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植物防疫所

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ベトナム産りゅうがんの生果実に関する植物検疫実施細則
  
[令和4年11月18日 4消安第4260号 消費・安全局長通知]
 
 

 
 
  植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第77の規定に基づき定めるベトナムから発送され、他の地域を経由しないで輸入されるりゆうがんの生果実に係る農林水産大臣が定める基準(令和4年11月18日農林水産省告示第1869号。以下「告示」という。)に規定する生果実(以下「生果実」という。)の植物検疫の実施については、告示に規定するもののほか、この細則に定めるところによる。
 
1  消毒施設
(1) 低温処理施設
   告示5の消毒のために必要な施設及び設備を有するものとは、低温処理施設にあっては、次の条件を満たすものとする。 
  生果実の中心部を告示5の(1)に定める温度に保持できること。
  部屋ごとに、次の4か所に位置する生果実の中心部の温度を外部から随時確認できる自動温度記録装置を有すること。
(ア) 積荷全体の中央部の積荷の中心部
(イ) 積荷全体の中央部の積荷の最上部の角
(ウ) 冷却風の出口付近の積荷の中心部
(エ) 冷却風の出口付近の積荷の最上部の角
       (ただし、(ウ)及び(エ)について、冷却風の出口付近に積荷がない場合、冷却風の吹出口から最も遠い積荷の中心部及び最上部の角)
  イの自動温度記録装置は、4時間ごとに摂氏0.1度単位で記録でき、かつ、少なくとも較正後1か月間は摂氏±0.1度の精度を維持できること。
(2) 低温処理コンテナー
   告示5の消毒のために必要な施設及び設備を有するものとは、低温処理コンテナーにあっては、密閉型であり、き裂、損傷等がなく、検疫有害動植物が分散するおそれがなく、かつ、生果実の中心部を告示5の(1)に定める温度に保持できるものとする。
 
2  低温処理コンテナーの指定
   告示5の(2)の指定された低温処理コンテナーについては、毎年、調査の開始前に、ベトナム植物防疫機関により記号・番号、指定年月日、所有者及び容積を記載した一覧表が作成され、植物防疫官に提出されるものとする。
 
3  低温処理コンテナーにおける温度測定の方法
   低温処理コンテナーにおける告示5の(1)の消毒においては、次の条件を満たす装置により温度測定を行うものとする。
ア  次の3か所に位置する生果実の中心部の温度を外部から随時確認できること。
   (ア) 積荷全体の中央部の積荷の中心部
   (イ) 低温処理コンテナーの扉面からみて最も手前の積荷の最上部の角
   (ウ) (イ)と対角線の位置となる最も奥の積荷の最下部の角
イ  低温処理の期間中、4時間ごとに摂氏0.1度単位で自動的に記録でき、かつ、少なくとも較正後1か月間は摂氏±0.1度の精度を維持できること。
 
4  消毒施設の調査
(1) 植物防疫官は、告示5の消毒のための低温処理施設について、1の条件を満たすものであることを確認するため、次により調査を行うものとする。
  原則として、毎年、当該施設の使用開始前に行うこと。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、使用期間中においても随時調査することができるものとする。
  原則として、ベトナム植物防疫機関が行う日本向け生果実の消毒施設の指定のための調査と共同して行うこと。
(2) 植物防疫官は、告示5の消毒のための低温処理コンテナーについて、1の(2)、2及び3の条件を満たすものであることを確認するため、次により調査を行うものとする。
  2の一覧表に掲げられているものであることを確認した上で行うこと。
  低温処理コンテナーに生果実を積み込む前に行うこと。
 
5  検査及び消毒の確認
(1) 低温処理施設の場合
  消毒の実施の確認
   告示5の(1)の消毒については、次により、原則として、植物防疫官がベトナム植物防疫機関と共同してその実施の確認を行うものとする。
(ア) 告示5の(2)のベトナム植物防疫機関により指定された低温処理施設であることを確認すること。
(イ) 消毒の開始直前に、温度計の示度が正確であることを氷点法により確認すること。
(ウ) 生果実の中心部の温度が予備冷蔵により告示5の(1)に定められた温度(摂氏1.3度)以下となっていることを、部屋ごとに、1の(1)のイの4か所以上の生果実について確認すること。
(エ) (ウ)の確認後、引き続き生果実の中心部の温度が、13日間摂氏1.3度以下であることを確認すること。
  検査の実施の確認
   告示3の(1)のベトナム植物防疫機関による検査については、原則として、植物防疫官が立ち会い、次を行うことによりその実施を確認するものとする。
(ア) 6の(2)のア及びウの条件を満たす場所で行われていることを確認すること。
(イ) 生果実のこん包数の2パーセント以上が検査されたことを確認すること。
(ウ) 検査の結果、検疫有害動植物、特に生きたミカンコミバエ種群がなかったことを確認すること。
(エ) (ア)、(イ)及び(ウ)の確認の結果、生きたミカンコミバエ種群が発見されたときには、その原因について、ベトナム植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明し、改善措置がとられるまでは、以後の消毒の実施の確認を行わないこと。
   ミカンコミバエ種群でない生きた検疫有害動植物が発見されたときには、検疫有害動植物の種類等に応じて、ベトナム植物防疫機関により、当該荷口が日本向けに発送されないための措置その他の必要な措置が講じられたことを確認すること。
(2) 低温処理コンテナーの場合
  検査の実施の確認
      告示3の(1)のベトナム植物防疫機関による検査については、原則として、植物防疫官が立ち会い、次を行うことによりその実施を確認するものとする。
(ア) 生果実のこん包数の2パーセント以上が検査されたことを確認すること。
(イ) 検査の結果、検疫有害動植物、特に生きたミカンコミバエ種群がなかったことを確認すること。
(ウ) (ア)及び(イ)の確認の結果、生きた検疫有害動植物が発見されたときには、検疫有害動植物の種類等に応じて、ベトナム植物防疫機関により、当該荷口が日本向けに発送されないための措置その他の必要な措置が講じられたことを確認すること。
  消毒の開始の確認
   告示7の(2)のイの輸出の時までの消毒の開始の確認については、次により行うものとする。
(ア) 告示5の(2)のベトナム植物防疫機関により指定された低温処理コンテナーであること及びき裂、損傷等がなく、検疫有害動植物が分散するおそれがないことを確認すること。
(イ) 消毒の開始直前に、3の温度計の示度が正確であることを氷点法により確認すること。
(ウ) 3のアの生果実の中心部の温度が予備冷蔵により告示5の(1)に定められた温度(摂氏1.3度)以下となっていることを確認すること。
(エ) (ウ)の確認後、ベトナム植物防疫機関により告示4の(2)の封印がなされたことを確認すること。
(オ) ベトナム植物防疫機関により植物検疫証明書に告示4の(2)の封印の記号・番号が記載されていることを確認すること。
  消毒の終了の確認
   告示7の(2)のイの輸入の時までの消毒の終了の確認については、次により行うものとする。
(ア) 告示4の(2)の封印が破れていないことを確認すること。
(イ) 低温処理コンテナーごとの自動温度記録装置の温度記録を確認し、イの(ウ)の確認の後、引き続き生果実中心部の温度が13日間摂氏1.3度以下であったことを確認すること。
(ウ) 我が国の到着までに消毒が完全に実施されていないことが判明した場合には、ベトナム植物防疫機関に対し、当該生果実を、その責任により返送するよう指示すること。
(3) 植物検疫証明書
   植物防疫官は、(1)又は(2)により消毒が完全に行われたこと及び検疫有害動植物がないことを確認したときは、植物検疫証明書の余白に氏名を付記する。
 
6  こん包及びこん包場所
(1) こん包
   告示6の(1)のミカンコミバエ種群の侵入するおそれがないと認められる材料とは、密閉されたもの、密閉ではないが開口部全てに網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)が張られているもの又は孔の直径が1.6ミリメートル以下の網(ただし、果実との間に一定の隙間ができるように果実全体を覆うことができる場合に限る。)とする。
(2) こん包場所
   告示6の(2)のミカンコミバエ種群の侵入するおそれがないと認められる場所とは、次の条件を満たすものとする。
  窓等の開口部にはすべて網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)が張られている等、ミカンコミバエ種群の侵入を防止するための設備があること。
  消毒済みのりゅうがんの生果実の専用こん包場所であること。
  毎年使用開始前に内部が殺虫剤等で消毒されており、また必要に応じて消毒が行われること。
 
7  表示
   告示8の輸出植物検疫終了の表示は次の(1)の字句に、仕向地の表示は次の(2)の字句によるものとし、こん包又は束ねたこん包の側面等の見やすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるものとする。
(1) 輸出植物検疫終了の表示:PLANT QUARANTINE VIETNAM
(2) 仕向地の表示:FOR JAPAN
 
8  輸入検査
(1) 植物防疫官は、輸入港において、輸入された生果実及び添付されている植物検疫証明書を確認して輸入検査を行うものとする。
(2) 植物防疫官は、告示3の(1)の植物検疫証明書が添付されていない場合、告示4の封印がなされていない場合、こん包が破損若しくは開封されている場合(低温処理コンテナーにおいて消毒が行われた場合を除く。)又は告示8の表示がなされていない場合は、当該生果実を所有又は管理する者に対し、当該生果実の廃棄又は返送を命ずるものとする。
(3) (1)及び(2)以外の輸入検査の手続及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)によるものとする。
(4) 植物防疫官は、生きたミカンコミバエ種群が発見された場合は、次の措置を講ずるものとする。
  当該生果実を所有又は管理する者に対し、生きたミカンコミバエ種群が発見された荷口全量の廃棄又は返送を命ずること。
  生きたミカンコミバエ種群が付着した原因をベトナム植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明し、改善措置がとられるまでは以後の輸入検査を中止すること。