〔令和5年9月25日 5消安第3556号 消費・安全局長通知〕
(目的)
第1 植物防疫法(昭和25年法律第151号)に基づく消毒を的確かつ安全に行うために必要となるくん蒸の専門的な知識及び実務を習得させることを目的として、植物検疫くん蒸における危害防止対策要綱(昭和43年4月22日付け43農政B第699号農政局長通達。以下「危害防止対策要綱」という。)に規定する植物検疫くん蒸作業主任者専門講習(以下「専門講習」という。)を円滑かつ整一に実施するため、この要綱を定める。
(講習の実施者及び講習実施管理者)
第2 専門講習の実施者は、植物防疫所長(那覇植物防疫事務所長を含む。以下同じ。)とする。
2 植物防疫所長は、植物防疫所(那覇植物防疫事務所を含む。以下同じ。)の職員のうちから講習実施管理者を定め、専門講習の実施に必要な事項を指示するものとする。
3 講習実施管理者は、専門講習の実施を直接管理するものとする。
(講習の科目等)
第3 専門講習の科目及び範囲は、別表1に定めるところによるものとする。
2 専門講習の科目のうち「植物検疫くん蒸の実務に関する知識」は、次の専門課程から成るものとし、2つ以上重ねて受講することができるものとする。
(1) 本船くん蒸
(2) はしけくん蒸
(3) サイロくん蒸
(4) 倉庫くん蒸
(5) 木材天幕くん蒸
(6) 青酸ガスくん蒸
(7) 燐化アルミニウムくん蒸
3 専門講習は、毎年1回開催するものとする。
4 植物防疫所長は、専門講習の科目中「植物検疫くん蒸の実務に関する知識」については、受講者から提出された植物検疫くん蒸作業主任者専門講習受講申込書(以下「受講申込書」という。)に記載された専門課程のみを受講させるものとする。
5 専門講習は、講習実施管理者が作成する講習資料等を用いて、受講生に自ら学習させ、各科目の知識を習得させることができるものとする。
(講習の受講資格)
第4 専門講習を受けることができる者は、次の各号に該当するものとする。
(1) 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)及び労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に基づく特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習(以下「技能講習」という。)を修了しているか、又は修了が見込まれる者。
ただし、専門課程のうち燐化アルミニウムくん蒸のみを受講しようとする者にあっては、この限りではない。
(2) 所属する植物検疫に関する防除業者等から推薦がある者。
(講習期日の公表)
第5 植物防疫所長は、専門講習の実施に先立ち、専門講習の期日を定め、植物防疫所ウェブサイトへの掲載により公表するものとする。
(受講手続等)
第6 植物防疫所長は、専門講習を受講しようとする者に対し、講習期間の1か月前までに、受講申込書(別記様式1)を植物防疫所に提出させるものとする。
2 受講申込書には、第3第2項(1)から(7)までに規定する専門課程のうち受講しようとする専門課程を1つ以上記載させるとともに、その者の所属する植物検疫に関する防除業者等の推薦状を添付させるものとする。
3 植物防疫所長は、受講申込書の提出があった場合には、受講資格等必要な事項を審査し、適格と認めた者に対して植物検疫くん蒸作業主任者専門講習受講票(別記様式2)を交付するとともに、受講者名簿(別記様式3)に記載するものとする。
(修了試験の実施)
第7 植物防疫所長は、専門講習の終了後、当該専門講習を受講した者に対して、修了試験を行うものとする。
2 専門講習の修了試験は、専門課程以外の全科目及び受講した専門課程について行うものとする。
3 修了試験は、専門講習の終了後おおむね1か月以内に行うものとする。
(修了試験の方法等)
第8 修了試験は、筆記試験、実技試験及び口述試験により行い、非対面で実施できるものとする。
2 修了試験の問題は、植物防疫所長が作成するものとする。
(修了試験の合格基準)
第9 修了試験の合格基準は、別表2に定めるところによるものとする。
(講習修了証の交付)
第10 植物防疫所長は、専門講習の修了試験に合格した者に対して、合格した専門課程名を記載した植物検疫くん蒸作業主任者専門講習修了証(別記様式4。以下「講習修了証」という。)を交付し、講習修了証交付台帳(別記様式5。以下「台帳」という。)に記載するものとする。ただし、既に講習修了証の交付を受けている者にあっては、これに当該合格した専門課程名を追加して記載することをもって交付に代えるものとする。
2 専門講習の修了試験に合格した者のうち、技能講習を修了していない者については、講習修了証の作成及び台帳への記載は行わず、当該専門講習を実施した植物防疫所において合格した旨の記録を行うものとする。
3 前項に規定する者が技能講習を修了した場合の講習修了証の交付については、第1項の規定を準用するものとする。
(講習修了証の再交付又は書替)
第11 植物防疫所長は、講習修了証の交付を受けた者で、これを滅失し、若しくは汚損し、又は氏名、所属事業所等の記載事項を変更した者から植物検疫くん蒸作業主任者専門講習修了証再交付・書替申込書(別記様式6)に必要書類を添付して提出があったときは、台帳と照合し、当該講習修了証の再交付又は書替を行うものとする。
(講習の実施報告)
第12 植物防疫所長は、専門講習を実施し、かつ、修了試験を終了したときは、その概要を植物防疫課長に対して、別記様式7により報告するものとする。
(講習修了証の有効期限)
第13 講習修了証の有効期限は、専門課程ごとにそれぞれ交付(第12による再交付を除く。)をした年の翌年から3年間とする。
(再講習)
第14 一般社団法人日本くん蒸技術協会(以下「協会」という。)は、新たに開発され、又は改善されたくん蒸技術及び危害防止対策の普及及び定着を図るために、別表3の基準に従って、講習(以下「再講習」という。)を年1回開催するものとされている。
2 植物防疫所長は、専門講習修了者について、その資質を維持し、検疫くん蒸技術の進歩に対応する知識を付与することを目的として、再講習を受講させるものとする。
3 再講習は、講習修了証の有効期限が終了するまでに受講させるものとする。
4 植物防疫所長は、毎年、再講習受講対象者を一般社団法人日本くん蒸技術協会長に通知するものとする。
5 協会は、毎年、再講習を実施しようとする期日の1か月前までに再講習実施計画書(別記様式8)を、再講習終了後遅滞なく再講習実施報告書(別記様式9)を、それぞれ当該再講習の実施地を管轄する植物防疫所長に提出するものとされている。
6 植物防疫所長は、再講習を受講した者について、第10第1項(第10第3項において準用する場合を含む。)の規定により交付されている講習修了証及び台帳にその旨の記載を行うものとする。
7 再講習を受講した者に係る講習修了証の有効期限は、受講した年の翌年から3年間とする。
別表1(第3関係) 講習科目等
講習科目 | 範囲 |
植物検疫の概要及び植物検疫関係法令に関する知識 | 植物検疫の目的及び植物防疫法関係法令 |
くん蒸効果の確保に関する知識 | くん蒸効果に影響する要因 |
植物検疫くん蒸の実務に関する知識 | 各専門課程(本船、はしけ、サイロ、倉庫、木材天幕、青酸ガス又は燐化アルミニウムくん蒸)の実務、ガス検定器等の操作方法及び危害防止対策要綱に規定する植物検疫くん蒸作業主任者の職務 |
別表2(第9関係) 修了試験の合格基準
試験の方法 | 講習の科目等 | 合格基準 |
筆記 | 1 植物検疫の概要及び植物検疫関係法令に関する知識 | 筆記試験、実技試験及び口述試験の得点が、それぞれ50%以上であり、かつこれらの合計得点が70%以上であること。ただし、既に専門講習を修了している者にあっては、受講した専門課程についての筆記試験、実技試験及び口述試験の得点がそれぞれ50%以上であり、かつ、これらの合計得点が70%以上であること。 |
2 くん蒸効果の確保に関する知識 | ||
3 植物検疫くん蒸の実務に関する知識 | ||
実技 | 4 植物検疫くん蒸の実務に関する知識のうちがガス検定器等の操作及び実物鑑定 | |
口述 | 5 植物検疫くん蒸の実務に関する知識のうち植物検疫くん蒸作業主任者の職務を遂行するに必要な資質 |
(注)既に専門講習を修了している者については、修了試験のうち3、4、5についてのみ受験させる。
別表3(第14関係) 再講習の科目等
講習科目 | 範囲 |
植物検疫の概要 | 植物類の輸入動向、くん蒸施設の指定状況、海外における病害虫の発生状況、植物検疫で話題となった事項等 |
くん蒸技術及び危害防止対策全般 | 新たに開発、改善されたくん蒸技術、危害防止対策の徹底状況及び重点対策等 |
くん蒸事故例及びその防止対策 | 最近発生した事故の詳細及びその防止対策等 |
関係法令全般 | 植物防疫法関係の法令及び関係通達等 |