植物防疫法の一部を改正する法律(令和四年法律第三十六号)附則第四条第一項の規定に基づき、同法による改正後の植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)第十七条の二第一項の例により、カンキツグリーニング病菌の緊急防除実施基準を次のように定めたので、同条第四項の規定の例により公表する。
一 有害植物の種類カンキツグリーニング病菌
二 有害植物の発生状況に関する調査の方法
㈠カンキツグリーニング病菌
イ カンキツグリーニング病菌に感染している植物(以下「感染植物」という。)の発見地点を中心とした半径五百メートルの円により囲まれた区域(以下「調査区域」という。)内に存在する全ての植物防疫法施行規則(昭和二十五年農林省令第七十三号。以下「施行規則」という。)別表三の三の項又は四の項に掲げる植物(以下「移動制限宿主植物」という。)及び施行規則別表六の五の項又は六の項に掲げる植物(以下「移動禁止宿主植物」という。)を対象に、目視によりカンキツグリーニング病の疑似症状(以下単に「疑似症状」という。)の有無の調査を行うものとする。
ロ カンキツグリーニング病の疑似症状が確認された場合は、遺伝子診断法による検定により、当該症状を引き起こしている病原菌がカンキツグリーニング病菌であるかどうかについて同定を行うものとする。
㈡ミカンキジラミ
イ 調査区域内に存在する全ての施行規則別表三の五の項又は六の項に掲げる植物(以下「ミカンキジラミ寄主植物」という。)を対象に、ミカンキジラミの有無の調査を行うものとする。
ロ ミカンキジラミが確認された場合は、遺伝子診断法によりミカンキジラミがカンキツグリーニング病菌を保毒しているかどうか確認するものとする。
三 防除の内容
㈠感染植物の発見地点を中心とした半径五メートルの円により囲まれた区域内では、移動制限宿主植物又は移動禁止宿主植物(以下「宿主植物」という。)の作付けをしてはならないこととする。
㈡植物防疫法第十七条第二項の規定に基づく農林水産大臣による告示において定めるカンキツグリーニング病菌の緊急防除を行う区域(以下「防除区域」という。)に存在するカンキツグリーニング病菌若しくはミカンキジラミ又はこれらの容器包装は、防除区域外の地域へ移動させてはならないこととする。
㈢防除区域内に存在する宿主植物又はその容器包装は、植物防疫官がその行う検査の結果、カンキツグリーニング病菌が付着していないと認める旨を示す表示を付したものでなければ、防除区域外の地域へ移動させてはならないこととする。
㈣防除区域内に存在するミカンキジラミ寄主植物又はその容器包装は、植物防疫官がその行う検査の結果、ミカンキジラミが付着していないと認める旨を示す表示を付したものでなければ、防除区域外の地域へ移動させてはならないこととする。
㈤防除区域内に存在する宿主植物若しくはその容器包装のうち、カンキツグリーニング病菌が付着し、若しくは付着しているおそれがあるもの又はカンキツグリーニング病菌、カンキツグリーニング病菌を保毒している若しくは保毒しているおそれがあるミカンキジラミ若しくはこれらの容器包装について、植物防疫官の指示に従い、これを廃棄しなければならないこととする。
㈥防除区域内において薬剤散布を行うこととする。
四 その他防除に関し必要な事項
前二号に規定するもののほか、防除の実施に関し必要な事項については、農林水産省消費・安全局長が定める。
附則
この告示は、令和五年四月一日から施行する。