令和6年度消費者団体等との意見交換会(徳島県)の概要
中国四国農政局では、消費者団体等との意見交換会を徳島市で開催しました。 |
1. 開催日時、場所
令和6年12月16日(月曜日) 13時30分~15時30分
中国四国農政局徳島県拠点 2階 第1会議室
2.行政からの情報提供
円滑な食品アクセスの確保について説明
3. 出席者(順不同、敬称略)
- 徳島県生活学校連絡会
- 公益社団法人 徳島県栄養士会
- 徳島県生活協同組合連合会
- 特定非営利活動法人 徳島県消費者協会
- 徳島県食生活改善推進協議会
- 一般財団法人 徳島県婦人団体連合会
- 認定特定非営利活動法人 フードバンクとくしま
- 認定特定非営利活動法人 徳島こども食堂ネットワーク
出席者計 | 16名 |
消費者団体等 | 6名 |
フードバンク団体 | 1名 |
こども食堂支援団体 | 1名 |
農政局 | 8名 |
4.団体からの取組紹介
(1)認定特定非営利活動法人 フードバンクとくしま
フードバンクとくしまは、規格外食品等で生活困窮者を支援するため徳島県の労働者協同組合間で連携し2013年に設立。寄贈品は年間約60トン。野菜の提供が多くなっている。
課題の一つ目は、寄贈食品の需要と供給のアンバランスにある。物価高などの要因で支援の要望は非常に多くなっている一方、寄贈食品は昨年の8割程度に減少している。
二つ目は、資金、人手問題。日々の問い合わせ対応等に大変な実態になっている。
三つ目は、民間団体がフードバンク活動を会費で賄っていること。国がフードバンク団体に様々な活動を期待しているのであれば、運営実態の把握と解決策を検討してもらいたい。
当法人では、食品の寄贈を増やす取組としてフードドライブを行っている。県内各スーパーに協力いただき、お客様からの寄贈品を集めている。徳島市役所でも12月から始まった。
特徴的な活動に、四国4県のフードバンク担当者が集まり、今年度四国フードバンク連絡協議会(仮称)を設立する予定。その理由は、南海トラフ等発災時にフードバンクが集積拠点となるため各県担当者同士で日頃から交流しておけば災害時に大いに活かせる。最大の理由は、フードバンクの寄贈品の偏りを各県で調整できる。例えば徳島でスダチの出荷時期になればどこもスダチで溢れかえるが、香川に送れば喜ばれる。このように各県間で物流を調整すれば希望する団体に届けられ、食品ロス削減にもつながる。
また、こども食堂がない地域にキッチンカーで食事の支援を行っている。最もニーズがあるのは学童保育で、夏休み等給食がない時期に出張こども食堂として支援している。
最後に、年末年始にかけて満足な年越しができない方に食材や毛布等の日常品を渡す越年支援に取り組んでいる。寄贈品や寄付及びボランティアをお願いしているところである。
(2)認定特定非営利活動法人 徳島こども食堂ネットワーク
徳島こども食堂ネットワークは、2021年フードバンクとくしまから独立し、こども食堂専用のフードバンクとしてこども食堂を応援し、こども食堂を通して要支援者を支援している。
ロッカーステーションという取組は、あと少しで自立できる子育て家庭にこども食堂からロッカーの鍵を渡してもらい、当法人が食材や日常品を月2~3回程度ロッカーに入れ、こども食堂から連絡する仕組み。利用者とこども食堂の支援者(主催者)が情報を共有できるように取り組んでいる。
また、物流システムとしてこども食堂の取組に賛同いただいた支援者の想い(食品支援)を確実に届けるために、大量保管機能をもったロジ拠点と、ロジ拠点からこども食堂までの中継ハブ拠点の整備を行うとともに、食品保管に伴う衛生管理等の徹底も重要視している。具体的には、当法人に責任者を配置し、物資の受入・分配・配送を取り仕切り、運送会社と連携して配送する。今後は管理マニュアルの作成や支部ネットワークとのヒアリングを実施していく予定である。
徳島県内のこども食堂は、2024年で162か所。未設置地域へ開設するため、こども食堂開設助成金(県委託事業)を活用して取り組み、県内全市町村にこども食堂が開設された。
こども食堂には、ジュース、お菓子、調味料、冷凍食品などを渡している。十分な量ではないが、こども食堂の方が調理を工夫したり、地産地消や食育にこだわりながら子どもたちの笑顔を引き出している。
そもそもこども食堂とは、ほとんどが任意団体で資金がない。それでもいろいろな食品を子どもたちや要支援者に食べさせたいという想いに溢れている場所。長引く物価高騰の影響から資金不足が大きな問題になり、新規開設の応援、継続支援が厳しい状況になっている。
また、当法人への寄付品も減り、確保が難しくなっている現状があるが、これからも子どもたちや参加者とつながる活動をしていきたい。
5.出席者からの主な意見・要望・質問等
〇フードバンク、こども食堂に関する意見・要望
- スーパー等販売業者が賞味期限の切れた食品を寄贈することは、責任問題になるから難しいと聞くので、一般の家庭から期限切れの食品を集めてはどうか。
- フードバンクやこども食堂の方々は本当に大変なことをされているので、取組等をみんなに知らせて広げていけば良い。
- フードバンクやこども食堂への提供で一番ネックになるのが物流。我々は専業で運んでいるわけではない。物流会社等と提携できた話が出たが様々なところとネットワークを広げていけば支援が進むかもしれない。
- 一消費者にできることを考えると、食品ロス削減を意識していく。その上で経済的困難者に提供できるかどうかは、一団体や一省庁だけではなく、地域ぐるみで持続的に支援していくシステムができれば個人も参加できるのではないか。
- こども食堂から食品ロスを出さない様々な工夫を教わることがある。このような情報を発信していけば食品ロスが減っていくだろう。
- サロンなどで高齢者に食事の提供や話し相手、一人暮らしの高齢者にお弁当の配食をしている。田舎では、高齢者にとって移動販売車は人とのつながりの場にもなり、とても喜ばれる。利益は少ないだろうが、止めないで続けてほしい。
〇行政に対する意見・要望
- 食品アクセス、食育、農林水産業、食品ロスなど知らないことが多いので、農林水産省からも情報を知らせてほしい。知らせることは大事。
- 政府備蓄米をこども食堂に無償で提供してくれているので、支援者は大変助かっている。
- 政府備蓄米をいただくための条件として食育の実施があるので、こどもたちに絵本などで食べることの楽しさや身体づくりの話などしている。
- 食品アクセスの取組例や制度を情報が届きにくい僻地に住んでいる方にも届けられるように進めていけると良い。
- 意見交換会や学習会等の主催者には、出席者との間に立ってもらい、つながれる活動にしていただきたい。
6.その他(意見交換会写真等)
![]() 意見交換会の様子 |
![]() 意見交換会の様子 |
![]() フードバンクとくしま 川上様による取組紹介 |
![]() 徳島こども食堂ネットワーク 佐伯様による取組紹介 |
お問合せ先
消費・安全部消費生活課
代表:086-224-4511(内線2322)
ダイヤルイン:086-224-9428