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植物防疫所

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アメリカ合衆国産りんご生果実に関する植物検疫実施細則

〔平成06年8月22日 6農蚕第5026号 農蚕園芸局長通達〕
沿革
平成10年4月1日 10農産第2747号 [一部改正]
平成11年7月30日 11農産第4566号 [一部改正]
平成14年1月29日 13生産第8103号 [一部改正]
平成16年6月30日 16消安第2833号 [一部改正]
平成17年8月25日 17消安第5008号 [一部改正]
令和元年12月9日 元消安第3837号 [一部改正]
植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第25のアメリカ合衆国産のりんごの生果実に係る植物検疫の実施については、平成9年3月10日農林水産省告示第 354号(以下「告示」という。)で規定するもののほか、この細則に定めるところによる。
 
1  消毒施設
   告示4の生産地における消毒のための施設は、次の(1)及び(2)の条件を満たすものとする。
(1)ワシントン州、オレゴン州又はカリフォルニア州内にあること。
(2)次の条件を満たしているものとしてアメリカ合衆国植物防疫機関により適切に指定され、かつ、このことが日本
   国植物防疫機関宛てに通知されること。

   ア  低温処理施設
   (ア)生果実の中心部の温度を所定温度に保持できるものであること。
   (イ)部屋内の温度(冷却風の入口及び出口の2か所)及び生果実内の温度(部屋中央の積荷の中心部及び最上部の角
       並びに冷却風の出口付近の積荷の中心部及び最上部の角の4か所)について外部から随時確認できる自動温度記録
       装置を有するものであること。
   (ウ)(イ)の自動温度記録装置は、少なくとも4時間ごとに摂氏0.1度単位で記録でき、かつ、較正後2か月以上は摂
        氏±0.1度の精度を保持できるものであること。
   イ  くん蒸施設
   (ア)くん蒸中一定のガス濃度を保持しうる気密性を有することが、次のいずれかの方法で確認されたものであること。
        ただし、当該施設が、りんごの生果実の輸出シーズン前に日本向けのさくらんぼ又はネクタリンの生果実のくん蒸
        施設の条件を満たすものとして認められ、かつ、使用されたものである場合は、気密性の確認を省略することがで
        きるものとする。
        当該施設の内容積1立方メートル当たり臭化メチルを10グラム使用して空くん蒸を行い、臭化メチルの投薬完了
        後から48時間後に施設内の上、中、下3点のガス濃度を測定したときの平均値が、投薬完了直後の濃度の70パーセ
        ント以上となるものであること。
        当該施設内の圧力をケロシン又はこれと同等の比重を持つ液体の液柱が50ミリメートルになるまで上げたとき
        に、この液柱が5ミリメートルに下がるまでに要する時間が、22秒以上となるものであること。
(イ)くん蒸施設内のガス濃度を外部から測定できる構造であること。
(ウ)くん蒸施設内のガス濃度を均一にする装置及び消毒終了後速やかにガスを排出する装置を有するものであること。
(エ)臭化メチルの投薬装置が設置されているものであること。
(オ)くん蒸施設内及びくん蒸施設内の生果実温度を外部から随時測定できる装置を有するものであること。

2  こん包及びこん包場所
(1)こん包
     告示6の(1)のこん包は、過去に使用されていないこん包材料及び包装材料を使用するものとし、通気孔を設ける場
   合には、次のいずれかの条件を満たしているものとする。
   ア  生果実がポリエチレン製の包装材料で包み込まれた状態でこん包されていること。
   イ  通気孔に網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)が張られていること。
   ウ  各こん包又は束ねたこん包全体が網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)で覆われていること。
(2)こん包場所
     告示6の(2)のこん包場所は、次の条件を満たすものとする。
   ア  ワシントン州、オレゴン州又はカリフォルニア州内にあること。
   イ  消毒終了後にこん包される場合には、次の条件を満たしているものとしてアメリカ合衆国植物防疫機関により指定さ
     れ、かつ、このことが日本国植物防疫機関宛てに通知されること。
   (ア) ワシントン州及びオレゴン州においては11月1日から3月31日までの間、カリフォルニア州においては10月11日か
        ら2月末日までの間を除き、窓等の開口部にはすべて網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)が張ら
        れている等、コドリンガの侵入を防止するための設備があること。
   (イ) ワシントン州及びオレゴン州においては11月1日から3月31日までの間、カリフォルニア州においては10月11日か
        ら2月末日までの間を除き、適宜、殺虫剤で消毒され、コドリンガの発生が無い状況が保たれること。
   (ウ) 生果実のこん包を開始する前に、日本向けの処理基準を満たさない生果実、葉、枝が無いよう清掃されること。
   (エ) 生果実がこん包されている間は、告示4の消毒済みの生果実のみが取り扱われること。
(3)こん包前の生果実の移動
     こん包前の生果実が一時保管される場合又は低温処理施設、くん蒸施設及びこん包場所の間で移動される場合、ワシ
   ントン州及びオレゴン州においては11月1日から3月31日までの間、カリフォルニア州においては10月11日から2月末日
   までの間を除き、コドリンガの寄生を防止する措置が行われること。

3  アメリカ合衆国植物防疫機関による消毒の確認
   告示4の(1)から(3)までの消毒は、それぞれ次の要件が満たされるように行われ、かつ、このことをアメリカ合衆国
 植物防疫機関が適切に確認するものとされている。
(1)告示4の(1)の低温処理による消毒
   ア  生果実の消毒は、日本向け以外の生果実から隔離して行われること。また、当該消毒は、低温処理中の生果実の入れ
     替えが生じないよう、低温処理施設を施錠又は密封して行われていること。
   イ  予備冷蔵により、各部屋の中央の積荷の中心部及び最上部の角並びに冷却風の出口付近の積荷の中心部及び最上部の
     角に配置された4か所以上の生果実の中心部の温度が、摂氏2.2度以下になったこと。
   ウ  イで生果実の中心部の温度が摂氏2.2度以下になった後、55日間連続して生果実の中心部の温度が摂氏2.2度以下で
     あったこと。
   エ  ウの生果実の中心部の温度が、原則として1日1回以上、確認されたこと。ただし、イの後に温度記録計が封印された
     場合は、ウの期間を経過した後に当該期間中の生果実の中心部の温度が確認されたことにより、これに代えることがで
     きるものとする。
   オ  消毒の開始前に温度計が適切に較正されたこと。
(2)告示4の(2)のくん蒸による消毒
   ア  所定の薬量及び温度条件の下に所定の時間くん蒸が行われたこと。
   イ  ガス濃度の測定に用いられるパイプは、収着性の小さい材質であるとともに、測定点としてくん蒸施設中央部の上、
     中及び下の3点の空間部に設置されたものであること。
   ウ  0.5mg/ℓ以上の精度を有し、かつ、適切に較正されたガス濃度測定機器が使用されたこと。
   エ  生果実の積付けが、ガス濃度の均一化を阻害しないよう行われたこと。
   オ  くん蒸中は、常時ガスの循環が行われたこと。
   カ  くん蒸施設内の臭化メチルの濃度をグラム毎立方メートル(ミリグラム毎リットル)で表した数値とくん蒸時間数と
     の積(以下「CT値」という。)が、くん蒸中のガス濃度から次により計算されたものであって、かつ、所定の値以上で
     あること。この場合において、当該ガス濃度はイにおいて定める3点の臭化メチル濃度を測定し、その3点の平均測定値
     を用いたものであること。

       CT値(mg・h/ℓ)=(7.5 C 15 + 22.5 C 30 + 45 C 60 + 30 C 120 )/60
       Cn:n分後のガス濃度(mg/ℓ)

   キ  カにより求めたCT値が所定の値を下回った場合は、次の計算式により求めた分くん蒸時間が延長されたこと。この
     場合、延長時間は5分単位で切り上げること。

       延長時間(分)=60(85.5-CT値)/C 120

   ク  こん包してくん蒸する場合には、日本国植物防疫機関が認めたこん包材が使用されたこと。
(3)告示4の(3)のくん蒸による消毒
   ア  所定の薬量及び温度条件の下に所定の時間くん蒸が行われたこと。
   イ  1回に処理する生果実の量がくん蒸施設の内容積の50.9パーセントを超えず、かつ、積付けがガス濃度の均一化を阻
     害しないように行われたこと。
   ウ  くん蒸中は、常時ガスの循環が行われたこと。

4  アメリカ合衆国植物防疫機関による検査及び保管
(1)告示3の(1)の検査は、アメリカ合衆国植物防疫機関が次のとおり行うものとされている。
   ア  生果実は、告示4の生産地における消毒が適切に行われたものであることを確認すること。
   イ  こん包は、2の(1)の条件を満たすこん包であることを確認すること。
   ウ  生果実のこん包数の2パーセント以上について、萎れた生果実及び検疫有害動植物(特に、コドリンガ、アメリカリ
     ンゴコシンクイ、リンゴミバエ及び火傷病)の有無を確認すること。
   エ  ウの確認の結果、萎れた生果実が発見された場合には、ヨード・デンプン法により当該生果実の成熟検査を行い、未
     成熟果の混入がないことを確認すること。
(2)(1)のウの確認の結果、検疫有害動植物(特に、コドリンガ、アメリカリンゴコシンクイ、リンゴミバエ及び火傷
   病)が発見されたときは、当該生果実を含む荷口に対する植物検疫証明書は発行されないものとされている。また、確
   認された萎れた生果実が未成熟果であったときは、当該生果実が収穫された栽培ブロックと同一のブロックで栽培された
   生果実に対する植物検疫証明書は発行されないものとされている。
(3)(1)のウの確認の結果、コドリンガ又は火傷病が発見された場合には、その原因が調査され、再発防止策について日
   本とアメリカ合衆国の間で合意されるまで、植物検疫証明書は発行されないものとされている。
(4)(1)の検査が終了したこん包の保管は、次の要件が満たされるように行われ、かつ、このことをアメリカ合衆国植物
   防疫機関が適切に確認するものとされている。
   ア  保管場所は、ワシントン州、オレゴン州又はカリフォルニア州内にあること。
   イ  輸出者の低温貯蔵施設において、日本向け以外のこん包と分離された区画で保管されること。
   ウ  イの区画の管理責任者が定められていること。

5  植物防疫官による確認
   告示5の植物防疫官による確認は、原則として1年に1回以上、(1)及び(2)の条件が満たされていること並びに(3)
 から(5)までが適切に行われていることを、アメリカ合衆国植物防疫機関の実施記録の確認等により行うものとする。植
 物防疫官が必要と認めたときは、さらに、立会いや関係者への聞き取りによりアメリカ合衆国植物防疫機関による消毒施設
 及びこん包場所の指定の状況並びに検査、消毒の実施を実地で確認するものとする。
(1)1において日本国植物防疫機関宛てに通知された施設は、1の指定条件を満たしていること。
(2)2の(2)において日本国植物防疫機関宛てに通知されたこん包場所は、2の(2)の指定条件を満たしていること。
(3)2の(3)のこん包前の生果実の移動の要件が満たされていること。
(4)3のアメリカ合衆国植物防疫機関による消毒の確認が適切に行われていること。
(5)4のアメリカ合衆国植物防疫機関による検査及び保管が適切に行われていること。

6  表示
   告示7の表示は、それぞれ次の字句によるものとし、こん包又は束ねたこん包の側面等の見やすい場所に、容易に確認で
 きる大きさで表示されるものとする。
(1)輸出植物検疫終了の表示
     Treated PPQ- APHIS-USDA
(2)仕向地の表示
     For Japan

7  輸入検査
(1)植物防疫官は、輸入港において、生果実、添付されている植物検疫証明書、告示6の(3)の封印及び告示7の表示を
   確認することにより輸入検査を行うものとする。
(2)植物防疫官は、(1)において、植物検疫証明書が添付されていない場合、告示6の(3)の封印がなされていない場合
   若しくは告示7の表示がなされていない場合、又はこん包が破損している場合には、当該生果実の廃棄又は返送を命ずる
   ものとする。
(3)(1)及び(2)以外の輸入検査の手続き及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第 206
   号)によるものとする。
(4)コドリンガ、アメリカリンゴコシンクイ、リンゴミバエ又は火傷病が発見された場合、植物防疫官は、当該生果実を所
   有又は管理する者に対し、当該荷口について、全量の廃棄又は返送を指示するものとする。
(5)コドリンガ又は火傷病が発見された場合、植物防疫官は、コドリンガ又は火傷病が発見された原因をアメリカ合衆国植
   物防疫機関と共同して調査し、再発防止策について日本とアメリカ合衆国の間で合意されるまで、以後の輸入検査を中止
   するものとする