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抗菌剤耐性:動物および動物由来食品の各国の抗菌剤耐性モニタリ
ング/サーベイランスプログラムの調和
 
Antimicrobial resistance: harmonization of national antimicrobial resistance monitoring and surveillance programmes in animals and in animal-derived food
Rev. sci. tech. Off. int. Epiz., 2000, 20(3), 859-870
 
A. Franklin, J. Acar, F. Anthony, R. Gupta, †T. Nicholls, Y. Tamura, S.?Thompson, E.J. Threlfall, D. Vose, M. van Vuuren, D.G. White, H.C.?Wegener & M.L. Costarrica(所属は抗菌剤耐性:概論の付録Aを参照)
 
OIE抗菌剤耐性特別専門家グループが作成したこの報告書は、まだOIE国際委員会の承認を受けていない。
 
要約
 
各国の動物および動物由来食品の抗菌剤耐性モニタリング/サーベイランスプログラムを調和させるためのガイドラインがOIE抗菌剤耐性特別専門家グループによって作成されている。このガイドラインの目的は異なる地域または国における状況を比較し、国、地域および国際レベルで成績をまとめるために、さまざまな各国サーベイランス/モニタリングシステムから比較可能なデータを出すことを可能にすることにある。サーベイランスおよびモニタリングの定義を示す。各国のシステムは耐性の発生を検出でき、耐性菌の浸潤率を明らかにできるべきである。得られるデータは公衆衛生に対するリスクの評価に使用されるべきであり、リスクマネージメント政策の確立に寄与すべきである。調和のために識別すべき要因には、動物種、食品、採材計画、菌種、試験する抗菌剤、検査法、データの報告、データベースの構成および報告書の構成がある。
 
キーワード
 
抗菌剤耐性 - 耐性の抑制 - 調和 - ヒト医療 - 国際基準 - 検査法 - モニタリング - OIE - 公衆衛生 - リスクアナリシス - サーベイランス - 獣医療
 
緒言
 
この文書は動物および動物由来食品の細菌の抗菌剤耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムの目的を述べる。このプログラムはこれらの細菌における抗菌剤耐性発生の各国および世界的傾向を見る基礎として役立つ。このプログラムに含めるべき動物種、食品、菌種および抗菌剤を提案する。統計学にもとづくサンプリング法の選択肢を含むサンプリング戦略、データの収集、記録、評価およびデータへのアクセスを考察する。加盟国に関連があると思われるプログラムの経費についてコメントする。
 
検査法にかかわるすべての面は、抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和で扱う。
 
背景
 
細菌の抗菌剤感受性試験は基本的に臨床家が有効な抗菌剤を選定するのを助けている。動物起源の細菌の抗菌剤耐性に関する浸潤率調査が多数の場所で報告されている。残念なことに、公表されたデータの有用性はしばしば試験設計が不適切なために妨げられる。使用された方法と解釈の基準はさまざまであり、薬剤統計に関するコメントが含まれていることはまれである。調査した分離菌株の数は一般に少なく、信頼限界が示されていることはまれである。含まれる分離菌株の採用および除外の基準はかなりよく記載されているが、サンプリングの基準が記載されていることはまれである。たとえば、ほとんどの調査は通常の分析のために検査室に送付された臨床試料からの成績を含んでいる。診断のために提出された試料からの成積は、この種の試料が治療の失敗を含む、激しく、かつ/または再発した臨床例を含んでいる傾向があるために、動物のポピュレーションにおける耐性の状況を反映しない可能性があることを、耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムを設計する時には留意すべきである。モニタリングおよびサーベイランスのデータを比較可能にするための第一歩として、OIE加盟国は調和され、基準化されたプログラムの設計に努力することを促進すべきである(2,15,17,20)。異なる方法と試験設計を使用している国からのデータは直接比較ができないことがある(10,20)。それでも、ある国で経時的に収集されたデータは少なくともその特定の国における抗菌剤耐性の発生を検出し、または耐性蔓延の傾向を明らかにするであろう。
 
限られた数の国だけが動物から分離した菌株の抗菌剤感受性データを収集し、評価する国家的な中央組織を設けている(1)。公的な耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムをすでに開始しているほとんどの国は、これらのプログラムを適切な臨床的治療のために臨床家に指針を提供する必要性から始めた。最近、いくつかの国では、地方、地域および国内の傾向を評価することを含めて、食品由来病原菌および常在菌における抗菌剤耐性を知ることにまで拡大している(4,7,12,13,22)。既存のシステムは中央組織の協力、検査法の調和、品質保証計画の策定および指定された国内協力検査室による外部熟達試験を含んでいるのが普通である。
 
モニタリングとサーベイランスの定義
 
OIEは、International Animal Health Codeの中で、動物の健康のサーベイランスを“コントロールの目的で、あるポピュレーションの疾病の発生を検出するための継続的調査で、ポピュレーションの一部の検査を含むことがある"と定義している。OIEのモニタリングの定義は“あるポピュレーションとその環境における疾病の蔓延の変化を検出することを目的にする進行中のプログラム"である。
 
このガイドラインの中の“疾病"を“抗菌剤耐性"に置き換えることができる。
 
OIE International Health Codeの動物の健康のモニタリングおよびサーベイランスの章には、病原体の検出と疾病の蔓延に関する選択肢を記載している。抗菌剤耐性と蔓延は、以下に述べるように、OIEの動物の疾病のモニタリングおよびサーベイランスガイドラインのいくつかにしたがうことができる:
 
a) 科学にもとづく調査(統計学にもとづくプログラムを含む)
 
b) 農場、市場または屠場における動物のルーチンなサンプリングと検査
 
c) 組織的な監視プログラム、動物、動物群のサンプリング、ベクターおよび/または獣医臨床からの診断成績の収集
 
d) 後ろ向き調査のための生物試料の保管
 
e) 獣医診断検査記録の分析
 
プログラム外の起源から検査のために検査室にサンプルが提出された時には、受動的サーベイランスを実施する。プログラムの目的にもとづくサンプリング計画を作成した場合には、能動的サーベイランスを実施し、能動的に分離株を入手する。
 
耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムの理由
 
耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムは以下に使用できるデータを生み出すことを意図する:
 
― ヒトおよび動物の健康に対するリスクを明らかにするためのリスクアナリシスに
 
― 抗菌剤耐性(特定の表現型)の発生を検出するために
 
― 規定されたポピュレーションにおける感受性低下(または耐性)の蔓延または蔓延傾向を検出するために
 
― 家畜および公衆衛生に対する政策の勧告の基礎を提供するために
 
― 将来の調査の設計の指針になるであろうデータを出すために
 
― 可能性のある介入の必要性を識別するために
 
― 介入の影響を評価するために
 
― 処方および慎重使用勧告に関する情報を提供するために
 
耐性モニタリングおよびサーベイランスで考慮すべき一般的問題
 
加盟国が動物における抗菌剤の使用から生じる抗菌剤耐性をコントロールする選択肢を考える場合に、調べて、分析すべきいくつかの問題がある。とくに、ヒト医療で懸念される細菌の耐性を含むヒトにおける耐性の状況およびヒト由来細菌のサーベイランスを実施するその国の能力を考慮すべきである。加工、包装および小売を含む食品連鎖の異なる段階から収集した動物由来食品からの細菌のモニタリングも考慮すべきである。
 
加盟国の間には、動物における抗菌剤の使用の程度およびこのような使用についての大衆の懸念の両方に、大きな違いがある。しかし、すべての国において、食品からの細菌にヒトが暴露される基本的な機序は同じである。ヒトが耐性菌に暴露されるのは、直接に人獣共通病原菌(Salmonella ,Campylobacter)に暴露されるか、または間接的に大腸菌(E. coli)腸球菌(Enterococcus spp.)のような動物の常在菌から伝達可能な耐性遺伝子にヒトの細菌が暴露されることによる(9,18,21)。
 
どんな抗菌剤の使い方であれ、暴露された細菌に選択圧が働き、耐性が発生することがある。モニタリングおよびサーベイランスプログラムを設計する際には、このことを考慮に入れるべきである。すなわち、これは使用した抗菌物質、使用様式および使用した量に関する情報が必要なことを意味している。特定の抗菌剤の使用量と耐性の発生の間に直線関係はないが、しばしばある抗菌剤の使用量の増加が暴露された細菌の感受性低下をもたらしている。抗菌剤の選択圧は細菌の耐性表現型にいくつかの経路で影響する可能性がある。
 
a) 交差耐性および耐性遺伝子の共通選択は1つの抗菌剤がいかにして他の抗菌剤を選択
するかを説明するであろう
 
b) 多剤耐性は数種の抗菌剤に対する耐性を付与する
 
c) 細菌の毒力と衛生の欠如が、抗菌剤の選択圧がなくても、耐性菌の生存と伝播をもたらすらことがある(14)
 
したがって、細菌の耐性発生の速度は、さまざまな要因の中でも、伝達性のような耐性遺伝子の特性、細菌が抗菌剤に暴露される時間および少なからず暴露される細菌ポピュレーションの特性による(11)。
 
動物、食品、環境およびヒト由来耐性菌の蔓延の変化を一定間隔で行うサーベイランスまたは進行中のモニタリングで調べることは、抗菌剤耐性の伝播を制限し、治療に用いる抗菌剤の選定を最適化することを目的にする戦略の重要な部分を構成する。状況は時間とともに、また国や地域によって変わるから、データは適当な地域および国のレベルで収集する必要がある。モニタリングおよびサーベイランスプログラムが感受性のわずかな変化を早い段階で識別できれば、早期警戒システムとして役に立つことがある。それによって、それ以上の感受性の変化または耐性の伝播を制限する介入が可能かもしれない。
 
加盟国間に相違はあっても、各国は特定の基準化された情報の収集およびデータの国際的比較が可能なサーベイランスおよびモニタリングプログラムの調和を考えることが不可欠である。細菌は国境を考慮しないから、世界レベルで状況を評価することができれば、耐性菌がヒトおよび動物の健康に及ぼす可能性のあるリスクをよりよく評価することが可能になる。動物由来の耐性菌または耐性遺伝子によるヒトの健康に対するリスクはできる限り定量し、その他のヒトの健康に対するリスクと釣合いをとるべきである。OIEが行う勧告は世界中に関連するものであるから、世界のすべての地域のOIE加盟国の実際の必要性と公衆衛生および家畜衛生の問題を注意深く考慮しなければならない。
 
耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムの調和に考慮すべき要因
 
各国のモニタリングおよび抗菌剤耐性サーベイランスプログラムの間で成績を比較できるようにするためには、加盟国がこれらのプログラムを設計する際に、以下の要因を考慮すべきである:
 
a) 試料を採取する動物種/カテゴリー(年齢を含む)
 
b) 食品をサンプリングする場合には、屠場および小売店で採材する相対的メリットを考慮することが重要である。国内産の食品以外に、外国産の食品も、できればその製品の輸入港で、採材を考えることがある
 
c) サンプリングの戦略を採用すべきである:たとえば、受動的に収集するか、能動的にか;ランダムに収集するか、層別してか、組織的にか;統計学にもとづいたサンプリングか、日和見的サンプリングか
 
d) 収集すべきサンプル(糞便、屠体、生および/または加工食品)
 
e) 分離すべき菌種
 
f) 感受性試験に用いるべき抗菌剤
 
g) 標準化された感受性試験(検査法の項を参照)
 
h) 品質管理-品質保証(検査法の項を参照)
 
j) 報告すべき定量的データのタイプ(検査法の項を参照)
 
k) 適切なデータを抽出するためのデータベースデザイン
 
l) データの分析と解釈
 
m) 報告(報告の透明性と関係者の関心を考慮)
 
個々の要因の詳細な考察を以下に述べる:
 
動物
 
各加盟国はその家畜生産システムを調査し、リスクアナリシスを行って、動物およびヒトの健康に対する耐性菌の相対的重要性を判断すべきである。サンプリングを考慮すべき家畜のカテゴリーには、牛と子牛、屠殺豚、ブロイラー鶏、産卵鶏および/またはその他の家禽ならびに養殖魚が含まれる。この検査の成績を、利用可能なら、動物における抗菌剤の知識(抗菌剤耐性:畜産に使用する抗菌剤の量のモニタリングを参照)、地域および季節要因ならびに加盟国の国際貿易の状況(たとえば家畜生産物の正味の輸入国か、輸出国か)が、耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムの設計に影響することがある。
 
食品
 
動物からヒトへの抗菌剤耐性の伝達を考える場合に、一般に汚染食品が主要な経路と考えられる。抗菌剤耐性は病原菌によって、または非病原性常在菌が保有する耐性遺伝子によって伝達される。動物由来の生食品はSalmonella spp.、Campylobacter jejuniおよびCampylobacter coliのような耐性腸管病原菌またはE. coliおよびEnterococcus spp.のような耐性常在菌で汚染されていることがある。動物由来の食品中の耐性菌の蔓延についてはほとんど判っていないが、食品の分離菌株(植物由来の食品からの分離株を含む)が各国の抗菌剤耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムに含まれていることが重要である(3,20)。植物およびさまざまな野菜は家畜の糞尿または汚水に暴露され、そのために動物由来の耐性菌に汚染されることがある。輸入飼料を含む動物の飼料もモニタリングおよびサーベイランスプログラムに考慮されることがある。
 
サンプリング戦略
 
全般
 
動物の疾病のモニタリングおよびサーベイランスに関するOIE International Animal Health Codeの章で述べたように、加盟国は獣医診断機関からのデータのような既存の情報源から(データの限定を認識して)受動的に収集されたデータを利用するか、加えて/あるいは特定の必要性のために、またはおそらく既存のプログラムを改変して、新たなモニタリングまたはサーベイランスプログラムを設計するかを考えなければならない。必要なプログラムの目的、たとえば国内の豚群の細菌ポピュレーションにおける抗菌剤耐性の浸潤率の変化をモニタリングすることを決定したら、特定のプログラムの設計を決定しなければならない。
 
OIEは加盟国が、この問題を考慮する非常に早い時期に、財政的および人的資源の観点からこのような作業を行う能力を検証することを推奨する。一部の加盟国は耐性モニタリングおよび/またはサーベイランスプログラムを始める前に、家畜衛生の領域における基礎科学的な抗菌剤耐性の専門家を育てる必要があるかもしれない。その他の国では、すでに総合的なモニタリングおよびサーベイランスプログラムがあるかもしれないし、この文書で述べた調和との関係でこの問題を考慮しているだけかもしれない。
 
食品由来病原菌および常在菌を統計学にもとづいてサンプリングする戦略
 
サンプリングの戦略は通常、2つの基本的特性、すなわちサンプルが問題の集団の代表であること、および収集したサンプルが強健なことにもとづく。
 
サンプリングの戦略はそのプログラムの定められた目的を果たすことにもとづいているべきである。
 
サンプルは問題の群またはポピュレーションを代表することを対象にするのが普通であり、問題の集団の中で、無作為に、組織的にあるいは層別して収集されることがある。適切なサンプリングの戦略はそのポピュレーションにとって適正なサンプル数の推定を可能にする。適切なサンプリング戦略が定められたら、統計学にもとづいてサンプル数を計算することで、プログラムのモニターは収集されたサンプルから得られるであろう浸潤率の推定の精度を明らかにできる。サンプル数が不充分だと存在する耐性を検出できないかもしれないし、サンプル数が多すぎれば資源の無駄になることから、サンプル数の考慮は重要である。
 
サンプル試料の起源はモニタリングプログラムの目的によって明らかにしておくべきである。目的が動物由来食品中の抗菌剤耐性菌のヒトの健康に対する影響の可能性をモニターすることであれば、屠場のような適当なサンプル採取場所から糞便サンプルを採取するのがもっとも便利かつもっとも経費がかからない選択肢であろう(2,4,13,15)。これは食品連鎖に入る最初の段階における耐性の蔓延を反映するであろう。屠場における屠体のサンプリングは、屠殺手段、屠場衛生および屠殺過程における肉の糞便汚染のレベルに関する情報を提供するであろう。小売チェーンからさらにサンプリングすれば、食品が消費者に届く前の浸淫率の変化の指標が得られるであろう(4,19)。しかし、抗菌剤の使用と動物の細菌ポピュレーション中の耐性の浸潤率との関係を調査するためには、健康状態と抗菌剤暴露が既知の動物から採取したサンプルの方が適当かもしれない(表I)。
 
プログラムは統計学にもとづいてランダムサンプリング法を用いる必要があり、関連因子で層別する必要がある。プログラムの設計を考えている加盟国を援助するための表と公式を付録Aに含めてある。サンプリングは、地域的および季節的変動を説明するために、地域によって層別し、年間を通して継続的に行うべきである。何よりも、その国の財政的資源に応じて、サンプリングはもっと長期間に延長されることもあり、その他の変更が行なわれることもある。
 
同じ動物種の飼養方法の違いが抗菌剤暴露の違いに関連することがあるので、含まれる動物のカテゴリーを厳密に定義しておくべきである。同じ動物種のいくつかのカテゴリーが含まれていたら、それらのカテゴリーについてサンプリングを層別し直すべきである。それぞれの状況に対して1群あたり1個体しかサンプリングされないことがある。これは抗菌剤耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムが意図する、問題の群における浸潤率ではなく、細菌ポピュレーションにおける耐性の浸潤率と傾向である(2,4)。
 
このようにして収集された分離菌株は調べた動物種の細菌ポピュレーションの層別ランダムサンプルを代表する。
 
統計的に強固な推定を行うために試験すべき分離菌株数の決定には、集団における耐性の予想蔓延率に関する情報の収集が含まれる。蔓延率の推定および蔓延率の推定がこの範囲に入るであろう信頼性の程度に望ましい精度のレベルはモニタリングまたはサーベイランスプログラム設計指標の一部である。
表I.サンプルの起源、サンプルのタイプおよびモニタリングの結果

 起源
サンプル
のタイプ

  結果
必要な付加情報/
追加の層別
起源になる
動物群
 
糞便
 
(年齢と生産法のカテゴリーが異なる)動物集団に由来する細菌の浸潤率 年齢、生産法など
耐性と抗菌剤使用の関連性 経時的な抗菌剤使用
屠場

 
糞便 屠殺年齢の異なる動物に由来する細菌集団における蔓延率  
上記に同じ  
屠体 衛生状態、屠殺時の汚染  
加工、包装 肉製品 衛生状態、加工および取り扱い中の汚染  
小売
 
肉製品 食品由来細菌における耐性の浸潤率、消費者に対する暴露のデータ  
野菜 野菜由来細菌における耐性の浸潤率、消費者に対する暴露のデータ  
その他 動物飼料 動物飼料由来の細菌における耐性の浸潤率、消費者に対する暴露のデータ  
推定した耐性の蔓延のレベルに望ましい信頼性にもとづいて、耐性分離菌株の目標数を達成するために必要なサンプルの総数は上述の統計的考慮にもとづくべきである。加えて、動物または食品から細菌が分離されるであろう頻度も考慮しなければならない。さらに、試験する分離菌株の実際の数を検査室およびその他の活動資源を考慮して調整しなければならないことがある。しかし、データの解釈において、これらの調整から生じる付随する制限を認識し、考慮しなければならない。モニタリングプログラムの成績が推定した以外の蔓延を示す場合には、プログラムの試験法を調整しなければならないか、またはもっと詳細なサーベイランスおよび調査を行う必要があろう。
 
収集すべきサンプル試料(糞便、屠体、小売食品)
 
原則として、家畜の糞便サンプルと家禽の盲腸全体を収集する。牛と豚からは、5~50 gの糞便サンプルで問題の細菌を分離するのに十分である。サンプルが多い方が目的とする菌種の分離株が沢山得られる。同じサンプルを人獣共通感染菌と常在菌の両方の分離に使用できる。
 
既存の食品加工微生物モニタリングおよびHACCPプログラムが屠殺後の食品連鎖における耐性のモニタリングおよびサーベイランスに有用なサンプルを提供するであろう。しかし、現在はこのタイプのサンプルの収集の経験がほとんどない。
 
細菌
 
主要な3つのカテゴリーの細菌がモニターされる:
 
a) 動物の病原菌
 
b) 人獣共通病原菌
 
c) 常在菌
 
可能なら、分離株は報告が完了するまで保存しておくべきである。後ろ向き調査のための収集は特定の年のすべての分離株をさらに保存することで可能であろう。好ましくは、分離株は凍結保存する。
 
動物の病原菌
 
動物の病原菌における耐性菌のモニタリングは、ヒトおよび動物の健康に懸念をもたらすかもしれない耐性の発生を検出するため、および獣医師の処方上の判断の指針とするための両方に重要である。さらに、この情報は獣医療における抗菌剤の慎重使用のガイダンスを提供する点でも価値がある。動物の病原菌は動物間に速やかに伝播する能力を持ち、その結果、繰り返し抗菌剤に暴露される。新たな耐性機序の発生および動物の病原菌の感受性喪失が、これらの細菌ポピュレーションの耐性を調査し、モニターするプログラムでもっとも早い時期に検出されよう。さらに、この種の情報は多くの国で容易に入手できる。動物の病原菌における抗菌剤耐性の発生に関する情報は一般に獣医診断機関に送られた通常の臨床材料から得られる。
 
これらのサンプルはしばしば、治療の失敗を含む、激しいまたは再発した臨床例から得られる。しかし、これらの分離株は偏ったサンプルを代表することが多いので、この種の感受性データはある動物ポピュレーションの真の耐性浸潤率を示さないことがあり、データの解釈に適切な注意を払わなければならない。この偏りを緩和する手段として、以前に抗菌剤治療を受けていない一次臨床例からサンプルを収集することまたは健康な動物から可能性のある病原菌を分離することが考えられよう。
 
プログラムに含めるべき細菌の優先順位は各国の対象動物種ならびに動物の疾病の状況による。
 
動物の病原菌の例
 
モニターする動物の病原菌の優先する範囲は各国の動物の健康状態を考慮して決定すべきである。
 
耐性サーベイランスおよびモニタリングプログラムに含めるべきと考えられる病原菌の例を以下の表IIに示す:
表II.耐性サーベイランスおよびモニタリングに含めるべきであろう動物の病原菌の例
象動物 呼吸器病原菌 腸管病原菌 乳房病原菌 その他の病原菌
 牛 Pasteurella spp
Haemophilus 
somnus
E. coli
Salmonella
spp
Saph.aureus
Streptococcus
spp
 
 豚 Actinobacillus
pleuropneumoniae
E. coli
Brachispira
Salmonella
spp
  Strep.suis
家禽       E. coli
 魚       Vibrio
Aeromonas
spp
すべての細菌は国際的に認められた標準的方法で同定すべきである。抗菌剤感受性試験は内部および外部品質保証の下でバリデートされた方法によって実施すべきである(抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照)。
 
人獣共通病原菌
 
Salmonella
 
牛、豚、ブロイラーおよびその他の家禽の一次生産を代表するものにからサンプリングすることが望ましい。サンプリングを容易にし、それに伴うコストを削減する目的で、サンプルは屠場で採取するのが好ましい。しかし、モニタリングおよびサーベイランスプログラムには他の起源から採材する指定国内検査室が分離した菌株も使用できよう。各国の実際的および経済的制限の範囲内で、最適数のSalmonella分離株の収集を試みるべきである。細菌および菌株の分離と同定は国際的に受け入れられる方法で実施すべきである。S. TyphimuriumやS. Enteritidisのような疫学的に重要な血清型を含めるべきである。その他の関連血清型の選択は各国の疫学的状況による。すべてのSalmonella分離株は、各国が指定した検査室で使用している標準的方法によって、血清型および、それが適切なら、ファージ型を明らかにすべきである。Salmonellaの抗菌剤感受性試験はバリデートされた方法を使用すべきである(抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照)。
 
Campylobacter
 
Campylobacter jejuni およびCampylobacter coliが常在菌として同じサンプルから分離できることがある。これらの細菌の分離と同定は国際的に受け入れられる方法で行うべきである。Campylobacter分離株は同定すべきであるが、可能なら型別し、特徴付けも行うべきである。しかし、これは加盟国が利用できる技術的能力と資源によるであろう。
 
Campylobacterの感受性試験には、寒天培地または液体培地微量希釈法が推奨される。内部および外部品質管理プログラムを厳密に遵守すべきである(抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照)。Campylobacterの感受性試験にはバリデートされた方法がないことおよび品質管理に利用できる国際的に受け入れられる参照株がないことに注意すべきである。しかし、Campylobacterの感受性試験の方法のバリデーションが現在進行中である。
 
腸管出血性大腸菌
 
ヒトに病原性であるが動物にはそうでない血清型O 157のような腸管出血性大腸菌を、検査室の安全措置が適切であれば、耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムに含めることがある。E. coli O 157の牛分離株の試験の経験からいえば、耐性の蔓延は常在E. coliのそれと同様である。
 
常在菌/指標細菌
 
E. coliおよび腸球菌はすべての動物に共通の常在非病原菌である。これらの細菌は耐性遺伝子のリザーバーで、動物またはヒトに病気を起こさせる病原菌にそれを伝達することがあると考えられる。これらの細菌を健康な動物から、好ましくは屠場で、分離し、抗菌剤耐性をモニターすべきである。
 
E. coliおよび腸球菌は抗菌剤を含まない固形培地を用いて分離すべきである。モニタリングプログラムに腸球菌のさまざまな種が含まれると考えられるが、必ずE. faeciumを含めるのが合理的と思われる(4,14)。とくに関心がある抗菌剤耐性形質のために、また浸潤率が非常に低いと予想される場合に、もっと感度のよい分離法が必要なことがある。このような場合には、固形培地に加えて、関心のある抗菌剤の選択的濃度を含む液体培地を使うことができる(8)。同定は各国が指定した検査室が使用している標準法にしたがうべきである(2,5)。
 
常在菌の感受性試験には、バリデートされた方法を使用すべきである(抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照)。
感受性試験に使用すべき抗菌剤
 
ヒト医療および獣医療に用いる重要な抗菌剤の系統をすべてモニターすべきである。しかし、各国の財政資源に応じて、試験する抗菌剤の数は制限されなければならないことがあろう。各国のモニタリングプログラムに含めることが考慮されるであろう抗菌剤の選択を付録Bに示唆する。関連細菌に含めることが推奨される抗菌剤の最小数を太字で示した。提唱するリストは動物とヒトの細菌感染症の治療に用いられる抗菌剤のほとんどすべての主要な系統を含めてある。感受性試験では、提唱する抗菌剤のいくつかは同じ系統の他の抗菌剤の代表として使用されることが多い。一般に、たとえばエリスロマイシンまたはテトラサイクリンに耐性の細菌は、それぞれその他のマクロライド系またはテトラサイクリン系にも耐性である。
 
基準化された感受性試験
 
抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照。
 
品質管理-品質保証
 
抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照。
 
報告すべき定量的データのタイプ
 
抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照。
 
データベースの設計および成績の記録
 
加盟国は抗菌剤耐性モニタリングおよびサーベイランスプログラムを考慮する際にデータベースの設計を注意深く考えるべきである。これは情報の量と複雑さおよびおそらく長期間にわたってアクセスの必要があることによる。生(一次の未加工の)データの保管は、将来生じるそれも含めて、さまざまな種類の質問に対応するために不可欠である。しかし、将来の分析のために、さらに長期にわたって菌株を保管することを強く勧告する。
 
データを異なるシステムとの間で交換すること(検査データの自動記録とそれらのデータの耐性モニタリングプログラムへの伝達)を考えて、コンピューターシステムの技術的要件も考慮しなければならないであろう。
 
成績は適切な各国のデータベースに入れて、定量的に、たとえばMIC(mg/L)または阻止帯の径(mm)で記録すべきである(2,4,12,15,20,21)。情報には少なくとも以下の記載を含めるべきである:
 
a)  サンプリングプログラム
b)  サンプリングの日付
c)  動物種/家畜のカテゴリー
d)  サンプルのタイプ
e)  サンプリングの目的
f)  群または動物の地域的起源
g)  動物の年齢
 
検査室データの報告には、関連があれば、以下の情報を含めるべきである:
 
a)  検査室の特定
b)  分離した日付
c)  報告日
d)  菌種
e)  血清型
f)  ファージ型
g)  抗菌剤感受性成績/耐性の表現型
 
耐性と見なされる分離菌株の比率を、規定したブレークポイントとともに報告すべきである。臨床の場では、ブレークポイントが菌株を感受性、中間または耐性に分類するために使用される(6)。しばしば臨床的または薬理学的ブレークポイントと呼ばれるこれらのブレークポイントは、各国ベースで決められ、各国間に違いがある(10,17,20)。使用した参照システムを記録しておくべきである。サーベイランスの目的には、別のタイプのブレークポイント、すなわち検査した特定の菌種のMICまたは阻止帯の径の分布だけを基礎にする微生物学的ブレークポイントの方が好ましい。微生物学的ブレークポイントを用いる場合には、正常な感受性集団の分布から明らかに逸脱している獲得耐性を持つ細菌のポピュレーションだけを耐性とする(17)。さらに、分離株の表現型(耐性パターン)の記録も非常に重要である。
 
成績の報告と分析
 
各国は耐性サーベイランスおよびモニタリングプログラムに関連する活動を調整し、情報を収集する国内の中心となり、その国の耐性状況の報告書を毎年作成する責任を持つ国内センターの指定を考慮すべきである。
 
参加検査室は成績を定期的に国内センターに報告すべきである。国内センターは生データならびに品質管理および検査室間校正活動の完了成績と能力試験結果にアクセスできるべきである(抗菌剤耐性:抗菌剤耐性の検出と定量化のための検査法の基準化と調和を参照)。
 
毎年の報告書にはモニタリングシステムの構成および選定した検査法についての情報を含めるべきである。定量的データがMICsまたは阻止帯の径のような調和した方法で、ヒストグラムまたは頻度分布の表の形で報告されることが非常に重要である。価値のある追加情報には、生産された動物数、抗菌剤の使用量のデータおよび使用が承認された抗菌剤などの統計がある。可能なら、各国の耐性の蔓延を抗菌剤使用量のデータおよび疾病の状況と関連づけるべきである。
 
特定の問題を扱うリスクアセスメントの実施に当って、それらの目的で開発されているモデルに関連するであろう特異情報の発出が必要なことがある。このような場合には、そのリスクアセスメントの実施に携わる担当者の協力を得て特別報告書を作成するとよい。
 
各国が生データの共有を考える場合には、データの所有権、生データへのアクセス、データの解釈および報告書の発行などの諸問題を処理すべきである。
 
結論と勧告
 
最近は多くの国において畜産における抗菌剤耐性が標的領域になっている。食品由来の細菌の抗菌剤耐性のモニタリングまたはサーベイランスは少数の国でしか実施されていない。ヒト由来の常在菌の耐性をモニタリングしている国はさらに少ない。国によって利用できる資源が異なることを考えれば、残留モニタリングプログラムのような他のプログラムとの共同作業を考えるべきである。
 
動物の疾病のモニタリングおよびサーベイランスにおけるOIEの豊富な経験は抗菌剤耐性のモニタリングへのアプローチを考える加盟国にとって重要な基盤になるであろう。しかしながら、これはほとんどのOIE加盟国にとって新しい領域であり、各国は動物および動物由来食品における抗菌剤耐性の問題を総合的に評価し、その必要性を注意深く調べるべきである。既存の技術的専門家、経済的および資源の要件といった実際的な問題を考慮することが重要である。
 
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付録A 大きな集団において抗菌剤耐性の浸潤を調べるためのサンプルの大きさの推定


予想
 浸潤率



 
             信頼性のレベル
        90%         95%
     希望する精度      希望する精度
  10%   5%   1%   10%   5%   1%
 10%   24   97   2429   35   138   3445
 20%   43   173   4310   61   246   6109
 30%   57   227   5650   81   323   8003
 40%   65   260   6451   92   369   9135
 50%   68   270   6718   96   384   9512
 60%   65   260   6451   92   369   9135
 70%   57   227   5650   81   323   8003
 80%   43   173   4310   61   246   6109
 90%   24   97   2429   35   138   3445
Epi Info v6.04 to c Upgrade, October 1997, CDCにもとづいて計算(public domain software は http://www.cdc.gov/epo/epi/epiinfo.htmで入手可能)

お問い合わせ先


動物医薬品検査所企画連絡室
担当者:企画調整課
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