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植物防疫所

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ベトナム産カッチュー種のマンゴウの生果実に関する植物検疫実施細則
 
[平成27年9月17日 27消安第3322号 消費・安全局長通知]
 

沿革
令和05年04月12日 5消安第 161号[一部改正]
令和06年11月26日 6消安第1934号[一部改正] 
 
 
   植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第61のベトナム産カッチュー種のマンゴウの生果実(以下「生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、平成27年9月17日農林水産省告示第2128号(以下「告示」という。)に規定するもののほか、この細則に定めるところによる。
 
1  蒸熱処理施設
   告示3の蒸熱処理施設は、次の条件を満たすものとされている。
(1) 自動温湿度記録装置が設備されていること。
(2) 自動温湿度記録装置の温度計は、積み上げられた生果実の上部、中部及び下部の生果実の中心部の温度(ただし、同一蒸熱処理施設内に複数の差圧ユニットを有する場合は、それぞれのユニットの生果実の中心部の温度。以下同じ。)並びに蒸熱処理施設内の空間温度を測定できるものであること。
(3) 自動温湿度記録装置の湿度計は、蒸熱処理施設内の空間湿度を測定できるものであること。
(4) 蒸熱処理施設は、生果実の中心部の温度を所定の温度に保持できるものであること。
 
2  こん包及びこん包場所
(1) こん包
   告示6の(1)のこん包に通気孔を設ける場合は、次のいずれかの方法によるものとされている。
  通気孔に網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。以下同じ。)が張られているこん包を使用すること。
  こん包又は束ねたこん包全体を網で覆うこと。
(2) こん包場所
   告示6の(2)のこん包場所は、次の条件を満たすものとされている。
  蒸熱処理施設に接続して設置されており、窓等の開口部にはすべて網が張られている等、ミカンコミバエ種群及びウリミバエの侵入を防止するための設備があること。
  消毒済み生果実の専用のこん包場所であること。
  毎年使用開始前にこん包場所の内部が殺虫剤で消毒されており、必要に応じ消毒が行われていること。
 
3  蒸熱処理施設及びこん包場所の調査
  植物防疫官は、告示3の蒸熱処理施設及び告示6の(2)のこん包場所について、それぞれ1及び2の(2)の条件を満たすものであることを確認するため、原則として1年に1回以上、ベトナム植物防疫機関が行う日本向け生果実の蒸熱処理施設及びこん包場所の指定のための調査の記録により、調査が的確に行われたことを確認するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、当該蒸熱処理施設及びこん包場所について、実地で調査するものとする。
 
4  消毒及び検査の実施の確認
(1) 消毒の実施の確認
  植物防疫官は、告示5の消毒の実施の確認について、次により、原則として1年に1回以上、ベトナム植物防疫機関が記録した消毒の実施記録により、消毒が的確に実施されたことを確認するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、実地での調査により消毒が的確に実施されたことを確認するものとする。
  蒸熱処理施設において、飽和蒸気により、生果実の中心部の温度が一定の上昇率で摂氏43度まで上がり、引き続き飽和蒸気により当該中心部の温度が摂氏47度に達した後、その温度以上で20分間保持されたことを確認すること。
  20分間の保持時間の間は、蒸熱処理施設内の温度が摂氏47度以上に保持されたことを確認すること。
  生果実の中心部の温度の測定点が正確であったことを確認すること。
(2) 検査の実施の確認
  植物防疫官は、告示5の検査の実施の確認について、次により、原則として1年に1回以上、ベトナム植物防疫機関が記録した告示4の(1)の検査の実施記録により、検査が的確に実施されたことを確認するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、随時、実地での調査により検査が的確に実施されたことを確認するものとする。
生果実のこん包数の5パーセント以上が検査されたことを確認すること。
検査の結果、検疫有害動植物、特にミカンコミバエ種群及びウリミバエがなかったことを確認すること。
検疫有害動植物が発見されたときは、ベトナム植物防疫機関により、当該荷口が日本向けに発送されないように措置されたことを確認すること。
 
5  輸出の停止
(1) 告示4の(1)の検査の結果、ミカンコミバエ種群又はウリミバエが発見された場合は、直ちに日本国植物防疫機関に通報させるとともに、ミカンコミバエ種群又はウリミバエが付着した原因が判明し、再発防止策について日本とベトナムとの間で合意されるまでは、以降の輸出を停止させるものとする。
(2) 植物防疫官は、4の(1)又は(2)の確認の結果、消毒又は検査が的確に実施されていないと判断された場合、その原因についてベトナム植物防疫機関と共同して調査するものとする。なお、ベトナム植物防疫機関は、その原因が判明するまでは、以降の輸出を停止するものとする。

6  表示
   告示7の輸出植物検疫が終了している旨の表示は次の(1)の様式、仕向地が日本である旨の表示は次の(2)の字句によるものとし、こん包の側面等の見やすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるものとされている。
(1) 輸出植物検疫が終了している旨の表示
 
 
(2) 仕向地が日本である旨の表示
FOR  JAPAN
日本向け
  
7  輸入検査
(1) 植物防疫官は、輸入港において、輸入された生果実及び添付されている植物検疫証明書を確認して輸入検査を行うものとする。
(2) 植物防疫官は、植物検疫証明書が添付されていない場合、告示6の(3)の封印がなされていない場合、告示7の表示がなされていない場合又はこん包が破損若しくは開ひされている場合には、当該生果実の廃棄又は返送を指示するものとする。
(3) (1)及び(2)以外の輸入検査の手続及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)によるものとする。
(4) 植物防疫官は、ミカンコミバエ種群又はウリミバエが発見された場合は、次の措置を講ずるものとする。
ミカンコミバエ種群又はウリミバエが発見された荷口全量の廃棄又は返送を指示すること。
ミカンコミバエ種群又はウリミバエが付着した原因についてベトナム植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは以後の輸入検査を中止すること。