〔令和5年3月24日 4消安第7163号 消費安全局長通知〕
沿革
(目的)
第1 植物防疫法(昭和25年法律第151号。以下「法」という。)第8条第2項ただし書の規定に基づく検査場所の指定、法第9条第1項又は第2項に基づく消毒を行う場所の指定並びに輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号。以下「規程」という。)第1条の2の規定に基づく植物防疫官の指示を斉一かつ円滑に実施するため、この要領を定める。
(定義)
第2 この要領で「指定港外検査場所」とは、法第8条第1項の検査(以下「輸入検査」という。)を行うため、法第8条第2項ただし書の植物防疫官が指定する場所として植物防疫所長(植物防疫事務所長、支所長及び出張所長を含む。以下同じ。)が指定するものをいう。
2 この要領で「植物等」とは、法第2条第1項に定める植物及び法第6条第1項に基づき植物防疫法施行規則(昭和25年6月30日農林省令第73号。以下「規則」という。)第5条に定める検疫指定物品をいう。
(特別の事由)
第3 法第8条第2項ただし書の特別の事由とは、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
(1) 検疫指定物品であって、規則第6条第1号又は第2号に定める港又は飛行場(以下「港又は飛行場」という。)において輸入検査を行うことにより、当該物品が関税法(昭和29年法律第61号)第67条(輸出又は輸入の許可)の規定による輸入の許可の後の輸送等に支障をきたすおそれがある場合
(2) 国際博覧会等に展示する植物であって、港又は飛行場において輸入検査を行うことにより、当該展示に支障をきたすおそれがある場合
(3) 災害等により港又は飛行場において輸入検査を行うことが困難である場合
(指定基準)
第4 指定港外検査場所の指定は、第3の特別の事由に該当する場合において、港又は飛行場の外にある場所について、別表の基準(以下「指定基準」という。)に基づいて行うものとする。
なお、第3の(3)の事由により指定港外検査場所を指定する場合、植物防疫課長は本要領の規定にかかわらず、その災害等の状況等から適切と考えられる指定方法を植物防疫所長に指示するものとする。
(指定の申請)
第5 植物防疫官は、第4の指定を受けようとする者(以下「申請者」という。)に対し、輸入に先立ち指定港外検査場所指定申請書(別記様式1。以下「申請書」という。)を当該場所の所在地を管轄する植物防疫所長に提出させるものとする。
(審査)
第6 植物防疫所長は、申請者から第5の申請書の提出があったときは、植物防疫官に次の審査を行わせるものとする。
(1) 書類審査
申請書に基づき、当該場所が、指定基準に適合するかどうかを審査するものとする。
なお、審査の結果、当該場所が指定基準に適合しないと認めたときは、(2)の実地審査は行わないものとする。
(2) 実地審査
当該場所が申請書記載事項の内容と合致しているかどうかを現地において審査するものとする。
(審査結果の報告)
第7 植物防疫官は、第6の審査実施後、遅滞なくその結果をとりまとめ、意見を付して植物防疫所長に報告するものとする。
(指定の決定)
第8 植物防疫所長は、第7の報告を受けたときはその内容を審査し、指定基準に適合している場所を指定港外検査場所として指定するものとする。
(指定の通知)
第9 植物防疫所長は、第8の指定を行ったときは、遅滞なく指定港外検査場所指定通知書(別記様式2)をもって申請者に通知するものとする。
(指定の有効期間)
第10 指定港外検査場所の指定は、毎年10月1日に行い、指定の有効期間は指定の日から3年とする。ただし、上記期日以外の日に指定する場合には、指定の有効期間は指定の日から2年経過後の9月30日とする。
2 申請者から当該指定港外検査場所の使用期間が3年に満たない旨の申出等があった場合には、植物防疫所長は有効期間を3年未満とすることができるものとする。
(届出)
第11 植物防疫所長は、指定を受けた指定港外検査場所について、次の事項が生じたときは、当該指定港外検査場所の申請者に対し、遅滞なくその旨を届け出させるものとする。
(1) 申請書の記載事項に変更があった場合
(2) 災害その他の事由により指定港外検査場所の一部又は全部が破損等した場合
(3) 指定港外検査場所を閉鎖した場合
2 植物防疫所長は、前項の届出があったときは植物防疫官に届出事項について指定の変更又は取消しが必要かどうか審査を行わせるものとする。
(指定の取消し)
第12 植物防疫所長は、指定を受けた指定港外検査場所について、次の事項が生じたときは、当該指定港外検査場所の指定の取消しを行うことができる。
(1) 第11第1項の(1)、(2)又は(3)により指定港外検査場所が指定の基準に適合しなくなったとき。
(2) 指定港外検査場所の管理責任者が、取締上必要があるものとして植物防疫官が指示した事項に違反したとき。
(指定の変更又は取消しの通知)
第13 植物防疫所長は、第11第2項により変更の届出があって変更が必要と確認した場合又は第12により指定の取消しを行った場合には、指定港外検査場所変更(取消)通知書(別記様式3)をもって申請者に通知するものとする。
(継続指定の申請)
第14 植物防疫官は、第10の指定の有効期間終了後、引き続き当該指定港外検査場所を使用しようとする者に対し、当該有効期間終了の日の1か月前までに申請書を植物防疫所長に提出させるものとする。
(継続指定の審査並びに指定の決定及び通知)
第15 植物防疫所長は、第14の申請書の提出があったときは植物防疫官に第6の審査を行わせるものとする。ただし、第6の(1)の結果、当該指定港外検査場所に変更がなく、かつ取締上支障がないと認めたときは、第6の(2)を省略することができる。
2 審査結果の報告、指定の決定及び通知については、第7、第8及び第9の規定を準用する。
附 則
この通知は、植物防疫法の一部を改正する法律(令和4年法律第36号)の施行の日(令和5年4月1日)から施行する。
別表 植物等の指定港外検査場所の指定基準
項 目 | 基 準 |
指定港外検査場所の位置 | 植物防疫法施行規則第6条第1号に掲げる港又は同条第2号に掲げる飛行場(以下「港又は飛行場」という。)の外にあること。 |
指定港外検査場所管理責任者 | 植物防疫官が指示した事項を確実に履行しうる責任者がいること。 |
指定港外検査場所までの運搬方法 | 指定港外検査場所までの運搬中に密閉性の保持(※)及び封印を実施できること。 |
運搬機器 | 荷こぼれ等を生じずに運搬及び搬入できる機器及び手段を具備していること。 |
指定港外検査場所の構造・装置 | 1 床面は透水性のないコンクリート等で固められた構造であること。 2 土、植物残さ及び検疫有害動植物が分散しない構造を有していること。 3 検査時に必要な明るさを確保できること。 4 植物等の検査に必要な用具及び手段を具備していること。 5 安全に検査が実施できる場所であること。 |
消毒を命じた場合の措置・運搬 | 検査の結果、消毒を命じた場合、申請者又は指定港外検査場所管理責任者は、植物防疫官の指示に従い、当該指定港外検査場所での消毒又は港若しくは飛行場内の植物防疫官が指定した場所への運搬及び当該場所での消毒等を実施できること。 |
※ 「密閉性の保持」とは、「消毒貨物の積替え陸路輸送取締実施要領」(昭和61年1月30日付け61農蚕第473号農蚕園芸局長通達)の別表1に掲げる基準に適合する密閉型輸送機器に積載されること又はビニールシート等で厳重に被うことにより、密閉性が保たれていることをいう。
別記様式1(第5及び第14関係)
別記様式2(第9関係)
別記様式3(第13関係)