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植物防疫所

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国際植物防疫条約(和文)

沿革
昭和27年9月10日 条約第十五号
平成07年3月13日 外務省告示第百九十二号
平成18年7月13日 外務省告示第四百十九号

〔外務・農林大臣署名〕
昭和二十六年十二月六日効力発生
昭和二十七年八月十一日批准書寄託
同年 同月同日わが国に関し効力発生

国際植物防疫条約をここに公布する。

外務省告示第四百十九号
昭和二十六年十二月六日にローマで作成された「国際植物防疫条約」の一部は、同条約第十三条4の規定に従い、次のように改正され、平成十七年十月二日に効力を生じた。
(平成十八年二月二十三日付け国際連合食糧農業機関事務局長書簡)
平成十八年七月十三日
外務大臣麻生太郎

               前文
   締約国は、
   植物及び植物生産物に対する有害動植物の防除並びにその有害動植物の国際的なまん延の防止、特に危険にさ
らされている地域への有害動植物の侵入の防止における国際協力の必要性を認識し、
   植物検疫措置が、技術的に正当なものであり、かつ、透明性があるべきであり、また、特に国際貿易における恣意的若しくは不当な差別の手段又は偽装した制限となるような態様で適用されるべきでないことを認識し、
   この目的のための措置の緊密な調整を確保することを希望し、
   調和のとれた植物検疫措置の発展及び適用のための枠組み並びにその国際基準の策定のための枠組みを提供することを希望し、
   植物、人及び動物の健康の保護並びに環境の保護に関する国際的に認められた原則を考慮し、
   衛生植物検疫措置の適用に関する協定を含むウルグアイ・ラウンドの多角的貿易交渉の結果として締結された協定に留意して、
   次のとおり協定した。 


               第一条  目的及び責任
1   植物及び植物生産物に対する有害動植物のまん延及び侵入を防止し、並びに有害動植物の防除のための適切な
  措置を促進するための共同の、かつ、有効な措置を確保することを目的として、締約国は、この条約及び第十六条の
  規定に基づく補足的協定に定める立法上、技術上及び行政上の措置をとることを約束する。
2   締約国は、他の国際協定に基づく義務を妨げることなく、この条約に基づくすべての義務を自国の領域内において
  遂行する責任を負う。
3  この条約の締約国である国際連合食糧農業機関(以下「FAO」という。)の加盟機関 とこの条約の締約国であるその
 構成国間との間におけるこの条約に定める義務を遂行する ための責任の分担は、それぞれの権限に従うものとする。
4この条約の規定は、締約国が適当と認める場合には、植物及び植物生産物に加え、特に国際輸送に関係して植物
 に対する有害動植物が宿り、又はまん延する可能性のある貯蔵所、包装、運搬機関、容器、土壌その他の生物、物及
 び材料について適用することができる。

               第二条  用語
1  この条約の適用上、次の用語は、次に定める意味を有する。
    「有害動植物低発生地域」とは、いずれかの地域(一の国の領域の全部若しくは一部であるか又は二以上の国の領
 域の全部若しくは一部であるかを問わない。)であって、特定の有害動植物が低い水準で発生し、かつ、効果的な監
 視、防除又は撲滅の措置が適用されていることを権限のある当局が確認しているものをいう。
    「委員会」とは、第十一条の規定に基づいて設立される植物検疫措置に関する委員会をいう。
    「危険にさらされている地域」とは、当該地域における生態学的要素が、有害動植物であって当該地域におけるその
 存在が経済的に重大な損失をもたらすものの定着に適した地域をいう。
「定着」とは、有害動植物が、ある地域へ入り込み、予見することができる将来にわたって存続することをいう。
「調和のとれた植物検疫措置」とは、国際基準に基づいて締約国が定める植物検疫措置をいう。
「国際基準」とは、第十条1及び2の規定に従って定められる国際基準をいう。
「侵入」とは、定着する結果となる有害動植物の入り込みをいう。
「有害動植物」とは、植物、動物又は病原体のあらゆる種、ストレイン又はバイオタイプであって、植物又は植物生産
  物に有害なものをいう。
    「有害動植物危険度解析」とは、ある有害動植物が規制されるべきか否かを決定し、及び当該有害動植物に対して
  とられるあらゆる植物検疫措置の強さを決定するために、生物学的証拠その他の科学的証拠及び経済的証拠を評価
  する手続をいう。
    「植物検疫措置」とは、有害動植物の侵入又はまん延を防止するための法令又は公的手続をいう。
    「植物生産物」とは、まだ製品化されていない植物由来の生産物(穀類を含む。)及び製品であって、その性質上又
    はその加工過程の性質上有害動植物が侵入し、及びまん延す   る危険を引き起こすおそれのあるものをいう。
「植物」とは、生きている植物及びその一部(種子及び生殖質を含む。)をいう。
「検疫有害動植物」とは、これにより危険にさらされている地域の経済に重大な影響を及ぼすおそれのある有害動植
    物であって、まだその地域に存在しないか、又は存在するが広く分布しておらず、かつ、公的防除が行われているも
    のをいう。
「地域基準」とは、地域的植物防疫機関がその加盟国の指針のために定める基準をいう。
「規制品目」とは、特に国際輸送に関係して、有害動植物が宿り、又はまん延する可能性のある植物、植物生産物、
    貯蔵所、包装、運搬機関、容器、土壌その他の生物、物及び材料であって、植物検疫措置が必要とみなされるもの
    をいう。
    「規制非検疫有害動植物」とは、栽培用植物に存在する非検疫有害動植物であって、その予定される用途に容認し
    難い経済的影響を及ぼすものであり、そのために輸入締約国の領域内において規制されるものをいう。
    「規制有害動植物」とは、検疫有害動植物及び規制非検疫有害動植物をいう。
    「事務局長」とは、第十二条の規定に従って任命された委員会の事務局長をいう。
    「技術的に正当な」とは、適切な有害動植物危険度解析を用いて、又は適当な場合には入手可能な科学的情報によ
    る他の同等の検討及び評価を用いて得られた結論に基づき正当なものであることをいう。
2  この条に定める定義は、この条約についてのみ適用されるものであり、締約国の国内法令に定める定義に影響を及
    ぼすものとみなされない。

               第三条  他の国際協定との関係
   この条約のいかなる規定も、関連する国際協定に基づく締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない。

               第四条  国内の植物防疫に関する組織上の取決めに関する一般規定
1  締約国は、最善の力を尽くして、自国の公的植物防疫機関がこの条に定める主要な責任を果たすための措置をと
    る。
2公的植物防疫機関の責任には、次のものを含める。
(a) 植物、植物生産物その他の規制品目の積荷に係る輸入締約国の植物検疫規則に関する証明書を発給すること。
(b) 特に有害動植物の発生、異常発生及びまん延に関する報告(第八条1(a)に規定する報告を含む。)を行い、並び
       に当該有害動植物を防除することを目的として、生育中の植物(栽培地域(特に、田畑、植栽地、育苗地、栽培園、
       温室及び研究室)及び野生植物に係る地域を含む。)並びに貯蔵中又は輸送中の植物及び植物生産物を監視す
       ること。
(c) 特に有害動植物の侵入又はまん延を防止することを目的として、国際取引において移動する植物及び植物生産
       物の積荷並びに適当な場合にはその他の規制品目を検査すること。
(d) 植物検疫に関する要件を満たすため、国際取引において移動する植物、植物生産物その他の規制品目の積荷に
       ついて駆除し、又は消毒すること。
(e) 危険にさらされている地域を保護し、並びに有害動植物無発生地域及び有害動植物低 発生地域を指定し、維持
        し、及び監視すること。
(f) 有害動植物危険度解析を実施すること。
(g) 積荷の混合、取替え及び再汚染に関する確認がされた後の植物検疫上の安全性が、当該積荷が輸出される時ま
       で維持されることを適切な手続によって確保すること。
(h) 職員の研修及び育成を行うこと。
3 締約国は、最善を尽くして、次のことのための措置をとる。
(a) 規制有害動植物及びその防除方法に関する情報を自国の領域内において配布すること。
(b) 植物防疫の分野における研究及び調査を行うこと。
(c) 植物検疫規則を公布すること。
(d) この条約を実施するために必要なその他の任務を遂行すること。
4 締約国は、自国の公的植物防疫機関及び当該機関の異動に関する説明書を事務局長に提出する。締約国は、要
   請に応じて、他の締約国に対し植物防疫のための組織についての取決めに関する説明書を提供する。

               第五条  植物検疫証明
1  締約国は、輸出される植物、植物生産物その他の規制品目及びそれらの積荷が2(b)の規定に従って作成する証明
    書に合致することを確保する目的で、植物検疫証明のための措置をとる。
2  締約国は、次の規定に基づく植物検疫証明書の発給のための措置をとる。
(a) 植物検疫証明書の発給のための検査その他これに関連する活動は、公的植物防疫機関により、又はその権限の
     下においてのみ行う。植物検疫証明書の発給は、技術上の資格を有し、かつ、公的植物防疫機関によって正当に
     委任された官憲が、その機関を代表し、かつ、その権限の下で、輸入締約国の当局が当該植物検疫証明書を信頼
     することができる文書として信用して受領することができるような知識及び情報であって当該官憲が利用することが
     できるものを用いて行う。
(b) 植物検疫証明書又は関係輸入締約国が認める場合にはこれと同等の電子的な証明書は、この条約の附属書に定
     める様式の文言のとおりとする。これらの証明書は、関連する国際基準を考慮して作成され、及び発給されるべき
     である。
(c) 証明なしに改変し、又は抹消した証明書は、無効とする。
     3締約国は、植物、植物生産物その他の規制品目の積荷であって自国の領域に輸入される   ものについて、この条
     約の附属書に掲げる様式に合致しない植物検疫証明書を付することを要求しないことを約束する。追加記載に関す
     るいかなる要求も、技術的に正当なものに限る。

               第六条  規制有害動植物
1  締約国は、検疫有害動植物及び規制非検疫有害動植物に対する植物検疫措置を要求することができる。ただし、当
    該措置が次の(a)及び(b)に合致することを条件とする。
(a) 同一の有害動植物が輸入締約国の領域内に存在する場合には、当該有害動植物に対する措置より厳しいもので
    ないこと。
(b) 植物の健康又は予定される用途を保護するために必要なものに限られ、及び関係締約   国が技術的に正当なもの
     としたものであること。
2  締約国は、非規制有害動植物に対して植物検疫措置を要求してはならない。

               第七条  輸入に関する要件
1  締約国は、自国の領域に規制有害動植物が侵入し、又はまん延することを防止する目的をもって、植物、植物生産物
   その他の規制品目の搬入を適用のある国際協定に従って規制   する主権的権限を有する。締約国は、この目的のた
   め、次のことを行うことができる。
(a) 植物、植物生産物その他の規制品目の輸入に関する植物検疫措置(例えば、検査、輸   入禁止及び処理を含む。)
     を定め、及びとること。
(b) (a)の規定に基づき定め、及びとる植物検疫措置に適合しない植物、植物生産物その他の規制品目若しくはそれらの
     積荷の搬入若しくは留置を拒否すること、又はこれらの処理、廃棄若しくは締約国の領域からの撤去を要求するこ
     と。
(c) 規制有害動植物の自国の領域内への移動を禁止し、又は制限すること。
(d) 生物的防除資材その他の生物であって、自国にとって有益と主張されるが植物検疫上懸念のあるものについて、自
     国の領域内への移動を禁止し、又は制限すること。
2  締約国は、国際貿易に関する障害を最小限にするため、1の規定に基づく自国の権限を行使するに当たり、次の
   条件に従って行動することを約束する。
(a) 締約国は、1に定める措置を、当該措置が植物検疫上の考慮により必要とされ、かつ、技術的に正当なものでない限
     り、自国の植物検疫法令に基づいてとってはならない。
(b) 締約国は、植物検疫に関する要件、制限及び禁止について採用した後直ちに、これを公表し、及び当該措置によっ
    て直接影響を受けると信ずる他の締約国に通報する。
(c) 締約国は、要請に応じて、植物検疫に関する要件、制限及び禁止の必要性を他の締約国に提供する。
(d) 締約国は、特定の植物又は植物生産物の積荷の輸入が指定した搬入地点を通してのみ行われることを要求すると
     きは、その地点を、国際貿易を不必要に阻害しないように選択する。締約国は、当該搬入地点の一覧表を公表する
     ものとし、当該一覧表を、事務局長、自国が構成国である地域的植物防疫機関、直接影響を受けると信ずる締約
     国及び要請に応じてその他の締約国に通報する。搬入地点に関するこのような制限は、当該植物、植物生産物そ
     の他の規制品目が植物検疫証明書を伴うこと又は検査され若しくは処理されることを必要としない限り、行ってはな
     らない。
(e) 締約国の植物防疫機関が必要とする検査その他の植物検疫手続であって、植物、植物生産物その他の規制品目
     の積荷に対しその輸入のために行うものは、当該植物の枯死しやすさ及び当該植物生産物その他の規制品目の
     変敗しやすさに十分な考慮を払って、できる限り速やかに行う。
(f) 輸入締約国は、植物検疫証明書が遵守されなかった主要な事例を、関係輸出締約国又は適当な場合には関係再
    輸出締約国にできる限り速やかに通報する。輸出締約国又は適当な場合には関係再輸出締約国は、調査を行うべ
    きであり、また、要請に応じて関係輸入締約国に対し調査結果を報告すべきである。
(g) 締約国は、植物検疫措置であって、技術的に正当なものであり、関係を有する有害動植物の危険度に合致し、利用
     し得る最も制限的でない措置であり、並びに人、商品及び運搬手段の国際的な移動に対する影響が最小となるよう
     なものに限り、制定することができる。
(h) 締約国は、状況が変化し、新たな事実が判明した場合には、植物検疫措置を速やかに修正し、又は必要でないと認
    められたときは撤廃することを確保する。
(i) 締約国は、最善を尽くして、規制有害動植物の最新の一覧表を学名を用いて作成し、及び最新のものとし、当該一覧
    表を事務局長、自国が構成国である地域的植物防疫機関   及び要請に応じてその他の締約国に提供する。
(j) 締約国は、最善を尽くして、有害動植物の監視を行うとともに、有害動植物の分類を裏付け、及び適切な植物検疫措
    置の発展のために有害動植物の状況に関する適切な情報を整備し、維持しなければならない。当該情報は、要請に
    応じて他の締約国に提供する。
3  締約国は、自国の領域内に定着することはできないが、入り込んだ場合に経済的損害を与えるおそれのある有害動
    植物について、この条に定める措置を適用することができる。これらの有害動植物に対してとる措置は、技術的に正
    当なものでなければならない。
4  締約国は、自国の領域内を通過する積荷について、この条に定める措置を適用することができる。ただし、当該措置
    が、技術的に正当なものであり、かつ、有害動植物の侵入又はまん延を防止するために必要な場合に限る。
5  この条のいかなる規定も、輸入締約国が、十分な防護措置をとることを条件として、科学的調査、教育又は特定の使
    用を目的として、植物、植物生産物その他の規制品目及び植   物に対する有害動植物を輸入するための特別の措
    置をとることを妨げるものではない。
6  この条のいかなる規定も、締約国が、自国の領域内における潜在的な脅威をもたらす有害動植物の発見又は当該発
    見の報告によって適切な緊急措置をとることを妨げるものではない。当該措置は、その継続が正当であることを確保
    するため、できる限り速やかに評価   される。この措置は、関係締約国、事務局長及び当該締約国が構成国である
    地域的植物防疫機関に直ちに通報する。

               第八条  国際協力
1  締約国は、この条約の目的を達成するため、相互にできる限り協力するものとし、特に次のことを行う。
(a)  委員会が定める手続に従い、有害動植物に関する情報(特に直接的又は潜在的危険のある有害動植物の発生、
     異常発生又はまん延に関する報告)の交換について協力すること。
(b) 作物生産を著しく阻害し、かつ、緊急事態に対応する国際的行動を必要とするような有害動植物に対処する特別な
     運動にできる限り参加すること。
(c) 有害動植物危険度解析に必要な技術的及び生物学的情報を提供することにできる限り協力すること。
2  締約国は、この条約の実施に関する情報の交換のための連絡先を指定する。
 
               第九条  地域的植物防疫機関
1  締約国は、適当な地域に地域的植物防疫機関を設置するため、相互に協力することを約束する。
2  地域的植物防疫機関は、対象地域における調整機関としての任務を行い、この条約の目的を達成するため各種の
    活動に参加し、並びに適当な場合には情報の収集及び提供を行う。
3  地域的植物防疫機関は、この条約の目的を達成するために事務局長と協力し、また、適当な場合には国際基準を策
    定するために事務局長及び委員会と協力する。
4  事務局長は、次のことのため、地域的植物防疫機関の代表者による定期的な技術協議会合を招集する。
(a) 植物検疫措置に関する関連国際基準の策定及び利用を促進すること。
(b) 有害動植物の防除のための調和のとれた植物検疫措置の促進及び有害動植物のまん延又は侵入の防止について
     の地域間協力を奨励すること。
 
                第十条  基準
1  締約国は、委員会によって採択される手続に従い、国際基準の策定に協力することを合意する。
2  国際基準は、委員会によって採択される。
3  地域基準は、この条約の原則に適合すべきである。当該地域基準は、より広範に適用することができる場合には、
    植物検疫措置に関する国際基準の候補として検討するために委員会に寄託することができる。
4  締約国は、この条約に関連した行動をとるに際し、国際基準を適宜考慮する。
 
               第十一条  植物検疫措置に関する委員会
1  締約国は、FAOの枠組みにおいて植物検疫措置に関する委員会を設置することを合意する。
2  委員会の任務は、この条約の目的の十分な達成を促進することであるものとし、特に次のとおりとする。
(a) 世界の植物防疫の情勢並びに有害動植物の国際的なまん延及び危険にさらされている地域への有害動植物の侵
     入を防止するための措置の必要性について検討すること。
(b) 国際基準の策定及び採択のために必要な制度上の措置及び手続を制定し、及び常時検討し、並びに国際基準を
    採択すること。
(c) 第十三条の規定に従って紛争解決に係る規則及び手続を制定すること。
(d) 自己の任務の適切な実施のために必要な委員会の補助機関を設置すること。
(e) 地域的植物防疫機関の承認に関する指針を採択すること。
(f) この条約の対象となる事項について、他の関連する国際機関と協力すること。
(g) この条約の実施のために必要な勧告を採択すること。
(h) この条約の目的の達成に必要なその他の任務を遂行すること。
3  委員会の加盟国の地位は、すべての締約国に開放される。
4  締約国は、委員会の会合に一人の代表を出すことができるものとし、この代表は、一人の代表代理並びに専門家及
    び顧問を伴うことができる。代表代理並びに専門家及び顧問は、委員会の審議に参加することができるが、代表代
    理が代表に代わって投票することが正当に認められる場合を除くほか、投票することができない。
5  締約国は、すべての事項について、コンセンサス方式により合意に達するようあらゆる努力を払う。コンセンサスの
    ためのあらゆる努力にもかかわらず合意に達しない場合には、決定は、最後の解決手段として、出席し、かつ、投票
    する締約国の三分の二以上の多数による議決で行う。
6  この条約の締約国であるFAOの加盟機関及びこの条約の締約国であるその構成国は、この条約の締約国としての
   権利を行使し、及び義務を履行するに当たり、FAO憲章及び一般規則を準用する。
7  委員会は、必要に応じその手続規則を採択し、及び改正することができるものとし、当該手続規則は、この条約及び
    FAO憲章に反してはならない。
8  委員会の議長は、委員会の年次通常会合を招集する。
9  委員会の特別会合は、加盟国の少なくとも三分の一の要請により、委員会の議長が招集する。
10 委員会は、議長及び一人又は二人の副議長を選任するものとし、それぞれの任期は、二年とする。
 
                第十二条  事務局
1  委員会の事務局長は、FAOの事務局長が任命する。
2  事務局長は、必要に応じて事務局職員の補佐を受ける。
3  事務局長は、委員会の政策及び活動を実施する責任並びにこの条約によって与えられたその他の任務を遂行する
    責任を負うものとし、これらの事項について委員会に報告する。
4  事務局長は、次のことを行う。
(a) 国際基準について、その採択後六十日以内にすべての締約国に通報すること。
(b) 第七条2(d)の規定に基づき締約国が通報した搬入地点の一覧表をすべての締約国に通報すること。
(c) 入り込みが禁止されている規制有害動植物又は第七条2(i)に規定する規制有害動植物の一覧表をすべての締約国
     及び地域的植物防疫機関に通報すること。
(d) 第七条2(b)に規定する植物検疫に関する要件、制限及び禁止並びに第四条4に規定する公的植物防疫機関に関す
     る説明書について、締約国から受領した情報を通報すること。
5  事務局長は、委員会の会合の文書及び国際基準をFAOの公用語に翻訳したものを提供する。
6  事務局長は、この条約の目的を達成するために地域的植物防疫機関と協力する。

               第十三条  紛争の解決
1  この条約の解釈若しくは適用に関し紛争がある場合又は締約国が、他の締約国の行動が 第五条及び第七条の規
    定に基づく当該他の締約国の義務、特に、当該締約国の領域から輸出される植物、植物生産物その他の規制品目
    の輸入を禁止し若しくは制限する根拠に関する義務に違反すると認める場合には、関係締約国は、紛争を解決する
    ため、当該関係締約国間でできる限り速やかに協議する。
2  紛争が1に規定する方法により解決することができない場合には、関係締約国は、委員会によって制定された規則
    及び手続に従って、FAOの事務局長に対し、係争中の問題について審議するための専門家委員会を任命するよう要
    請することができる。
3  専門家委員会には、関係締約国が指名する代表を含める。専門家委員会は、当該関係締約国が提出するすべての
    文書その他の証拠書類を考慮して、係争中の問題を検討する。専門家委員会は、解決のため、紛争の技術的側面
    に関する報告を作成する。報告の作成及び承認は、委員会によって制定された規則及び手続に従って行われるもの
     とし、当該報告は、事務局長により当該関係締約国に送付される。報告は、要請に応じ、貿易に係る紛争の解決に
    ついて責任を有する国際機関の権限のある組織にも提出することができる。
4  締約国は、専門家委員会の勧告が、その性質上拘束力を有するものではないが、意見の不一致を生ぜしめた事項
   についての関係締約国による再考の基礎となることに同意する。
5  関係締約国は、専門家の費用を分担する。
6  この条の規定は、貿易問題を処理する他の国際協定に定める紛争解決手続を補完するものであるが、これを逸脱
    するものではない。
 
                第十四条  既存条約との代替
   この条約は、締約国間においては、千八百八十一年十一月三日の「フィロキセラ・ヴァス タトリックス」に対してとるべ
き措置に関する国際条約及びその追加として千八百八十九年 四月十五日にベルヌで署名された条約並びに千九百二十九年四月十六日にローマで署名され た植物防疫に関する国際条約を廃止し、かつ、これらの条約に代わるものとする。
 
                第十五条  適用される地域
1  いずれの締約国も、批准若しくは加入の時又はその後いつでも、国際関係について当該締約国が責任を有する地
   域の全部又は一部にこの条約を適用する旨の宣言をFAOの事務局長に通告することができるものとし、この条約は、
   事務局長がその宣言を受領した日後   三十日目から、その宣言で指定するすべての地域に適用するものとする。
2  1の規定に従ってFAOの事務局長に宣言を通告した締約国は、いつでも、その宣言の適用範囲を変更し、又はこの
   条約の規定のいずれかの地域に関する適用を停止する旨の宣言を更に通告することができる。前記の変更又は停
   止は、事務局長がその旨の宣言を受領した日後三十日目から効力を生ずる。
3  FAOの事務局長は、この条に基づいて受領した宣言をすべての締約国に通報する。

               第十六条  補足的協定
1  締約国は、特別の関心又は行動を必要とする特別の植物防疫問題に対処するため、補足的協定を締結することが
   できる。補足的協定は、特定の地域、特定の有害動植物、特定の植物及び植物生産物並びに植物及び植物生産物
   の特定の国際輸送方法について適用することができ、又は別にこの条約を補足することができる。
2  1に規定する補足的協定は、各関係締約国が関係する補足的協定に従って受諾した後、その締約国について効力を
   生ずる。
3  補足的協定は、この条約の目的を促進するものとし、この条約の原則及び規定並びに透 明性、無差別及び偽装され
   た制限の回避(特に国際貿易におけるもの)に関する原則に適   合するものでなければならない。

               第十七条  批准及び加入
1  この条約は、千九百五十二年五月一日まですべての国による署名のために開放しておくものとし、かつ、できる限り
    速やかに批准されなければならない。批准書は、FAOの事務局長に寄託する。事務局長は、その寄託の日付を各署
    名国に通告する。
2  この条約は、第二十二条の規定に従って効力を生ずると同時に、非署名国及びFAOの加盟機関による加入のために
    開放しておく。加入は、FAOの事務局長に加入書を寄託することによって行い、事務局長は、すべての締約国に通告
    する。
3  FAOの加盟機関がこの条約の締約国となる場合には、当該加盟機関は、適当な場合には、FAO憲章第二条5の規定
    に従って提出したその権限に関する宣言について、この条約の受諾に当たって必要となる修正を行い、又は明確化を
    図る旨を、加入に際し同憲章第二条7の規定に従って通告する。この条約のいずれの締約国も、いつでも、この条約
    の締約国であるFAOの加盟機関に対して、この協定の対象となる特定の事項の実施に関し、当該加盟機関又はその
    構成国のうちいずれが責任を有するかについての情報を提供するよう要請することができる。当該加盟機関は、合理
    的な期間内にこの情報を提供する。
 
               第十八条  非締約国
   締約国は、この条約の締約国でない国又はFAOの加盟機関に対し、この条約を受諾する よう奨励し、また、いずれの
非締約国に対しても、この条約の規定及びこの条約に基づいて 採択された国際基準に適合する植物検疫措置を適用するよう奨励する。

               第十九  条言語
1  この条約の公式言語は、FAOのすべての公用語とする。
2  3に規定する場合を除くほか、この条約のいかなる規定も、締約国に対し、当該締約国の言語以外の言語で文書を提
    供し若しくは公表し、又はその写しを提供するよう求めるものと解してはならない。
3  次の文書は、少なくとも一のFAOの公用語により作成されなければならない。
(a) 第四条4の規定に従って提供される情報
(b) 第七条2(b)の規定に従って通報される文書に関する文献目録データを含む表紙
(c) 第七条2(b)、(d)、(i)及び(j)の規定に従って提供される情報
(d) 第八条1(a)の規定に従って提供される情報の関連文書に関する文献目録データ及び概要の注釈
(e) 連絡先からの情報提供の要請及び当該要請に対する回答(添付書類を除く。)
(f) 委員会の会合のために締約国が提出する文書

               第二十条  技術援助
   締約国は、この条約の実施を促進することを目的として、二国間で又は適当な国際機関を通じて、締約国、特に開発途上締約国への技術援助の提供を促進することを合意する。

               第二十一条  改正
1  この条約の改正に関する締約国の提案は、FAOの事務局長に通告するものとする。
2  FAOの事務局長が締約国から受領したこの条約の改正案は、委員会の通常会期又は特別会期に承認のため提出す
    るものとする。その改正案が重大な技術的変更を含み、又は締約国に新たな義務を課するものである場合には、
    その改正案は、委員会に先立ちFAOが招集する専門家諮問委員会によって審議されるものとする。
3  この条約(附属書を除く。)の改正案の通告は、当該事項が審議されるべき委員会の会期の議事日程が発送される時
   以前にFAOの事務局長が締約国に送付する。
4  この条約の改正案は、委員会の承認を必要とし、締約国の三分の二の受諾後三十日目から効力を生ずる。この条の
    規定の適用上、FAOの加盟機関によって寄託される文書は、当該加盟機関の構成国によって寄託されたものに追加
    して数えてはならない。
5  締約国に対する新たな義務を含む改正案は、各締約国については、当該国が受諾したときにのみ、その受諾後三十
    日目から効力を生ずる。新たな義務を含む改正の受諾書は、FAOの事務局長に寄託するものとする。事務局長は、
    その受諾書の受領及び改正の効力発生をすべての締約国に通報する。
6  この条約の附属書に定める植物検疫証明書の様式の改正に係る提案は、事務局長に送付するものとし、承認のため
    委員会により審議される。附属書に定める植物検疫証明書の様式の改正に係る承認は、事務局長が締約国に通報
    した後九十日目で効力を生ずる。
7  この条約の附属書に定める植物検疫証明書の様式の改正が効力を生じた時から十二箇月を超えない期間につい
    て、改正前の植物検疫証明書も、この条約の適用上法的に有効とする。

               第二十二条  効力発生
   この条約は、三の署名国の批准と同時に、当該三の国について効力を生ずる。その後批准 し、又は加入するFAOの
加盟国又は加盟機関については、その批准書又は加入書の寄託の日から効力を生ずる。

               第二十三条  廃棄
1  締約国は、いつでも、FAOの事務局長あての通知により、この条約の廃棄を通告することができる。事務局長は、直ち
    に、すべての締約国にその旨を通報する。
2  廃棄は、FAOの事務局長が1の通知を受領した日から一年後に効力を生ずる。