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植物防疫所

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タイ産マンゴウの生果実に関する植物検疫実施細則
 
[昭和62年2月20日 62農蚕第 842号農蚕園芸局長通達]
 

沿革
平成09年04月01日   9農産第2322号[一部改正]
平成10年04月01日 10農産第2747号[一部改正]
平成13年04月27日 13生産第  859号[一部改正]
平成18年11月28日 18消安第8711号[一部改正]
平成19年02月01日 18消安第11565号[一部改正]
平成28年02月24日 27消安第5557号[一部改正]
令和02年03月26日  元消安第6049号[一部改正]
 
 
   植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第17のタイ産キオウサウェイ種、チョークアナン種、ナンカンワン種、ナンドクマイ種、ピムセンダン種、マハチャノ種及びラッド種のマンゴウの生果実(以下「生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、平成5年1月27日農林水産省告示第82号(以下「告示」という。)に規定するもののほか、この細則に定めるところによる。
 
1 蒸熱処理施設
   告示4(1)及び(2)の蒸熱処理施設は、次の条件を満たすものとされている。
(1) 自動温湿度記録装置が設備されていること。
(2) 自動温湿度記録装置の温度計は、較正されたものであって、積み上げられた生果実の上部、中部及び下部の生果実の中心部の温度(ただし、同一蒸熱処理施設内に複数の差圧ユニットを有する場合は、それぞれのユニットの生果実の中心部の温度。以下同じ。)並びに蒸熱処理施設内の空間温度を測定するものであること。
(3) 自動温湿度記録装置の湿度計は、較正されたものであって、蒸熱処理施設内の空間湿度を測定するものであること。
(4) 蒸熱処理施設は、生果実の中心部の温度を所定の温度に保持できるものであること。
 
2 こん包及びこん包場所
(1) こん包
   告示6の(1)のこん包に通気孔を設ける場合は、次のいずれかの方法によるものとされている。
生果実をこん包に収納する前に包装材料(通気孔を設ける場合は、孔の直径が 1.6ミリメートル以下のものに限る。)で包み込んでいること。
通気孔に網(孔の直径が 1.6ミリメートル以下のものに限る。以下同じ。)が張られているこん包を使用すること。
こん包又は束ねたこん包全体を網で覆うこと。
(2) こん包場所
   告示6の(2)のこん包場所は、次の条件を満たすものとされている。
蒸熱処理施設に接続して設置されており、窓等の開口部には全て網が張られているなど、ミカンコミバエ種群及びウリミバエの侵入を防止するための設備があること。
消毒済生果実の専用のこん包場所であること。
毎年使用開始前に内部が殺虫剤で消毒されており、必要に応じ消毒が行われていること。
 
3 保管場所及び保管期間
(1) 告示7の保管場所は、スワンナプーム空港内の施設であって、タイ植物防疫機関が指定する次のいずれかの施設とされている。
低温施設を具備した消毒済生果実の専用保管施設
旅客待合広間に設置されていて、消毒済生果実を陳列し、販売する小売店
(2) (1)の保管場所における保管期間は、消毒の日から8日以内とするものとされている。
(3) 保管場所における生果実は、次の場合、タイ植物防疫機関により当該こん包に係る植物検疫証明書又は植物検疫証票を抹消されるものとされている。
(2)の保管期間を超えた場合
告示6の(3)の封印がない場合
告示9の表示がなされていない場合
こん包が破損又は開ひされている場合
 
4 蒸熱処理施設、こん包場所及び保管場所の調査
   植物防疫官は、告示4の蒸熱処理施設、告示6の(2)のこん包場所及び告示7の保管場所について、それぞれ1、2の(2)及び3の(1)の条件を満たすものであることを確認するため、原則として、1年に1回以上、タイ植物防疫機関が行う日本向け生果実の蒸熱処理施設、こん包場所及び保管場所の指定のための調査の記録により、調査が的確に行われたことを確認するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、当該蒸熱処理施設、こん包場所又は保管場所について実地で調査するものとする。
 
5 消毒及び検査の実施確認
(1) 消毒の実施の確認
   植物防疫官は、告示5の消毒の実施の確認について、次により、原則として、1年に1回以上、タイ植物防疫機関が記録した告示4の消毒の実施記録により、消毒が的確に実施されたことを確認するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、実地での調査により、消毒が的確に実施されたことを確認するものとする。
ナンカンワン種のマンゴウの生果実
(ア) 蒸熱処理施設内の空間温度を摂氏47.5度に設定し、飽和蒸気により生果実を室温から加温し、生果実の中心部の温度が摂氏46.5度に達した後、その温度以上で10分間保持されたこと又は蒸熱処理施設において、生果実の中心部の温度が一定の上昇率で摂氏43度まで上がり、その後飽和蒸気により当該中心部の温度が摂氏47度に達した後、その温度以上で20分間保持されたことの確認
(イ) 生果実の中心部の温度の測定点が正確であったことの確認
キオウサウェイ種、チョークアナン種、ナンドクマイ種、ピムセンダン種、マハチャノ種及びラッド種のマンゴウの生果実
(ア) 蒸熱処理施設において、生果実の中心部の温度が一定の上昇率で摂氏43度まで上がり、その後飽和蒸気により当該中心部の温度が摂氏47度に達した後、その温度以上で20分間保持されたことの確認
(イ) 生果実の中心部の温度の測定点が正確であったことの確認
(2) 検査の実施の確認
   植物防疫官は、告示5の検査の実施の確認について、次により、原則として、1年に1回以上、タイ植物防疫機関が記録した告示3の(1)の検査の実施記録により、検査が的確に行われていることを、確認するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、実地での調査により、検査が的確に実施されたことを確認するものとする。
生果実のこん包数の5パーセント以上がタイ植物防疫機関によって検査されたことを確認すること。
検査の結果、検疫有害動物、特にミカンコミバエ種群及びウリミバエがなかったことを確認すること。
 
6 輸出の停止
(1) タイ植物防疫機関は、告示3の(1)の検査の結果、ミカンコミバエ種群及びウリミバエを発見した場合、直ちに日本国植物防疫機関に通報するとともに、ミカンコミバエ種群及びウリミバエが付着した原因について調査し、その原因が判明するまでは、以後の告示4の消毒を行わないものとされている。
(2) 植物防疫官は、5の(1)又は(2)の結果、検査又は消毒が的確に実施されていないと判断した場合、その原因についてタイ植物防疫機関と共同して調査するものとする。なお、タイ植物防疫機関は、その原因が判明するまでは、以後の輸出を停止するものとされている。
 
7 植物検疫証票
   告示8の植物検疫証票は、次の字句の内容を含むものとされている。
Phytosanitary Certificate Label
For MANGO
Master Certificate No. _______________
Package No. ______________             _
Date of Disinfestation _______________
Certified by _____________                _
                           (Thai inspector)
 
8 航空携行手荷物の保管状況の確認
(1) 植物防疫官は、航空携行手荷物として日本向けに輸出される生果実の保管状況について、次により、原則として、1年に1回以上、タイ植物防疫機関が記録した告示7の保管場所での保管状況の確認の記録により、保管が適切に行われていることを確認するものとする。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、当該保管状況について、実地で確認するものとする。
保管数量及び輸出数量
保管期間
植物検疫証明書及び植物検疫証票の抹消状況
低温施設の稼動状況
(2) タイ植物防疫機関は、(1)の保管状況の確認を円滑に行うため、保管場所を管理する責任者に対し、(1)のアからエまでに掲げる事項を記録させるものとされている。
 
9 表示
(1) 告示9の輸出植物検疫が終了している旨の表示は次のアの様式、仕向地が日本である旨の表示は、次のイの字句によるものとし、こん包の側面等の見やすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるのものとされている。
輸出植物検疫が終了している旨の表示
(ア)                                                (イ)                                                (ウ)
 Thai_i.jpg                         Thai_a.jpg                         Thai_u_3_1.jpg
 
仕向地が日本である旨の表示
FOR JAPAN
 
(2) 航空携行手荷物のこん包の表面には、次の内容を含む日本語、タイ語及び英語の注意書きを表示するものとされている。
生果実は、日本の飛行場に到着後、直ちに植物検疫を受けなければならないこと。
日本における検疫前に封印を破ると、当該生果実の輸入が禁止されること。
 
10 輸入検査
(1) 植物防疫官は、輸入港又は飛行場において、輸入された生果実及び添付されている植物検疫証明書又は植物検疫証票を確認して輸入検査を行うものとする。なお、植物検疫証票を確認して行う場合は、告示8の植物検疫証明書又はその写しが当該生果実が輸入される場所に所在する植物防疫所にあらかじめ送付されていることを確認するものとする。
(2) 植物防疫官は、生果実が航空携行手荷物として輸入された場合において、(1)の確認を行ったときは、当該こん包の植物検疫証明書又は植物検疫証票を抹消するものとする。
(3) 植物防疫官は、植物検疫証明書又は植物検疫証票が添付されていない場合、告示6の(3)の封印がなされていない場合、告示9の表示がなされていない場合又はこん包が破損若しくは開ひされている場合には、当該生果実を所有又は管理する者に対し、当該生果実の廃棄又は返送を命ずるものとする。
(4) (1)、(2)及び(3)以外の輸入検査の手続及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第 206号)によるものとする。
(5) 植物防疫官は、ミカンコミバエ種群又はウリミバエが発見された場合には、次の措置を講ずるものとする。
当該生果実を所有又は管理する者に対し、ミカンコミバエ種群又はウリミバエが発見された荷口全量の廃棄又は返送を命ずること。
ミカンコミバエ種群又はウリミバエが付着した原因についてタイ植物防疫機関に調査を求め、又は必要に応じ共同して調査し、その原因が判明し、再発防止策が講じられるまでは以後の輸入検査を中止すること。