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一般名称:牛コロナウイルス感染症不活化ワクチン


医薬品の名称 業者名
“京都微研”牛コロナワクチン (株)微生物化学研究所


報告月日 種類 年齢 医薬品投与前の診断名 投与法 投与量 副作用の内容 講じた処置 転帰 備考 情報源
1998/10 健康 筋注 1mL 下痢(水様~軟便)、注射部位の腫脹・硬結 観察 治癒 10頭 モニター
2000/11 1~8歳 予防接種 筋注 1mL 食欲不振、軟便~下痢、発熱、乳量の低下、硬結(ワクチン接種した1176頭中45頭の牛に発現) 10月10日投与:
10月11日に40℃以上の発熱、食欲不振を示す牛4頭にカナマイシン、静注ビクシリン、ネオアスP、テラマイシンにて1回治療
2~3日で回復 Lot2及び3、

企業の意見・※01
業者
10月12日投与:
10月13日に40℃以上の発熱、食欲不振を示す牛2頭にマイシリン、静注ビクシリン、ネオアスP、テラマイシンにて1回治療
10月13日投与:
治療なし
2000/11 1~3歳 予防接種 筋注 1mL 食欲不振、下痢、発熱、乳量の低下、(ワクチン接種した376頭中14頭の牛に発現) なし 2~3日で回復 Lot3

企業の意見・※02
業者
2001/02 2~5歳 予防接種 筋注 1mL 一過性の水様性下痢、食欲不振、乳量減少、(70頭接種中5頭に発現) なし 翌日回復 Lot3

企業の意見・※03
業者
2001/02 2~6歳 予防接種 筋注 1mL 軟便~水様性下痢、乳量の低下(25頭接種中12~15頭に発現) なし 1~2日で回復 Lot3

企業の意見・※04
業者
2001/10 2~11歳 予防接種 筋肉注射 1mL 食欲不振、下痢、微熱、乳量低下 なし 2~3日後で回復
モニタ-
2001/11 7歳 記載なし 筋肉内 1




1mL/頭" T40.1℃、濃厚飼料の採食量低下、肺炎様症状 消炎解熱剤懸濁水性ペニシリン300万単位 治癒
モニタ-





2001/11 2~7歳 記載なし 筋注 1mL 42頭接種中25頭で発現。接種翌日に食欲不振、接種部位の硬結(直径10~15cm)を認めた。うち1頭は41℃の発熱。 発熱牛に対し解熱鎮痛剤(ネオアスP)。その他は処置無し。 発熱は翌日回復。他の牛も回復。 当該農家は昨年から接種。昨年は3頭に硬結を認めた。 モニタ-
2001/11 2~7歳 記載なし 筋注 1mL 食欲不振、乳量激減(40→20kg)体温低下、胃運動低下、下痢。 輸液、抗ヒスタミン剤、消化剤 治癒
モニタ-


担当獣医師・企業の意見及び対応:

※01 担当獣医師:
10月10日及び12日の発生時に発熱があったので、抗生剤などの投与をしたが、その後アレルギー様症状と判断したので、10月13日接種の副作用ではなにも治療せず、そのまま治癒した。特に、今年初めて接種した牛より、昨年も接種した牛の方が強く出ていることから、アレルギーの可能性が高い。

企業:
今回の事例は、ワクチン接種直後から発生していること、昨年接種した牛で多く出現している傾向が見られること、獣医師のコメント等からアレルギー反応による可能性が大きい。乳量の低下は発熱及び食欲不振が誘引したと考える。本ワクチンは、ウイルス感染細胞から調製した可溶化抗原液をワクチン原液としていることから、細胞成分がアレルギー反応の一つの原因として考えられる。今後、可能な限り細胞成分を少なくするよう製造に努め、また、使用上の注意を喚起する。


※02 担当獣医師:
前回接種時(10月10~13日)に比べ、今回は今年初めて接種した牛の2回目が多かったので、反応が少なかったものと思われる。

企業の意見:
前回と同様、ワクチン接種によるアレルギー反応と思われる。本ワクチンは、ウイルス感染細胞から調製した可溶化抗原液としていることから、細胞成分がアレルギー反応の一つの原因と考えられる。今後、可能な限り細胞成分を少なくするよう製造に努め、また、使用上の注意としてアレルギー反応に対する注意を喚起する。


※03 担当獣医師:
ワクチンによる一過性のアナフィラキシーの様に感じる。特に、オイルアジュバンドによる副作用の様に感じる。

企業の意見:
副反応は、ワクチン接種直後から発生していること、獣医師のコメント等からアレルギー反応による可能性が大きい。乳量の低下は発熱及び食欲不振が誘引したと考える。
本ワクチンは、ウイルス感染細胞から調製した可溶化抗原液をワクチン原液としていることから、細胞成分がアレルギー反応の一つの原因と考えられる。
今後、可能な限り細胞成分を少なくするよう製造に努め、また、使用上の注意としてアレルギー反応に対する注意を喚起する。


※04  担当獣医師:
症状からコロナウイルスによる下痢とは考えにくい。ワクチンを接種した翌日に症状が出たため、ワクチン接種時のストレスもしくはワクチンのロットに問題があるのではないか。また、副作用が出たのはほとんど昨年も接種した牛である。

企業の意見:
副反応は、昨年接種した牛に多く出ていること、また、経過が早いこと等から、ワクチンによるアレルギー反応の可能性が高い。本ワクチンは、ウイルス感染細胞から調製した可溶化抗原液をワクチン原液としていることから、細胞成分がアレルギー反応の一つの原因と考えられる。
今後、可能な限り細胞成分を少なくするよう製造に努め、また、使用上の注意としてアレルギー反応に対する注意を喚起する。


 

広報資料

農林水産省情報

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