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PDF版:Zucchini green mottle mosaic virusの解説(PDF : 307KB)

Zucchini green mottle mosaic virusの解説

本ウイルスは、ペポかぼちゃ、すいか等の葉にモザイク症状や果実の奇形を引き起こすトバモウイルスの一種であり、韓国及び中国で発生が確認されている。本ウイルスは、スイカ緑斑モザイクウイルス又はキュウリ緑斑モザイクウイルスの一系統と考えられていたが、2000年に新種として報告された。
我が国は、本ウイルスの発生国からの宿主植物(栽培の用に供するもの)の輸入に関して、輸出国での血清学的診断法又は遺伝子診断法による検査を要求している(植物防疫法施行規則別表1の2の項目6参照)。
     

1. 学名

Tobamovirus cucurbitae

2. 英名

Zucchini green mottle mosaic virus(ZGMMV)

3. 発生国・地域

韓国及び中国

4. 寄主植物

ペポかぼちゃ、すいか及びゆうがお

5. 生態

本ウイルスはトバモウイルス属に属する。感染植物組織中に高濃度で蓄積され、植物残さ中で長期間生存が可能である。分離、精製されたウイルスは安定しており、室温で120日間以上活性を保ち、90℃(10分間処理)で不活性化する。

6. 移動・分散方法

本ウイルスは、土壌伝染及び汁液伝染し、ペポかぼちゃ及びすいかでは種子伝染する。また、せん定作業や汚染した農機具の利用によっても伝染する。

7.病徴

葉に斑紋やモザイク症状を呈し、果実に奇形や軽度の不規則な緑色モザイク症状が見られる。
なお、ペポかぼちゃでは、高温多湿の施設内において症状が消失又はモザイク症状が弱くなることがあった旨が報告されている。
  

 
      図1  果実の奇形(ペポかぼちゃ) 図2   葉のモザイク症状(スイカ) 図3   果実の変色(スイカ) 図4   葉のモザイク症状(ユウガオ)

その他の写真はこちらを参照。

8. 防除

本ウイルスに対して有効な農薬はない。感染植物が残さとして土壌中に残る可能性があるため、宿主植物を除去しただけでは根絶は難しいと考えられている。感染植物の初期段階での抜取りや、土壌及び種子も含めた廃棄並びにほ場の衛生管理が重要である。
なお、本ウイルスと同属近縁のスイカ緑斑モザイクウイルス及びキュウリ緑斑モザイクウイルスについては、健全な種子や苗の使用、種子消毒、土壌消毒、接触伝染を予防するための農機具の消毒等の防除が講じられている。

9. 診断、検出及び同定方法

血清学的診断法又は遺伝子診断法により検出可能である。また、指標植物を用いた接種検定によっても識別が可能である。

10. 発見した場合の対応

本ウイルスの感染が疑われる植物及び周囲の様子の写真を撮影した上で、最寄りの植物防疫所又は都道府県の病害虫防除所にお知らせください。試料を採取した場合は、散逸しないように厳重に梱包してお知らせください。

11. 経済的影響

韓国では、1999年にズッキーニ(ペポかぼちゃの一品種)生産地域の16.6haで発生し、翌年にも同一生産地域の17.0haで再発し、被害が確認された。本ウイルスが感染した場合の具体的な減収量等に関する情報はないが、スイカ緑斑モザイクウイルスとともに、果実生産に対して経済的に重要な影響を及ぼすと考えられている。

13. 海外のニュース-発生状況-

韓国において、1999年に果実に奇形を生じたズッキーニから初めて分離され、2000年に新種として報告された(Ryu et al., 2000)。中国では、2016年に葉にモザイク症状を呈したゆうがおから初めて発見された(Li et al.,2018)。


図1の写真は「Ki Hyun Ryu.氏」出典
その他の写真は「Ling Zhiling氏」出典

参考・引用文献


ZGMMVの被害写真

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