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The 田園 -photography by MOTOKO-

初添え

the 田園 -photography by MOTOKO-

 

第27回
みなさんこんにちは。花粉症のシーズン真っ盛りですね。このフォトギャラリーがアップされるころには暦の「啓蟄」が過ぎ、春が訪れていることと思います。
今日は家倉さんの先輩、冨田泰伸さんの酒蔵「冨田酒造」にお邪魔しました。長浜市木之本町の旧街道筋にあり、江戸時代から続く老舗です。当時の名残をとどめる街道の佇まいは、若き十五代目の酒造りの精神と似たものを感じさせます。そのスタイルとは、地元の水と米だけを使った昔ながらの厳寒仕込み。来年度より家倉さんの酒米を使った新酒を開発するそうで、若い二人の古くて新しい試みがどんなかたちとなるのか楽しみです。
さて、酒造りの行程を簡単に説明すると、洗米→蒸し→麹造り→酒母造り→仕込み→発酵→上槽……といった感じになります。酒造りにおける一番のポイントは「洗米」だとか。餅においても同様だそうで、米を浸水させるという作業は特別な儀式なのかもしれません。 そして驚いたのは、麹室(こうじむろ)で杜氏さんが上半身裸で作業されていたことです。

 

蒸し米 酒蔵 蔵人
盛 麹室 初添え
分析中 冨田泰伸さん 醪

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プロフィール

石津大輔(いしづ だいすけ)
1981年生まれの27歳。滋賀県高島市新旭町針江出身。耕作面積18ヘクタールの米農家。
就農暦年数は4年目。両親と弟、計4人の家族農業。
今年の目標は、去年より前へ3歩、環境負荷を軽減した農業の実践。農業に意欲のある人のための舞台づくり。
そしてもっと田んぼと仲良くなること。僕が生まれる前、日常のおかずになっていたシジミやウナギ。ニゴロブナやナマズ。
次世代の子供達に針江水産のシジミを食べさせてあげるためにも、京阪神の水瓶「琵琶湖」と田んぼを通じて付き合う者として、先人の自然との付き合い方に少しでも近づけるように心がけたいと思います。

家倉敬和(やぐら たかかず)
1980年生まれの28歳。滋賀県長浜市小谷丁野町出身。耕作面積34ヘクタールの米農家。
就農暦年数は6年目。両親と三人での家族経営。「とりあえずこの1年」それだけ考えて仕事するのはもうおしまい。
今年は、5年後10年後を見据えた意識で1年間を過ごしたい。学生時代5年間地元を離れて、滋賀・湖北が自分のDNAが一番安らぐ場所だと実感した。無農薬のお米作りを通して、不自然な静寂の田んぼに、息吹を取り戻したい!
それが、琵琶湖の上流でお米を栽培する私の農業スタイルです。  

MOTOKO (もとこ)
1966年大阪府生まれ。大阪芸術大学美術学科卒。ポートレート、ファッション、広告、音楽媒体など、幅広い領域で活躍。近年、作品集を積極的に発表し、さらなる新天地を開拓中。主な作品集に『Day Light』『First time』『Flowers of Romance』『京都』他。
土地に生きる人を撮影するために滋賀県に頻繁に通うようになって、三年が過ぎようとしている。
「農業家」を見つめはじめて、まだ一年。「たんぼ」について何も知らなかった自分にとって、新しい発見の連続の日々。乞うご期待ください。

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