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中国四国農政局

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    令和6年度消費者団体等との意見交換会(高知県)の概要

    中国四国農政局では、消費者団体等との意見交換会を高知市で開催しました。
    概要については、以下のとおりです。

    1. 開催日時、場所

    令和6年6月25日(火曜日) 13時30分~15時30分
    高知地方合同庁舎 2階会議室

    2.行政からの情報提供

    食品ロス削減取組説明及び容器包装高機能化事例の紹介について

    3. 出席者(順不同、敬称略)

    • 高知県連合婦人会
    • 公益社団法人 高知県栄養士会
    • 高知県食生活改善推進協議会
    • JA高知女性組織協議会
    • 株式会社サンプラザ(食品ロス削減取組事業者)
    • 有限会社山本かまぼこ店(食品ロス削減取組事業者)
    出席者計  14名
      消費者団体等    5名
      食品ロス削減取組事業者    2名
      農政局    7名

    4.団体からの取組紹介

    (1)株式会社サンプラザ
      サンプラザは、三年前から「寄附金付き未利用食品モデル構築事業」を行っている。目的は、(ア)スーパーマーケットで発生する刺身などの販売商品の廃棄ロス削減、(イ)スーパーマーケットで販売する商品の一部を対象に、フードバンクなどの食事の確保が困難な方を支援する団体に寄付する仕組みの構築、(ウ)食品ロス削減と生活困窮者支援の二つの社会的課題を解決する仕組みの構築、以上の3点。
      寄付については、豚肉、牛乳など生活必需品や地元商品などを対象商品に設定し、1個購入につき1円寄付し、さらに値引きシール付きなら1円プラスの合計2円を寄付金と設定している。その寄付金はフードバンク等支援団体にサンプラザから送られることを、店内のパンフレットやスポッターなどの掲示用品で消費者に知らせている。
      地元でよく買われるかつおのたたきなどのお刺身は、スーパーでは食品ロスになるものが多く、期限前に値引きシールを貼り購入を促しているが、値引きシールに抵抗があるという主婦の声を考慮し、明るいイメージで広告活動をしながら、「1円寄付しますよ」とアピールしている。まずは、食品ロスが発生することをお客様に理解していただくことが大切。四年目を迎え、少しずつ食品ロス削減やSDGsの方向で浸透し、理解されている消費者が増えているとのこと。
      実際、食品廃棄金額が減少するとスーパーの利益は上がるが、夕方に商品が全くないとお客様離れにつながってしまうため、表裏一体ギリギリのところで経営しているのが実情。
      「食」を扱う企業の担当者として、「食」は有限であることを理解してほしい。現実に「食」の確保ができない問題が起きているため、20年先の時代を考え、食品ロス削減を第一歩として活動を続けている。

    (2)有限会社山本かまぼこ店
      創業1938年、三代続く高知県室戸の蒲鉾製造事業者である。近年は、冷凍技術を生かした長期保存の蒲鉾、常温商品、レトルト商品などを展開し、海外への輸出にも取り組んでいる。
      SDGsに取り組んだきっかけは、地場の魚を活かした商品、特に未利用魚の「シイラ」を利用した商品を作りたい、さらに練り製品の可能性にチャレンジしたいという思いから始まった。地元の工業技術センターの指導と日本財団「海と日本プロジェクト」の支援により、未利用魚の「シイラ」を使った常温で長期保存が可能な商品を開発、販売することができ、結果的にSDGsにつながった。
      以前は青果市場から野菜を取り寄せていたが、季節限定で地元の野菜を活用することを始めた。山本かまぼこ店から、農家と事前協議のうえ農作物の収穫に関する事項を発注し、収穫時期には地元の福祉団体が洗浄、カットを行い、納品までの流れができた。カット野菜を使用するため規格外野菜も活用し、廃棄ロス削減に取り組んでいる。効果として排出ガス削減、地域農業の活用、福祉の雇用にもつながっている。さらに、生ゴミや魚のアラを肥料に利用できないか協議中。
      山本かまぼこ店のこうした取組は、「こうちSDGs推進企業登録制度」に登録して意識が変わり、様々な達成目標を取り入れて企業意識が変わっていったとのこと。
      現在、山本かまぼこ店は、添加物の削減、食品ロス削減などを行うとともに、冷凍保存により長期保存を取り入れたフローズンチルドや冷凍販売手法を行うなど、チャレンジを続けている。

    5.出席者からの主な意見・要望・質問等   

    〇株式会社サンプラザの取組に関する意見

    • 値引きシールが貼ってある商品を手に取るのは気恥ずかしいという方がいる中で、寄付につながるという動機付けはすごく面白い取組だと思った。
    • 寄付につながるのであれば、1個10円、20円、100円にしてもよいのではないか。
    • 地産地消の商品を対象にする理由は、地元を守りたい、地域で消費活動を完結させたいという思いがあるから。地元の食生活を地域の方と一緒に守っていきたい。
    • 食品ロスで恵方巻きが話題になったが、今では予約販売に力をいれているので、ほぼ完売している。
    • 食品ロスになりそうな商品をデリカへ回しているのかと聞かれるが、お客様に安全で安心な商品を届けることが使命と考えており、そういったことは全くしていない。一度売り場で販売したものを引っ込めて使うことはせず、廃棄している。

    〇有限会社山本かまぼこ店の取組に関する意見

    • 生ゴミや魚のアラを肥料に活用することを協議されているが、是非、今後実現していただきたいと思う。
    • 未利用魚の「シイラ」を使用した商品は、たんぱく質が多いので、高齢者に多い健康と要介護の間の「フレイル」の予防にもよく、料理ができない方のためにもそのまま食べられるので、素晴らしい。もっと販路を広げてほしい。

    〇その他の意見

    • 高知県は食材が豊富で、皿鉢(さわち)料理という食文化があり、地域によっても食文化が違う。そんな高知県に生まれてよかったと思い、食文化を守っていきたい。
    • フードドライブを令和4年度、5年度に実施した。商品が回収容器のドラム缶に入りきらないほど集まるので、6年度も続けていきたい。
    • 食品衛生法上、漬け物の出荷が厳しくなり、直売所で販売できない製造者が多くいる。伝統食を守る活動をしているものとしても困っている。

    6.その他(意見交換会写真等)


     
    意見交換会の様子

    意見交換会の様子

    株式会社サンプラザ 長山様による
    食品ロス削減の取組紹介

    有限会社山本かまぼこ店 山本様
    による食品ロス削減の取組紹介

    お問合せ先

    消費・安全部消費生活課
    代表:086-224-4511(内線2322)
    ダイヤルイン:086-224-9428

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