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植物防疫所

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メキシコ内の管理地域で生産されるグレープフルーツ生果実に関する植物検疫実施細則
 
令和5年7月28日 5消安第2567号 消費・安全局長通知
 

 
 
   植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第86の規定に基づき定める令和5年7月26日農林水産省告示第878号(メキシコから発送され、他の地域を経由しないで輸入されるグレープフルーツ、スウィートオレンジ、マンダリン及びミネオラの生果実に係る農林水産大臣が定める基準を定める件。以下「告示」という。)1の(2)に規定するもの(以下「生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、規則、告示及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)に規定するもののほか、この細則に定めるところによる。なお、告示1の(1)に規定するものに係る植物検疫の実施については、メキシコ内の指定地域で生産されるグレープフルーツ、スウィートオレンジ、マンダリン及びミネオラ生果実に関する植物検疫実施細則(令和5年7月28日付け5消安第2566号消費・安全局長通知)に定めるところによるものとし、また、告示1の(3)に規定するものに係る植物検疫の実施については、メキシコ産グレープフルーツ及びスウィートオレンジ生果実に関する植物検疫実施細則(令和5年7月28日付け5消安第2568号消費・安全局長通知)に定めるところによるものとし、この細則の規定は適用しない。 
 
1  地域
  告示1の(2)の管理地域は、メキシコのカンペチェ(Campeche)州、タマウリパス(Tamaulipas)州、ヌエボレオン(Nuevo Leon)州、ベラクルス(Veracruz)州、ミチョアカン(Michoacán)州及びユカタン(Yucatan)州のうち、メキシコ植物防疫機関が指定する地域であって、次のいずれかの条件を満たすものとされている。
(1) 早生品種(7月1日から12月31日まで(タマウリパス州、ヌエボレオン州及びベラクルス州にあっては7月1日から11月30日まで)の間に収穫され植物検疫証明書が発給される生果実に限る。)を生産する地域であって次のいずれかの条件を満たすものであること。
  少なくとも1.2km2以上であり、その周囲に幅2.4kmの緩衝地帯が設定されている地域であって、当該地域及びその緩衝地帯にメキシコミバエの野生の好適な寄主植物が存在せず、かつ、当該地域及びその緩衝地帯において告示3の(2)のトラップ調査が行われているもの(以下「低危険度地域」という。)であること。
  少なくとも0.162km2以上であり、周囲には幅100mの監視地帯が設定されている地域であって、当該地域及びその監視地帯に結実したメキシコミバエの野生の好適な寄主植物が存在せず、かつ、告示3の(2)のトラップ調査及び防除が行われているもの(以下「中危険度地域」という。)であること。
(2) 標準的な検査証明を行う地域であって、次のいずれかの条件を満たすものであること。
  トラップ調査による指定を行う地域にあっては、少なくとも1.2km2以上であり、その周囲に幅2.4kmのメキシコミバエの好適な寄主植物が存在しない緩衝地帯が設定されており、かつ、当該地域及びその緩衝地帯において告示3の(2)のトラップ調査が行われているものであること。ただし、緩衝地帯に好適な寄主植物が存在する場合は、緩衝地帯において告示3の(2)の防除も行われるものであること。
  ベイト剤散布による指定を行う地域にあっては、少なくとも0.16km2以上であり、その周囲に幅100mのメキシコミバエの野生の好適な寄主植物が存在しない緩衝地帯が設定されており、かつ、当該地域及びその緩衝地帯において告示3の(2)のトラップ調査及び防除が行われているものであること。 
 
2  輸出国における調査及び防除
   告示3の(2)のトラップ調査及び防除は、メキシコ植物防疫機関が次により行うものとされている。
(1) トラップ調査
  調査対象はメキシコミバエとし、調査期間はそれぞれ次の期間とすること。
(ア) 低危険度地域及びその周囲の緩衝地帯は収穫の7日前から12月31日(タマウリパス州、ヌエボレオン州及びベラクルス州にあっては収穫の7日前から11月30日)までとし、中危険度地域は収穫の30日前から収穫終了時までとすること。
(イ) 1の(2)のアの管理地域及び緩衝地帯は、収穫の30日前から収穫終了時までとすること。
(ウ) 1の(2)のイの管理地域及び緩衝地帯は、管理地域として指定される30日前から収穫終了時までとすること。
  トラップは、マックファイル型トラップを使用し、7日間に1回の間隔で誘殺虫の回収及び誘引剤の交換を行うこと。
  トラップは、メキシコミバエの侵入の危険度に応じて、次の密度でマックファイル型トラップを設置すること。
(ア) 低危険度地域については、低危険度地域及びその周囲の緩衝地帯の幅100m以内において1km2当たり2個とすること。
(イ) 中危険度地域については、中危険度地域内において0.16km2当たり1個とすること。
(ウ) 1の(2)の管理地域及び緩衝地帯については、0.16km2当たり1個とすること。
  1の(2)のアの管理地域及び緩衝地帯におけるトラップ調査の結果は、毎月集計され、日本国植物防疫機関宛てに報告されること。
(2) 防除
  防除対象はメキシコミバエとし、空中又は地上においてベイト剤を散布すること。
  ベイト剤の散布はそれぞれ次の条件により行われること。
(ア) 中危険度地域は、その地域内において収穫の30日前から収穫終了時までの間、7日間に1回の間隔で散布すること。
(イ) 1の(2)のアの緩衝地帯にメキシコミバエの野生の好適な寄主植物が存在する場合は、収穫の30日前から収穫終了時までの間、7日間から10日間に1回の間隔で当該寄主植物に対して散布すること。
(ウ) 1の(2)のイの管理地域のうち、メキシコミバエの寄主植物が多数分布する地域から800m以上離れた管理地域については、管理地域において収穫の7日前から収穫終了時までの間、7日間から10日間に1回の間隔で散布すること。なお、管理地域内にメキシコミバエの野生の好適な寄主植物が存在する場合は、当該寄主植物の除去又は収穫終了時までの間、7日間から10日間に1回の間隔で当該寄主植物に対して散布すること。
(エ) 1の(2)のイの管理地域のうち、メキシコミバエの寄主植物が多数分布する地域から800m未満の管理地域については、管理地域において収穫の28日前から収穫終了時までの間、7日間から10日間に1回の間隔で散布すること。
 
3  こん包施設
   告示5の(2)のこん包施設は、管理地域で生産された生果実の専用のこん包場所を有するものであって次のいずれかの条件を満たすものとされている。
(1) メキシコミバエの発生地域から4.8km以上離れていること。
(2) メキシコミバエの発生地域から4.8km未満に所在するこん包施設については、こん包作業中にメキシコミバエが侵入するおそれがあるとメキシコ植物防疫機関が判断する場合は、こん包施設の周囲250m以内のメキシコミバエの野生の好適な寄主植物に対して、ベイト剤の地上散布による防除が行われること。
 
4  輸送中及び積込み時の措置
   告示7のメキシコミバエに侵されることのないための措置をとる場合において、こん包に通気孔を設けるときは、次のいずれかの条件を満たすものとされている。
(1) 航空貨物
  通気孔に網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。以下同じ。)が張られているこん包を使用すること。
  こん包又は束ねたこん包全体を網で覆うこと。
(2) 船積貨物
   こん包施設において密閉型コンテナーに積み込むこと。
 
5  表示
   告示9の(2)の表示は、次の内容によるものとし、こん包又は束ねたこん包の側面等の見やすい場所に行われるものとされている。
    ・GRAPEFRUIT FROM MEXICO DESIGNATED AREA
 
6  メキシコミバエが発見された場合の措置
(1) 1の(1)の管理地域
   7月1日から12月31日(タマウリパス州、ヌエボレオン州及びベラクルス州にあっては7月1日から11月30日)までの期間内にメキシコミバエの成虫がトラップに誘殺された場合は、メキシコ植物防疫機関は次のアの事項を踏まえ、イの対応を段階的に実施するとともに、その捕獲状況及び実施した対応について日本国植物防疫機関に通知するものとされている。
  考慮すべき事項
(ア) 捕獲された成虫の性別及び頭数
(イ) 雌成虫の場合、卵及び産卵能力の有無
(ウ) 成虫が誘殺された管理地域のグレープフルーツの生果実の熟度
(エ) 気候(温度、日長、湿度及び雨量)
(オ) 成虫が誘殺された管理地域における過去の誘殺状況
(カ) 誘殺されたトラップ近くの好適な寄主植物の植栽状況
  対応
(ア) 生果実への侵入リスクが存在しないよう追加の措置の必要性を判断する。
(イ) 周囲のトラップ密度を1km2当たり10個に増加させ、輸出は継続する。
(ウ) 成虫が誘殺された周辺地域において生果実の切開調査を開始し、輸出は継続する。
(エ) 一定期間ベイト剤の散布を行い、輸出は継続する。
(オ) 1の(1)としての管理地域の指定を取り消し、1の(2)による指定に切り替える。
(2) 1の(2)のアの管理地域
  トラップにメキシコミバエの成虫が誘殺された場合、直ちに日本国植物防疫機関に報告することとされている。
  最初の誘殺があった地点から半径2.4kmの範囲内において、30日以内に2頭目の成虫が誘殺された場合は、当該誘殺があった地点から半径2.4kmの範囲内の地域について、管理地域の指定を取り消すこととされている。
  誘殺地点から半径400mの範囲内において、7日から10日間隔でベイト剤の散布が行われ、30日間メキシコミバエが発見されない場合は、イで取り消した地域を管理地域として指定することができるとされている。
  管理地域又は緩衝地帯において、メキシコミバエの幼虫又は蛹が1頭以上発見された場合、当該管理地域の指定は取り消され、次のシーズンまで指定することはできないとされている。
(3) 1の(2)のイの管理地域
  ベイト剤の散布開始前にトラップにメキシコミバエの成虫が誘殺された場合
(ア) 成虫が誘殺された管理地域の指定は取り消されることとされている。
(イ) 発見後30日間ベイト剤散布が行われ、新たなメキシコミバエが発見されない場合は、(ア)により取り消された地域を管理地域として指定することができるとされている。
(ウ) (イ)による30日間のベイト剤散布期間中又は管理地域の指定がされた後の収穫期間中にメキシコミバエが発見された場合、当該管理地域の指定は取り消され、次のシーズンまで指定することはできないとされている。
  ベイト剤の散布開始後にトラップにメキシコミバエの成虫が誘殺された場合
(ア) 成虫が誘殺された管理地域の指定は取り消されるとされている。
(イ) 発見後30日間のベイト剤散布期間中に新たに発見されない場合は(ア)で取り消した地域を管理地域として指定することができるとされている。
(ウ) (イ)による30日間のベイト剤散布期間中又は管理地域の指定がされた後の収穫期間中にメキシコミバエが発見された場合、当該管理地域の指定は取り消され、次のシーズンまで指定することはできないとされている。
 
7  輸入検査
(1) 植物防疫官は、輸入港において、輸入された生果実及び添付されている植物検疫証明書を確認して輸入検査を行うものとする。
(2) 植物防疫官は、告示6の(1)の植物検疫証明書(以下「植物検疫証明書」という。)が添付されていない場合、植物検疫証明書に告示6の(2)のイの記載がない場合、告示7の輸送中及び積込み時の措置がとられていない場合、告示8の封印のない場合又は告示9の(2)の表示がなされていない場合は、当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、当該生果実の廃棄又は返送を命ずるものとする。
(3) 植物防疫官は、メキシコミバエが発見された場合は、次の措置を講ずるものとする。
  メキシコミバエが発見された荷口全量の廃棄又は返送を命ずること。
  メキシコミバエが付着した原因についてメキシコ植物防疫機関が調査し、その原因が判明するまでは以後の生果実の輸入検査を中止すること。