秋に一度収穫します。翌春に再植え付けして、秋にまた収穫。この作業を3年ほど繰り返して、ようやくこんにゃくの原料になります。 1年で5~10倍、2~3年でさらに5~8倍に成長し、3年で直径15~20センチ、大きいもので直径30センチほどになるとのこと。 葉に傷がつくだけでも病気になってしまうデリケートな植物で、低温に弱く腐りやすいため、収穫から再植え付けするまでの間は、風通しがよく13度以下にならない場所に保管するなど、こんにゃく芋の栽培はとても手間と時間がかかるのです。
こんにゃく芋は強烈なえぐみ(アク)があり、加熱するだけでは食べることが出来ません。 このえぐみ(アク)は、消石灰(水酸化カルシウム)や炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)などのアルカリ性の灰汁(アク)を加えることで、中和して取り除かれます。 えぐみ(アク)を灰汁(アク)で取り除くとは、先人の知恵の賜物ですね。
また、こんにゃく芋にはコンニャクマンナン(グルコマンナン)という食物繊維が含まれていて、アルカリ性の灰汁(アク)によって固まり、こんにゃくになります。
このコンニャクマンナンは、体内で消化されない食物繊維で、胃や腸の中で水分を吸って膨らみ、便秘解消や血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。
Wさんからレクチャーを受け、いざ、こんにゃく作りに挑戦!
まずは、炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)を求めて薬局、スーパーを探しましたが、取り扱ってないとのことで、ネットで購入。 ネットショッピング、ホント便利ですよね♪ ただ困ったことに、8グラム使用のところ、購入したのは950グラム入り。 100回以上は作れる計算です(^^ゞ どうしましょ。
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材料が揃ったところで、こんにゃく作りの工程については、次回のブログでご紹介します。
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ちなみに、左の画像は、Wさんが作ったこんにゃくです。 形が美しい(*^o^*) 職人技ですね! 私も頑張って作ってみましたので、次回のブログをお楽しみに(^○^)
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令和3年3月18日
生めかぶ R3.3.11
寒さも和らぎ、春の陽気を感じられるようになりました。 今回ご紹介するのは、春先に出回る海の食材「生めかぶ」です。 茶色くて、ヒダヒダが折り重なっている感じのこの海藻、スーパーなどで見かけたことはありませんか?
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めかぶとは「わかめの根元部分」のことをいい、生殖細胞が集まった部位です。 そう、めかぶはわかめの一部であり、上のひらひらとした葉の部分が「わかめ」、わかめの葉の中心部にある、芯のような部分が「茎わかめ」として売られています。 |
めかぶは低カロリーで、ヨウ素、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが豊富であり、特にフコイダンやアルギン酸という水溶性の食物繊維が多く含まれています。
めかぶのヌルッとした成分は、フコイダンによるもので、腸内環境を整え糖質の吸収を抑えたり、免疫力を高める働きがあるそうです。 また、アルギン酸は、腸内環境を整えたりするほか、コレステロール値を低下させたり、高血圧の予防に効果があると言われています。
めかぶの主な産地は、宮城県と岩手県。 パックなどに加工された緑色のめかぶは、年中買うことができますが、この時期(2月~4月)しか食べられないのが生のめかぶ。 生めかぶの味は格別です♪ 出回り期でもいつも売っているわけではないので、私は見つけると、嬉しくて買ってしまいます。 そして、今週もゲットしました(^_^)v 今シーズン2回目です。
生めかぶの美味しい食べ方をご紹介します。 とても簡単ですよ。 めかぶ1個あたりの大きさ(長さ)は、約10センチほど。 生の状態でもぬめりがあり、触るとツルツルとすべります。
【下準備】 1.めかぶを、水で洗います。 2.茎の付け根に包丁を入れて、茎とヒダに分けます。3品作るので、ヒダは、半分づつ使います。 3.鍋にお湯を沸かし、茎を1分ほど茹で、ヒダの半分を加えます。10秒~20秒ほどで緑色にかわるので、すぐ取り上げ冷水で冷やし、ざるにあげます。 茶色から鮮やかな緑色に変わる瞬間が、プチ感動ものです♪
【たたきめかぶ】 一般的な食べ方です。お店でもこの状態で売っていますよね。
下準備で茹でためかぶのヒダを、包丁で細かくなるまでたたいて出来上がり。 茹でる前にたたく(刻む)方法もありますが、私は、よりネバトロ感を楽しみたいので、茹でてからたたきます。 しょうがとめんつゆで調味して、よく混ぜていただきます。 コリコリとした食感と、ネバトロ感が最高♪ あつあつのご飯にぴったりです。
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【めかぶの茎きんぴら】 下準備で茹でためかぶの茎を使います。 茎は硬いので捨てられる事もあるそうですが、無駄にすることなくいただきます。 フライパンに、ごま油を入れ、薄切りにした茎を炒め、砂糖、しょうゆ、みりんで調味し、白ごまを散らして出来上がり。 茎は塩気があるので、しょうゆは控えめに。 コリコリして、甘辛くて美味しいです。 |
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【焼きめかぶ】 下準備で、茹でずに残しておいたヒダを使います。 これが一番簡単ですが、味は絶品。オススメです。 オーブン(グリルでも可)に、アルミホイルを敷き、ヒダをならべて焼く(あぶる)だけ。 グラデーションに色が変わっていくので、裏返し、メカブが鮮やかな緑色に変わったら出来上がり。 焼きすぎると苦みが出てしまうので、注意が必要です。 ほんのり塩気があるので、そのまま食べてもおいしいですが、ポン酢がとても合います♪ たたきめかぶとはまた違った食感と、ふんわり香る磯の香りが味わえます。 |
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ほかにも、しゃぶしゃぶや味噌汁に入れて食べても美味しいですよ。 この時期にしか食べられない貴重な生めかぶ、見つけたらぜひご賞味ください。
令和3年3月11日
宮城の郷土料理「ほっき飯」 R3.3.4
今回は、宮城県山元町や亘理町に伝わる郷土料理「ほっき飯(めし)」をご紹介します。
ほっき飯とは、ホッキ貝を贅沢に使った炊きこみご飯のこと。 生のホッキ貝をしょうゆベースのタレで煮て、その煮汁を使ってご飯を炊き、旨味が染み込んだご飯の上に、取り出しておいたホッキ貝を乗せるのが一般的です。 山元町の磯浜漁港は古くからホッキ貝の漁が盛んだったことから、「ほっき飯」が生まれ、家庭料理として広まりました。
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今が旬のホッキ貝は、冬の貝の王様といわれ、肉厚で食べ応えがあります。
標準和名は「ウバガイ」 殻の長さが10センチほどの二枚貝で、寿命が30年以上も長生きすることから、姥(うば)の名が付けられたとか。 一般的に知られている「ホッキ貝」の名は、鹿島灘(茨城県)以北と日本海北部で水揚げされ、「北」に「寄」っているため「北寄(ホッキ)貝」となったなど、諸説あるようです。 主な産地は北海道や東北でしたが、東日本大震災の影響を少なからず受けたようです。 宮城県一のホッキ貝の水揚げを誇っていた山元町も、震災による津波の影響で甚大な被害を受け、水揚げが途絶えていましたが、数年かけて海底のがれきの撤去が進み、漁が再開しました。 12月から3月頃には、山元町や亘理町などの飲食店で、「ほっき飯」が提供されているそうです。 機会があったら、ぜひ、食べてみてくださいね(^O^)
そこで、今回は、ほっき飯に挑戦してみました!
生のホッキ貝は、この時期しか売っていないので、今がチャンスです。 調達できたのは、青森県産ホッキ貝のむき身。 殻は外してありましたが、下処理がされていません(^^ゞ ちなみに、画像の貝殻は、以前ホッキ貝の刺身を買ったときに付いてきた皿です(^-^)
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【下処理】
ホッキ貝は、アサリなどのように砂をはかせる事が難しいこともあって、通常、ワタは食べずに、足の身と貝柱、ヒモの部分だけ使います。
1.足の身からヒモを切り取り、身に水平に包丁を入れて開き、中の黒いワタを取り除きます。
2.ヒモについた黒い筋や、軟骨、ぬめる薄い膜を全部取り除きます。
3.食べる部分の足の身と貝柱、ヒモの部分を塩で揉んでぬめりを取り、水でよく洗います。
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この状態の物は、はじめて扱いました。 足の身がぷっくりしていましたが、中にワタが詰まっているとは驚き。 取り除いた部分は、画像に収めませんでしたが、なかなかグロテスクでした(^^ゞ
【ほっき飯】 〇材料 ホッキ貝5個、米 2合、だし昆布10センチ ☆(砂糖小さじ1、しょうゆ大さじ2、酒、みりん各大さじ1、水100cc)
1.鍋に☆の調味料をすべて入れ、火にかけ、沸騰したら、好みの大きさに切ったホッキ 貝を入れ、色がピンクに変わったらすぐに身を取り出します。 ✿煮過ぎると、身が硬くなるので注意。 2.研いだ米に、1の冷ました煮汁、だし昆布を入れ、水を足して2合の目盛りに調節して炊飯します。 3.炊き上がったら、すぐに、釜のご飯の上にホッキ貝の身を散らし、10分程度蒸らして出来上がり。 ご飯をよそった上に、ホッキ貝の身を盛り付けます。
少々色濃く出来上がりましたが、味はいい感じ♪ ホッキ貝の身がふっくらと柔らかく甘みがあり、ご飯にうま味が染みていて、いくらでも食べられそうです(*^O^*) とても美味しかったので、シーズン中にホッキ貝を買ってきて、また作りたいと思います。
令和3年3月4日
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