〔平成8年9月17日 8農産第5863号農産園芸局長通達〕
沿革
平成09年04月01日 9農産第2322号 [一部改正]
平成10年04月01日 10農産第2747号 [一部改正]
平成16年01月30日 15消安第5281号 [一部改正]
令和03年01月12日 2消安第4283号 [一部改正]
令和07年11月25日 7消安第4918号 [一部改正]
植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第8のスペイン国産レモン、クレメンティン並びにネーブル種、バレンシア種及びサルスティアーナ種のスウィートオレンジの生果実に係る農林水産大臣が定める基準(昭和63年11月29日農林水産省告示第1886号。以下「告示」という。)1に規定する生果実(以下「生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、告示に規定するもののほか、この細則に定めるところによる。
1 消毒施設
(1) 告示4の(1)の低温処理施設は、次の条件を満たすものとする。
ア 部屋ごとに生果実の中心部を告示4の(1)に定める温度に保持できること。
イ 部屋内の温度(冷却風の入口及び出口の2か所)及び果実内の温度(部屋中央の積荷の中心部及び最上部の角並びに冷却風の出口付近の積荷の中心部及び最上部の角の4か所)を外部から随時確認できる自動温度記録装置を有すること。
(2) 告示4の(1)の低温処理船舶は、次の条件を満足たすものとする。
ア 生果実の中心部を告示4の(1)に定める温度に保持できること。
イ 船倉ごとに船倉内の温度及び生果実の中心部の温度を外部から随時確認できる自動温度記録装置を有すること。
ウ イの自動温度記録装置は、船倉内の気温測定用として2本以上の温度センサー及び生果実の中心部の温度測定用として4本以上の温度センサーを有していること。ただし、通常の大きさの船倉が複数により構成されている船倉(以下「複数デッキ」という。)にあっては、気温測定用として最上段のデッキに2本以上の温度センサー及び当該デッキ以外の各デッキに1本以上の温度センサーを、生果実の中心部の温度測定用として各デッキに3本以上の温度センサーを有すること。
エ イの自動温度記録装置は、4時間ごとに摂氏0.1度単位で記録でき、かつ、少なくとも較正後1か月間は摂氏±0.1度の精度を維持できる能力があること。
(3) 告示4の(1)の低温処理コンテナーは、次の条件を満たすものとする。
ア 密閉型コンテナーであること。
イ き裂、損傷等がなく、検疫有害動植物の分散のおそれがないものであること。
ウ 生果実の中心部を告示4の(1)に定める温度に保持できること。
エ 生果実の中心部の温度(コンテナー内の積荷の中心部を含む3か所)を外部から随時確認できる自動温度記録装置を有すること。
(4) 告示4の(2)のスペイン植物防疫機関により指定された低温処理船舶については、毎年、2の調査の開始前に、スペイン植物防疫機関により、船舶名、指定番号、指定年月日、所有者、収容能力及び船舶の構造を記載した一覧表が作成され、植物防疫官に提出されるものとする。
(5) 告示4の(2)のスペイン植物防疫機関により指定された低温処理コンテナーについては、毎年、2の調査の開始前に、スペイン植物防疫機関により、その記号・番号、指定年月日、所有者及び容積を記載した一覧表が作成され、植物防疫官に提出されるものとする。
2 消毒施設の調査
(1) 低温処理施設
ア 植物防疫官は、低温処理施設について、1の(1)の条件を満たすものであることを確認するため、あらかじめ調査するものとする。
イ アの調査は、原則として、スペイン植物防疫機関が行う日本向け生果実の消毒施設の指定のための調査と共同して行うものとする。
ウ アの調査は、原則として、毎年、当該施設の使用開始前に行うこと。ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、使用期間中においても随時調査すること。
エ アの調査において、低温処理施設の能力の確認は、次の方法により行うものとする。
(ア) 原則として空の状態で行うこと。
(イ) 標準的な大きさの生果実の中心部に温度センサーを挿入し、低温処理施設の中央及び4角のうち3か所の合計4か所に配置すること。
(ウ) 生果実に挿入した温度センサーは、低温処理施設の壁面、床及び天井から、それぞれ1メートル以上離すこと。
(エ) 生果実の中心部の温度が摂氏2度になった後、1時間ごとに温度を測定し、24時間以上、摂氏2度以下に保たれていることを確認すること。
(2) 低温処理船舶
ア 植物防疫官は、低温処理船舶について、1の(2)の条件を満たすものであることを確認するため、あらかじめ調査するものとする。
イ アの調査は、当該船舶がそれぞれ1の(4)の一覧表に掲げられているものであることを確認した上で行うものとする。
ウ アの調査は、当該船舶に生果実を積み込む前に行うものとする。
エ アの調査において、低温処理船舶の能力の確認は、次の方法により行うものとする。
(ア) 原則として積荷のない状態で行うこと。
(イ) 標準的な大きさの生果実の中心部に温度センサーを挿入し、船倉の中央及び4角のうちの3か所の合計4か所(複数デッキにあっては、各デッキの中央及び4角のうちの2か所の合計3か所)に配置すること。
(ウ) 生果実に挿入した温度センサーは、船倉の壁面、床及び天井から、それぞれ1メートル以上離すこと。
(エ) 生果実の中心部の温度が摂氏2度になった後、1時間ごとに温度を測定し、24時間以上、摂氏2度以下に保持されていることを確認すること。
(3) 低温処理コンテナー
ア 植物防疫官は、低温処理コンテナーについて、1の(3)の条件を満たすものであることを確認するため、あらかじめ調査するものとする。
イ アの調査は、当該コンテナーが1の(5)の一覧表に掲げられているものであることを確認した上で行うものとする。
ウ アの調査は、低温処理コンテナーに生果実を積み込む前に行うものとする。
エ アの調査において、低温処理コンテナーの能力の確認は、次の方法により行うものとする。
(ア) 原則として空の状態で行うこと。
(イ) 標準的な大きさの生果実の中心部に温度センサーを挿入し、低温処理コンテナーの中央、扉付近及び冷気の戻り口付近の3か所に配置すること。
(ウ) 生果実に挿入した温度センサーは、低温処理コンテナーの壁面及び床から、それぞれ50センチメートル以上離すこと。
(エ) 生果実の中心部の温度が摂氏2度になった後、1時間ごとに温度を測定し、24時間以上、摂氏2度以下に保たれていることを確認すること。
(4) 消毒施設の指定の取消し
スペイン植物防疫機関により指定された消毒施設であっても、(1)から(3)までの調査の結果により、又はその使用中に1の(1)から(3)までの条件を満たさないことが判明した場合には、当該施設の指定は、スペイン植物防疫機関により取り消されるものとする。
3 検査及び消毒の確認
(1) 低温処理施設において消毒が行われる場合
ア 消毒の実施の確認
植物防疫官は、告示5の(2)のアの消毒の実施の確認について、次により、原則として、スペイン植物防疫機関と共同して行うものとする 。
(ア) 消毒の開始直前に、温度計の示度が正確であるかどうかを氷点法により確認すること。
(イ) 生果実の中心部の温度が予備冷蔵により告示4の(1)に定められた温度(レモン及びクレメンティンについては摂氏2度、ネーブル種、バレンシア種及びサルスティアーナ種のスウィートオレンジについては摂氏 1.5度)となっていることを、部屋ごとに、4か所以上の生果実について確認すること。
(イ) 生果実の中心部の温度が予備冷蔵により告示4の(1)に定められた温度(レモン及びクレメンティンについては摂氏2度、ネーブル種、バレンシア種及びサルスティアーナ種のスウィートオレンジについては摂氏 1.5度)となっていることを、部屋ごとに、4か所以上の生果実について確認すること。
(ウ) (イ)の確認後、引き続き生果実の中心部の温度が、レモン及びクレメンティンについては16日間摂氏2度以下、ネーブル種、バレンシア種及びサルスティアーナ種のスウィートオレンジについては17日間摂氏2度以下であることを、原則として、1日1回以上確認すること。ただし、(イ)の確認後、温度記録計を封印した場合には、処理中の生果実の中心部の温度を処理終了後に確認することができる。
イ 検査の実施の確認
(ア) 植物防疫官は、告示5の(1)の検査の実施の確認について、生果実のこん包数の 0.5パーセント以上についてスペイン植物防疫機関が行う検査に立ち会い、検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエがないことを確認することをもって行うものとする。
(イ) (ア)の検査の実施の確認の結果、チチュウカイミバエが発見されたときは、チチュウカイミバエが付着した原因についてスペイン植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは、以後の消毒の実施の確認を行わないものとする。
ウ 植物検疫証明書
植物防疫官は、アにより消毒が完全に行われたこと及びイの(ア)により検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエがないことを確認したときは、植物検疫証明書の余白に氏名を付記するものとする。
(2) 低温処理船舶又は低温処理コンテナーにおいて消毒が行われる場合
ア 検査の実施の確認
(ア) 植物防疫官は、告示5の(1)の検査の実施の確認について、生果実のこん包数の 0.5パーセント以上についてスペイン植物防疫機関が行う検査に立ち会い、検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエがないことを確認することをもって行うものとする。
(イ) (ア)の検査の実施の確認の結果チチュウカイミバエが発見されたときは、スペイン植物防疫機関により、当該荷口が日本向けに発送されないように措置されたことを確認すること。
イ 消毒の開始の確認
植物防疫官は、告示5の(2)のイの輸出港における消毒の開始の確認について、次により、原則としてスペイン植物防疫機関と共同して行うものとする。
(ア) 低温処理船舶にあっては2の(2)により、低温処理コンテナーにあっては2の(3)により調査されたものであることを確認すること。
(イ) 消毒の開始直前に、温度計の示度が正確であるかどうかを氷点法により確認すること。
(ウ) 生果実の中心温度が予備冷蔵により告示4の(1)に定められた温度(レモン及びクレメンティンについては摂氏2度、ネーブル種、バレンシア種及びサルスティアーナ種のスウィートオレンジについては摂氏1.5度)となっていることを、低温処理船舶にあっては船倉ごとに4か所(複数デッキにあっては、デッキごとに3か所)以上、低温処理コンテナーにあってはコンテナーごとに3か所以上の生果実について確認すること。
(エ) (ウ)の確認後にスペイン植物防疫機関により温度記録計の封印がなされたことを確認すること。
(オ) (ウ)の確認後にスペイン植物防疫機関により告示6の(2)の封印がなされたことを確認すること。
(カ) 低温処理コンテナーにあっては、スペイン国植物防疫機関により植物検疫証明書に告示6の(3)の封印の記号・番号が記載されていることを確認すること。
ウ 消毒の終了の確認
植物防疫官は、告示5の(2)のイの輸入港における消毒の終了の確認は、次により、原則としてスペイン植物防疫機関と共同して行うものとする。
(ア) 告示6の封印がなされていることを確認すること。
(イ) 低温処理コンテナーにあっては、告示6の(3)の封印の記号・番号を植物検疫証明書の記載と照合するとともに、当該封印がなされていることを確認すること。
(ウ) 当該船舶の船倉又は低温処理コンテナーごとの自動温度記録装置の記録紙を調査し、生果実中心部の温度が、レモン及びクレメンティンについては16日間摂氏2度以下、ネーブル種、バレンシア種及びサルスティアーナ種のスウィートオレンジについては17日間摂氏2度以下であったことを確認すること。
(エ) (ウ)の確認の結果、告示4の消毒日数が当該コンテナーの卸下までに満たされていないことが判明した場合であって、当該コンテナーの卸下前又は卸下後、遅滞なく、スペイン植物防疫機関から、当該コンテナーの卸下された輸入港のコンテナーターミナル内において消毒を継続することを希望する旨の書面又は電子メールによる申出があり、当該コンテナーの卸下後、遅滞なく、当該生果実を所有し、又は管理する者から検査申請書が提出され、当該コンテナーの記号・番号、告示6の封印の記号・番号、消毒を継続する場所及び期間並びに当該コンテナーにき裂、損傷等がないことが確認できたときには、卸下後の消毒の継続を認めるものとする。ただし、植物防疫官が必要と判断する場合は、海上コンテナー詰輸入植物等検疫要領(昭和47年8月24日付け47農政第4502号農政局長通達)第6に定めるコンテナーターミナル内の一定の場所において、輸入検査に先立ち、当該コンテナーにき裂、損傷等がないことを確認するものとする。卸下後の消毒の継続を認めたときは、スペイン植物防疫機関から消毒終了の連絡があり次第、(ウ)に準じて消毒の終了の確認を行うものとし、消毒が完全に行われていないことが判明したときは、当該生果実を輸入禁止品として取り扱うものとする。
(オ) 輸入港における確認で消毒が完全に実施されていないことが判明した場合には、当該生果実を輸入禁止品として取り扱うものとする。
(エ) (ウ)の確認の結果、告示4の消毒日数が当該コンテナーの卸下までに満たされていないことが判明した場合であって、当該コンテナーの卸下前又は卸下後、遅滞なく、スペイン植物防疫機関から、当該コンテナーの卸下された輸入港のコンテナーターミナル内において消毒を継続することを希望する旨の書面又は電子メールによる申出があり、当該コンテナーの卸下後、遅滞なく、当該生果実を所有し、又は管理する者から検査申請書が提出され、当該コンテナーの記号・番号、告示6の封印の記号・番号、消毒を継続する場所及び期間並びに当該コンテナーにき裂、損傷等がないことが確認できたときには、卸下後の消毒の継続を認めるものとする。ただし、植物防疫官が必要と判断する場合は、海上コンテナー詰輸入植物等検疫要領(昭和47年8月24日付け47農政第4502号農政局長通達)第6に定めるコンテナーターミナル内の一定の場所において、輸入検査に先立ち、当該コンテナーにき裂、損傷等がないことを確認するものとする。卸下後の消毒の継続を認めたときは、スペイン植物防疫機関から消毒終了の連絡があり次第、(ウ)に準じて消毒の終了の確認を行うものとし、消毒が完全に行われていないことが判明したときは、当該生果実を輸入禁止品として取り扱うものとする。
(オ) 輸入港における確認で消毒が完全に実施されていないことが判明した場合には、当該生果実を輸入禁止品として取り扱うものとする。
エ 植物検疫証明書
植物防疫官は、アの(ア)により検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエがないこと、イにより告示4の消毒が開始されたこと並びにウにより当該消毒が終了されていることを確認したときは、植物検疫証明書の余白に氏名を付記する。
4 こん包
告示6の(1)のこん包に通気孔を設ける場合は、次のいずれかの方法によるものとする。
ア 通気孔に網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。以下同じ。)が張られているこん包を使用すること。
イ 生果実をこん包に収納する前に包装材料(通気孔を設けているものにあっては、孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)で包み込むこと。
ウ こん包又は束ねたこん包全体を網で覆うこと。
5 表示
告示7の表示は、それぞれ次の様式によるものとし、こん包の側面等の見やすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるものとする。
(1) 輸出植物検疫終了の表示
| PLANT QUARANTINE SPAIN |
(2) 仕向地の表示
FOR JAPAN
6 輸入検査
(1) 植物防疫官は、輸入港において、輸入された生果実及び添付されている植物検疫証明書を確認して輸入検査を行うものとする。
(2) 植物防疫官は、植物検疫証明書が添付されていない場合、告示4の(2)の消毒が適切に行われていない場合、告示5の植物防疫官による確認が行われていない場合、告示6の封印がなされていない場合、告示7の表示がなされていない場合、こん包が破損している場合(低温処理船舶又は低温処理コンテナーにおいて消毒が行われたときを除く。)又は低温処理コンテナーにき裂、損傷等があった場合は、当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、当該生果実の廃棄又は返送を命ずるものとする。
(3) (1)及び(2)以外の輸入検査の手続及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第 206号)によるものとする。
(4) 植物防疫官は、チチュウカイミバエが発見された場合には、次により措置するものとする。
ア 当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、チチュウカイミバエが発見された荷口全量の廃棄又は返送を命ずること。
イ チチュウカイミバエが付着した原因について、スペイン植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは、以後の輸入検査を中止すること。




