沿革
令和5年3月24日 4消安第7162号
(目的及び定義)
第1 植物防疫法(昭和25年法律第151号。以下「法」という。)、植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号。以下「規程」という。)に基づき、規則第5条で定める検疫指定物品の検疫を斉一かつ円滑に実施するため、この要綱を定める。
2 規則第5条に定める「検疫指定物品」の範囲は、別表1に掲げるものとする。
3 この要綱で「輸入」とは、外国から本邦に到着した検疫指定物品を規則第6条第1号及び第2号に定める港及び飛行場(以下「港及び飛行場」という。)に卸下することをいう。ただし、「海上コンテナー詰輸入植物検疫要領」(昭和47年8月24日付け47農政第4502号農政局長通達。以下「海上コンテナー要領」という。)及び「航空コンテナー等積替確認実施要領」(昭和58年9月26日付け58農蚕第5594号農蚕園芸局長通達)の規定による本邦以外の港・空港を仕向地とする積替え(トランシップ、トランジット)のための一時卸下を除くものとする。
4 コンテナーによって海上輸送される検疫指定物品の検疫は、この要綱に定めるもののほか海上コンテナー要領に基づき実施するものとする。
5 法第8条第2項ただし書に基づき植物防疫官が指定する場所は、「植物防疫法第8条第2項ただし書に基づく検査場所の指定要領」(令和5年3月24日付4消安第7163号消費・安全局長通知)に基づき指定された場所(以下「指定港外検査場所」という。)をいう。
6 この要綱は、貨物として輸入される検疫指定物品について適用するものとし、携帯品及び郵便物として輸入される検疫指定物品については、必要に応じて準用するものとする。
7 電子情報処理組織を使用して行われる検査申請手続等については、この要綱に定めるもののほか、「電子情報処理組織による輸入検査関係事務手続要領」(平成9年3月31日付け9農産第2321号農産園芸局長通達)に基づき実施するものとする。
(輸入検査の申請)
第2 規則第10条の規定による検査申請書(規則第4号様式)の提出は、本船の入港又は航空機の着陸後、遅滞なく、当該港又は飛行場において検疫指定物品の検疫を担当する植物防疫所(植物防疫事務所、支所及び出張所を含む。以下同じ。)の植物防疫官(以下「輸入港植物防疫官」という。)に対し、行わせるものとする。
2 前項にかかわらず、検疫指定物品を輸入した者(以下「輸入者」という。)から指定港外検査場所に輸送して法第8条第1項の検査を受けたい旨の申し出があった際は、輸入港植物防疫官から第4に基づく検査前の輸送の認可を得た後に、輸送先の指定港外検査場所を担当する植物防疫所の植物防疫官(以下「指定港外検査場所植物防疫官」という。)に対し、検査申請書を提出させるものとする。
3 1にかかわらず、本船積み輸入検疫指定物品であって、入港した港で法第8条第1項又は第3項の検査(以下「検査」という。)を行う場合にあっては、当該本船の入港予定期日の7日前から、検査申請書の提出を行わせることができるものとする。
4 植物防疫官は、前三項の検査申請書に輸出国の政府機関が発行する検査証明書又はその写しを添付させるものとし、必要と認める場合は、更に、送り状、船荷証券、積荷目録又は航空貨物運送状を添付させるものとする。ただし、指定港外検査場所に輸送して検査を行う場合であって、既に輸入港植物防疫官に当該書類を提出している場合にあってはこの限りでない。
(輸入業務の委任)
第3 植物防疫官は、輸入者が検査の申請、法第9条第1項又は第2項に基づき命令された消毒若しくは廃棄又は規則第12条に基づき指示された運搬、荷造り、荷解きその他の措置を他の者に委任する場合(委任を受けた者を以下 「管理者」という。)には、当該輸入者に、当該業務を管理者に委任したことを確認するものとする。
(検査前の輸送の認可)
第4 輸入者又は管理者(以下「輸入者等」という。)から、指定港外検査場所に輸送して検査を受けたい旨の申し出があったときは、本船の入港又は航空機の着陸後、遅滞なく、輸入港植物防疫官に対し、検疫指定物品輸送計画書(別記様式1)を提出させるものとする。
2 輸入港植物防疫官は、検疫指定物品輸送計画書に輸出国の政府機関が発行する検査証明書又はその写しを添付させるものとし、必要と認める場合は、更に、送り状、船荷証券、積荷目録又は航空貨物運送状を添付させるものとする。
3 輸入港植物防疫官は、輸入者等から検疫指定物品輸送計画書を受理したときは、次に掲げる条件の全てを満たし、かつ、その取締りが可能であると認めるときは、これを行わせることができる。
(1) 輸送先が指定港外検査場所であること。
(2) 輸送を行う際の荷姿は、検疫有害動植物、土又は植物残さ(以下「検疫有害動植物等」という。)の分散が生じ得ない状態であること。
(2) 輸送を行う際の荷姿は、検疫有害動植物、土又は植物残さ(以下「検疫有害動植物等」という。)の分散が生じ得ない状態であること。
(3) 当該検疫指定物品に輸出国政府の検査証明書が添付されており、かつ規則別表1の2の25の項の基準の欄に適合していることについての追記がなされていること。
(4) 輸送に際し、輸入者等により、検疫指定物品の梱包に封印がなされていること。なお、コンテナー輸送の場合には、コンテナーへの封印をもってこれに代えることができる。
(5) 陸路輸送の場合であって、輸送中に事故が生じたときには、検疫指定物品輸送計画書を提出した植物防疫所に直ちに連絡し、必要な措置を講ずる体制が整えられていること。
4 輸入港植物防疫官は、前項に掲げる輸送の条件への適合を確認するに当たって必要があると認めたときは、貨物の状態について確認を行うものとする。(4) 輸送に際し、輸入者等により、検疫指定物品の梱包に封印がなされていること。なお、コンテナー輸送の場合には、コンテナーへの封印をもってこれに代えることができる。
(5) 陸路輸送の場合であって、輸送中に事故が生じたときには、検疫指定物品輸送計画書を提出した植物防疫所に直ちに連絡し、必要な措置を講ずる体制が整えられていること。
5 植物防疫官は、3により指定検疫物品の輸送を認可した場合には、規則第19条第3項に基づき、植物等輸送認可証明書(規則第8号の2様式の(ハ))を交付し、又は植物等輸送認可証印(規則第8号の2様式の(イ))を検疫指定物品輸送計画書に押印するものとする。
6 輸入港植物防疫官は、輸入者等に輸送を行わせる場合は、輸送先の指定港外検査場所植物防疫官に対し、検疫指定物品輸送計画書、2の提出書類及び5の植物等輸送認可証明書(植物等輸送認可証印を押印した検疫指定物品輸送計画書をもってこれに代えることができる。)の写しを送付するものとする。
(検査の通知)
第5 植物防疫官は、第2により検査申請書の提出を受けたときは、規則第11条の規定に基づき、輸入者等に対し、速やかに、検査を行う場所及び期日を通知しなければならない。
(検査の時期)
第6 検査は、法第8条第3項の規定に基づき輸入に先立って行う場合及び指定港外検査場所で行う場合を除き、輸入後遅滞なく実施するものとする。指定港外検査場所で行う場合には、輸送後遅滞なく実施するものとする。
(検査の場所)
第7 検査を行う場所は、当該検疫指定物品が輸入された港若しくは飛行場の中の植物防疫官が指定する場所又は指定港外検査場所とする。
(検査の立会い等)
第8 植物防疫官は、輸入者等を検査に立ち会わせ、規則第12条の規定に基づき当該検疫指定物品の運搬、荷解き、荷造りのほか、被覆の除去、取り出しその他の措置を行わせることができる。
(検査数量及び検査方法)
第9 検査は、当該検疫指定物品の検査荷口ごとに、規程別表第1に掲げる数量について、荷口全ての外観について並びに荷口の一部についてタイヤや連結装置等の土壌及び植物残さの付着しやすい部分を綿密に行うものとし、必要に応じ部品の取り外しや被覆の除去等の方法を用いることとする。
(合格の基準)
第10 検査の結果、当該検疫指定物品が、規程第2条第1項の要件に該当すると認められる場合は、これを合格とする。
(不合格の通知)
第11 植物防疫官は、検査の結果、当該検疫指定物品が規程第2条第1項第1号又は第3号に該当しないと認めたときは、直ちにその旨を輸入者等に通知し、法第9条第1項又は第2項の規定に従い、当該検疫指定物品を消毒し、又は廃棄すべきことを命じなければならない。ただし、検査の結果、当該荷口に検疫有害動植物等の付着がない検疫指定物品が含まれることを認めた場合であって、検疫有害動植物等のまん延及び分散のおそれがないと認めるときは、規程第3条第1項第2号若しくは第4号又は第3項第1号の規定に基づき、当該検疫指定物品に対する消毒又は廃棄の処分を免除することができるものとする。
2 前項の場合において、植物防疫官は、輸入者等の要求があったときは、規則第22条の規定に基づき、消毒又は廃棄命令書(規則第11号様式)に消毒又は廃棄を完了すべき期限その他必要事項を付記して交付するものとする。
3 第1項の場合において、植物防疫官は、輸入者等に、その消毒又は廃棄の実施に先立って消毒又は廃棄計画書(別記様式2)を提出させ、その適否について認定するものとする。
(消毒方法の基準)
第12 第11の処分による消毒(以下「消毒」という。)は、規程第3条第1項第3号又は規程第4条第3項に基づき、別表2の1から4までに掲げる基準のいずれかに基づくものでなければならない。
(消毒を行う場所)
第13 消毒を行う場所は、原則として当該検疫指定物品を検査した港の港頭地域内若しくは飛行場内の植物防疫官が指定する場所又は指定港外検査場所とする。ただし、輸入者等から上記以外の場所へ輸送して消毒したい旨の輸送後消毒申請書(別記様式3)の提出があった場合であって、その場所が港及び飛行場の中の植物防疫官が指定した場所であり、かつ、植物防疫官が検疫有害動植物等の分散防止及び消毒が完全に行われると認めるときは、規則第13条ただし書に基づき、当該場所でこれを行わせることができる。
(消毒を行う場所への輸送)
第14 消毒を行う場所への輸送は、水路により行わせるものとする。ただし、輸入者等から陸路輸送したい旨の申し出があった場合において、植物防疫官が別表3に掲げる検疫有害動植物等の分散防止及び消毒が完全に行われると確認できるときは、これを行わせることができる。
(不合格検疫指定物品の積戻し)
第15 植物防疫官は、第11の規定により消毒又は廃棄を命じた検疫指定物品について、輸入者等から積戻許可申請書(別記様式4)の提出があった場合であって、監督及び取締上適当であると認めるときは、第11第1項の規定にかかわらず、規程第3条第5項の規定に基づき、これを許可することができる。
2 前項の場合において、検疫有害動植物等の分散防止等に係る監督及び取締上必要と認める範囲内で条件を付することができる。
3 前項の条件は、別表3に掲げる基準に基づき定めるものとする。
4 植物防疫官は、第1項の規定による許可をした場合は、その積戻しの事実を確認するものとする。ただし、関税法(昭和29年法律第61号)第75条において準用する同法第67条に基づく積戻申告書の写しの提出があった場合はこの限りではない。
(消毒実施完了の期限)
第16 消毒は、消毒命令後30日間以内に完了しなければならない。 ただし、第14の輸送後消毒を行う場合にあっては、それに要する期間を加えた期間内とする。
(消毒又は廃棄の立会い)
第17 植物防疫官は、第11の規定により消毒又は廃棄を命じたときは、規則第20条の規定に基づき、輸入者等が消毒又は廃棄を実施する際にこれに立ち会うものとする。
(消毒実施の報告)
第18 植物防疫官は、輸入者等が消毒を終了した場合において、消毒実施報告書(別記様式5) を提出させるものとする。
(消毒効果の確認)
第19 植物防疫官は、第18の規定により消毒が終了した旨の報告を受けたときは、その効果について確認を行うものとする。
2 前項の確認の結果、なお検疫有害動植物等があると認めたときは、輸入者等に対し、更に消毒又は廃棄を行わせるものとする。
(輸入認可証明書の交付)
第20 植物防疫官は、輸入者等から輸入認可証明書を発給してもらいたい旨の申し出があり、次の各号の一に該当するときは、検疫指定物品輸入認可証明書(別記様式6(イ))を交付することができる。ただし、植物等輸入認可証印(別記様式6(ロ))を押印した第2の検査申請書の写しをもって検疫指定物品輸入認可証明書に代えることができる。
(1) 第11の1の規定により消毒を命じられた場合で、植物防疫官により同第3項の消毒計画書が適当であると認定された場合
(2) 第13のただし書に該当する場合
(業務の移管)
第21 植物防疫官は、その属する植物防疫所以外の植物防疫所が管轄する区域において消毒又は廃棄を命令する場合は、あらかじめ、当該植物防疫所にその旨連絡し、当該検疫指定物品についての関係書類を一括して送付するものとする。
(合格の証明)
第22 植物防疫官は、第10の規定により当該検疫指定物品を合格としたときは、法第9条第5項及び規則第19条の規定により合格した旨の証明を行うものとする。
附 則
この通知は、植物防疫法の一部を改正する法律(令和4年法律第36号)の施行の日(令和5年4月1日)から施行する。
別表1(第1関係)
別表2(第12関係)
別表3(第14及び第15関係)
別記様式1(第4関係)
別記様式2(第11関係)
別記様式3(第13関係
別記様式4(第15関係)
別記様式5(第18関係)
別記様式6(第20関係)