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植物防疫所

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ジャガイモシロシストセンチュウ再発防止対策指導要領

沿革
令和2年4月23日2消安第401号
令和3年1月12日 2消安第4283号
令和2年4月23日付け2消安第401号
農林水産省消費・安全局長通知

第1 趣旨
ジャガイモシロシストセンチュウ(以下「Gp」という。)については、ジャガイモシロシストセンチュウの緊急防除に関する省令(平成28 年農林水産省令第61 号。以下「省令」という。)により、北海道内において緊急防除を実施しているところである。Gpの発生が確認されたほ場のうち、防除対策によりGpの密度が十分に低下したほ場(以下「検出限界以下ほ場」という。)では、省令第3条の規定により、作付けの禁止措置が解除されるが、今後は、これらのほ場でGpを再発させないための取組を、当該ほ場の所有者又は管理者が将来にわたって実施することが重要となる。このため、検出限界以下ほ場でのGpの再発を防止することを目的として、都道府県、市町村又は農業者団体は、検出限界以下ほ場の所有者又は管理者に対して、本要領の定めるところにより、Gp再発防止対策の指導を実施するものとする。

第2 防除指導
1 都道府県等による防除指導
(1)都道府県、市町村又は農業者団体は、植物防疫所と連携し、検出限界以下ほ場のうち、省令第2条の緊急防除を行う区域(以下「防除区域」という。)内に存するほ場の所有者又は管理者に対して、「ジャガイモシロシストセンチュウの緊急防除の実施について」(平成28 年9月26 日付け28 消安第2731 号農林水産省消費・安全局長通知。以下「局長通知」という。)第12 により、指導を行う。
(2)防除区域から除外された地域においては、都道府県、市町村又は農業者団体は、植物防疫所と連携し、検出限界以下ほ場の所有者又は管理者に対して、以下の指導を行う。
ア 検出限界以下ほ場から車両、農機具等を移動する際は、土の付着がないことを確認することにより、土の飛散防止を図ること。なお、車両、農機具等を洗浄する場合は、その過程で生じた排水が検出限界以下ほ場以外に流出しないよう留意すること。
イ 第4の2の(1)に該当するものを検出限界以下ほ場から移動する際は、アに準じて土の飛散防止を図ること。
ウ 第4の2の(1)に該当するもの、車両、農機具等にGpが付着し、又は付着しているおそれがあると認めた場合は、速やかに、植物防疫所にその旨を報告すること。
エ 検出限界以下ほ場において、なす科植物の栽培を行う場合は、Gpに対して相当の抵抗性を有していると認められる品種を選択するとともに、なす科植物以外の植物を組み合わせて3年以上の輪作体系を組み、なす科植物の連作を行わないようにすること。
オ なす科植物の地下部がほ場内に残存しないよう収穫時の除去を徹底すること。
カ 検出限界以下ほ場において植物を栽培する場合にあっては、その栽培前に、圧雪により土壌を凍結させる処理を実施すること等により、前年度以前にほ場内に残存したなす科植物の地下部の除去を徹底すること。
キ 検出限界以下ほ場において植物を栽培する場合であって、その栽培期間中に前年度以前に栽培されたなす科植物の地下部等から生育してきたなす科植物があった場合は、その除去を徹底すること。
2 Gp再発防止対策の実施計画
(1)検出限界以下ほ場の所有者又は管理者は、1の防除指導の内容を踏まえ、当該ほ場におけるGpの再発防止対策の実施計画(以下「再発防止計画」という。)を6年分以上作成し、次のいずれかに提出すること。
ア 当該ほ場の所在地又は当該ほ場の所有者若しくは管理者の居住地を管轄する市町村
イ 当該ほ場の所有者又は管理者が所属する農業者団体
(2)市町村又は農業者団体は、検出限界以下ほ場の所有者又は管理者から提出された再発防止計画を別記様式第1号にとりまとめ、植物防疫官によりGpの密度が検出限界以下となったことが確認されてから最初の5月末までに、都道府県を経由して、植物防疫所に提出すること。
(3)市町村又は農業者団体は、(2)で提出した再発防止計画に変更が生じた場合は、作付けをする前年度末までに、都道府県を経由して、植物防疫所に報告すること。ただし、初年度における変更については、変更した後速やかに、都道府県を経由して、植物防疫所に提出すること。

第3 植物防疫官による調査
1 調査の実施
(1)植物防疫官又は植物防疫員は、検出限界以下ほ場において、以下を調査する。
ア 提出された再発防止計画のとおり、Gpを再発させないための対策が適切に実施されていること。
イ 土壌検診を実施し、Gpが検出されないこと。
なお、土壌検診は、輪作体系の中で実施したGpを再発させないための対策の効果を確認するために実施するものであることから、検出限界以下ほ場ごとの輪作体系を踏まえつつ、原則、検出限界以下となってから3年目以降に実施する。
(2)植物防疫官又は植物防疫員による調査の方法は、植物防疫所長が別途定めるものとする。
(3)植物防疫官又は植物防疫員による調査は、(1)のア及びイの両方が確認できたほ場から順次終了する。
2 調査結果の通知
(1)土壌検診結果の通知
植物防疫官は、1の(1)のイの土壌検診を実施した場合、その結果を記載した検出限界以下ほ場における土壌検診結果通知書(別記様式第2号)を当該土壌検診を実施したほ場の所有者又は管理者並びに都道府県、市町村及び農業者団体の担当者に交付する。
(2)調査結果の通知
植物防疫官は、1の調査が全て終了した場合、その結果を記載した検出限界以下ほ場における調査結果通知書(別記様式第3号)を当該調査を実施したほ場の所有者又は管理者並びに都道府県、市町村及び農業者団体の担当者に交付する。
3 調査結果の報告
検出限界以下ほ場の所在地を管轄する植物防疫所長は、2の(2)の通知を行った年度ごとにその結果を取りまとめ、各年度末までに別記様式第4号により植物防疫課長に報告する。

第4 生産物の取扱い
1 防除区域内においては、2の(1)に掲げるもの(以下「確認対象植物」という。)及びその容器包装を防除区域以外の地域へ移動させようとする者は、省令第5条第1項の規定により、植物防疫官による検査を受けなければならない。
2 防除区域から除外された地域においては、確認対象植物及びその容器包装を検出限界以下ほ場から移動させようとする者は、第3の調査が終了するまでの間、(2)により植物防疫官又は植物防疫員による確認を受けるものとする。
(1)確認対象植物
ア 検出限界以下ほ場で生産されたなす科植物の生塊茎等の地下部
イ 検出限界以下ほ場で生産されたなす科植物以外の植物の地下部のうち土の付着したもの
ウ 検出限界以下ほ場以外のほ場で生産された植物の地下部であって、検出限界以下ほ場で生産された植物の地下部のうち土の付着したものと混在したもの
(2)確認の実施
ア 確認の申請
植物防疫官は、確認対象植物及びその容器包装(以下「確認対象植物等」という。)の確認を受けようとする者に対し、当該確認を受けようとする日の2日前までに、検出限界以下ほ場の所在地を管轄する植物防疫所に確認申請書(別記様式第5号)を提出するよう要請する。なお、確認の申請は、農業者団体を経由して行うことができる。
イ 確認の期日及び場所
植物防疫官は、確認を申請した者に対し、確認の期日及び場所を通知する。
ウ 確認の実施
(ア)加工工場又は選果場(以下「加工工場等」という。)に搬入される確認対象植物等
植物防疫官又は植物防疫員は、確認の申請に係る確認対象植物等について、次に掲げる措置が確実に講じられるものであると認められることを確認する。なお、bが適切に行われることの植物防疫官による確認は、確認対象植物等を運搬する車両のおおむね10 %以上を確認することにより行うものとする。
a 確認の申請に係る確認対象植物の全量及びその容器包装が、次に掲げることが確実に実施されると認められる加工工場等に搬入されること。
(a)確認の申請に係る確認対象植物の残さ及び当該確認対象植物の容器包装が適切に処分されること。
(b)確認の申請に係る確認対象植物等に付着した土について、加工工場等の敷地外に飛散しないための管理が適切に行われること。
(c)確認対象植物の洗浄等の過程で生じた排水について、Gpが加工工場等の敷地外に分散しないための管理が適切に行われること。
b 加工工場等への搬入に使用する車両は、車体及びタイヤに付着した土を洗浄等により除去すること、密閉型コンテナーを使用すること、荷台を幌で覆うこと等により、その移動中に土の飛散や荷口の落下が起きないための管理が適切に行われること。
(イ)加工工場等に搬入されない確認対象植物等
植物防疫官又は植物防疫員は、確認の申請に係る確認対象植物等について、Gpが付着していないことを確認する。なお、植物防疫官による確認は、抽出(当該確認対象植物等の数量のおおむね2%以上)により行っても差し支えない。
エ 確認対象植物等確認結果通知書の交付及び移動検査合格証印の表示
植物防疫官は、ウの結果、Gpのまん延を防止するための適切な措置が講じられていると認めた場合は、当該確認対象植物等に係る確認申請書を提出した者に対し、確認対象植物等確認結果通知書(別記様式第6号)を交付し、当該確認対象植物又はその容器包装に植物検疫確認済印(別記様式第7号)を表示する。
なお、確認結果通知書の交付は、農業者団体等を経由して行うことができる。
(3)確認実績の報告
検出限界以下ほ場の所在地を管轄する植物防疫所長は、年度ごとに、確認対象植物等の確認実績を取りまとめ、翌年度の4月末までに別記様式第8号により植物防疫課長に報告する。
(4)その他
植物防疫官及び植物防疫員は、確認対象植物等がGpのまん延防止対策が適切にとられずに移動されたことを確認した場合は、当該移動制限植物及びその容器包装の所有者又は管理者に対し、速やかにGpのまん延防止措置を講じるよう要請する。

別記様式第1号
別記様式第2号
別記様式第3号
別記様式第4号
別記様式第5号
別記様式第6号
別記様式第7号
別記様式第8号