〔平成19年6月7日 19消安第2175号 消費・安全局長通達〕
沿革
平成20年03月27日 19消安第14916号 [一部改正]
平成21年10月13日 21消安第7051号 [一部改正]
植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第33のカナダ産むぎわら及びかもじぐさ属植物の茎葉に係る農林水産大臣が定める基準を定める件(平成19年6月7日農林水産省告示第764号。以下「告示」という。)1の(1)に規定するものに係る植物検疫の実施については、告示で規定するもののほか、この細則に定めるところによる。なお、告示1の(2)に規定する乾草に混入したむぎわら及びかもじぐさ属植物の茎葉に係る植物検疫の実施については、「カナダ産乾草に混入したむぎわら及びかもじぐさ属植物の茎葉に関する植物検疫実施細則」(平成10年4月1日付け10農産第2747号農産園芸局長通達)に定めるところによるものとし、この細則の規定は適用しない。
1 茎葉
告示1の(1)に定める茎葉(以下単に「茎葉」という。) には、アルファルファ、オーチャードグラス、スーダングラス、チモシー等の牧草の裁断された乾草(ベイルの形態に結束されたものを除く。以下「乾草」という。)に混入したものが含まれるものとする。
2 消毒施設
(1) 告示4の(1)の輸出国における消毒のための加熱乾燥処理施設は、告示4の(1)のとおりカナダ植物防疫機関により指定され、かつ、次の条件のすべてに適合しているものとされた。
ア 当該施設の乾燥工程が、回転しているドラムを用い、当該ドラムに熱風を吹きこみ、熱風の流れにより茎葉又は乾草が移動することにより行われていること。
イ ドラム出口にデジタル自動記録式温度計が設置されていること。
ウ ドラム出口の排気温度を一定の温度に維持することができること。
エ ドラム出口の排気温度が摂氏90度以上の時、ドラム内部の温度が摂氏90度以上に達すること。
(2) 加熱乾燥処理施設については、毎年、4の調査の開始前に、カナダ植物防疫機関が、施設名、指定番号、指定年月日、所有者名、施設の構造及び性能を記載した一覧表を作成し、日本植物防疫機関に提出するものとされた。3 こん包及び一時保管施設
(1) 告示6の(1)のこん包及び一時保管施設は、告示4の(1)による消毒が行われた茎葉又は乾草専用の保管施設であって、茎葉又は乾草がヘシアンバエに侵されることのないようにするため次のア及びイに掲げる条件を満足しているものとされた。
ア 未消毒の茎葉又は乾草を保管する場所と隔壁等により完全に分離されていること。
イ 施錠できる構造であり、適切に管理されていることがカナダ植物防疫機関により確認されること。
(2) 一時保管施設において、一回の消毒により処理された茎葉又は乾草は、それぞれ分別して保管され、各こん包には、植物名、処理施設名、消毒処理年月日及び消毒処理済みを示す荷札が、カナダ植物防疫機関により添付されているものとされた。(3) 一時保管施設内は、殺虫剤等で消毒され、常に清潔に保たれているものとされた。
4 加熱乾燥処理施設並びにこん包及び一時保管施設の調査
(1) 植物防疫官は、加熱乾燥処理施設並びにこん包及び一時保管施設について、 2の(1)及び3の(1)の条件を満足するものであることを確保するため、あらかじめ調査するものとする。
(2) (1)の調査は、原則として、カナダ植物防疫機関が行う日本向け茎葉の加熱乾燥処理施設の調査と共同して行うものとする。
(3) (1)の調査は、原則として、毎年当該施設の使用開始前に行うものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、使用期間中随時調査することができるものとする。
(4) (1)の調査において、加熱乾燥処理施設の能力の確認は、次の方法により行うものとする。ただし、当該施設において過去に日本向け輸出実績のあるものについては、5の(1)の温度記録の確認をもって、これに代えることができる。
ア ドラム出口の自動記録式温度計について較正を行い、その示度が正確であることを確認すること。
イ ドラム出口の排気温度を測定し、摂氏90度の温度が維持されていることを確認すること。
ウ イの条件下で、温度記録ロガーを加熱乾燥処理施設に投入し、測定された温度記録が摂氏90度以上に達していることを確認すること。
(5) 指定された加熱乾燥処理施設であっても、(1)の調査の結果により、又は、その稼働中に2の(1)の条件を満足しないことが判明した場合には、当該施設の指定はカナダ植物防疫機関により取り消されるものとされた。5 検査及び消毒の確認
告示5の(1)に定める告示3の(1)の検査及び告示4の(1)の消毒の確認は、原則として1年に1回以上、次により行うものとする。
(1) 消毒実施の確認
ア 加熱乾燥処理施設のドラム出口の排気温度が摂氏90度以上に達し、消毒の実施中にその温度が維持されていたことを確認すること。
イ カナダ植物防疫機関が保存した加熱乾燥処理施設のドラム出口の排気温度記録を確認し、消毒実施が十分であったことを確認すること。
(2) 輸出検査の確認カナダ植物防疫機関により、検疫有害動植物、特にヘシアンバエのほか、ゾウムシ類、カメムシ類、ヨコバイ類等が付着していないことを確認して行われたことを確認すること。
6 植物検疫証明書
告示3の(2)のイの特記事項は「カナダ植物防疫機関が指定した加熱加工処理施設で摂氏90度以上の加熱処理が実施された。」とし、処理施設名、住所及び処理年月日についても記載することとされた。
7 管理状況の記録
カナダ植物防疫機関は、4の調査記録、5の温度記録、消毒数量、こん包及び一時保管施設への搬入数量及び搬出数量、3の(2)の表示、こん包の輸出数量並びに植物検疫証明書の発給枚数を記録し、3年間保存することとされた。
8 輸送中の措置
告示4の(1)の規定により消毒された茎葉又は乾草を一時保管するため、及び船舶に積み込むために輸送する場合にあっては、密閉型コンテナーに収容する等、当該茎葉又は乾草が、ヘシアンバエに侵されることのないための措置をとることとされた。
9 表示
告示8の表示は、次の様式によるものとし、容易に確認できる大きさとするものとされた。

10 輸入検査
(1) 輸入検査は、輸入港において、茎葉又は乾草及びこれに添付されている植物検疫証明書を確認して行うものとする。
(2) 輸入検査の結果、茎葉である場合、又は当該乾草に茎葉が混入している場合であって、告示3の植物検疫証明書が添付されていない場合、告示6の荷札が添付されていない場合、告示8の封印及び表示がなされていない場合は、当該茎葉又は乾草の廃棄又は返送を指示するものとする。
(3) (1)及び(2)以外の輸入検査の手続及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)によるものとする。
(4) 輸入検査の結果、ヘシアンバエが発見された場合は、次により措置するものとする
ア 当該荷口の全部の廃棄又は返送を指示すること。
イ ヘシアンバエが付着した原因についてカナダ植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは以後の輸入検査を中止すること。