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アルゼンチン産グレープフルーツ、スウィートオレンジ(バレンシア種、サルスティアーナ種、ラネラーテ種及びワシントンネーブル種のものに限る。)、レモン、エレンデール、クレメンティン、ノバ及びマーコットの生果実に関する植物検疫実施細則
 
〔平成15年4月25日 14生産第10776号生産局長通知〕
 

沿革
平成19年03月19日 18消安第12776号 [一部改正]
平成20年03月28日 19消安第14414号 [一部改正]
平成26年02月07日 25消安第 5248号 [一部改正]
平成28年05月27日 28消安第 1112号 [一部改正]
令和元年11月28日  元消安第  3670号 [一部改正]
令和03年01月12日  2消安第  4283号 [一部改正]
令和05年07月28日  5消安第  2564号 [一部改正]
 
 
   植物防疫法施行規則別表2の付表第39のアルゼンチンから発送されるグレープフルーツ、スウィートオレンジ(バレンシア種、サルスティアーナ種、ラネラーテ種及びワシントンネーブル種のものに限る。)、レモン、エレンデール、クレメンティン、ノバ及びマーコットの生果実に係る農林水産大臣が定める基準(平成26年2月7日農林水産省告示第189号。以下「告示」という。)1に規定する生果実(以下「生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、告示に規定するもののほか、この細則に定めるところによる。
 
1  検査及び消毒の確認
(1) 低温処理施設において消毒が行われる場合
  消毒の実施の確認
   植物防疫官は、告示6の(2)のアの消毒の実施の確認について、次により、原則として、アルゼンチン植物防疫機関と共同して行うものとする。
(ア) 消毒の開始直前に、温度計の示度が正確であることを氷点法により確認すること。
(イ) 生果実の中心部の温度が予備冷蔵により告示5の(1)に定められた温度(摂氏1.9度、摂氏2.1度又は摂氏3.0度)となっていることを、部屋ごとに、4か所以上の生果実について確認すること。
(ウ) (イ)の確認後、引き続き生果実の中心部の温度が、グレープフルーツについては19日間摂氏2.3度以下又は23日間摂氏3.2度以下、バレンシア種のスウィートオレンジについては21日間摂氏2.2度以下、サルスティアーナ種、ラネラーテ種及びワシントンネーブル種のスウィートオレンジについては21日間摂氏2.1度以下、レモンについては19日間摂氏2.2度以下又は24日間摂氏3.2度以下、エレンデール、クレメンティン、ノバ及びマーコットについては23日間摂氏2.1度以下であることを確認すること。
  検査の実施の確認
   植物防疫官は、告示6の(1)の検査の実施の確認について、次により、原則として、アルゼンチン植物防疫機関が行う検査に立ち会い、行うものとする。
(ア) グレープフルーツ、スウィートオレンジ(バレンシア種、サルスティアーナ種、ラネラーテ種及びワシントンネーブル種のものに限る。(2)のアにおいて同じ。)、エレンデール、クレメンティン、ノバ及びマーコットの生果実
生果実のこん包数の2パーセント以上が検査されたことを確認すること。
検査の結果、検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエ及びミナミアメリカミバエ(以下「ミバエ類」という。)がなかったことを確認すること。
a及びbの確認の結果、ミバエ類が発見されたときには、ミバエ類が付着した原因について、アルゼンチン植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは、以後の消毒の確認は行わないこと。
(イ) レモンの生果実
生果実のこん包数の2パーセント以上が検査されたことを確認すること。
検査の結果、検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエがなかったことを確認すること。
c  a及びbの確認の結果、チチュウカイミバエが発見されたときには、チチュウカイミバエが付着した原因について、アルゼンチン植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは、以後の消毒の確認を行わないこと。
(2) 低温処理船舶又は低温処理コンテナーにおいて消毒が行われる場合
  検査の実施の確認
   植物防疫官は、告示6の(1)の検査の実施の確認について、次により、原則として、アルゼンチン植物防疫機関が行う検査に立ち会い、行うものとする。
(ア) グレープフルーツ、スウィートオレンジ、エレンデール、クレメンティン、ノバ及びマーコットの生果実
a  生果実のこん包数の2パーセント以上が検査されたことを確認すること。
b  検査の結果、検疫有害動植物、特にミバエ類がなかったことを確認すること。
c  a及びbの確認の結果、検疫有害動植物が発見されたときには、アルゼンチン植物防疫機関により、当該荷口が日本向けに発送されないように措置されたことを確認すること。
(イ) レモンの生果実
a  生果実のこん包数の2パーセント以上が検査されたことを確認すること。
b  検査の結果、検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエがなかったことを確認すること。
c  a及びbの確認の結果、検疫有害動植物が発見されたときには、アルゼンチン植物防疫機関により、当該荷口が日本向けに発送されないように措置されたことを確認すること。
  消毒の開始の確認
   植物防疫官は、告示6の(2)のイの輸出港における消毒の開始の確認について、次により、原則として、アルゼンチン植物防疫機関と共同して行うものとする。
(ア) 告示5の(2)のアルゼンチン植物防疫機関により指定された低温処理船舶又は低温処理コンテナーであることを確認すること。
(イ) 消毒の開始直前に、温度計の示度が正確であることを氷点法により確認すること。
(ウ) 生果実の中心部の温度が予備冷蔵により告示5の(1)に定められた温度(摂氏1.9度、摂氏2.1度又は摂氏3.0度)となっていることを、低温処理船舶にあっては船倉ごとに4か所(複数のデッキに区分けされている船倉(以下「複数デッキ」という。)にあっては、デッキごとに3か所)以上、低温処理コンテナーにあっては3か所以上の生果実について確認すること。
(エ) アルゼンチン植物防疫機関により告示4の封印がなされたことを確認すること。
(オ) 低温処理コンテナーにあっては、アルゼンチン植物防疫機関により植物検疫証明書に告示4の(3)の封印の記号・番号が記載されていることを確認すること。
  消毒の終了の確認
   植物防疫官は、告示6の(2)のイの輸入港における消毒の終了の確認について、次により、原則として、アルゼンチン植物防疫機関と共同して行うものとする。
(ア) 告示4の封印が破れていないことを確認すること。
(イ) 当該船舶の船倉、デッキ又は低温処理コンテナーごとの自動温度記録装置の記録紙を調査し、イの(ウ)の確認の後、引き続き生果実中心部の温度が、グレープフルーツについては19日間摂氏2.3度以下又は23日間摂氏3.2度以下、バレンシア種のスウィートオレンジについては21日間摂氏2.2度以下、サルスティアーナ種、ラネラーテ種及びワシントンネーブル種のスウィートオレンジについては21日間摂氏2.1度以下、レモンについては19日間摂氏2.2度以下又は24日間摂氏3.2度以下、エレンデール、クレメンティン、ノバ及びマーコットについては23日間摂氏2.1度以下であることを確認すること。
(ウ) 輸入港における確認で消毒が完全に実施されていないことが判明した場合には、当該生果実は、アルゼンチン植物防疫機関の責任により返送されるものとされている。
(3) 植物検疫証明書
   植物防疫官は、(1)又は(2)により消毒が完全に行われたこと及び検疫有害動植物がないことを確認したときは、植物検疫証明書の余白に氏名を付記する。
 
2  消毒施設
(1) 告示5の(1)の低温処理施設は、次の条件を満たすものとされている。
  生果実の中心部を所定温度に保持できること。
  生果実の中心部の温度(部屋中央の積荷の中心部及び最上部の角並びに冷却風の出口付近の積荷の中心部及び最上部の角の4か所)を外部から随時確認できる自動温度記録装置を有すること。
  イの自動温度記録装置は、4時間ごとに摂氏0.1度単位で記録でき、かつ、少なくとも較正後1か月間は摂氏±0.1度の精度を維持できる能力があること。
(2) 告示5の(1)の低温処理船舶は、次の条件を満たすものとされている。
  生果実の中心部を所定温度に保持できること。
  船倉ごとに生果実の中心部の温度を外部から随時確認できる自動温度記録装置を有すること。
  イの自動温度記録装置は、生果実の中心部の温度測定用として4本以上の温度センサーを有すること。ただし、複数デッキにあっては、生果実の中心部の温度測定用として各デッキに3本以上の温度センサーを有すること。
  イの自動温度記録装置は、4時間ごとに摂氏0.1度単位で記録でき、かつ、少なくとも較正後1か月間は摂氏±0.1度の精度を維持できる能力があること。
(3) 告示5の(1)の低温処理コンテナーは、次の条件を満たすものとされている。
  密閉形コンテナーであること。
  き裂、損傷等がなく、検疫有害動植物の分散のおそれがないこと。
  生果実の中心部が所定温度に保持できること。
  生果実の中心部の温度(コンテナー内の積荷の中心部を含む3か所)を外部から随時確認できる自動温度記録装置を有すること。
  エの自動温度記録装置は、4時間ごとに摂氏0.1度単位で記録でき、かつ、少なくとも較正後1か月間は摂氏±0.1度の精度を維持できる能力があること。
(4) 告示5の(2)のアルゼンチン植物防疫機関により指定された低温処理船舶については、毎年、3の調査の開始前又は輸出の開始前に、アルゼンチン植物防疫機関により、船舶名、指定番号、指定年月日、所有者、収容能力及び船舶の構造を記載した一覧表が作成され、植物防疫官に提出されるものとされている。
(5) 告示5の(2)のアルゼンチン植物防疫機関により指定された低温処理コンテナーについては、毎年、3の調査の開始前又は輸出の開始前に、アルゼンチン植物防疫機関により、その記号・番号、指定年月日、所有者及び容積を記載した一覧表が作成され、植物防疫官に提出されるものとされている。
 
3  消毒施設の調査
(1) 植物防疫官は、告示5の消毒のための低温処理施設について、2の条件を満たすものであることを確認するため、あらかじめ調査するものとする。
  調査は、原則として、毎年当該施設の使用開始前に行うこと。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、使用期間中においても随時調査すること。
  調査は、原則として、アルゼンチン植物防疫機関が行う日本向け生果実の消毒施設の指定のための調査と共同して行うこと。
(2) 植物防疫官は、告示5の消毒のための低温処理船舶及び低温処理コンテナーについて、2の条件を満たすものであることを確認するため、原則として、アルゼンチン植物防疫機関が行う日本向け生果実の消毒施設の指定のための調査に同行し、調査が的確に行われていることを確認するものとする。
 
4  積込み時の措置
   告示7の積込み時の措置は、次のいずれかによるものとされている。
(1) こん包が密閉型であること。
(2) こん包の通気孔に網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。以下同じ。)を張ること。
(3) こん包又は束ねたこん包全体がシート又は網で覆われていること。
  
5  表示
   告示8の輸出植物検疫終了の表示は次の(1)の様式、仕向地の表示は次の(2)の字句によるものとし、こん包の側面等の見やすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるものとされている。
(1) 輸出植物検疫終了の表示  
          
   
(2) 仕向地の表示
      Citrus fruit from Argentina for export to Japan
 
6  輸入検査
(1) 植物防疫官は、輸入港において、輸入された生果実及び添付されている植物検疫証明書を確認して輸入検査を行うものとする。
(2) 植物防疫官は、植物検疫証明書が添付されていない場合、告示6の植物防疫官による確認が行われていない場合、告示4の封印がなされていない場合、告示8の表示がなされていない場合又はこん包が破損若しくは開封されている場合(低温処理船舶又は低温処理コンテナーにおいて消毒が行われた場合を除く。)には、当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、当該生果実の廃棄又は返送を命ずるものとする。
(3) (1)及び(2)以外の輸入検査の手続及び方法は、植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号)及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)によるものとする。
(4) 植物防疫官は、ミバエ類が発見された場合には、次の措置を講ずるものとする。
  当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、ミバエ類が発見された荷口全量の廃棄又は返送を命ずること。
  ミバエ類が付着した原因について、アルゼンチン植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは、以後の輸入検査を中止すること。
 
 
 
     附則(令和5年7月28日)
  この通知は、令和5年8月1日から施行する。