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中国四国農政局

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    令和6年度消費者団体等との意見交換会(山口県)の概要

    中国四国農政局では、消費者団体等との意見交換会を山口市で開催しました。
    概要については、以下のとおりです。

    1. 開催日時、場所

    令和6年11月25日(月曜日) 14時15分~16時20分
    山口地方合同庁舎1号館  1階  共用第2会議室

    2.行政からの情報提供

    円滑な食品アクセスの確保について説明

    3. 出席者(順不同、敬称略)

    • 山口県連合婦人会
    • 山口県地域消費者団体連絡協議会
    • 公益社団法人山口県栄養士会
    • 山口県食生活改善推進協議会
    • JA山口県女性部
    • 山口県漁協女性部
    • 山口県生活協同組合連合会
    • 特定非営利活動法人 ほほえみの郷トイトイ
    • 特定非営利活動法人 フードバンク山口
    出席者計  21名
      消費者団体等    7名
      地域活動団体    2名
      フードバンク団体    1名
      農林水産省消費・安全局    2名(オンライン)
      農政局    9名

    4.団体からの取組紹介

    (1)特定非営利活動法人 ほほえみの郷トイトイ
      山口市阿東地域は、島根県との県境に位置し高齢化率は6割にもなる。トイトイは、そこで暮らす住民が望んでいることを基本に課題解決のための活動をはじめて12年目になる。
      きっかけは14年前、地域唯一のスーパーが撤退し、住民は買物ができない不安とともに出会って話をする場を無くし、孤立していく状況になった。阿東地域の誰もが安心して暮らし続けるためには何を目指すかを明確にし、将来ビジョンをしっかり描いていくことから取組が始まった。
      まずは地域の拠点となる小さなスーパーとコミュニティスペースを作った。歩いて来れない方のために移動販売事業を実施し、地域拠点を核とした事業を構築していった。
    移動販売車を走らせたことによって、高齢の女性たちが奮起し自分たちで惣菜加工場を立ち上げ、今はNPO法人の中で手作りし、できた惣菜は移動販売車が運んでいる。また、畑仕事をされる高齢者が多く、要請があれば移動販売車で取りに伺い、店頭に並べることをしている。
      移動販売事業の価値は、買物だけではなく生活が困難な方に会い、見守ることで孤立化を防いだり、食生活が維持できれば健康につながると思う。週に1、2回の移動販売を心待ちにされる方も増えてきた。何より、60代の方が今90歳の一人暮らしを見て、自身の将来の生活モデルを地域の中で見ることができる。
      このように、阿東地域のような小さな市場で非効率であっても成立する共感と思いやりのビジネスモデルを作って食品アクセスなど社会の課題を解決したい。そのためには、地方に興味のある若者たちとともに、先入観を捨てて地域をデザインし直すこと。特に農業分野では新技術を導入した実証やドローンの配送テストなど、チャレンジをしっかりと進めていきたい。


    (2)特定非営利活動法人 フードバンク山口
      フードバンク山口は、県内全域が活動範囲の他県にはあまりない団体である。食品ロス削減の目的と経済的に困っている家庭への支援から持続可能な社会の構築を目指し活動している。立ち上げてから10年目になる。
      9つの活動拠点の運営は、フードバンク山口以外に社会福祉協議会、NPO法人、企業が主体となり、食品の寄付の受付、配付などを行っている。
      家庭からの寄付は、地元スーパーにフードバンクポストを設置させていただき、買物客に持参した食品を入れていただく仕組みをとっている。週1~3回、ボランティアが回収し、各地区ステーションに持ち込んでいる。地域交流センターへもポスト設置を進めている。
      各地区ステーションでは、寄付された食品に番号を振り、賞味期限等を記録しトレーサビリティを確保している。十分なスペースがない保管場所で陳列を工夫し、食品を取りに来る方がわかりやすいようにしている。
      また、フードバンクが仲介し、地元スーパーと連携して、ある店舗の少し傷みかけた生鮮野菜・果物などを店舗近くのこども食堂に取りに来てもらう取組を行っている。他にも、こどもの夏休み前と冬休み前に、依頼のあった家庭に宅配便で段ボール1箱を送付する「こども宅食」をしているが、多大な配送費の確保が課題である。
      企業からの寄付は、一度にトラックで大量の食品をいただくと受け付けられない場合がある。運送会社に一時保管や配送を無償で協力いただき、福祉施設や地域包括支援センター、こども食堂、ソーシャルワーカー、民生委員等の方に各拠点まで取りに行っていただいている。
      このようなフードバンクの課題を整理すると、運営資金の確保、ボランティアの確保、保管場所の確保、運搬手段の確保及び企業・行政等との連携がある。フードバンク山口は、企業、団体、行政も含め、直接的、間接的に多くの方とつながっていて、横展開がある程度はできている。ご協力に感謝しかないが、まだまだ十分ではないため、今後も皆様と一緒に活動をしていきたい。
     

    5.出席者からの主な意見・要望・質問等   

    〇フードバンクに関する意見・要望

    • フードバンク山口と企業、団体、行政等との協力関係はかなりできているようだが、課
      題解決には結びついていない企業・団体もあり、市町との連携も今後の課題ということがわかった。
    • こども食堂などが望む食料と企業からの寄付がミスマッチになっているのではないか。逆に本当に必要なものを希望できる取組があると良いのではないか。
    • フードバンクポストの取組に団体で協力するため、賞味期限1か月以上前でなければ出せないことなどを皆で話し合った。
    • フードバンクポストの中に間違って食品トレイを入れている人がいたので、間違えない工夫ができると良い。
    • 日本人はもう少しチャリティー精神を醸成して、先進国並みに高めていかないといけないと思った。

    〇移動販売に関する意見・要望

    • 移動販売車の運転手が未来も継続していけるのか心配であったが、トイトイには40代のスタッフや都会から戻ってくる若者がいると聞き、安心した。
    • 阿東地域にある昔からの行事を通して、移動販売をやっておられることはすばらしい。
    • 移動販売で高齢者を訪問されることは、食品の受け渡しだけではなく、楽しみになり、見守りになり、高齢者の命も助けてもらうこともあるので、とても大事なことだと思う。

    〇行政に対する意見・要望

    • 備蓄米をこども食堂、こども宅食に取り組む団体に無償で提供していると今回聞いて、メディアではあまり流れていないので、もっと説明や周知をしてほしい。
    • 備蓄米をこども食堂等に無償提供するなら、品薄だった時期に流通に回すべきではないか。
    • 米の作況指数が100を超えているから備蓄米を出せないといわれるが、現実に今年の夏は米がなくなったのが不思議であった。
    • フードバンク、こども食堂関係の事業では、農政局や地域包括支援、食育の部署など同じようなテーマでそれぞれが考えているが、横のつながりをもてる仕組みを作ってほしい。
    • 食品アクセス問題については、トラック調達関係で経産省が担当など他にも担当部署がバラバラで事業ができなかったことがある。ぜひ省庁間で大元の部署を集めて調整するような機能を発揮してほしい。

      6.その他(意見交換会写真等)


       
      意見交換会の様子

      意見交換会の様子

      ほほえみの郷トイトイ
      高田様、石田様によるフードバンク活動の紹介

      フードバンク山口
      今村様による取組紹介

      意見交換会の様子

      意見交換会の様子

      お問合せ先

      消費・安全部消費生活課
      代表:086-224-4511(内線2322)
      ダイヤルイン:086-224-9428

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