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指定有害動植物の総合防除を推進するための基本的な指針



沿革 令和04年11月15日 農林水産省告示第1862号(PDF : 602KB)

   植物防疫法の一部を改正する法律(令和四年法律第三十六号)附則第五条第一項の規定に基づき、同法の規定による改正後の植物防疫法(昭和二十五年法律第五十一号)第二十二条の二第一項の規定の例により、指定有害動植物の総合防除を推進するための基本的な指針を次のように定めたので、同条第五項の規定の例により公表する。


指定有害動植物の総合防除を推進するための基本的な指針

第1 指定有害動植物の総合防除の推進の意義及び基本的な方向

1  指定有害動植物の総合防除の推進の意義

(1)植物防疫法(昭和25年法律第151号。以下「法」という。)第2条第2項及び第3項に定める有害動物又は有害植物(以下「有害動植物」という。)の防除は、安定的な農業生産の実現に不可欠であり、施肥等と同様、営農活動の基本である。農業者は防除の実施主体として、都道府県や農業者の組織する団体(以下「農業者団体」という。)等から提供される防除に関する情報等を活用しつつ、自らの経営判断の下で防除を実施している。

一方、有害動植物の防除は、自ら栽培する農作物への損害の発生を抑えるだけでなく、周辺ほ場への有害動植物のまん延及び農作物への損害の波及を抑え、地域の農業生産の安定や持続的な発展を支え、我が国の食料の安定供給の確保を図るものとして極めて重要である。


(2)近年、温暖化等による気候変動を背景として、有害動植物の発生量の増加、分布域の拡大、発生時期の早期化及び終息時期の遅延が報告される等、有害動植物のまん延リスクが高まっており、農業生産の現場への影響が懸念されている。

環境省が令和2年12月に公表した「気候変動影響評価報告書」においても、気候変動は、農作物の生育や栽培適地の変化、病害虫・雑草の発生量や分布域の拡大等に影響を及ぼし、このことにより、農作物の収量・品質に影響が及び、かつ化学農薬をはじめとする様々な防除手段を講じる必要があることから、直接的・間接的に農家の収入低下等の経済的損失につながる可能性があり、社会/経済の観点から特に重大な影響が認められると評価され、防除対策等の緊急性は高いと評価されている。

(3)また、化学農薬に過度に依存した防除により薬剤抵抗性の発達した有害動植物が発生及びまん延し、そのために従来の防除体系では農作物への損害の発生を抑えることが困難となっている事例が報告されている。さらに、国際的にも化学農薬の使用量低減等による環境負荷の低減への対応が課題となっている。

(4)国は、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるため、中長期的な観点から戦略的に取り組む政策方針として「みどりの食料システム戦略」(令和3年5月公表。以下「みどり戦略」という。)を策定し、スマート防除技術体系の活用や、リスクの高い化学農薬からリスクのより低い化学農薬への転換を段階的に進めつつ、化学農薬のみに依存しない総合的な病害虫管理体系の確立・普及等を図ることに加え、従来の化学農薬に代わる新規農薬等の開発により、「2050年までに、化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減を目指す。」等の目標を掲げた。

(5)こうした状況の変化や政策に的確に対応し、引き続き有害動植物のまん延防止及び農作物への損害の発生を軽減していくためには、有害動植物の発生に対して化学農薬による防除措置を行うだけではなく、土壌診断に基づく施肥管理、健全な種苗の使用、農作物の残さの除去をはじめとする有害動植物が発生しにくい生産条件の整備により、有害動植物の発生そのものを予防することに重きを置き、気象や農作物の生育状況等を踏まえて有害動植物の発生を予測し、その発生状況に応じて必要な防除措置を講じる「総合防除」を有害動植物の防除の基本として、広く農業者に対して総合防除を普及・推進する必要がある。

(6)特に、指定有害動植物(法第22条第1項に規定する指定有害動植物をいう。以下同じ。)は、国内における分布が局地的でなく、又は局地的でなくなるおそれがあり、かつ、急激にまん延して農作物に重大な損害を与える傾向があるため、その防除につき特別の対策を要する有害動植物として農林水産大臣が指定するものであることから、特にその総合防除を推進する必要がある。

(7)このため、国は、指定有害動植物の総合防除に関する基本的な方向等を示すことにより、都道府県や農業者団体等の関係機関と一体となって、その総合防除の推進を図るものとする。このことは、我が国の農業生産の安定及び農業の持続性の確保に資するものである。

2  指定有害動植物の総合防除の推進の基本的な方向

(1)法第22条第2項において、総合防除とは、有害動植物の防除のうち、その発生及び増加の抑制並びにこれが発生した場合における駆除及びまん延の防止を適時で経済的なものにするために必要な措置を総合的に講じて行うものとされている。

指定有害動植物の総合防除の推進に当たっては、指定有害動植物の発生及び増加の抑制のために行う予防に関する措置の実施、防除に関する措置の要否及びその実施時期の適切な判断、駆除又はまん延を防止するために行う防除に関する措置の実施の各段階において、利用可能なあらゆる選択肢の中から、経済性を考慮しつつ、気象や農作物の栽培及び生育状況等の地域の実情に応じて、適時に適切な方法を選択して実施するものとする。

(2)各指定有害動植物の総合防除の内容は地域の実情により異なる場合があることから、各都道府県においては、その実情に応 じて農業者へ適時に適切な防除指導を行うことにより総合防除の実施が図られる必要がある。国は、指定有害動植物の総合防除を推進し、各都道府県において総合防除が円滑かつ効率的に実施されるよう、

(ア)  指定有害動植物の総合防除に関する防除指導等の基本的な方向を示し、それに基づいて都道府県が地域の実情に応じた効 率的な防除指導を行うことができる仕組みを構築するとともに、

(イ)  指定有害動植物の発生の予防に関する措置を含めた総合防除の内容等について、各都道府県で利用可能な一般的かつ基本 的な防除技術等に基づく基本的な事項を示す必要がある。

このため、農林水産大臣は、法第22条の2第1項に基づき、指定有害動植物の総合防除を推進するための基本的な指針(以下「総合防除基本指針」という。)を定め、都道府県が定める指定有害動植物の総合防除の実施に関する計画(法第22条の3第1項に規定する総合防除計画をいい、以下「総合防除計画」という。)の基本的な方向等を示すものとする。

(3)都道府県知事は、法第22条の3第1項に基づき、総合防除基本指針に即して、かつ、地域の実情に応じて、総合防除計画を定めるものとされている。当該総合防除計画においては、法第22条の3第2項に基づき、指定有害動植物の総合防除の実施に関する基本的な事項や指定有害動植物の種類ごとの具体的な総合防除の内容、当該総合防除の内容に基づいた効率的な防除指導を行うための実施体制及び市町村や農業者団体等との連携に関する事項を定めるものとされている。また、都道府県知事は、法第22条の3第4項に基づき、当該総合防除計画を定め、又は変更しようとするときは、関係する市町村及び農業者団体等の意見を聴くよう努めるとともに、法第22条の3第5項に基づき、総合防除計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、公表するものとされている。

さらに、法第24条に基づき、農林水産大臣が異常発生時(法第24条第1項に規定する異常発生時をいう。以下同じ。)の防除に関する措置(法第24条第1項に規定する異常発生時防除をいい、以下「異常発生時防除」という。)を指示した場合における措置の内容及び実施体制に関する事項についても総合防除計画に定めるものとされている。

これらの規定に基づき、都道府県は、総合防除計画を策定することにより、地域の実情に応じた総合防除の具体的な内容や防除指導の体制等を明確にし、農業者に適時に適切な防除指導を行うものとする。

(4)都道府県知事は、法第22条の3第3項に基づき、地域の全ての農業者が必ず取り組むべき事項を明らかにする観点から、必要に応じ、指定有害動植物の種類ごとの発生の予防及び駆除又はまん延の防止の方法に関し農業者が遵守すべき事項(以下「遵守事項」という。)を総合防除計画に定めることができるものとされている。

都道府県知事は、遵守事項を定めた場合、法第24条の2に基づき、指定有害動植物の防除が適正に行われることを確保するために必要があるときは、農業者に対して、当該遵守事項に即した防除を行うために必要な指導及び助言を行うものとされている。また、法第24条の3第1項及び第2項に基づき、当該遵守事項に即した防除が行われず、かつ、当該指定有害動植物がまん延して周囲の農作物に重大な損害を与えるおそれがあると認める場合においては、当該農業者に対して、当該遵守事項に即した防除を行うべきことを勧告することができ、さらに、その勧告に従わない場合には、当該措置をとるべきことを命ずることができるものとされている。

また、都道府県知事は、農業者へ適時に適切な防除指導を行うという観点から、平時における防除のほか、異常発生時防除に係る遵守事項についても総合防除計画に定めることができるものとされている。

これらの規定に基づき、都道府県は、指定有害動植物のまん延を防止するため、必要に応じて遵守事項を策定することにより、地域全体で必ず取り組むべき総合防除の内容を明確にし、農業者に対して、より効果的かつ効率的な防除指導を行うものとする。

3  指定有害動植物の総合防除の推進体制

国、都道府県、市町村等は以下の役割分担の下、総合防除基本指針及び総合防除計画に即して、指定有害動植物の総合防除を推進するものとする。

(1)国

 (ア)  指定有害動植物は国内における分布が局地的でなく、又は局地的でなくなるおそれがあり、その防除について特別の対策を 要する有害動植物であることから、国は、指定有害動植物の総合防除を推進するため、最新の科学的知見並びに我が国における発生の状況及び動向を踏まえ、総合防除基本指針において、基本的な方向や指定有害動植物の種類ごとの総合防除の内容に関する基本的な事項等を定めるものとする。

(イ)国は、総合防除基本指針に即して、都道府県や農業者団体等と連携し、総合防除の必要性や総合防除を推進する仕組み等について、農業者の理解の促進に努めるものとする。

(ウ)国は、指定有害動植物の防除を適時で経済的なものとするため、都道府県の協力を得て発生予察事業(法第23条第1項に規定する発生予察事業をいう。以下同じ。)を実施し、同事業に基づき取りまとめた発生予察情報(以下「発生予察情報」という。)を都道府県や農業者団体等に情報提供するものとする。

(エ)国は、都道府県からの情報提供等を参考に地域における防除に係る課題等の把握に努めるとともに、試験研究機関等との連携の下、指定有害動植物の生態等の科学的知見の収集、省力・軽労化等に資する新たな防除技術の研究開発や現場での実証、緊急的な防除対策の確立等を推進することにより、総合防除に利用可能な防除技術等の社会実装を進める。また、このような取組により得られた知見や確立された防除技術等に関する優良事例等の収集及び整理を行いウェブサイトに掲載等することで、都道府県等への情報提供に努めるものとする。

これらの取組により、都道府県等による農業者への防除指導や農業者自らが総合防除に取り組みやすい環境の整備を行うとともに、優良事例に関する取組の横展開を図るものとする。

(2)都道府県

(ア)都道府県は、当該都道府県における指定有害動植物の総合防除の実施のため、総合防除計画において、地域の実情に応じた総合防除の実施に関する基本的な事項や総合防除の具体的な内容、防除指導の実施体制等を明確化するものとする。

(イ)都道府県は、総合防除計画に即して、市町村、農業者団体その他農業に関する団体等と連携し、農業者への適切な防除指導等を行うとともに、総合防除の必要性等について、農業者の理解の促進に努めるものとする。

(ウ)都道府県は、国の発生予察事業に協力し、当該都道府県内の発生予察情報を地域の農業者等に迅速に提供することにより、適時かつ適切な防除指導に努めるものとする。この情報提供に当たっては、市町村や農業者団体等に対して多様な媒体を活用することにより迅速かつ確実な伝達を行うのみならず、ICT技術の活用等により農業者等に直接提供する体制の整備に努めるものとする。

(エ)都道府県は、試験研究機関や農業者団体等との連携の下、地域における防除に係る課題等に対して、他の地域における優良事例等も参考に、防除技術の研究開発や地域に合った防除体系の実証等を行うことに努めるものとする。実証等に当たっては、農業者が総合防除の取組を経営判断として積極的に自らの営農活動に取り入れることができるよう、総合防除の取組による防除効果や、コスト及び生産性に係るデータの収集及び整理等をすることによって、慣行の防除体系や防除技術と比べた経営上のメリットの把握に努めるものとする。

また、このような取組により得られた知見や確立された防除技術等をわかりやすく防除マニュアル等に取りまとめること等により、農業者等への総合防除に関する普及や防除指導に活用するものとする。

(3)市町村

市町村は、当該市町村内の各地域におけるほ場や農業者に関する情報を把握しており、地域における指定有害動植物の防除指導の一端を担っているという認識の下、所在する都道府県が定める総合防除計画に即して、都道府県や農業者団体等と連携しながら、必要に応じて、農業者への発生予察情報や防除マニュアル等の情報提供等を含む防除指導を行うことにより、総合防除計画に基づく総合防除の実施への協力に努めるものとする。

(4)独立行政法人や大学等の試験研究機関

独立行政法人や大学等の試験研究機関は、国や都道府県、農業者団体等との連携の下、地域における防除に係る課題等も踏まえ、総合防除の推進に資する病害虫防除に関する基礎的・基盤的な研究のほか、応用研究や開発研究等による防除技術の開発や実証等を進めることにより、新たな科学的知見の収集や、革新的な防除技術の社会実装の推進に努めるものとする。

また、このような取組により得られた知見や確立された防除技術等をわかりやすく防除マニュアル等に取りまとめることで、都道府県や農業者団体等による農業者への総合防除に関する普及や防除指導が円滑なものとなるよう努めるものとする。

(5)農業者団体

(ア)農業者団体は、各地域における農業者の営農活動とつながりが大きく、当該地域における指定有害動植物の防除指導の一端を担っているという認識の下、平時の防除指導等を活用した農業者等との情報交換により、地域の課題や指定有害動植物の発生状況など、地域の実情の把握に努めるとともに、国や都道府県、市町村等から提供される発生予察情報等を農業者等に提供することに努めるものとする。また、所在する都道府県が定める総合防除計画に即して、都道府県等と連携し、地域の実情に応じた適切な防除指導に努めるとともに、総合防除の必要性等について、農業者の理解の促進に努めるものとする。

これらの取組により、農業者団体は、農業者のまとめ役として地域の体制作りを進め、総合防除計画に基づく総合防除の実施への協力に努めるものとする。

(イ)農業者団体は、都道府県や試験研究機関等が行う防除技術の研究開発や地域に合った防除体系の実証等への連携に努め、このような取組により得られた知見や確立された防除技術等をわかりやすく防除暦(栽培暦)等に取りまとめること等により、農業者等への総合防除に関する普及や防除指導に活用するものとする。

(6)防除等に関する専門的知見を持つ団体、民間事業者

(ア)防除等に関する専門的知見を持つ団体は、農作物や指定有害動植物に関する最新の科学的知見、総合防除に資する防除技術、国及び都道府県の施策に関する情報の収集及び提供や、地域に合った防除体系の実証等により、都道府県や農業者団体等による農業者への総合防除に関する普及や防除指導が円滑なものとなるよう努めるものとする。

(イ)農薬や防除資材等を扱う民間事業者は、農業者等への農薬や防除資材等の安定供給に努めるとともに、関連する技術情報を積極的に提供することにより、農薬等の適正利用の推進を図り、都道府県や農業者団体等による農業者への防除指導が円滑なものとなるよう努めるものとする。

(7)農業者

農業者は、自ら栽培する農作物の安定生産を図り、周辺ほ場や地域への指定有害動植物のまん延を防止するため、総合防除の実施について主体的な役割を有している。

このことから、農業者は、都道府県や農業者団体等による防除指導を活用し、所在する都道府県の総合防除計画に即した総合防除の実施に努めるものとする。また、都道府県や農業者団体等が開催する総合防除の内容に関する研修会等へ参加する等、地域の指定有害動植物の総合防除に必要な情報収集等に取り組むことにより、指定有害動植物の総合防除の内容に関する理解の醸成や、自らの取組状況の検証等に努めるものとする。

第2  指定有害動植物の種類ごとの総合防除の内容に関する基本的な事項

1  総合防除の実施

指定有害動植物の総合防除は、

(1)土壌診断に基づく施肥管理や健全な種苗の使用、農作物の残さの除去など、指定有害動植物の発生及び増加の抑制のために行う予防に関する措置の実施(予防)、

(2)発生予察情報の活用や、ほ場の見回り等農業者自らが指定有害動植物の発生状況の観察等を行うことによる、防除に関する措置の要否及びその実施時期の適切な判断(判断)、

(3)指定有害動植物の発生状況等を踏まえて防除が必要と判断した場合に、当該指定有害動植物の駆除又はまん延を防止するために行う防除に関する措置の実施(防除)

の各段階において、利用可能なあらゆる選択肢の中から、経済性を考慮しつつ、適時に適切な方法を選択して実施されるものとする。

2  総合防除の内容

法第22条の3第2項第2号において、都道府県知事は、総合防除計画において、指定有害動植物の種類ごとの総合防除の内容を定めるものとされている。

指定有害動植物の予防に関する措置、判断及び防除に関する措置は多種多様であり、また、同じ指定有害動植物であっても、気象や農作物の栽培及び生育状況等の地域の実情により、その内容は異なる場合がある。

このため、都道府県知事は、総合防除計画において総合防除の内容を定めるに当たっては、地域の実情に応じて、総合防除に取り組むべき指定有害動植物を選択した上で、当該指定有害動植物の種類ごとに、別紙1に記載した各都道府県で利用可能な一般的かつ基本的な防除技術等による基本的な事項を参考に定めるものとする。なお、別紙1の基本的な事項のほか、地域における課題等に対して新たに開発及び実証された防除技術等がある場合には、それらを取り入れることが望ましい。

さらに、都道府県内においても、地域によって総合防除の内容は異なる場合があることから、都道府県は総合防除計画で定めた総合防除の内容に即し、各地域での実証等を通じて、当該地域により適した防除体系の確立及びそれに沿った防除指導を図ることが望ましい。

なお、都道府県知事は、総合防除の内容を定めるに当たって、化学農薬の使用だけではなく、発病株及び発病部位の除去並びに適切な処分等の耕種的な防除措置、防虫ネットの設置や種子の温湯処理等の物理的な防除措置など、有機農業者であっても継続して有機の農業生産に取り組むことができるよう、複数の選択肢を用意して示すことが重要である。

第3  指定有害動植物の種類ごとの発生の予防及び当該指定有害動植物が発生した場合における駆除又はまん延の防止の方法に 関し農業者が遵守すべき事項に関する基本的な事項

1  遵守事項

(1)法第22条の3第3項において、都道府県知事は、指定有害動植物のまん延を防止するため必要があると認めるときは、総合防除計画において、指定有害動植物の種類ごとに遵守事項を定めることができるものとされている。

遵守事項は、指定有害動植物のまん延を防止するため、地域の全ての農業者が必ず取り組むべき事項を明らかにする観点から、指定有害動植物の種類ごとの発生の予防及び駆除又はまん延の防止の方法を示すものである。

(2)指定有害動植物の予防及び防除に関する措置は多種多様であり、また、同じ指定有害動植物であっても、気象や農作物の栽培及び生育状況等の地域の実情により、その内容は異なる場合がある。

このため、都道府県知事は、遵守事項を定めるに当たっては、地域の実情に応じて、対象とする指定有害動植物を選択した上で、当該指定有害動植物の種類ごとに、別紙2に記載した基本的な事項を参考に定めるものとする。

(3)また、指定有害動植物の異常発生時においては、平時と異なり、組織的かつ強力に、また、速やかに指定有害動植物のまん延を防止する必要がある。

このことを踏まえ、都道府県知事は、異常発生時防除に係る遵守事項を定めるに当たっては、地域の実情に応じて、対象とする指定有害動植物を選択した上で、当該指定有害動植物の種類ごとに、別紙2に記載した基本的な事項を参考に遵守事項を定めるものとする。

(4)都道府県知事は、遵守事項を定めるに当たって、化学農薬の使用だけではなく、発病株及び発病部位の除去並びに適切な処分等の耕種的な防除措置、防虫ネットの設置や種子の温湯処理等の物理的な防除措置など、有機農業者であっても継続して有機の農業生産に取り組むことができるよう、複数の選択肢を用意して示すことが重要である。

2  指導及び助言

都道府県知事は、総合防除計画において遵守事項を定めた場合において、当該指定有害動植物に対する防除が適正に行われることを確保するため必要があるときは、法第24条の2に基づき、農業者に対して、当該遵守事項に即した防除を行うために必要な指導及び助言を行うものとされている。

都道府県知事は、遵守事項に即した防除が適正に行われるよう、総合防除の必要性や遵守事項の内容等について、農業者団体等との連携により、平時の防除指導時から農業者の理解の促進に努めるものとする。

3  勧告

都道府県知事は、2に基づく指導又は助言を行ったにもかかわらず、遵守事項に即した防除が行われず、対象とする指定有害動植物の過去の発生時における地域のまん延や損害の発生状況等から、当該指定有害動植物がまん延することにより農作物に重大な損害を与えるおそれがあると認められる場合においては、法第24条の3第1項に基づき、当該農業者に対して、期限を定めて、改善すべき事項等を記載した文書を交付して遵守事項に即した防除を行うべきことを勧告することができるものとされている。

当該農業者が勧告に係る措置をとるべき期限として定める期間は、当該都道府県知事が、当該指定有害動植物の発生状況や農作物の栽培状況など、当該地域の実情を勘案して、当該指定有害動植物のまん延を防止するために適当な期間を定めるものとする。当該期間が経過した後、当該都道府県は、速やかに、勧告に係る措置が行われていることを確認するものとする。

4  命令

都道府県知事は、3における確認の結果、当該農業者が当該勧告に従わない場合であって、特に必要があると認めるときは、法第24条の3第2項に基づき、当該農業者に対して、期限を定めて、当該勧告に係る措置をとるべき旨等を記載した文書を交付して勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるものとされている。

当該農業者が措置をとるべき期限として定める期間は、当該都道府県知事が当該指定有害動植物の発生状況や農作物の栽培状況など、当該地域の実情を勘案して、当該指定有害動植物のまん延を防止するために適当な期間を定めるものとする。当該期間が経過した後、当該都道府県は、速やかに、命令に係る措置がとられていることを確認するものとする。

5  遵守事項に即した防除の実施状況等の確認

2から4までの遵守事項に即した防除の実施状況等の確認は、当該都道府県が、発生予察事業におけるほ場調査等(以下「発生予察調査」という。)や、法第24条の4に基づく立入調査その他都道府県知事が適切と認める方法(以下「立入調査等」という。)により行うものとする。立入調査等においては、該当ほ場等における指定有害動植物の発生状況や農作物の栽培及び生育状況等の確認、農薬散布等の作業日誌の確認、当該農業者や周辺ほ場の農業者等への聴取り等を行うことにより、遵守事項に即した防除の実施状況や、指定有害動植物のまん延による農作物への重大な損害の発生のおそれがあるかどうか等を確認するものとする。

6  異常発生時防除における勧告及び命令

異常発生時防除に係る遵守事項に即した防除が行われない場合における勧告及び命令についても、3から5までと同様に取り扱うものとする。

ただし、平時と比べて、指定有害動植物が異常な水準で発生し、その急激なまん延を速やかに防止する必要がある場合、都道府県知事は、農業者が遵守事項に即した防除を行わないことと、当該指定有害動植物がまん延することとの因果関係は問わずに、遵守事項に即した防除に係る勧告及び命令を行うことができるものとする。

第4  法第23条第1項に規定する発生予察事業の対象とする指定有害動植物その他当該発生予察事業に関する事項

1  発生予察事業

法第23条第1項において、発生予察事業は、有害動植物の防除を適時で経済的なものにするため、有害動植物の繁殖、気象、農作物の生育等の状況を調査して、農作物についての有害動植物による損害の発生を予察し、及びそれに基づく情報を関係者に提供する事業とされている。

農林水産大臣は、総合防除基本指針に基づき、発生予察事業の対象とする指定有害動植物について、都道府県の承諾を得て定める計画に基づいて発生予察事業を実施するものとする。都道府県は、当該計画に従い国の発生予察事業に協力しなければならない。

2  発生予察事業の対象とする指定有害動植物

発生予察事業の対象とする指定有害動植物は、植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号)第40条に規定する指定有害動植物のうち、農作物の栽培期間中の気象や、周辺の環境状況等により急激にまん延する傾向があるものについて、別紙3のとおり定めるものとする。

3  発生予察事業の実施

(1)都道府県は、発生予察調査を実施し、各地域における指定有害動植物の発生状況を把握するものとする。また、気象情報、海外や近隣都道府県における指定有害動植物の発生状況など、当該都道府県における指定有害動植物の発生動向の予測や解析に利用可能な情報を幅広く収集し、これら情報による総合的な判断に基づいた農作物への損害の発生の予察を行うものとする。

(2)都道府県は、(1)に関する発生予察情報について、農業者に迅速に提供することにより、適時かつ適切な防除指導に努めるものとする。この情報提供に当たっては、市町村や農業者団体等に対して多様な媒体を活用することにより迅速かつ確実な伝達を行うのみならず、ICT技術の活用等により農業者等に直接提供する体制の整備に努めるものとする。

(3)都道府県知事は、発生予察情報を適時に国へ報告するものとする。

(4)国は、各都道府県の発生予察情報を定期的に取りまとめ、全国的な指定有害動植物の発生予報を公表するものとする。また、年度ごとに指定有害動植物の全国の発生状況及び防除の実施状況等を取りまとめ公表するものとする。

(5)国は、ドローン、AI、IoT等の先進技術の活用により、より精緻で省力的な発生予察手法の確立に努めるとともに、都道府県や農業者団体等との連携の下、新しい調査手法の実証及び積極的な導入等により発生予察の高度化・効率化を図るものとする。

第5  法第24条第1項に規定する異常発生時の基準に関する事項

1  異常発生時防除

法第24条第1項において、農林水産大臣は、発生予察事業の実施により得た資料に基づき、又はその他の事情に鑑み、指定有害動植物の異常発生時であって、その急激なまん延を防止するため特に必要があると認めるときは、関係都道府県知事に、総合防除基本指針及び当該都道府県の総合防除計画に即して、当該指定有害動植物の異常発生時防除を行うよう指示することができるものとされている。

2  異常発生時の基準

農林水産大臣は、発生予察調査やほ場調査等の結果、都道府県における指定有害動植物の発生程度が、発生予察調査における「甚」の基準を大きく上回り、かつ、その発生が局地的でない状況に至った場合等において、その都度速やかに当該指定有害動植物の性質に関し専門の学識経験を有する者から、(ア)まん延の速度が急激である状況、(イ)通常の防除措置では農作物への損害の発生を抑えられない状況、(ウ)当期又は次期作の農業生産に明らかな影響を及ぼす状況、に該当するかどうか等の意見を聴いた上で、異常発生時に該当するかどうかの判断を行うものとする。

第6  法第24条第1項に規定する異常発生時防除の内容に関する基本的な事項

1  異常発生時防除の実施

法第24条第2項において、都道府県知事は、異常発生時防除の指示を受けたときは、総合防除基本指針及び当該都道府県の総合防除計画に即して、速やかに、当該指定有害動植物の異常発生時防除を行うべき区域及び期間その他必要な事項を定めなければならないものとされている。

当該都道府県知事は、異常発生時防除の指示を受けたときは、都道府県内における当該指定有害動植物の急激なまん延を防止するため、当該指定有害動植物の発生状況や農作物の栽培及び生育状況など、当該地域の実情を勘案した上で、異常発生時防除を行うべき区域及び期間その他必要な事項を定め、速やかに告示するものとする。

2  異常発生時防除の内容

第5の1において、農林水産大臣が指示する異常発生時防除の内容は、別紙4に示す基本的な事項に即したものとすることを基本とする。

法第22条の3第2項第3号において、都道府県知事は、総合防除計画に、異常発生時防除の内容及び実施体制に関する事項を定めるものとされている。

都道府県知事は、当該事項を定めるに当たっては、地域の実情に応じて、対象とする指定有害動植物を明確にした上で、別紙4に記載した基本的な事項を参考に、速やかに実施することのできる異常発生時防除の内容を具体化するものとする。また、第1の3(2)に従い、当該都道府県内の市町村や農業者団体等との連携等の異常発生時防除の実施体制に関する事項を定めるものとする。

なお、都道府県知事は、異常発生時防除の内容を定めるに当たって、化学農薬の使用だけではなく、発病株及び発病部位の除去並びに適切な処分、早期収穫等の耕種的な防除措置の徹底など、有機農業者であっても継続して有機の農業生産に取り組むことができるよう、複数の選択肢を用意して示すことが重要である。

第7  その他必要な事項

1  「総合的病害虫・雑草管理」とのかかわり

平成17年9月に、国は、人の健康に対するリスクと環境への負荷を軽減あるいは最小限にし、農業全体を、環境保全を重視したものに転換することにより、消費者に支持される食料供給の実現を目的とした「総合的病害虫・雑草管理」(以下「IPM」という。)を定義した。また、IPMの推進に向け、実践指針を策定するとともに、これに基づき都道府県等が農作物ごとに各工程における具体的な取組項目を整理できるようIPM実践指標モデルを作成し、農業者等自身によるIPMに関する取組の検証や、農業者団体等と連携したIPM実践地域の育成等、その普及に向けた取組を進めてきたところである。

IPMは、予防、判断及び防除の各段階において、利用可能な全ての防除技術について経済性を考慮しつつ慎重に検討し、病害虫・雑草の発生増加を抑えるための適切な手段を総合的に講ずることを基本としている。この考え方自体は、法第22条第2項に定義する総合防除と変わることはないが、今後は、新たな科学的知見や先進的な防除技術も活用しながら、法第1条に定める法の目的に即し、有害動植物の発生の予防に重きを置いた総合防除を基本として、広く農業者等に対して総合防除の普及・推進を図るものとする。

2  総合防除の実施に関する体制整備及び人材育成

(1)体制整備

地域における指定有害動植物の総合防除に関する課題等に迅速・適切に対応していくためには、当該指定有害動植物の防除対策に同様の課題等を抱える都道府県が連携し、当該指定有害動植物に関する科学的知見や防除技術等に関する情報を共有するとともに、課題解決に向けた研究開発や地域に合った防除体系の実証等を役割分担しながら進めていくことが重要である。

このため、国は、このような共通の課題を抱える各都道府県の連携が円滑に図られるよう、農政局等の地域ブロックごとに開催する植物防疫に関する担当者会議や植物防疫の関係者から構成される協議会等を活用することにより、総合防除等に関する知見や課題等の共有等に努めるものとする。また、都道府県は、広域的な課題の検討及び解決のため、平時から都道府県間での情報共有や技術協力等に努めるものとする。

さらに、国は、農薬、農業機械、経営管理ソフトウェア等のメーカーが、専門的な知識を活かして有効な化学農薬や散布方法など、新しい防除技術等の開発・実装を推進している状況を踏まえ、都道府県等が円滑に防除指導を行えるよう、AI、ICT、経営管理ソフトウェア等の先進技術の積極的な活用など、試験研究機関や関連する民間事業者等との連携強化を進めていくものとする。

(2)人材育成

地域の実情に応じた指定有害動植物の総合防除を農業者に広く普及していくためには、防除指導者の計画的な育成や、防除に関する技術を有する人材の活用が必要である。

このため、国は、都道府県や農業者団体等を対象とした研修において、防除指導をする上での必要な科学的知見や施策情報等を提供することにより、都道府県等の職員の資質の向上を図るものとする。

都道府県は、総合防除計画に基づき、市町村や農業者団体等と連携し、防除指導者の継続的な技術や知識の習得及び向上や、新たな指導者の育成のために、計画的な研修の実施等に努めるものとする。

3  農薬の適正使用

(1)農薬の適正使用

防除手段として農薬を利用するに当たっては、農産物の安全確保及び農業生産の安定のみならず、国民の健康の保護及び生活環境の保全の観点からも、安全かつ適正な使用の確保が極めて重要である。

このことから、国及び都道府県は、農業者団体等とも連携し、農薬取締法(昭和23年法律第82号)、農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成15年農林水産省・環境省令第5号)等の関係法令に基づく農薬の適正使用等についての指導、農薬やその取扱いに関する正しい知識の普及啓発等を行うものとする。

(2)薬剤抵抗性の発達回避

化学農薬の使用に伴う薬剤抵抗性の発達リスクは、有害動植物の種類や、有害動植物における化学農薬の作用点の違いにより、その程度が異なることが報告されている。また、農作物の栽培地域の気象条件、栽培品種、栽培方法等の違いに基づく有害動植物の発生量及び化学農薬の使用回数の多少によっても、薬剤抵抗性の発達リスクは異なる。

このことから、総合防除における化学農薬の使用に当たっては、薬剤抵抗性の発達回避に資するため、都道府県や農業者団体等は、化学農薬の作用機構分類(RACコード)を踏まえた防除指導、薬剤抵抗性や化学農薬の作用機構分類に係る農業者等の理解の醸成等を図るものとする。

また、薬剤抵抗性の発達の有無に基づく十分な防除効果が得られる化学農薬の選択や、農業者への最適な防除指導に資するため、都道府県は、地域の実情に応じて、各地域における有害動植物の薬剤抵抗性の発達の有無をモニタリングし、農業者団体等の関係者に情報共有するとともに、その結果を国に報告するものとする。国はその情報を取りまとめ、都道府県を含めた関係者と情報共有を図るものとする。

4  総合防除基本指針の見直し

法第22条の2第3項の規定に基づき、国は少なくとも5年ごとに総合防除基本指針に再検討を加え、必要があると認めるときは変更するものとされている。このため、国は、最新の科学的知見の収集や、指定有害動植物の発生状況の整理及び動向の把握等に努めるものとする。

(別紙1)指定有害動植物の種類ごとの総合防除の内容に関する基本的な事項

(総論)

土壌診断に基づく適正な施肥管理、たい肥や緑肥等の活用による土作り、土壌の排水性改善、土壌や培地の消毒、健全な種苗、抵抗性品種又は抵抗性が高い品種の使用、有害動植物の発生源(雑草、作物残さ等)の除去、輪作・間作・混作、防虫ネットや粘着シート等の設置等により、有害動植物が発生しにくい生産条件を整備する。

ほ場内を見回り、又は必要に応じて粘着シート等を設置し、有害動植物の発生や被害状況を把握するとともに、都道府県が発表する発生予察情報や過去の有害動植物の発生動向、作物の生育状況や気象予報等を踏まえて、防除の要否及び防除時期を判断する。

防除に当たっては、化学農薬のみに依存せず、有害動植物の発生部位や発生株を適切に除去及び処分するとともに、天敵等の生物農薬や天然物質由来の農薬を含めた、多様な防除方法を活用する。

作物の生育及び有害動植物の発生状況に合わせ、有害動植物の被害を確実に抑えながら、薬剤の使用が最小限となるよう、使用基準(希釈倍数、使用液量、使用時期等)に従って農薬を適正に使用する。

薬剤散布を実施する場合には、飛散しにくい剤型や散布ノズルの使用、緩衝地帯や遮蔽シート・ネットの設置など、適切な飛散防止措置を講じる。

化学農薬を使用する場合には、個々の薬剤の効果特性を理解し、土着天敵や訪花昆虫への影響が小さい薬剤や選択性のある薬剤の使用により、土着天敵や訪花昆虫の保護に努める。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の農薬によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性又は薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

種子伝染性の有害植物について、採種ほ場では、薬剤耐性の発達リスクが低い薬剤を使用する。

農薬散布後は散布器具、タンク等の洗浄を十分に行い、残液やタンクの洗浄水を適切に処理し、河川等に流入しないようにする。

各農作業の実施日、有害動植物の発生状況、栽培管理状況、使用した薬剤の名称、使用時期、使用量、散布方法等を作業日誌として記録する。

都道府県や農業者団体等が開催する有害動植物の総合防除に関する研修会、農薬の適正使用に関する研修会等に参加する。

いね

【一般事項】

(予防に関する措置)

けい畔、農道及び休耕田の除草等を行い、越冬している有害動植物を駆除することにより、有害動植物の密度低下を図る。

翌年の多年生雑草の発生を抑制するため、収穫後は早期に耕起する。

土壌診断を行い、適正な施肥管理を行う。

ケイ酸質肥料の施用により、植物体を固くする。

常発する有害動植物に対して、抵抗性品種又は抵抗性が高い品種を使用する。

種子の更新等により、無病種子を使用する。

塩水選により、健全な種もみを選別する。

種もみを種子消毒(温湯浸漬、薬剤処理等)する。

品種の特性に応じた適正なは種量、育苗施肥量等を守り、健全な苗の育成に努める。

平年の有害動植物の発生状況や発生予察情報を基に、必要に応じて育苗箱処理剤を施用する。

有害植物の発生が認められた苗を速やかに処分する。

代かきを丁寧に行い、田面を均平にする。

健全な苗を選抜し、移植する。

品種に応じた適切な密度又は本数で移植する。

発病が認められた苗を、採種ほ場の周辺に移植しない。

(判断、防除に関する措置)

都道府県が推奨する要防除水準等に基づき、防除が必要と判断された場合には、確実に薬剤散布等を実施する。

けい畔の整備、あぜ塗り等により漏水を防止し、農薬の効果低減の防止及び水質汚濁の防止を図る。

指定有害動植物

総合防除の内容

いね

 

 

 

 

 

 

イネドロオイムシ

(予防に関する措置)

本指定有害動植物の越冬源や繁殖源となる、ほ場周辺、けい畔等のいね科雑草を除草する。

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等により発生量を確認し、発生が多い場合には、適期の薬剤散布等を実施する。

イネミズゾウムシ

(予防に関する措置)

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

越冬成虫の発生盛期を避けて移植する。

深水を避け、根を健全に保つため浅水管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努める。

薬剤散布を実施する場合には、地域一斉に実施することが望ましい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コブノメイガ

(予防に関する措置)

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

(判断、防除に関する措置)

発生量の年次間差が大きいことから、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努める。

薬剤散布を実施する場合には、地域一斉に実施することが望ましい。

 

(ア)未発生ほ場の場合

(予防に関する措置)

水路を介した侵入を防止するため、取水口や排水口に網を設置する。

未発生の水田へ、本指定有害動植物を除草目的等で持ち込まない。

発生ほ場での作業後には農機具を洗浄し、未発生ほ場への土壌を介した侵入及びまん延防止に努める。

(イ)発生ほ場の場合

(予防に関する措置)

苗の移植前(春季)又は収穫後(秋季)に石灰窒素を施用する。

冬季に耕起を実施する。

冬季に水路の泥上げを実施する。

水路を介した侵入及びまん延を防止するため、取水口や排水口に網を設置する。

食害を受けにくい中苗又は成苗を移植する。

(判断、防除に関する措置)

苗の移植期前に水田や水路の成貝を捕殺するとともに、卵塊を水中に落とす。

苗の活着期から生育初期まで、ほ場及び水路で成貝を捕殺する。

適期(苗の移植期まで)の薬剤散布を実施する。

苗の移植後3週間まで、本指定有害動植物の行動を抑制するために、水深4cm以下の浅水管理を実施する。

スクミリンゴガイ

 

 

 

セジロウンカ

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

(判断、防除に関する措置)

育苗箱処理剤を施用しない場合には、移植期以降、本指定有害動植物の発生動向に留意する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

ツマグロヨコバイ

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

育苗中は、寒冷(しゃ)等の被覆により、育苗ほ場への本指定有害動植物の侵入を防ぐ。

けい畔、休耕田等では、雑草を刈り取り、すき込み等により適切に処分する。

収穫後に、幼虫の越冬場所となる刈り株を粉砕し、ゆっくり深く耕起し、十分にすき込む。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

育苗箱処理剤を施用しない場合には、ほ場への侵入時期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を実施する場合には、地域一斉に実施することが望ましい。

トビイロウンカ

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

本指定有害動植物が定着しやすい時期を避けるよう、移植時期を前後にずらす。

密植や過繁茂とならないよう、栽植密度(植付け本数及び植付け間隔)を調整する。

水管理について、数日間隔で(たん)水及び落水を繰り返す。

(判断、防除に関する措置)

育苗箱処理剤を施用しない場合には、移植期以降、本指定有害動植物の発生動向に留意する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が株元まで十分届くよう、丁寧に散布する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、薬剤抵抗性が確認されている薬剤を使用しない。

坪枯れが確認された場合には、可能な限り収穫を早めて、倒伏等の被害が拡大しないよう努める。

ニカメイガ

(予防に関する措置)

抵抗性が高い品種を使用する。

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

収穫後に、幼虫の越冬場所となる刈り株や被害わらをすき込む。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報等を参考に、第一世代を対象として薬剤散布等を実施する。

斑点米カメムシ類

(予防に関する措置)

出穂2週間前までに、けい畔、農道及び休耕田の雑草を除草する。

けい畔にグランドカバープランツを植栽することにより、いね科雑草の減少を図る。

水田内のノビエやイヌホタルイを除草する。

近隣地域のほ場における収穫後に、けい畔、農道及び休耕田の雑草を除草する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報等を参考に、出穂期から適期に薬剤散布等を実施する。

ヒメトビウンカ((しま)葉枯病ウイルス)

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

けい畔、農道及び休耕田の除草により、生息密度の減少を図る。

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

育苗中は、寒冷(しゃ)等の被覆により、育苗ほ場への本指定有害動植物の侵入を防ぐ。

(しま)葉枯病感受性品種を使用する場合には、本指定有害動植物のほ場への飛込み時期の移植を避ける。

再生株が越冬源となることから、収穫後は速やかに耕起する。

冬季に、本指定有害動植物の越冬場所となる、けい畔、農道及び休耕田のいね科雑草を除草する。

(判断、防除に関する措置)

育苗箱処理剤を施用しない場合には、移植直後から本指定有害動植物の発生動向に留意する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

(しま)葉枯病が発病した場合には、発病株を早期に抜き取り、適切に処分する。

フタオビコヤガ

(予防に関する措置)

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

収穫後の稲わらを適切に処分し、(さなぎ)を死滅させる。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、幼虫発生期に薬剤散布等を実施する。

稲こうじ病菌

(予防に関する措置)

田畑輪換を実施し、土壌中の伝染源の減少を図る。

無病ほ場から採種する。

転炉スラグ又は生石灰を土壌に施用・混和する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報等を参考に、出穂前の適期に薬剤散布等を実施する。

いもち病菌

 

(予防に関する措置)

穂いもちの発生ほ場では、自家採種を行わない。

抵抗性品種を使用する。

無病種子を使用する。

塩水選により、健全な種もみを選択する。

種もみを種子消毒(温湯浸漬、薬剤処理等)する。

補植用の取置苗は本指定有害動植物の発生源となることから、早期に除去する。(葉いもち)

山間部では、冷水かんがいにならないよう留意する。

本指定有害動植物に適用のある育苗箱処理剤を施用する。

(判断、防除に関する措置)

発病株を抜き取る。(苗いもち)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。(葉いもち及び穂いもち)

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

採種ほ場では、薬剤耐性の発達リスクが低い薬剤を使用する。

ごま葉枯病菌

(予防に関する措置)

無病種子を使用する。

堆肥等の有機質肥料や土壌改良資材を施用する。

深耕や客土により土壌改良に努める。

窒素質肥料の分施とともに、硫酸根肥料の連用を避ける。

根腐れを起こさないよう、水管理に留意する。

被害わらをほ場周辺に放置せず、適切に処分する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

白葉枯病菌

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

排水路の整備により、浸冠水及び深水を避ける。

露があるときには、発生ほ場内に入らない。

冬季に、本指定有害動植物の越冬源となるけい畔、水路等の雑草を除草する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

常発地域及びほ場では、浸冠水や台風の直後に薬剤散布を実施する。

苗立枯病菌

(予防に関する措置)

本指定有害動植物に汚染された床土を使用しない。

前年と同じ育苗箱を用いる場合には、使用前に消毒する。

育苗期間中の温度及び土壌水分を適切に管理する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

育苗中に発生を認めた場合には、速やかに発病株の抜取りを実施する。

発生が認められた育苗箱は健全な苗から隔離し、発生が拡大する前に健全な苗を用いて田植えを行う。

 

ばか苗病菌

(予防に関する措置)

無病種子を使用する。

塩水選により、健全な種もみを選択する。

種もみを種子消毒(温湯浸漬、薬剤処理又は温湯浸漬及び微生物農薬による浸漬処理)する。

育苗箱等の農業用資材を消毒する。

(判断、防除に関する措置)

育苗時に発病株を抜き取る。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、発生を認めた場合には、速やかに抜き取り、処分する。

 

もみ枯細菌病菌

(予防に関する措置)

無病ほ場から採種する。

育苗においては、有機質含量の高い軽量培土を使用する。

塩水選により、健全な種もみを選択する。

種もみを種子消毒(温湯浸漬、薬剤処理等)する。

高温下での育苗管理を避ける。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

紋枯病菌

(予防に関する措置)

過繁茂にならないよう留意する。

代かき後に、けい畔沿い等の田面の浮遊物を除去する。

けい畔、水路等の雑草を除草する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、発生が多い場合には、適期の薬剤散布等を実施する。

 

むぎ

【一般事項】

(予防に関する措置)

窒素過多を避ける。

指定有害動植物

総合防除の内容

むぎ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤かび病菌

(予防に関する措置)

無病種子を使用する。

倒伏防止に努める。

収穫後は速やかに乾燥作業を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、適期の薬剤散布等を実施する。

降雨等の天候不順が続く場合には、追加の薬剤散布を実施する。

うどんこ病菌

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

発病株の残さやこぼれ麦が次期作の伝染源となることから、適切に処分する。

遅まきを避ける。

適正なは種量を守る。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努める。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

さび病菌類

(予防に関する措置)

窒素肥料の過用や晩期の追肥を避ける。

発病株の残さやこぼれ麦は次期作の伝染源となることから、適切に処分する。

早まきを避ける。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、防除適期や薬剤散布等の要否を判断する。

 

果樹

【一般事項】

(予防に関する措置)

新植及び改植時には、健全な苗木を使用する。

園地周辺における放任園の有無や、園地及びその周辺に発生する有害動植物及び土着天敵を把握する。

間伐、縮伐、整枝又はせん定により園地や樹冠内部の風通し・採光を良好にし、有害動植物が発生しにくい環境を作るとともに、防除作業の効率化及び薬剤散布時の散布むらの削減を図る。

樹勢や根の活性を良好に保ち、有害植物の発生しにくい樹体とするため、土壌診断の結果や樹の生育状況を踏まえた適正な施肥管理を行う。

胴腐らんの早期発見及び次期作における有害動物の発生軽減のため、冬季に粗皮削りを実施する。削りくずは、集めて適切に処分する。

越冬する有害動物の抑制のため、産卵又は越冬できる環境(バンド巻き)を作り出し、集まった有害動物を処分する。

次期作における有害動植物の発生源となる落葉、枯れ草、せん定した枝等を速やかに収集し、園地外へ搬出し、土中に埋める等により、適切に処分する。

種子で増殖する雑草の発生を少なくするため、結実前に除草を実施する。

性フェロモン剤が利用可能な有害動物に対しては、交信かく乱による密度抑制を図る。

(判断、防除に関する措置)

有害動植物の発生部位(枝、葉、花、果実等)を除去し、園地外へ搬出し、適切に処分する。なお、除去作業は、せん定時のみならず、生育期間を通じて随時実施する。

樹冠下の下草管理として、機械除草、マルチの敷設による抑草、草種等を考慮した除草剤施用を行う。

都道府県が推奨する要防除水準等に基づき、防除が必要と判断された場合には、確実に薬剤散布等を実施する。

指定有害動植物

総合防除の内容

対象植物を定めないもの

果樹カメムシ類

(予防に関する措置)

発生の多い地域では、防虫ネット又は多目的防災網の設置や袋掛けを行う。

施設栽培では、防虫ネット等で施設開口部を覆うことにより、侵入防止を図る。

(判断、防除に関する措置)

本指定有害動植物の発生量や発生時期は、地域や園地で差があることから、発生予察情報を参考に、飛来のタイミングに合わせ(主に夕方)、園地内の見回り等を実施する。

すぎ林やひのき林の隣接園では、被害が多いことから特に発生状況に留意する。

果実肥大期から成熟期まで加害が続くことから、飛来が確認された園地では薬剤散布等を実施する。

防虫ネット等の設置や袋掛けを行わない樹種の場合、地域一斉に薬剤散布を実施すると防除効果が高まる。

ばら科植物

クビアカツヤカミキリ

(予防に関する措置)

周辺地域のさくら等を含めたばら科植物の被害の有無について、情報収集に努める。

(判断、防除に関する措置)

被害樹の伐採・抜根を行う。伐採後の被害樹・せん定枝は放置せずに、適切に処分する。また、抜根できない場合には、伐採後にシート等で根を覆う。

伐採・抜根が困難な被害樹では、成虫の分散を予防するため、春季から夏季までにかけてネット巻きを行う。定期的に見回り、ネットの中に成虫を確認した場合には、速やかに殺虫する。

既発生地域の園地では、幼虫活動時期にこまめに園地内を見回り、フラスの有無を確認する。

幼虫に対して、幼虫活動時期に、薬剤を使用し、又は刺殺若しくは捕殺を行う。

成虫に対して、薬剤を使用し、又は捕殺を行う。

特定外来生物に指定されていることから、防除に当たっては、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)の遵守に留意する。

うめ

かいよう病菌

(予防に関する措置)

本指定有害動植物は強風による傷から感染することから、防風垣や防風網等を設置することにより、防風対策を実施する。

園地の排水を良好に保つ。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

 

黒星病菌

(予防に関する措置)

風通しや排水が不良な園地では多発しやすいことから、整枝せん定や排水対策を実施する。

(判断、防除に関する措置)

春先から気温が高く、雨の多い年には、特に発生状況に留意する。

品種による発病差が大きく、特に小梅で発病が多いことに留意し、発生状況を確認する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、感染初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が樹冠内部まで十分に付着するよう、丁寧に散布する。

おうとう

ハダニ類

(予防に関する措置)

園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

天敵農薬を活用する。

土着天敵を活用するため、他の有害動物の防除では土着天敵への影響が小さい薬剤の選定に努める。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

灰星病菌

(予防に関する措置)

本指定有害動植物の子実体防除のため、降雪地域では消雪後に園地の清掃を行い、全面を耕起することにより、地表面の乾燥を図る。

開花期までに消石灰又は苦土石灰を全面施用し、耕起を行う。

雨よけ資材による被覆や園地内の草刈り、シルバーシートの敷設等による適切な園地管理を実施する。

樹高を低くし、風通し及び採光の良い樹形にする。

(判断、防除に関する措置)

発芽前までに枯れ枝や樹上に残っているミイラ果(発病果)を除去し、園地外で適切に処分する。

生育期には花腐れ、葉腐れ及び発病果を除去し、園地外で適切に処分する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

次期作の伝染源の低減のため、収穫終了後に発病果を摘み取り、園地外に搬出し、適切に処分する。

かき

アザミウマ類

(予防に関する措置)

寄主植物が多く雑草等で繁殖することから、園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

株元に光反射シートのマルチを敷設する。なお、樹冠専有面積が大きいと効果がなくなることに留意する。

主要な発生源である防風樹のいぬまき、さんごじゅ、いすのき等での発生状況に留意する。(チャノキイロアザミウマ)

園地周辺の放任の茶樹を適切に管理する。(チャノキイロアザミウマ)

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

カイガラムシ類

(予防に関する措置)

新植及び改植時には、本指定有害動植物が寄生していない健全な苗木を使用する。

冬季に気門封鎖剤を散布する前に、粗皮削りを行う。

(判断、防除に関する措置)

冬季に気門封鎖剤を散布する。

ろう物質を充分分泌していない幼虫ふ化期が防除適期に当たることから、発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

本指定有害動植物の発生が認められない場合には薬剤散布を控え、土着天敵の保護に努める。

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。

果実とへたの間など、薬液が付着しにくい部位への寄生が多いことから、薬剤散布を行う場合には、丁寧に散布する。(フジコナカイガラムシ)

カキノヘタムシガ

 

 

(予防に関する措置)

冬季に粗皮削りを行う。

(判断、防除に関する措置)

被害果を速やかに除去し、適切に処分する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、幼虫発生期に薬剤散布等を実施する。

ハマキムシ類

(予防に関する措置)

地域全体で交信かく乱剤を使用する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

()病菌

(予防に関する措置)

園地が過湿にならないよう、排水対策を実施する。

本指定有害動植物は強風による傷から感染することから、防風林、防風垣等を設置することにより、防風対策を実施する。

窒素肥料の過用を避け、枝梢の充実を図る。

せん定時に病斑のある枝を除去し、園地外に持ち出し、適切に処分する。

本指定有害動植物はカメムシ類の吸汁痕から感染しやすいと考えられることから、カメムシ類の防除に努める。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

台風等による強風雨の後には、薬剤散布を実施する。

かんきつ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザミウマ類

(予防に関する措置)

寄主植物が多く雑草等で繁殖することから、園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

主要な発生源である防風樹のいぬまき、さんごじゅ、いすのき等での発生状況に留意する。(チャノキイロアザミウマ)

園地周辺の放任の茶樹を適切に管理する。(チャノキイロアザミウマ)

株元に光反射シートのマルチを敷設する。(チャノキイロアザミウマ)

施設栽培では、施設内への侵入防止のため、施設開口部に防虫ネットや光反射資材による被覆を行う。また、施設周辺へ白色透湿性シートを敷設する。(ミカンキイロアザミウマ)

施設栽培では、紫外線除去フィルムを使用する。(ミカンキイロアザミウマ)

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等

を実施する。

アザミウマの種類により薬剤の防除効果が異なる場合があることから、発生種を確認する。

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

アブラムシ類

(予防に関する措置)

園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。土着天敵の発生が多い場合には、薬剤の散布を控える。

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による被害部位の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

特に、ワタアブラムシは薬剤抵抗性の発達が著しいことから、薬剤の選択に注意する。

ハダニ類

(予防に関する措置)

施設栽培では紫外線除去フィルムを使用する。

園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

冬季に気門封鎖剤を散布する。

天敵農薬を活用する。

土着天敵を活用するため、他の有害動物の防除では土着天敵への影響が小さい薬剤の選定に努める。

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

抵抗性個体の出現を少なくするため、共同防除又は一斉防除を推進し、年間の薬剤散布回数を少なくする。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ミカンサビダニ

(判断、防除に関する措置)

前年に被害が確認された園地や、春先から初夏まで少雨であった場合には、被害が早い時期から発生するおそれがあることから、早期発見に努める。

高温乾燥が続く場合や銅剤を散布した園地では、本指定有害動植物の発生が助長されるおそれがあることに留意し、薬剤散布の実施を検討する。

ミカンバエ

(予防に関する措置)

放任園は本指定有害動植物の発生源になることから、伐採等により管理を徹底する。

適正な摘果を行い、薬液の付着しにくい果実を減らす。

園地周縁樹の間伐・縮伐や防風樹の刈込みを行い、園地内の日当たりを良くする。

(判断、防除に関する措置)

果皮の薄い種類(温州みかん、ポンカン、キンカン等)に寄生が多いため、特に発生状況に留意する。

被害果(異常着色果、早期落下果実等)は、ビニール袋に詰める等、適切に処理する。

羽化時期から産卵期までにかけて薬剤散布を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が果実全体に付着するよう、丁寧に散布する。

かいよう病菌

(予防に関する措置)

密植を避け、樹幹内部の日照を良好に保つ。

本指定有害動植物は強風による傷から感染することから、防風林、防風垣等を設置することにより、防風対策を実施する。

ミカンハモグリガの被害痕は、本指定有害動植物の感染を助長することから、ミカンハモグリガの防除に努める。

窒素肥料が多いと発病が助長されることから、適正な施肥管理を実施する。

品種により発病程度に差があることから、常発園地では抵抗性品種を栽植する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

薬剤散布は、発芽1か月前から春葉展葉終了時までのほか、台風の前後に実施する。

黒点病菌

(予防に関する措置)

密植を避け、樹幹内部の日照を良好に保つ。

伝染源となる枯れ枝をせん定し、園地外に持ち出し、適切に処理する。

切り株は感染源となることから、拡散を防ぐために伐根し、又は袋をかぶせる。

老齢樹を更新する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

雨が多く本指定有害動植物の多発生が予想される場合には、特に梅雨期の防除を徹底する。

降雨直後の樹体が濡れた状態での薬剤散布避け、樹体が乾いた後に散布を実施する。

薬剤散布後の積算降雨量を次回散布の目安とする。

そうか病菌

 

(予防に関する措置)

密植を避け、樹幹内部の日照を良好に保つ。

窒素肥料が多いと発病が助長されることから、適正な施肥管理を実施する。

本指定有害動植物は強風による傷から感染することから、防風林、防風垣等を設置することにより、防風対策を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

展葉初期から入梅期までにかけて薬剤散布を実施する。

キウイフルーツ

かいよう病菌

(予防に関する措置)

二倍体品種は本指定有害動植物に対して感受性が高いことから、四倍体又は六倍体品種への更新を検討する。

本指定有害動植物の発生が疑われる園地に由来する苗や花粉等を利用しない。

感染した枝や葉は伝染源となることから、品種による感受性の違いを考慮して、発症していない部位まで大きく切り戻し、園地外に持ち出し、適切に処分する。

発病樹の伐採やせん定に用いた器具、手袋、靴底等の消毒を行う。

せん定後は、必ず切り口に癒合促進剤を塗布する。

本指定有害動植物は強風による傷から感染することから、防風林、防風垣等を設置することにより、防風対策を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、発病が認められる前から、適期の薬剤散布等を実施する。

園地の見回りによって、樹液の漏出等の早期発見に努める。

なし

アブラムシ類

(予防に関する措置)

園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

卵越冬するナシアブラムシは展葉直後から葉を巻き始めるが、葉を巻き始めると防除効果が落ちることから、発生予察情報、園地の見回り等に基づき、発生初期の開花期前から薬剤散布等を実施する。

展葉期の防除に重点を置く。

展開葉を次々に巻いてその中に寄生することから、浸透移行性薬剤の散布が有効である。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

カイガラムシ類

(予防に関する措置)

新植及び改植時には、本指定有害動植物が寄生していない健全な苗木を使用する。

寄生の多い枝は、せん定時等に除去し、適切に処分する。

冬季に気門封鎖剤を散布する前に、粗皮削りを行う。

(判断、防除に関する措置)

冬季に気門封鎖剤を散布する。

薬液の付着しやすい樹形作りに努める。

ろう物質を充分分泌していない幼虫ふ化期が防除適期に当たることから、発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期に薬剤散布を実施する。

シンクイムシ類

(予防に関する措置)

不要な徒長枝はナシヒメシンクイの寄生場所になることから、切除する。

冬季に表土を耕起し、越冬繭を死滅させる。

交信かく乱剤を越冬世代成虫の発生時期から設置するのが効果的である。また、地域全体で施用することで効果が高まる。

袋掛けを実施する。

受粉樹に残っている果実は、本指定有害動植物の発生源となることから、速やかに除去する。

有袋栽培の場合には、袋の掛けもれ果を除去し、適切に処分する。

なし園地の近くの核果類に心折れ症状が認められる場合には、該当部分を切除し、適切に処分する。(ナシヒメシンクイ)

(判断、防除に関する措置)

被害果について、幼虫が果実から脱出する前に採取し、適切に処分する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

ニセナシサビダニ

(予防に関する措置)

新梢が二次伸長しないよう、適正な施肥管理に努める。

(判断、防除に関する措置)

冬季に気門封鎖剤を散布する。

徒長枝先端の葉や枝に寄生する場合が多いことから、薬剤散布を行う場合には、その部位に薬液が付着するよう、丁寧に散布する。

高温及び乾燥した年に発生が多い。また、前年発生した園地では翌年も発生する傾向にあることから、展葉後早期に薬剤散布等を実施する。

ハダニ類

(予防に関する措置)

園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

冬季に気門封鎖剤を散布する。

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

天敵農薬を活用する。

土着天敵を活用するため、他の有害動物の防除では土着天敵への影響が小さい薬剤の選定に努める。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ハマキムシ類

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

地域全体で交信かく乱剤を使用する。

受粉時に巻葉内の越冬幼虫を捕殺する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、若齢幼虫期に薬剤散布等を実施する。

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

赤星病菌

(予防に関する措置)

園地内及びその周辺へのびゃくしん類の栽植を避ける。

袋掛けを実施する。

(判断、防除に関する措置)

開花期から落花直後までは、降雨前に薬剤散布を実施する。

感染期においては、発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

黒星病菌

 

 

 

(予防に関する措置)

施設栽培や雨よけ栽培の導入を検討する。

園地外への持出し、耕起によるすき込み等により、一次伝染源となる落葉を適切に処分する。

袋掛けを実施する。

(判断、防除に関する措置)

発病果や発病葉、発病りん片(芽基部、果そう基部等)等を見つけ次第摘除し、適切に処分する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

初期防除に重点を置き、開花前から梅雨期までにかけて重点的に薬剤散布を実施する。

越冬菌密度を少なくするため、秋季防除を徹底する。

黒斑病菌

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

窒素過多を避ける。

園地外への持出し、耕起によるすき込み等により、一次伝染源となる落葉を適切に処分する。

萌芽期から開花までに、塗布剤による枝病斑の封じ込めを実施するとともに、病芽を除去し、園地外で適切に処分する。

早期の袋掛けを実施する。

被覆園地では換気を十分に行い、湿度を下げる。

人工授粉後に気温が高い場合には、雌しべ感染が多くなるおそれがあることから、摘果の際に雌しべを摘んで除去する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

小袋掛け前及び梅雨期に、薬剤の散布を重点的に実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ぶどう

 

アザミウマ類

(予防に関する措置)

寄主植物が多く雑草等で繁殖することから、園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

主要な発生源である防風樹のいぬまき、さんごじゅ、いすのき等での発生状況に留意する。(チャノキイロアザミウマ)

園地周辺の放任の茶樹を適切に管理する。(チャノキイロアザミウマ)

早期の袋掛けを行う。(チャノキイロアザミウマ)

不要な副梢を速やかにせん定し、処分する。(チャノキイロアザミウマ)

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

晩腐病菌

(予防に関する措置)

窒素過多を避ける。

雨よけ施設の導入を検討する。

枝に残っている穂軸、巻きひげ、結果母枝の枯死部分等の除去を徹底し、越冬伝染源の低下を図る。

有袋栽培では早期の被袋を、無袋栽培では落花期までの笠掛けを、梅雨入り前までに行う。

袋掛けを行う際には、雨水の流入を防ぐため、口をしっかりと締める。

(判断、防除に関する措置)

園地の見回りにより、発病果粒を除去する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

本指定有害動植物の発生源となることから、二番成り果房を除去し、適切に処分する。

発芽前の休眠期の薬剤散布を実施するとともに、開花直前から小豆大の生育期の薬剤散布を徹底する。

灰色かび病菌

(予防に関する措置)

園地内の通気に努め、過湿にならないよう留意する。施設栽培では多発生条件となりやすいことから、特に開花期前後の湿度低下に努める。

損傷した新梢や花穂、花冠や不受精果等の花器残さを速やかに除去する。

摘粒時にはさみで果粒を傷つけないよう注意し、摘果した果粒を適切に処分する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による発病株の早期発見に努め、発生初期の薬剤散布等を実施する。

発病葉や発病果を速やかに除去し、園地外で適切に処分する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

 

べと病菌

(予防に関する措置)

降雨が多い地域や本指定有害動植物の常発園地では、雨よけ施設の導入を検討する。

園地外への持出しや耕起によるすき込み等により、一次伝染源となる落葉を適切に処分する。

降雨による土砂の跳ね上がりを防ぐため、敷わら等を利用する。

軟弱徒長した新梢や過繁茂となった部分に発生しやすいことから、適正な栽培管理を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

発病葉、発病花穂及び発病果房を速やかに除去し、園地内及びその周辺に残さないよう適切に処分する。

薬剤散布を実施する場合には、葉裏だけでなく葉表にも十分に付着するよう散布する。

本指定有害動植物の抑制には予防が特に重要であることから、発病前からの定期的な薬剤散布を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

もも

シンクイムシ類

(予防に関する措置)

不要な徒長枝はナシヒメシンクイの寄生場所になることから切除する。

冬季に表土を耕起し、越冬繭を死滅させる。

交信かく乱剤は、越冬世代成虫の発生時期から設置するのが効果的である。また、地域全体で施用することで効果が高まる。

袋掛けを実施する。

受粉樹に残っている果実は発生源となることから、速やかに除去する。

有袋栽培の場合には、袋の掛けもれ果を除去し、適切に処分する。

もも園地の近くの核果類に心折れ症状が認められる場合には、該当部分を切除し、適切に処分する。(ナシヒメシンクイ)

(判断、防除に関する措置)

被害果について、幼虫が果実から脱出する前に採取し、適切に処分する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

ハダニ類

(予防に関する措置)

園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

天敵農薬を活用する。

土着天敵を活用するため、他の有害動物の防除では土着天敵への影響が小さい薬剤の選定に努める。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

せん孔細菌病菌

(予防に関する措置)

病斑が見つけやすく、また、薬剤の付着しやすい枝の配置を意識したせん定を実施する。

被害の大きい地域や園地では、防風ネット、防風樹等による防風対策の実施や、雨よけ施設の導入を行う。

園地内の排水を良好に保つ。

樹勢を健全に保つ。

多発地域では、作期を考慮した発生の少ない品種へ改植する。

発生源となる春型枝病斑の徹底した切除を実施する。また、切除した病斑部を園地外へ持ち出し、適切に処分する。春型枝病斑の発生が疑われる枝についても、切除を実施する。

春型枝病斑は長期間にわたって発生することから、病斑の切除は複数回実施する。また、樹冠上部の病斑の有無に留意する。

川沿いの園地、水田に隣接した園地など、湿った風が通る場所は、特に発病の有無に注意する。

地域全体で予防に関する措置を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

発病枝、発病葉及び発病果を速やかに除去し、園地内及びその周辺に残さないよう適切に処分する。

越冬伝染源の密度を低くするため、秋季防除を確実に実施する。

りんご

シンクイムシ類

(予防に関する措置)

冬季に表土を耕起し、越冬繭を死滅させる。

交信かく乱剤は、越冬世代成虫の発生時期から設置するのが効果的である。また、地域全体で施用することで効果が高まる。

袋掛けを実施する。

受粉樹に残っている果実は発生源となることから、速やかに除去する。

有袋栽培の場合には、袋の掛けもれ果を除去し、適切に処分する。

りんご園地の近くの核果類に心折れ症状が認められる場合には、該当部分を切除し、適切に処分する。(ナシヒメシンクイ)

(判断、防除に関する措置)

被害果について、幼虫が果実から脱出する前に採取し、適切に処分する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

ハダニ類

(予防に関する措置)

園地内及びその周辺の下草や雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

越冬量が多い年は、冬季に気門封鎖剤を散布する。

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

天敵農薬を活用する。

土着天敵を活用するため、他の有害動物の防除では土着天敵への影響が小さい薬剤の選定に努める。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ハマキムシ類

(予防に関する措置)

主枝及び亜主枝上の不要な発育枝や、根際から出る枝を随時切除する。

受粉時に巻葉内の越冬幼虫を捕殺する。

地域全体で交信かく乱剤を使用する。

摘花作業時に、被害花そうを摘み取り処分する。

秋季には果実に接触している葉を摘み取る。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、若齢幼虫期に薬剤散布等を実施する。

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

黒星病菌

(予防に関する措置)

園地外への持出し、耕起によるすき込み等により、一次伝染源となる落葉を適切に処分する。

薬剤耐性菌が発生している地域から苗木、穂木等を導入する場合には、病徴のない健全な苗木等であることを確認する。

(判断、防除に関する措置)

発病枝、発病葉及び発病果を速やかに除去し、園地内及びその周辺に残さないよう適切に処分する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

重要防除時期(発芽後から落花後まで)の薬剤散布を徹底する。暖冬により生育が早まると見込まれる場合には、防除適期を逸しないよう留意する。

薬剤散布予定日に降雨が予想される場合には、降雨前の散布を徹底する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

これまで使用してきた薬剤の効果が低下した場合には、薬剤耐性菌の発生を疑い、別の薬剤を選択する。

斑点落葉病菌

 

 

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

不要な発育枝をせん除する。

園地外への持出し、耕起によるすき込み等により、一次伝染源となる落葉を適切に処分する。

(判断、防除に関する措置)

樹上部の徒長枝に多発している場合には、速やかに除去する。

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期の薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

 

野菜

【一般事項】

(予防に関する措置)

栽培に適した水はけの良いほ場を選択する。水はけの悪いほ場に作付けする場合には、高畝とする等、排水対策を実施する。

同一ほ場での連作は避け、輪作を行う。間作や輪作作物として、土壌中の有害動植物の密度を低下させる作物(対抗植物)を栽培する。

健全な種苗を使用する。

有害動植物の発生を予防するため、作型と品質を考慮しながら、抵抗性品種又は抵抗性が高い品種を選択する(台木を含む。)。

育苗においては、有害動植物に汚染されていない培土や資材を用いる。また、前作で有害動植物の発生が認められていない育苗ほ場を選択する。

健全な育苗のために、適正なは種量や施肥量を遵守し、高温多湿を避ける。

ほ場には、健全な苗のみを定植する。

防虫ネット、光反射シート等の使用により、育苗施設や育苗ほ場への有害動物の侵入を防止する。有害動物の発生が認められた場合には、早期に防除する。

ほ場への雑草種子の持込み及び雑草を発生源とする有害動物の飛込みを抑制するため、ほ場周辺の雑草の防除に努める。

べたがけ資材、防虫ネット、マルチ等を使用し、有害動物の飛来、産卵及び(よう)化を防ぐ。

施設栽培においては、LEDライト、紫外線除去フィルム、防虫ネット、粘着シート等の使用により、有害動植物の施設内への侵入防止又は発生抑制を図る。ただし、受粉を目的として蜜蜂等を利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用が蜜蜂等の活動に影響を与えることに留意する。

施設栽培での防虫ネットの利用に当たっては、対象とする有害動物に適した目合いのネットを選択する。目合いが細かい場合、通気性が悪くなることに留意する。

土壌からの有害植物の伝染を防止するため、マルチの敷設を行う。

土壌伝染性の有害動植物の拡散防止のため、耕起等の作業を行う際には、有害動植物の発生がない、又は発生程度の低いほ場から順に行う。

土壌伝染性の有害植物や有害動物(線虫)の発生が懸念されるほ場においては、植付け前に土壌消毒(土壌還元消毒、熱利用土壌消毒等を含む。)を実施する。

土壌診断に基づく適正な施肥、土壌pHの矯正、品種に応じた適正な栽植密度、品種や作型に応じた適正な摘葉・整枝、施設内が高温・多湿にならないための適正なかん水及び換気、有害植物の発生しにくい時期の作付け等による、適切な栽培管理を行う。

雑草抑制のため、マルチ等により、畝面、通路等の全面を被覆する。利用可能であれば、生分解性マルチ、再生紙マルチ等を使用する。

次期作における有害動植物の発生及び伝染源となることから、栽培終了後の作物残さを適切に処分する。

有害植物の伝染を防止するため、管理作業に使用するはさみ、手袋等をこまめに消毒する。

雑草や土壌伝染性の有害動植物の拡散防止のため、農機具、長靴等をこまめに洗浄及び消毒する。

細菌病の発生を抑制するため、降雨直後の管理作業を避ける。

大規模産地又はほ場では、地域全体で性フェロモン剤を処理し、交信かく乱による地域全体の有害動物の発生密度抑制を図る。

種子処理剤又は育苗期若しくは定植時に使用可能な薬剤を施用する。

(判断、防除に関する措置)

都道府県が推奨する要防除水準等に基づき、防除が必要と判断された場合には、確実に薬剤散布等を実施する。

防除の要否、防除時期の判断材料とするため、土着天敵の発生・定着状況を定期的に確認する。

生物農薬を活用する。

発病葉、発病果、寄生果等を放置せず、ほ場外で適切に処分する。

ウイルス病、細菌病など回復が困難な有害植物による発病株を発見した場合には、早急に抜き取って、ほ場外で適切に処分する。

作物残さは有害動植物の発生及び伝染源となることから、速やかに適切に処分する。

指定有害動植物

総合防除の内容

対象植物を定めないもの

オオタバコガ

(予防に関する措置)

防虫ネット等の使用により、成虫の飛来及び産卵を防ぐ。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培では、成虫の侵入防止対策として、換気窓等の施設開口部への防虫ネットによる被覆や防()灯(黄色灯)の夜間点灯を行う。

交信かく乱剤を使用する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

寄生果を見つけ次第、除去する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

結球野菜では、結球内部に食入した場合に防除が難しくなることから、結球前の防除を徹底する。

作物残さを適切に処分する。

コナガ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

防虫ネット等の使用により、成虫の飛来及び産卵を防ぐ。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培では、成虫の侵入防止対策として、換気窓等の施設開口部への防虫ネットによる被覆や防()灯(黄色灯)の夜間点灯を行う。

交信かく乱剤を使用する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

卵や若齢幼虫が寄生している葉を見つけ次第、除去する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

結球野菜では、結球内部に食入した場合に防除が難しくなることから、結球前の防除を徹底する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

シロイチモジヨトウ

(予防に関する措置)

防虫ネット等の使用により、成虫の飛来及び産卵を防ぐ。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培では、成虫の侵入防止対策として、換気窓等の施設開口部への防虫ネットによる被覆や防()灯(黄色灯)の夜間点灯を行う。

交信かく乱剤を使用する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

卵塊や若齢幼虫が群生している葉を見つけ次第、除去する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

結球野菜では、結球内部に食入した場合に防除が難しくなることから、結球前の防除を徹底する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

ハスモンヨトウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

防虫ネット等の使用により、成虫の飛来及び産卵を防ぐ。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培では、成虫の侵入防止対策として、換気窓等の施設開口部への防虫ネットによる被覆や防()灯(黄色灯)の夜間点灯を行う。

交信かく乱剤を使用する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

卵塊や若齢幼虫が群生している葉を見つけ次第、除去する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

結球野菜では、結球内部に食入した場合に防除が難しくなることから、結球前の防除を徹底する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

ヨトウガ

 

(予防に関する措置)

防虫ネット等の使用により、成虫の飛来及び産卵を防ぐ。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培では、成虫の侵入防止対策として、換気窓等の施設開口部への防虫ネットによる被覆や防()灯(黄色灯)の夜間点灯を行う。

交信かく乱剤を使用する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

卵塊や若齢幼虫が群生している葉を見つけ次第、除去する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

結球野菜では、結球内部に食入した場合に防除が難しくなることから、結球前の防除を徹底する。

作物残さを適切に処分する。

なす科植物

ナスミバエ

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の野生の寄主植物を除去する。

既発生地域においては、成虫による果実への産卵を防ぐために、目合が1.6mm以下の防虫ネットにより被覆し、又は果実に袋掛けをする。

栽培終了後の株を放置せず、速やかに抜き取り、ビニール袋等に密封し、適切に処分する。

(判断、防除に関する措置)

ほ場の見回り等をきめ細かく行い、被害が疑われる果実、落下した果実又は収穫しない果実を放置せず、速やかにビニール袋等に密封し、適切に処分する。

アスパラガス

アザミウマ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

いちご

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザミウマ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、受粉を目的として蜜蜂等を利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用が蜜蜂等の活動に影響を与えることに留意する。

マルチの敷設により、土中での(よう)化を防ぐ。

施設栽培においては、栽培終了時に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

粘着シート等による誘殺を行い、発生状況の早期把握に努める。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

発生初期に、薬剤散布を重点的に実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、受粉を目的として蜜蜂等を利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用が蜜蜂等の活動に影響を与えることに留意する。

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、育苗床での防除を徹底する。

(判断、防除に関する措置)

土着天敵を活用する。

生物農薬を活用する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏に十分付着するよう、丁寧に散布する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

コナジラミ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、受粉を目的として蜜蜂等を利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用が蜜蜂等の活動に影響を与えることに留意する。

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、育苗床での防除を徹底する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

密度低減のため、幼虫が寄生している下葉を除去する。

生物農薬を活用する。

成虫密度の低下のため、粘着シート等を設置する。

密度が高まると防除が難しくなることから、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

ハダニ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、苗の二酸化炭素くん蒸を実施し、又は育苗床での防除を徹底する。

新葉の展開に伴い、不要な下葉を除去する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

気門封鎖剤を散布する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

うどんこ病菌

(予防に関する措置)

ほ場の排水を良好に保つ。

窒素過多を避ける。

施設栽培では、換気や風通しを良くする。

茎葉の過繁茂を避けるため、摘葉を実施する。

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、育苗床での防除を徹底する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

紫外線(UV-B)ライトを活用する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏に十分付着するよう、丁寧に散布する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期から薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

()病菌

(予防に関する措置)

窒素過多を避ける。

親株には、未発生ほ場で育てた健全な苗を使用する。

育苗中は、雨よけ育苗や底面給水を実施する。

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、育苗床での防除を徹底する。

(判断、防除に関する措置)

発病株を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

生物農薬を活用する。

発病を確認してからの防除は困難であることから、発生予察情報を参考に、発病前から定期的に薬剤散布を実施する。

発生状況に応じて、土壌消毒を実施する。

灰色かび病菌

(予防に関する措置)

ほ場の排水を良好に保つ。

多湿条件で発生しやすいことから、施設内の湿度を低く保つ。

風通しを良くするために、密植を避ける。

過繁茂にならないように、適正な施肥管理を行う。敷わら又はマルチの敷設により、果実が地表面に接触しないようにする。

(判断、防除に関する措置)

枯死葉、老化葉、発病葉、発病果等を除去し、ほ場外で適切に処分する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

キャベツ

アブラムシ類

(予防に関する措置)

育苗床を防虫ネット等により被覆する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

モンシロチョウ

 

 

 

 

(予防に関する措置)

育苗床を防虫ネット等により被覆する。

ヘアリーベッチ、大麦等を使用したリビングマルチの活用により、密度抑制を図る。

ほ場周辺の雑草(特にあぶらな科雑草)の防除に努める。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、若齢幼虫時に薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

菌核病菌

(予防に関する措置)

宿主植物の連作及び輪作を避ける。

密植を避け、風通しを良くし、過湿状態にならないようにする。

窒素過多を避ける。

田畑輪換や夏季の(たん)水処理により、菌核を死滅させる。

天地返し等で菌核を土中深くに埋め込む。

(判断、防除に関する措置)

発病株を早期に抜き取り、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、前年の発生状況や本年の気象等から発生が多くなると予想される場合には、ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、結球開始期から薬剤散布等を実施する。

地際部を重点的に、薬剤散布を実施する。

作物残さを適切に処分する。

黒腐病菌

(予防に関する措置)

種子消毒を行う。

雨よけ施設で育苗する。

あぶらな科作物の連作を避ける。

地下水位の高いほ場や水はけの悪いほ場では、ほ場の排水を良好に保ち、過湿状態にならないようにする。

抵抗性品種を使用する。

窒素過多を避ける。

有害動物の食害痕からの本指定有害動植物の侵入を防ぐため、有害動物の防除も徹底する。

中耕作業によって生じる傷口は本指定有害動植物の侵入口となることから、発生ほ場では中耕作業を控え、又は株際の中耕作業を避け、植物体をなるべく傷つけないよう留意する。

(判断、防除に関する措置)

発病株を早期に抜き取り、ほ場外で適切に処分する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。

降雨が予想される場合、又は強風雨等で傷が付いた場合には、薬剤散布を実施する。

きゅうり

アザミウマ類

(予防に関する措置)

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、育苗床での防除を徹底する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。

マルチの敷設により、土中での(よう)化を防ぐ。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

アブラムシ類

(予防に関する措置)

無寄生苗を使用する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

コナジラミ類

(予防に関する措置)

無寄生苗を使用する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

成虫密度の低下のため、粘着シート等を設置する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

ハダニ類

 

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

うどんこ病菌

 

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

窒素過多を避ける。

乾燥条件下で多発しやすいことから、施設栽培では乾燥を避ける。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発病葉を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

褐斑病菌

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

風通しを良くするために、密植を避ける。

施設内の換気をこまめに行い、通路にわら、もみ殻等を敷くことにより、高温・多湿を避ける。

ほ場の排水を良好に保つ。

支柱等の農業用資材をこまめに消毒する。

窒素過多及び肥料切れを避ける。

(判断、防除に関する措置)

発病葉を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、適期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

()病菌

 

 

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

ほ場の排水を良好に保つ。

支柱等の農業用資材をこまめに消毒する。

マルチの敷設により、地表面からの本指定有害動植物の跳ね返りを防止する。

窒素過多を避ける。

(判断、防除に関する措置)

発病部位を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

多雨時に発病が多いことから、発生予察情報等を参考に、薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

灰色かび病菌

(予防に関する措置)

ほ場の排水を良好に保つ。

多湿条件で発生しやすいことから、施設内の湿度を低く保つ。

風通しを良くするため、密植を避ける。

過繁茂にならないよう、適正な施肥管理を行う。

施設栽培においては、紫外線除去フィルムや防消滴フィルムを活用する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

発病葉、発病果等を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

斑点細菌病菌

(予防に関する措置)

土壌水分の多いほ場で発生が多いことから、土壌水分を適正に維持する。

はさみ等の農業用資材をこまめに消毒する。

健全な種子を使用する。

窒素過多を避ける。

マルチの敷設により、地表面からの本指定有害動植物の跳ね返りを防止する。

発病ほ場では、ほ場をかん水した後、透明のポリマルチを被せることによる太陽熱消毒も活用する。

うり科作物との輪作を避ける。

(判断、防除に関する措置)

発病部位を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

べと病菌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

健全な苗を使用する。

マルチの敷設を行う。

ほ場の排水を良好に保つ。

露地栽培では、雨よけを行う。

風通しを良くするために、密植を避ける。

施設栽培においては、換気を十分に行い、過湿防止に努める。

肥料切れにならないよう、適正な施肥管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発病部位を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

露地栽培では、降雨後に多く発生することから、降雨の前後に薬剤散布を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

すいか

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、受粉を目的として蜜蜂等を利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用が蜜蜂等の活動に影響を与えることに留意する。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

だいこん

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

たまねぎ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザミウマ類

(予防に関する措置)

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、育苗床での防除を徹底する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

白色疫病菌

(予防に関する措置)

被害の多いほ場及びその周辺で栽培しない。

苗床及びほ場の排水を良好に保つ。

窒素過多を避ける。

1年から2年間の輪作を行う。

定植(移植)の際は、健全な苗を厳選し、保菌苗を持ち込まない。

過去に発病したほ場では育苗しない。

(判断、防除に関する措置)

発病葉や発病株を速やかにほ場外へ持ち出し、適切に処分する。

本指定有害動植物は水媒伝染することから、降雨前後の防除を徹底する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。

べと病菌

(予防に関する措置)

越年発病株を速やかに取り除く。

明暗きょにより排水路を確保する等、ほ場内の排水対策を実施する。

過去に発病したほ場では育苗しない。

発生状況に応じて、苗床の土壌消毒を実施する。

苗床の発病株を適切に処分する。

前作での発病程度に応じて、連作を回避し(ほ場をローテーションする)、又はほ場での夏季の(たん)水処理を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。

ほ場において、発病株を速やかに取り除き、ほ場内及びその周辺に残さないよう適切に処分する。

作物残さを適切に処分する。

トマト

アザミウマ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、受粉を目的としてマルハナバチを利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用がマルハナバチの活動に影響を与えることに留意する。

マルチの敷設により土中での(よう)化を防ぐ。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

粘着シート等による誘殺を行い、発生状況の早期把握に努める。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

 

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、受粉を目的としてマルハナバチを利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用がマルハナバチの活動に影響を与えることに留意する。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

コナジラミ類

(予防に関する措置)

無寄生苗を使用する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、受粉を目的としてマルハナバチを利用する場合には、紫外線除去フィルムの使用がマルハナバチの活動に影響を与えることに留意する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

成虫密度の低下のため、粘着シート等を設置する。

土着天敵を活用するため、土着天敵の保護を考えて薬剤を選択する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

うどんこ病菌

 

(予防に関する措置)

風通しを良くするため、密植及び過繁茂を避ける。

乾燥条件下で多発しやすいことから、施設栽培では乾燥を避ける。

(判断、防除に関する措置)

発病部位を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤防除を実施する。

疫病菌

 

 

 

(予防に関する措置)

ほ場の排水を良好に保つ。

早朝の加温、換気、マルチの敷設等により、施設内の湿度を低く保つ。

風通しを良くするために、密植を避ける。

雨よけ栽培を行う。

輪作を実施する。

敷わら又はマルチの敷設により、土が跳ね上がらないようにする。

窒素過多を避ける。

(判断、防除に関する措置)

発病葉及び発病果を速やかに取り除き、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液は葉裏にも付着するよう、丁寧に散布する。

作物残さを適切に処分する。

黄化葉巻病ウイルス

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

本指定有害動植物を媒介するタバココナジラミの防除を行う。

タバココナジラミの無寄生苗を使用する。

タバココナジラミの発生源となるほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

防虫ネット、粘着シート等の活用により、施設内へのタバココナジラミの侵入を防止する。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理や作物残さの適切な処分を行う。

(発生、防除に関する措置)

タバココナジラミの防除に当たっては、生物農薬を活用する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期にタバココナジラミの防除を実施する。

発病株の早期発見に努め、速やかに適切に処分する。

すすかび病菌

 

(予防に関する措置)

風通しを良くするために、密植及び過繁茂を避ける。

多湿条件下で発生しやすいことから、施設栽培では、換気やかん水量に注意する。

(判断、防除に関する措置)

発病部位を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液は葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

作物残さを適切に処分する。

灰色かび病菌

(予防に関する措置)

多湿条件下で発生しやすいことから、施設栽培では、暖房、送風、換気等により、施設内の湿度を低く保つ。

風通しを良くするために、密植を避ける。

過繁茂にならないよう、適正な施肥管理を行う。

施設栽培においては、防曇・流滴性シートを活用する。

マルチの敷設により、地表面からの本指定有害動植物の伝染を防止する。

幼果に残った花弁又は病斑部をできるだけ取り除き、ほ場外に持ち出し、適切に処分する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布は、晴れた日の午前中に行う。また、施設栽培では、曇雨天が続いて薬液が乾きにくい場合には、くん煙剤の使用も有効である。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

葉かび病菌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

種子消毒を行う。

多湿条件下で発生しやすいことから、施設栽培では、暖房、送風、換気等により、施設内の湿度を低く保つ。

風通しを良くするために、密植を避ける。

窒素過多及び肥料切れを避ける。

過度のかん水及び密植を避ける。

マルチ内へのかん水の実施や、通路にもみ殻を敷く。

発生ほ場で使用した農業用資材の消毒を行う。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発病茎葉は本指定有害動植物の伝染源となることから、速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

なす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザミウマ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、紫外線除去フィルムを使用する場合には、果皮の着色不良が生じるおそれがあることに留意する。

マルチの敷設により、土中での(よう)化を防ぐ。

施設栽培においては、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

粘着シート等による誘殺を行い、発生状況の早期把握に努める。

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

苗を介したほ場への持込みを防ぐ。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。ただし、紫外線除去フィルムを使用する場合には、果皮の着色不良が生じるおそれがあることに留意する。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

土着天敵の保護及び活用のため、障壁作物を栽培する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、土着天敵への影響が小さい薬剤や、選択性のある薬剤を使用し、土着天敵を保護する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。


ハダニ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

苗を介したほ場への持込みを防ぐ。

施設内温度が高いほど増殖が旺盛となることから、適正な温度管理に努める。

発生施設では、栽培終了後に施設を密閉し、蒸込み処理を行い、施設外への分散を防止する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

うどんこ病菌

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の宿主植物の除去を実施する。

風通しを良くするために、密植を避け過繁茂にならないよう、施肥管理を行うとともに、適正な整枝及び摘葉に努める。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

すすかび病菌

(予防に関する措置)

密植及び過湿を避け、窒素過多にならないよう、適正な施肥管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発病部位を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。特に中・下位葉の葉裏に発病しやすいことに留意し、観察する。

作物残さを適切に処分する。

灰色かび病菌

(予防に関する措置)

多湿条件下で発生しやすいことから、施設内の湿度を低く保つ。

過繁茂にならないよう、適正な施肥管理を行う。

風通しを良くするために、密植を避ける。

花弁を速やかに除去し、果実での発病を防ぐ。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発病茎葉や発病果等を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

にんじん

黒葉枯病菌

(予防に関する措置)

健全な種子を使用する。

連作を避ける。

多湿とならないよう、ほ場の排水を良好に保つ。

乾燥条件下で多発しやすいことから、敷わらやかん水により乾燥を防ぐ。

肥料切れにならないよう、適正な施肥管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ねぎ

アザミウマ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

露地栽培ではシルバーマルチによる被覆を、施設栽培では防虫ネットによる被覆及び施設周囲への光反射シートの敷設を行う。

マルチの敷設により、土中での(よう)化を防ぐ。

(判断、防除に関する措置)

粘着シート等による誘殺を行い、発生状況の早期把握に努める。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

育苗期間中に、防虫ネット、べたがけ資材等により被覆する。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ネギコガ

(予防に関する措置)

幼虫は葉内を加害することから、防虫ネット等の活用により、葉内への潜入防止に努める。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

ネギハモグリバエ

(予防に関する措置)

施設栽培では、施設開口部を防虫ネット、寒冷(しゃ)等により被覆する。

施設栽培では、本指定有害動植物の施設内への侵入防止のため、紫外線除去フィルムを使用する。

(判断、防除に関する措置)

粘着シート等による誘殺を行い、成虫の発生時期及び発生量の早期把握に努める。

施設栽培では、成虫の密度低下のため、粘着シート等を多数設置する。

被害葉及び作物残さは本指定有害動植物の発生源となることから、速やかに適切に処分する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

黒斑病菌

(予防に関する措置)

雨よけ栽培を行う。

多発ほ場では、連作を避ける。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

多湿条件下で発生しやすいことから、ほ場の排水を良好に保ち、風通しを良くするために、密植を避ける。

窒素過多及び肥料切れを避ける。

(判断、防除に関する措置)

発病茎葉を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

さび病菌

(予防に関する措置)

雨よけ栽培を行う。

肥料切れにならないよう、適正な施肥管理を行う。

窒素過多を避ける。

(判断、防除に関する措置)

発病茎葉や発病株を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

べと病菌

 

 

(予防に関する措置)

雨よけ栽培を行う。

多発ほ場では、連作を避ける。

ほ場の排水を良好に保つ。

風通しを良好に保つ。

(判断、防除に関する措置)

発病茎葉及び発病株を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

はくさい

アブラムシ類

 

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

結球内部に寄生すると防除が難しくなるとともに、品質の低下を招くおそれがあることから、結球前の防除を徹底する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

はす

ハスクビレアブラムシ

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草や野生の寄主植物を除去する。

ほ場への野生の寄主植物の流入を防止する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

ピーマン

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ、シルバーテープ又は紫外線除去フィルム(施設栽培)を設置する。

施設栽培では、施設開口部を防虫ネットや寒冷(しゃ)により被覆する。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

うどんこ病菌

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

過繁茂を避け、日当たり及び風通しを良好に保つ。

乾燥条件下で多発しやすいことから、水管理に留意する。

窒素過多を避ける。

(判断、防除に関する措置)

生物農薬を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

ほうれんそう

アブラムシ類

 

 

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

露地栽培では、は種時から幼苗期頃まで、不織布をべたがけする。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により施設内への侵入を防止する。

施設栽培では、栽培終了後に蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

レタス

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により施設内への侵入を防止する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。

薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

菌核病菌

(予防に関する措置)

宿主植物の連作及び輪作を避ける。

苗を介したほ場への持込みを防ぐため、苗床での薬剤散布を実施する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

雨よけ栽培を行う。

施設やトンネル栽培では、低温・多湿にならないよう、換気に留意する。

マルチ栽培を行い、子のう胞子の飛散を抑制する。

施設栽培においては、紫外線除去フィルムを使用する。

夏季に(たん)水処理を行う。

栽培終了後は、発病株や作物残さをほ場に残さず、速やかに適切に処分する。

(判断、防除に関する措置)

発病株は菌核が形成される前に速やかに除去し、ほ場内に放置せず適切に処分する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

灰色かび病菌

(予防に関する措置)

多湿条件下で発生しやすいことから、密植栽培を避け、施設栽培での暖房機の積極的な稼働や、全面ポリマルチの敷設等により、湿度低下に努める。降雨等で地下水位が例年より高いほ場では、特に注意する。

株間の湿度低下のため、畝内や株元の除草に努める。

施設栽培においては、紫外線除去フィルムを使用する。

傷口が早く乾くよう、収穫作業は晴天が続く時に行う。

(判断、防除に関する措置)

病斑部は伝染源となることから、速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

作物残さを適切に処分する。

 

いも類

【一般事項】

(予防に関する措置)

トラクター等の農機具の清掃を徹底する。

(判断、防除に関する措置)

被害株又は発病株を発見した場合には、速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

指定有害動植物

総合防除の内容

さつまいも

ナカジロシタバ

(判断、防除に関する措置)

幼虫の齢期が進むと摂食量が多くなり、また、薬剤の効果が現れにくくなることから、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、若齢から中齢期までに薬剤散布等を行う。

葉裏に幼虫が生息していることから、薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

基腐病菌

(ア)未発生地域の場合

(予防に関する措置)

健全な種いも及び苗の使用を徹底する。

育苗を実施する場合には、苗床の土壌消毒を実施する。

採苗を実施する際には、地際部から5cm以上切り上げて採苗し、採苗当日に苗消毒を実施する。

農機具、長靴等を洗浄し、本指定有害動植物の侵入防止に努める。

(判断、防除に関する措置)

ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、発病株を確認した場合には、速やかに抜き取り、ほ場外に持ち出すとともに、周辺の株に薬剤散布を実施する。

(イ)発生地域の場合

(予防に関する措置)

本指定有害動植物が多発したほ場では、次期作のさつまいも栽培を控え、輪作等を実施する。

抵抗性品種を使用する。

健全な種いも及び苗の使用を徹底する。

本指定有害動植物の未発生ほ場から、種いもを採取する。育苗を実施する場合には、苗床の土壌消毒を実施する。

苗床に本指定有害動植物の発生が確認された場合には、発病株を速やかに施設外に持ち出し、適切に処分する。

採苗を実施する際には、地際部から5cm以上切り上げて採苗し、採苗当日に苗消毒を実施する。

発生ほ場で使用した農業用資材又は農機具を別のほ場で使う場合には、消毒や洗浄を十分に実施する。

植付前には、ほ場の排水対策を徹底する。

早植え及び早掘りにより、被害が軽減できる傾向があることから、作型の変更を検討する。

作物残さ等が感染源となるため、収穫後は速やかに取り除くとともに、耕起等により、ほ場内に残った作物残さの分解促進を図る。

(判断、防除に関する措置)

ほ場の見回り等による発病株の早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。

茎葉散布による防除を実施する場合には、葉よりも株元や茎に十分に薬液が付着するよう散布する。

発病株を確認した場合には、速やかに抜き取り、ほ場外に持ち出すとともに、周辺の株に薬剤散布を実施する。

発生状況に応じて、土壌消毒を実施する。


さといも

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ながいも

アブラムシ類

(予防に関する措置)

種いも生産ほ場では、目合いの細かい防虫ネット等により被覆する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

ウイルス病を媒介することから、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期から薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ばれいしょ

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

ウイルス病を媒介することから、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期から薬剤散布等を実施する。

薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ジャガイモシストセンチュウ

(ア)未発生地域の場合

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

健全な種いもを使用する。

農機具、長靴等を洗浄し、発生地域から未発生地域への土壌を介した侵入防止に努める。

輪作を実施する。

収穫後の野良いもを除去する。

土壌凍結を促進するため、雪割りを実施する。

(判断、防除に関する措置)

土壌検診を実施し、早期発見に努める。

(イ)発生地域の場合

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

健全な種いもを使用する。

農機具、長靴等を洗浄し、発生ほ場からの土壌を介したまん延防止に努める。

輪作を実施する。

発生密度の上昇を防止するため、収穫後の野良いもを除去する。

土壌凍結を促進するため、雪割りを実施する。

風雨による土壌の流出を防止するため、防風対策や排水溝の整備を実施する。

(防除に関する措置)

対抗植物を栽培する。

土壌消毒を実施する。

疫病菌

 

 

 

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

健全な種いもを使用する。

ほ場の排水を良好に保つ。

適正な施肥管理を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布を実施する。

発病株を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

作物残さを適切に処分する。

 

〇豆類

【一般事項】

(予防に関する措置)

輪作又は田畑輪換を行う。特に、土壌伝染性の有害動植物が発生したほ場での連作は行わない。

トラクター等の農機具の清掃を徹底する。

ほ場内及びその周辺の雑草の防除を行い、有害動物の密度を低下させる。

タネバエ及び雑草対策として完熟堆肥を用い、未熟な堆肥や有機質肥料の使用を避ける。

有害動物(線虫)対策として、栽培予定ほ場で、作付け前に対抗植物を栽培する。

初期生育の確保や土壌伝染性の有害植物の予防のため、高畝栽培や畝立と同時には種を行う。

健全な種子(特にウイルス病に関しては無病株から採取した種子)を使用する。

種子消毒を行う。

作型や品種特性を考慮し、地域で栽培可能な抵抗性品種を利用する。

適正な裁植密度では種する。また、は種後の鳥害回避のため、できるだけ大きな面積で一斉には種する。

雑草の発生状況を確認し、中耕及び培土を適期に適正な回数行う。

栽培終了後、作物残さを集めてほ場外で適切に処分する。または、トラクター等により深くすき込みを行う。

(判断、防除に関する措置)

ウイルス病や土壌伝染性の有害植物の対策のため、発病株を発見次第、早期に抜き取ってほ場外に持ち出し、適切に処分する。

生物農薬を活用する。

除草剤の選択に当たっては、栽培方法に準じた適切な除草剤を選定し、発生状況に応じて適切に散布する。

指定有害動植物

総合防除の内容

えんどう

萎ちょう病菌

(予防に関する措置)

えんどう以外の作物を輪作する。

抵抗性品種を使用する。

健全な種子を使用する。

種子消毒を行う。

直まきにより発病を遅らせ、発生程度を低くする。

作業後は農機具を洗浄し、土壌を介した侵入及びまん延防止に努める。

(判断、防除に関する措置)

は種前に土壌消毒を行う。

栽培期間中は、ほ場の見回り等による病徴の早期発見に努める。

発病株を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

だいず

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草(クローバー等のまめ科植物及びなす科植物)の除草等を行い、本指定有害動植物による伝染性ウイルス病の予防を図る。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

種子処理剤又はは種時のまき溝処理が可能な薬剤を使用する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

吸実性カメムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草の防除を行い、発生密度の低下を図る。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等による早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が着(きょう)部に十分付着するよう、丁寧に散布する。

フタスジヒメハムシ

(予防に関する措置)

種子処理剤又はは種時のまき溝処理が可能な薬剤を使用する。

収穫後に速やかに耕起を行い、ほ場内の作物残さをすき込む。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を行う。

マメシンクイガ

(予防に関する措置)

連作を避ける。

収穫後に速やかに耕起を行い、ほ場内の作物残さをすき込む。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を行う。

紫斑病菌

 

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

健全な種子を使用する。

種子消毒を行う。

連作を避ける。

成熟後、速やかに収穫及び乾燥作業を行う。

(判断、防除に関する措置)

被害茎葉を集めてほ場外に持ち出し、適切に処分する。

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、適期の薬剤散布を実施する。

 

さとうきび、てんさい

【一般事項】

(予防に関する措置)

トラクター等の農機具の清掃を徹底する。

(判断、防除に関する措置)

被害株や発病株を発見した場合には、速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

指定有害動植物

総合防除の内容

さとうきび

カンシャコバネナガカメムシ

(予防に関する措置)

収穫後は直ちに畝間を耕起し、発生源となる放置株を適切に処分する。

(判断、防除に関する措置)

本指定有害動植物の発生量はほ場間差が大きく、被害は局所的に発生することが多いことから、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努め、第一世代の幼虫発生期に薬剤散布等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

メイチュウ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺のいね科雑草は、本指定有害動植物の発生源となることから、除草を徹底する。

全茎苗を剥葉し、本指定有害動植物に加害された芽子のある苗を使用しない。

交信かく乱剤を使用する。(イネヨトウ)

(判断、防除に関する措置)

植付時及び培土時に薬剤を植溝施用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による被害株の早期発見に努め、適期に薬剤散布等を実施する。

被害の多い地域では、薬剤による一斉防除を実施する。

薬剤散布(乳剤)を行う場合には、葉(しょう)内に薬剤が十分浸透するよう、丁寧に散布する。

薬剤散布(粉剤)を行う場合には、茎と葉元の間に散布し、降雨、散水等により溶解させ、葉(しょう)内部へ浸透させる。

てんさい

褐斑病菌

(予防に関する措置)

抵抗性品種を使用する。

連作を避ける。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、本指定有害動植物の発生を確認した場合には、速やかに薬剤散布を開始する。

本指定有害動植物が発生しやすい高温・多雨が予想される場合には、薬剤散布後も発生状況に十分注意する。

西部萎黄病ウイルス

(予防に関する措置)

本指定有害動植物を媒介するモモアカアブラムシが越冬しないよう、育苗施設の被覆を除去する。

被覆を除去しない場合には、雑草や作物残さを枯死させ、又は適切に除去し、施設内で栽培する作物に対してのアブラムシ類の防除を徹底する。

原料てん菜又は飼料用てん菜の栽培ほ場の付近に採種ほ場を設けない。母根養成ほ場とは隔離する。

栽培終了後は、発病株や作物残さをほ場に残さず、速やかに適切に処分する。

融雪後に反転耕起し、ほ場に放置されたモモアカアブラムシの寄主植物等を完全に土中に埋める。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等により媒介虫であるモモアカアブラムシの早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

 

【一般事項】

(予防に関する措置)

有害動植物の常発地域では、新植又は改植時に、該当する有害動植物に抵抗性が高い品種を導入する。

ツマグロアオカスミカメ等の有害動物への対策として、飛来及び増殖源となる園地内及びその周辺の雑草及び樹木を除去する。

()病、もち病等の有害植物への対策として、園地内に日陰が生じないよう、周辺の樹木の伐採及び枝管理を適切に行う。

定植時及び幼木期には、各種資材、敷草等による畝間等のマルチングや機械除草により、適切な雑草の管理に努める。

(判断、防除に関する措置)

園地内の有害動植物及び土着天敵の発生状況及び生態を観察し、防除の要否及び薬剤の選択の参考とする。

性フェロモン剤及び生物農薬を活用する。

指定有害動植物

総合防除の内容

ちゃ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザミウマ類

 

(予防に関する措置)

寄主植物が多く雑草等で繁殖することから、園地内及びその周辺の下草及び雑草の管理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等により新芽生育期の発生状況を把握し、萌芽期から開葉期までにおける防除適期を判断する。

薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

カイガラムシ類

(予防に関する措置)

常発地域では、新植又は改植する場合には、抵抗性が高い品種を利用する。

中切り更新することにより、寄生部を除去するとともに樹勢回復を図る。

(判断、防除に関する措置)

寄生枝の直接観察、粘着シート又は発生予察情報等により、防除適期である幼虫のふ化最盛期を把握し、適期の薬剤散布等を実施する。

ふ化期に茶の枝が常に濡れた状態になるよう、スプリンクラーで断続的に2週間程度散水し、ふ化阻害を図る。

卵が雌の介殻内にある産卵期や、幼虫が成長しロウ物質の介殻で覆われた後は、薬剤による防除適期ではなく、薬剤の効果が劣ることに留意する。

薬剤散布を行う場合には、幼虫のふ化を確認した後、薬液が樹冠下の枝条に十分付着するよう、丁寧に散布する。

土着天敵への影響が小さい薬剤を選択し、土着天敵を保護する。

チャトゲコナジラミ

(予防に関する措置)

苗を導入する際には、寄生苗を持ち込まないよう、本指定有害動植物の寄生の有無を確認する。

苗の生産を行う場合には、採穂園の防除を徹底するとともに、薬剤による挿し穂の浸漬処理を行う。

防虫ネットで被覆した施設の利用、無かん水挿し木法等により苗の育苗を行い、薬剤防除を徹底するとともに、箱に密閉し、出荷する。

(判断、防除に関する措置)

冬季に、気門封鎖剤を必要に応じて複数回散布する(冬季の散布は赤焼病の発生を助長することがあることに留意する。)。

発生状況に対応した薬剤散布等を行う。

深刈りせん枝、すそ刈り等を活用し、寄生葉の除去を行うとともに薬剤による防除効果の向上を図る。なお、時期により刈り落とした枝から成虫が羽化することに留意し、必要に応じて刈り落とした枝を、土中に埋める等により、適切に処分する。

土着天敵への影響が小さい薬剤を選択し、土着天敵を保護する。

黄色粘着シート、直接観察、発生予察情報等により、防除適期である若齢幼虫発生期を把握し、薬剤散布を実施する。

薬剤散布を行う場合には、本指定有害動植物の寄生部位である葉裏に薬液が十分付着するよう、丁寧に散布する。また、すそ重点散布法も検討する。

チャノホソガ

(予防に関する措置)

地域における本指定有害動植物の発生時期を考慮し、早晩性の異なる品種の利用、整せん枝等を活用した作期移動等の耕種的手法を検討する。

(判断、防除に関する措置)

地域内又は近隣地域に設置された誘()灯又はフェロモントラップによる前世代の成虫誘殺状況の把握、発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期に薬剤散布を実施する。

新葉や新芽の裏側をよく観察し、水滴状の卵が確認された場合には、薬剤の性質も考慮した防除を実施する。ただし、産卵は新葉及び新芽に行われ、幼虫は若葉を食害することから、摘採が近い場合には、摘採により除去することも可能である。

生物農薬を活用する。

摘採間近に三角巻葉等の発生が確認され始めた場合には、荒茶の中に虫(ふん)が混入しないよう、できるだけ早く摘採する。

チャノミドリヒメヨコバイ

(予防に関する措置)

本指定有害動植物は新芽の茎に産卵するため、摘採、整せん枝、すそ刈り等により密度低減を図る。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報、園地の見回り等に基づき、新芽生育期の発生状況を把握し、防除適期である萌芽期から開葉期までに薬剤散布等を実施する。

本指定有害動植物は卵を上位2又は3葉間の節間に多く産むことから、摘採により除去する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ハダニ類

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、園地の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

摘採前に発生が多い場合には、摘採を早めて被害の軽減に努める。

土着天敵への影響が小さい薬剤を選択し、土着天敵を保護する。

天敵農薬を活用する。

多発した園地では、秋整枝後の休眠前又は休眠明けに薬剤散布等を実施する。

薬液が付着しにくい葉裏に寄生するため、薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏及び裾部に十分付着するよう、丁寧に散布する。(カンザワハダニ)

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ハマキムシ類

(予防に関する措置)

地域全体で広域に交信かく乱剤を使用する。また、効果確認のためのモニタートラップを設置し、必要に応じて幼虫期を対象とした補完防除を実施する。

(判断、防除に関する措置)

地域内又は近隣地域に設置された誘()灯や、フェロモントラップによる前世代の成虫誘殺状況の把握、発生予察情報、園地の見回り等に基づき、適期に薬剤散布を実施する。

土着天敵への影響が小さい薬剤を選択し、土着天敵を保護する。

生物農薬を活用する。

化学農薬を使用する場合には、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

()病菌

(予防に関する措置)

常発地域では、新植又は改植する場合には、抵抗性が高い品種を使用する。

窒素過多を避ける。

園地内に日陰が生じないよう、周辺の樹木の伐採及び枝管理を適切に行う。

(判断、防除に関する措置)

整枝及びせん定により、発病葉を除去するとともに、日当たり及び風通しを良くする。

発生予察情報の確認や園地の見回りに基づき、適期に薬剤散布等を実施する。

 

花き

【一般事項】

(予防に関する措置)

有害動植物に強い品種又は抵抗性が高い品種を選択する。

健全な苗(親株)を使用する。また、苗(親株)を購入する場合には、一定期間育苗し、有害動植物の発生の有無を確認することが望ましい。

育苗においては、有害動植物に汚染されていない培土及び資材を用いる。

育苗施設や育苗ほ場への有害動物の侵入を防止するため、防虫ネットの設置等を行う。

作物の栽培に適した水はけの良いほ場を選択する。水田と輪作を行っているようなほ場では排水が悪いことから、高畝又はほ場周辺に溝を設置する等の排水対策を実施する。

ほ場への雑草種子の持込み及び雑草を発生源とする有害動物の発生を抑制するために、ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。

性フェロモン剤による交信かく乱、防()灯(黄色灯)の夜間点灯、ほ場全体への防虫ネットの展張等により、ほ場内への有害動物の侵入を防止する。

必要に応じて土壌診断を行い、診断結果を参考にして適正な施肥を行うとともに腐植含量を高めるように努め、栽培に適した土作りを行う。

土壌伝染性の有害植物や有害動物(線虫)の発生が懸念されるほ場においては、植付け前に土壌消毒(土壌還元消毒、太陽熱消毒及び有害動物(線虫)の抑制効果のある緑肥の活用を含む。)を行う。

ウイルス病やウイロイド病、細菌病の発生が懸念される場合には、媒介しないようにはさみ等の農業用資材の消毒等を行う。前作において有害植物が発生したほ場においても、必要に応じて農業用資材を消毒する。

越年株等は有害動植物の越冬源となることから、必要に応じて防除対策を取る。

(判断、防除に関する措置)

生育初期において有害植物の多発生が予測される場合には、予防効果のある薬剤を散布する。

発病部位を速やかに除去し、土中に埋める等適切に処分する。特に、ウイルス病、ウイロイド病等の防除が困難な有害植物の発病株を発見した場合には、早急に抜き取り、ほ場外で土中に埋める等適切に処分する。

都道府県が推奨する要防除水準等に基づき、防除が必要と判断された場合には、確実に薬剤散布等を実施する。

土着天敵の発生が認められる場合には、土着天敵への影響が小さい薬剤を選択し、土着天敵を保護する。

生物農薬を活用する。

指定有害動植物

総合防除の内容

きく

アザミウマ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草及び作物残さを適切に処分する。

ほ場内への本指定有害動植物の侵入を防止するため、ほ場全体(施設栽培では開口部)を防虫ネットにより被覆する。赤色系ネットを使用すると侵入防止効果が高まる。

施設栽培では、発生抑制のため、紫外線除去フィルムを使用する。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、本指定有害動植物の施設内への侵入を防止する。

マルチの敷設により、土中での(よう)化を防ぐ。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

アブラムシ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草及び作物残さを適切に処分する。

ほ場内への本指定有害動植物の侵入を防止するため、ほ場全体(施設栽培では開口部)を防虫ネットにより被覆する。

施設栽培においては、防虫ネット、紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等の活用により、施設内への侵入を防止する。

()虫の飛来を防止するため、シルバーマルチ若しくはシルバーテープ又は風上方向に防風垣若しくは防風ネットを設置する。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

ハダニ類

(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の雑草及び作物残さを適切に処分する。

苗を介したほ場への持込みを防止する。

施設内温度が高いほど本指定有害動植物の増殖が旺盛となることから、適正な温度管理に努める。

施設栽培において多発した場合には、改植時に施設内の作物残さを全て除去し、7日から10日間程度密閉し、蒸込み処理を行う。

(判断、防除に関する措置)

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。

薬剤散布を行う場合には、薬液が葉裏にも十分付着するよう、丁寧に散布する。

施設栽培では、くん煙剤の使用も有効である。

薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤抵抗性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。

白さび病

(予防に関する措置)

健全な親株を用いる。

抵抗性品種を使用する。

株元へのかん水を実施する。

施設栽培では、施設内が多湿にならないよう、不要な下葉や脇芽を除去し、密植を避け、換気を実施する。

(判断、防除に関する措置)

発病葉を速やかに除去し、ほ場外で適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による初期発生の把握に努め、発生初期から定期的に薬剤散布を実施する。

薬剤耐性が発達しやすいため、同一系統の薬剤の連続使用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。さらに、地域内で薬剤耐性が確認されている薬剤を当該地域では使用しない。


(別紙2)指定有害動植物の種類ごとの発生の予防及び当該指定有害動植物が発生した場合における駆除又はまん延防止の方法に関し農業者が遵守すべき事項に関する基本的な事項

指定有害動植物の拡散性(まん延の様式(有害動物の飛翔性、有害植物の風・水媒伝染等))の違いにより、遵守事項に関する基本的な事項に顕著な違いはないと考えられることから、指定有害動植物の拡散性に基づき、下表のとおり、遵守事項に関する基本的な事項を分類する。

遵守事項のうち、平時における防除については、(ア)指定有害動植物の予防に関する措置、(イ)指定有害動植物の発生状況等を踏まえて防除が必要と判断した場合の駆除又はまん延を防止するために行う防除に関する措置を示し、異常発生時における防除については、平時における防除内容にかかわらず、速やかに指定有害動植物のまん延防止を徹底する措置を示す。

1.指定有害動植物のうち有害動物

まん延の様式

指定有害動植物の例

遵守事項に関する基本的な事項

平時における防除

異常発生時における防除

一般事項

(ア)(予防に関する措置)

適切な排水対策の実施や、ほ場及び樹冠内の風通しや採光を良好に保つ。

ほ場内及びその周辺の除草、せん定した枝、落葉及び作物残さの処分等により、指定有害動植物の発生源の適切な管理を行う。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生や被害状況の早期把握に努める。

(イ)(防除に関する措置)

被害株、被害果等を速やかに除去し、ほ場外に持ち出す等適切に処分する。

発生量が多い場合(多発生が見込まれる場合を含む。以下同じ。)には、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発生部位等の除去、化学農薬による防除等を実施する。

早期収穫する。

被害株や被害果のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、被害樹の伐採、被害株のすき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、ほ場内及びその周辺の管理(雑草の防除、土壌消毒等)を徹底する。

自然分散

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛翔性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(短距離飛翔性)

野菜等のアザミウマ類

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ア)(予防に関する措置)

ほ場内及びその周辺の除草、作物残さの処分等により、指定有害動植物の発生源の適切な管理を行う。

防虫ネット、粘着シート等の物理的防除資材を活用する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生や被害状況の早期把握に努める。

(イ)(防除に関する措置)

被害株、被害果等を速やかに除去し、ほ場外に持ち出す等適切に処分する。

発生量が多い場合には、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発生部位等の除去、化学農薬による防除等を実施する。

早期収穫する。

被害株のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、すき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、ほ場内及びその周辺の管理(雑草の防除、施設栽培での蒸込み処理等)を徹底する。

 

 

(長距離飛翔性)

ハスモンヨトウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ア)(予防に関する措置)

発生予察情報等を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生や被害状況の早期把握に努める。

交信かく乱剤を設置する。

施設栽培では、施設開口部へ防虫ネット等を展張する。

(イ)(防除に関する措置)

被害株、被害果等を速やかに除去し、ほ場外に持ち出す等適切に処分する。

発生量が多い場合には、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発生部位等の除去、化学農薬による防除等を実施する。

早期収穫する。

被害株のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、すき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

 

 

 

 

 

 

 

歩行性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いねのスクミリンゴガイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ア)(予防に関する措置)

発生が確認されているほ場及びその近接ほ場では、冬季の耕起、水路の泥上げ等に取り組む。

水路を介した侵入及びまん延を防止するため、取水口等に網を設置する。

ほ場の見回り等による、指定有害動植物の発生や被害状況の早期把握に努める。

未発生の水田へ、指定有害動植物を除草目的等で持ち込まない。

(イ)(防除に関する措置)

発生量が多い場合には、浅水管理、ほ場及び水路での成貝の捕殺並びに卵塊の除去(いねの活着・初期成育まで)、適期の化学農薬による防除等を実施する。

地域ぐるみでほ場及び水路内の成貝の捕殺を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、地域ぐるみでのほ場内及びその周辺の管理(冬季の耕起、泥上げ等)を徹底する。

人為分散

土壌

ばれいしょのジャガイモシストセンチュウ

(ア)(予防に関する措置)

発生が確認されている地域から未発生地域へのまん延を防止するため、農機具、長靴等を洗浄するとともに、人の立入りを制限し、健全な種いもを使用する。

抵抗性品種を使用する。

輪作を実施する。

野良いもを除去する。

(イ)(防除に関する措置)

発生が確認されているほ場又は新たに発生が確認されたほ場では、土壌消毒又は対抗植物による防除、非寄主植物との輪作及び抵抗性品種の導入を行うとともに、定期的な土壌検診を実施する。

発生ほ場への人の立入り制限を徹底する。

発生ほ場と未発生ほ場での人、農機具等の移動の制限を徹底する。

農機具、長靴等の洗浄を徹底する。

地域ぐるみで土壌消毒を実施する。

次期作に寄主植物の作付けを行わない。

種苗

 

 

 

 

かきのカイ

ガラムシ類

 

 

 

(ア)(予防に関する措置)

指定有害動植物の付着した種苗を発生地域から未発生地域へ持ち込まない。

新植及び改植時には、指定有害動植物が寄生していない健全な苗木を使用する。

発生予察情報等を参考に、ほ場の見回り等による、指定有害動植物の発生や被害状況の早期把握に努める。

(イ)(防除に関する措置)

被害株、被害部位等を除去し、ほ場外に持ち出す等適切に処分する。

発生量が多い場合には、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発生部位や発生株の除去、化学農薬による防除等を実施する。

地域又はほ場を越えた種苗の譲渡又は移動の制限を徹底する。

早期収穫及び未熟寄生果の除去を実施する。

発生部位や発生株の除去、被害樹の伐採等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

2.指定有害動植物のうち有害植物

まん延の様式

指定有害動植物の例

遵守事項に関する基本的な事項

平時における防除

異常発生時における防除

一般事項

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ア)(予防に関する措置)

適切な排水対策の実施や、ほ場及び樹冠内の風通しや採光を良好に保つ。

ほ場内及びその周辺の除草、せん定した枝、落葉等の処分等により、指定有害動植物の発生源の適切な管理に努める。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発見や被害状況の早期把握に努める。

(イ)(防除に関する措置)

発病株、発病果等を速やかに除去し、ほ場外に持ち出す等適切に処分する。

発生量が多い場合には、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発生部位や作物残さの除去、化学農薬による防除等を実施する。

早期収穫する。

発病株や発病果のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、被害樹の伐採、ほ場外での発病株のすき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、ほ場内及びその周辺の管理(土壌消毒等)や、健全な種苗の確保及び使用を徹底する。

 

自然分散

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風・水媒伝染

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りんごの黒

星病菌

もものせん

孔細菌病菌

 

 

 

 

 

 

 

(ア)(予防に関する措置)

防風ネットや雨よけ施設を導入する。

適切な排水対策の実施や、ほ場及び樹冠内の風通しや採光を良好に保つ。

一次伝染源となる越冬落葉等を適切に処分する。

発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発見や被害状況の早期把握に努める。

(イ)(防除に関する措置)

発病株、発病果等を速やかに除去し、ほ場外に持ち出す等適切に処分する。

発生量が多い場合には、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発生部位の除去、化学農薬による防除等を実施する。

地域全体で、発病枝、発病葉、発病果等を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に残さないよう適切な処分を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、園地の防風・排水対策を地域ぐるみで実施する。

 

 

 

虫媒伝染

いねの(しま)葉枯病ウイルス

てんさいの西部萎黄病ウイルス

(ア)(予防に関する措置)

指定有害動植物を媒介する有害動物の越冬場所又は寄主となる、前作の古株、作物残さ、ほ場内及びその周辺の雑草等を適切に処分する。

(イ)(防除に関する措置)

発生予察情報、ほ場の見回り等に基づき、発病株の除去、指定有害動植物を媒介する有害動物に対する化学農薬による防除等を実施する。

発病株を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に指定有害動植物を媒介する有害動物の寄生部位を残さないよう、作物残さを含めて適切な処分を徹底する。

指定有害動植物を媒介する有害動物に対して、化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

人為分散

 

土壌伝染

 

たまねぎのべと病菌

いねの稲こうじ病菌

(ア)(予防に関する措置)

発生ほ場においては、農機具等に付着した土壌の除去及び洗浄を行い、発生地域から未発生地域へ土壌を持ち込まない。

ほ場の排水対策を実施する。

土壌改良資材を施用する。

発生ほ場では、育苗や宿主植物の連作を行わない。

(イ)(防除に関する措置)

発病株、発病果等を速やかに除去し、ほ場外に持ち出す等適切に処分する。

発生量が多い場合には、発生予察情報を参考に、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発病株の除去、化学農薬による防除等を実施する。

作物残さを適切に処分する。

早期収穫する。

発病株を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に残さないよう、作物残さを含めて適切な処分を徹底する。

化学農薬による防除(土壌消毒を含む。)を地域一斉に実施する。

次期作に宿主植物の作付けを行わない。

種苗伝染

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さつまいもの基腐病菌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ア)(予防に関する措置)

健全な種苗を使用する(種苗の殺菌消毒を含む。)。

発生地域で採取された種苗を未発生地域へ持ち込まない。

農機具、長靴等の洗浄・消毒を実施する。

ほ場の排水対策を実施する。

発生ほ場では宿主植物の連作を行わない。

ほ場の見回り等による指定有害動植物の発見や被害状況の早期把握に努める。

発病株、発病果等を速やかに除去し、ほ場外に持ち出し適切に処分する。

発生量が多い場合には、ほ場の見回り等による指定有害動植物の発生動向の把握を徹底するとともに、駆除又はまん延防止のため、指定有害動植物の発生部位や作物残さの除去、化学農薬による防除等を実施する。

発病株を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に残さないよう、作物残さを含めて適切な処分を徹底する。

化学農薬による防除(土壌消毒を含む。)を地域一斉に実施する。

次期作に宿主植物の作付けを行わない。

健全な種苗の確保及び使用を徹底する。

 

(別紙3)発生予察事業の対象とする指定有害動植物

寄主植物又は宿主植物

指定有害動植物

第一有害動物

一アスパラガス

アザミウマ類

二いちご

アザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類及びハダニ類

三いね

イネドロオイムシ、イネミズゾウムシ、コブノメイガ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイ、トビイロウンカ、ニカメイガ、斑点米カメムシ類、ヒメトビウンカ及びフタオビコヤガ

四おうとう

ハダニ類

五かき

アザミウマ類、カイガラムシ類、カキノヘタムシガ及びハマキムシ類

六かんきつ

アザミウマ類、アブラムシ類及びハダニ類

七きく

アザミウマ類、アブラムシ類及びハダニ類

八キャベツ

アブラムシ類及びモンシロチョウ

九きゅうり

アザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類及びハダニ類

十さつまいも

ナカジロシタバ

十一さといも

アブラムシ類

十二さとうきび

カンシャコバネナガカメムシ及びメイチュウ類

十三すいか

アブラムシ類

十四だいこん

アブラムシ類

十五だいず

アブラムシ類、吸実性カメムシ類、フタスジヒメハムシ及びマメシンクイガ

十六たまねぎ

アザミウマ類

十七ちゃ

アザミウマ類、カイガラムシ類、チャトゲコナジラミ、チャノホソガ、チャノミドリヒメヨコバイ、ハダニ類及びハマキムシ類

十八トマト

アザミウマ類、アブラムシ類及びコナジラミ類

十九ながいも

アブラムシ類

二十なし

 

アブラムシ類、カイガラムシ類、シンクイムシ類、ハダニ類及びハマキムシ類

二十一なす

アザミウマ類、アブラムシ類及びハダニ類

二十二ねぎ

アザミウマ類、アブラムシ類、ネギコガ及びネギハモグリバエ

二十三はくさい

アブラムシ類

二十四はす

ハスクビレアブラムシ

二十五ばれいしょ

アブラムシ類

二十六ピーマン

アブラムシ類

二十七ぶどう

アザミウマ類

二十八ほうれんそう

アブラムシ類

二十九もも

シンクイムシ類及びハダニ類

三十りんご

シンクイムシ類、ハダニ類及びハマキムシ類

三十一レタス

アブラムシ類

三十二対象植物を定めないも

オオタバコガ、果樹カメムシ類、コナガ、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウ及びヨトウガ

第二有害植物

一いちご

うどんこ病菌、炭()病菌及び灰色かび病菌

二いね

稲こうじ病菌、いもち病菌、ごま葉枯病菌、(しま)葉枯病ウイルス、白葉枯病菌、苗立枯病菌、ばか苗病菌、もみ枯細菌病菌及び紋枯病菌

三うめ

かいよう病菌及び黒星病菌

四おうとう

灰星病菌

五かき

()病菌

六かんきつ

かいよう病菌、黒点病菌及びそうか病菌

七キウイフルーツ

かいよう病菌

八きく

白さび病菌

九キャベツ

菌核病菌及び黒腐病菌

十きゅうり

 

うどんこ病菌、褐斑病菌、炭()病菌、灰色かび病菌、斑点細菌病菌及びべと病菌

十一だいず

紫斑病菌

十二たまねぎ

白色疫病菌及びべと病菌

十三ちゃ

()病菌

十四てんさい

褐斑病菌及び西部萎黄病ウイルス

十五トマト

うどんこ病菌、疫病菌、黄化葉巻病ウイルス、すすかび病菌、灰色かび病菌及び葉かび病菌

十六なし

赤星病菌、黒星病菌及び黒斑病菌

十七なす

うどんこ病菌、すすかび病菌及び灰色かび病菌

十八にんじん

黒葉枯病菌

十九ねぎ

黒斑病菌、さび病菌及びべと病菌

二十ばれいしょ

疫病菌

二十一ピーマン

うどんこ病菌

二十二ぶどう

晩腐病菌、灰色かび病菌及びべと病菌

二十三むぎ

赤かび病菌、うどんこ病菌及びさび病菌類

二十四もも

せん孔細菌病菌

二十五りんご

黒星病菌及び斑点落葉病菌

二十六レタス

菌核病菌及び灰色かび病菌

(別紙4)法第24条第1項に規定する異常発生時防除の内容に関する基本的な事項

指定有害動植物の拡散性(まん延の様式(有害動物の飛翔性、有害植物の風・水媒伝染等))の違いにより、異常発生時防除の内容に関する基本的な事項に顕著な違いはないと考えられることから、指定有害動植物の拡散性に基づき、下表のとおり、異常発生時防除の内容に関する基本的な事項を分類する。

1.指定有害動植物のうち有害動物

まん延の様式

指定有害植動物の例

異常発生時防除の内容に関する基本的な事項

一般事項

 

 

 

 

早期収穫する。

被害株や被害果のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、被害樹の伐採、被害株のすき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、ほ場内及びその周辺の管理(雑草の防除、土壌消毒等)を徹底する。

自然分散

 

 

 

 

 

飛翔性

 

 

 

 

 

(短距離飛翔性)

野菜等のアザミウマ類

早期収穫する。

被害株のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、すき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、ほ場内及びその周辺の管理(雑草の防除、施設栽培での蒸込み処理等)を徹底する。

(長距離飛翔性)

ハスモンヨトウ

早期収穫する。

被害株のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、すき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

歩行性

いねのスクミリンゴガイ

地域ぐるみでほ場及び水路内の成貝の捕殺を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、地域ぐるみでのほ場内及びその周辺の管理(冬季の耕起、泥上げ等)を徹底する。

人為分散

 

 

 

 

 

土壌

 

 

 

 

ばれいしょのジャガイモシストセンチュウ

 

 

発生ほ場への人の立入りの制限を徹底する。

発生ほ場と未発生ほ場との人、農機具等の移動の制限を徹底する。

農機具、長靴等の洗浄を徹底する。

地域ぐるみで土壌消毒を実施する。

次期作に寄主植物の作付けを行わない。

種苗

かきのカイガラムシ類

地域又はほ場を越えた種苗の譲渡又は移動の制限を徹底する。

早期収穫及び未熟寄生果の除去を実施する。

発生部位や発生株の除去、被害樹の伐採等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

2.指定有害動植物のうち有害植物

まん延の様式

指定有害動植物の例

異常発生時防除の内容に関する基本的な事項

一般事項

 

 

 

 

 

 

 

 

早期収穫する。

発病株や発病果のほか、次期作の発生源となり得る作物残さの除去、被害樹の伐採、ほ場外での発病株のすき込み等を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、ほ場内及びその周辺の管理(土壌消毒等)や、健全な種苗の確保及び使用を徹底する。

自然分散

風・水媒伝染

りんごの黒星病菌

もものせん孔細菌病菌

地域全体で、発病枝、発病葉、発病果等を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に残さないよう適切な処分を徹底する。

化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

次期作に向け、園地の防風・排水対策を地域ぐるみで実施する。

虫媒伝染

 

 

 

いねの(しま)葉枯病ウイルス

てんさいの西部萎黄病ウイルス

 

発病株を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に指定有害動植物を媒介する有害動物の寄生部位を残さないよう、作物残さを含めて適切な処分を徹底する。

指定有害動植物を媒介する有害動物に対して、化学農薬による防除を地域一斉に実施する。

人為分散

 

 

 

土壌伝染

 

たまねぎのべと病菌

いねの稲こうじ病菌

早期収穫する。

発病株を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に残さないよう、作物残さを含めて適切な処分を徹底する。

化学農薬による防除(土壌消毒を含む。)を地域一斉に実施する。

次期作に宿主植物の作付けを行わない。

種苗伝染

さつまいもの基腐病菌

発病株を一斉に除去し、ほ場内及びその周辺に残さないよう、植物残さを含めて適切な処分を徹底する。

化学農薬による防除(土壌消毒を含む。)を地域一斉に実施する。

次期作に宿主植物の作付けを行わない。

健全な種苗の確保及び使用を徹底する。