このページの本文へ移動

植物防疫所

メニュー
台湾産パパイヤ及びマンゴウ生果実に関する植物検疫実施細則

〔昭和53年7月28日 53農蚕第5514号 農蚕園芸局長通達〕


沿革
昭和54年06月29日 54農蚕第4581号 [一部改正]
昭和57年05月20日 57農蚕第3035号 [一部改正]
昭和63年07月08日 63農蚕第4183号 [一部改正]
平成09年04月01日   9農産第2322号 [一部改正]
平成10年04月01日 10農産第2747号 [一部改正]
平成15年07月11日 15消安第    31号 [一部改正]
平成16年12月01日 16消安第6377号 [一部改正]
令和03年01月12日   2消安第4283号 [一部改正]
令和05年08月30日   5消安第3190号 [一部改正]
 
 
 
   植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第11の台湾産のソロ種のパパイヤ生果実並びに同付表第16の台湾産のアーヴィン種、カイト種及びハーディン種のマンゴウ生果実(以下「生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、昭和57年5月20日農林水産省告示第780号(以下「告示」という。)で規定するもののほか、この細則に定めるところによる。

1  消毒施設
   告示4の生産地における消毒のための蒸熱処理施設又はくん蒸施設は、次の条件を満足しているものとする。
(1) 蒸熱処理施設
  果実温度を上げるための装置は、差圧方式であること。
  自記記録式の温湿度計が設備されていること。
  自記記録式温湿度計の温度の測定装置は、積み上げられた生果実の上部、中部及び下部の生果実の中心温度(ただし、同一処理施設内に複数の差圧ユニットを有する場合は、それぞれのユニットの生果実の中心温度。以下同じ。)並びに蒸熱処理施設内の空間温度を測定できるものであること。
  自記記録式温湿度計の湿度の測定装置は、蒸熱処理施設内の空間湿度を測定できるものであること。
(2) くん蒸施設
  くん蒸中一定のガス濃度を保持しうる気密性を有するものであること。
  くん蒸施設内のガス濃度を外部から測定できる構造であること。
  くん蒸施設内のガス濃度を均一にする装置及び消毒終了後速やかにガスを排出する装置を有するものであること。
  エチレンダイブロマイドの気化装置が設備されており、稼働状況が外部から観察できる構造であること。
  くん蒸施設内の温度を外部から随時測定できる装置を有するものであること。
  生果実を20分間完全に温水中にとどめる装置及び水温の調節装置があり、かつ、液内の上下2か所以上の温度を測定しうる温度計が設備された、温水浸漬するための施設が併設されていること。
 
2  こん包及びこん包場所
(1) こん包
   告示6の(1)のこん包に通気孔を設ける場合は、次のいずれかの条件を満足しているものとする。
  生果実をこん包に収納する前に包装材料(通気孔を設けているものにあっては、その通気孔の直径が 1.6ミリメ-トル以下のものに限る。)で包み込んでいること。
  通気孔に網(孔の直径が 1.6ミリメ-トル以下のものに限る。)が張られているこん包を使用すること。
  こん包又は束ねたこん包全体が網(孔の直径が 1.6ミリメ-トル以下のものに限る。)で覆われていること。
(2) こん包場所
   告示6の(2)のこん包場所は、次の条件を満足しているものとする。
  消毒施設に接続して設置されており、窓等の開口部にはすべて網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)が張られている等、ミカンコミバエ種群又はウリミバエ(以下「ミバエ類」という。)の侵入を防止するための設備があること。
  消毒済み生果実の専用こん包場所であること。
  毎年使用開始前に内部が殺虫剤で消毒されており、また必要に応じ消毒が行われること。

3  保管場所及び保管期間
(1) 告示7の保管場所については、次の条件を満足しているものとする。
  消毒済み生果実の保管場所として台湾の植物防疫機関(以下「植物防疫機関」という。)により指定された場所であること。
  桃園中正国際空港内に設置されていること。
(2) 保管場所における保管期間は、消毒の日から6日以内とするものとする。
(3) 保管場所における生果実は、次の場合、植物防疫官により当該こん包に係る植物検疫証明書及びその写しをまっ消されるものとする。
  (2)の保管期間を超えた場合。
  告示6の(3)の封印がない場合。
  告示9の表示がなされていない場合。
  こん包が破損又は開ひされている場合。

4  消毒施設、こん包場所及び保管場所の調査
(1) 植物防疫官は、消毒施設、こん包場所及び保管揚所について、それぞれ1、2及び3の条件を満足するものであることを確認するため、毎年、原則として当該施設及び当該場所の使用開始前に調査を行うものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、使用期間中においても随時調査することができる。
(2) (1)の消毒施設及びこん包場所の調査は、原則として、植物防疫機関が行う日本向け生果実の消毒施設及びこん包場所の指定のための調査と共同して行うものとする。
(3) (1)の調査において、消毒施設のうちのくん蒸施設の気密性の確認は、当該施設の内容積1立方メートル当たり臭化メチル10グラムを使用して空くん蒸を行い、48時間後における施設内空間の上、中、下3点のガス濃度を測定し、その平均測定値が使用量の70パーセント以上であることをもって行うものとする。

5  検査及び消毒の実施の確認
(1) 消毒の実施の確認
   告示5の消毒の実施の確認は、次により、原則として、植物防疫機関と共同して行うものとする。
  蒸熱処理による消毒
(ア) マンゴウ生果実
a  蒸熱処理施設において、飽和蒸気を使用して、庫内温度を30度に設定し、生果実をその温度で30分間以上保持させたことを確認すること。
b  庫内温度を30度から41度まで45分間以内で上昇させ、41度からは速やかに、 47.5度に到達させたことを確認すること。
c  積み上げられた生果実の上部、中部及び下部の生果実の中心温度が飽和蒸気により46.5度に到達した後、その温度以上で30分間保持させたことを確認すること。
d  上記cの後、生果実の中心温度を速やかに常温まで下げたことを確認すること。
e  生果実の中心温度の測定点が正確であったことを確認すること。
(イ) 台農二号種パパイヤ生果実
a  蒸熱処理施設において、相対湿度40から60パーセントの条件下で、積み上げられた生果実の上部、中部及び下部の生果実の中心温度が一定の上昇率で43度まで上がり、引き続き飽和蒸気により当該中心温度が47.2度に達したことを確認すること。
b  上記aの後、生果実の中心温度を速やかに常温まで下げたことを確認すること。
c  生果実の中心温度の測定点が正確であったことを確認すること。
  くん蒸による消毒
(ア) 告示4に定められた温度条件の下に所定の時間温水浸漬が行われたことを確認すること。
(イ) 告示4に定められた薬量及び温度条件の下に所定の時間くん蒸が行われたことを確認すること。
(ウ) 1回に処理する生果実の量が、くん蒸施設の内容積の50パーセントを超えず、かつ、積付けがガス濃度の均一化を阻害しないように行われたことを確認すること。
(エ) くん蒸時間は、エチレンダイブロマイドが完全に気化した時から測定され、かつ、くん蒸中は常時ガスの循環が行われたことを確認すること。
(2) 輸出検査の確認
  告示5の検査の確認は、生果実のこん包数の2パーセント以上について、植物防疫機関が行う検査に立ち会い、検疫有害動植物、特にミバエ類がないことを確認することをもって行うものとする。
  アの検査の確認の結果、ミバエ類が発見されたときは、ミバエ類が付着した原因について植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは以後の消毒の確認を行わないものとすること。
(3) 植物検疫証明書
  植物防疫官は、(1)により消毒が完全に行われたことを確認したとき、及び(2)のアにより検疫有害動植物がないことを確認したときは、植物検疫証明書の余白に氏名を付記する。
  アの確認を行った生果実が航空携行手荷物として輸送される場合には、各こん包の表面に当該こん包の封印番号を記載した植物検疫証明書又はその写しを添付させるものとする。

6  航空携行手荷物の保管状況の確認
(1) 植物防疫官は、航空携行手荷物の保管状況について、植物防疫機関と共同して次の事項につき確認するものとする。
  保管数量及び輸出数量
  保管期間
  植物検疫証明書及びその写しのまっ消状況
(2) 植物防疫官は、保管状況の確認を円滑に行うため、必要と認めるときは、保管場所を管理する責任者に対し、必要事項を記録させることができるものとする。
(3) (1)の確認は、原則として、1か月に1回実施するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めるときは、随時に確認することができるものとする。

7  表示
(1) 告示9の表示は、輸出植物検疫が終了している旨のものにあっては次のアの様式に、仕向地が日本である旨のものにあっては次のイの(ア)から(ウ)までに掲げる字句のいずれかによるものとし、こん包の側面等の見えやすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるものとする。

  輸出植物検疫終了の表示
taiwan_2.jpg

  仕向地の表示
(ア) 日本
(イ) 日本向け
(ウ) To Japan

(2) 航空携行手荷物のこん包の表面には、次の内容を含む日本語、中国語及び英語による注意書きを表示させるものとする。
  当該生果実は、日本の飛行場に到着後直ちに植物検疫を受けなければならないこと。
  その検査前に封印を破ったり、植物検疫証明書又はその写しを紛失すると当該生果実は、輸入禁止されること。

8  輸入検査
(1) 輸入検査は、輸入港において当該生果実及び当該生果実に添付されている植物検疫証明書又はその写しを確認して行うものとする。ただし、植物検疫証明書の写しを確認して行う場合は、航空携行手荷物に限るものとする。
(2) 航空携行手荷物として輸入された場合において、(1)の確認を行ったときは、当該こん包の植物検疫証明書又はその写しをまっ消するものとする。
(3) 植物検疫証明書が添付されていない場合、告示5の植物防疫官による確認が行われていない場合、告示6の(3)の封印がなされていない場合、告示9の表示がなされていない場合又はこん包が破損若しくは開ひされている場合には当該生果実の廃棄又は返送を命ずるものとする。
(4) (1)、(2)及び(3)以外の輸入検査の手続及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)によるものとする。
(5) ミバエ類が発見された場合には、次により措置するものとする。
  当該荷口の全量の廃棄又は返送を命ずること。
  ミバエ類が付着した原因について、植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは以後の輸入検査を中止すること。