令和6年度消費者団体等との意見交換会(高知県)の概要
中国四国農政局では、消費者団体等との意見交換会を高知市で開催しました。 |
1. 開催日時、場所
令和7年1月21日(火曜日) 13時30分~15時30分
高知地方合同庁舎 2階 会議室
2.行政からの情報提供
円滑な食品アクセスの確保について説明
3. 出席者(順不同、敬称略)
- 高知県連合婦人会
- 公益財団法人高知県学校給食会
- 公益社団法人高知県栄養士会
- 高知県食生活改善推進協議会
- 高知県生活協同組合連合会
- JA高知女性組織協議会
- NPO法人こうち食支援ネット
- 高知県子ども・福祉政策部子ども家庭課
出席者計 | 17名 |
消費者団体等 | 6名 |
フードバンク団体 | 2名 |
地方公共団体 | 1名 |
農政局 | 8名 |
4.団体からの取組紹介
(1)NPO法人こうち食支援ネット
こうち食支援ネットは、2021年に設立し、フードバンク活動や中間支援組織として県内で食支援活動をされている団体、個人をサポートする活動を行っている。
当法人は、食支援の輪の拡大、食支援の内容の充実を目指し、地域福祉や地域の活性化に貢献できるように取り組んでおり、フードバンク活動としては、企業や団体、個人から食材の寄付をいただき、ボランティアが仕分けや保管をしている。また、県をはじめ、当法人もフードドライブの普及に取り組んでおり、県内でも広く実施され、スーパーや企業、団体において期間限定または恒常的に設置するところが増えている。
次に、食品配付活動については、フードサポートメンバー(福祉団体、こども食堂及び社会福祉協議会などあらゆるジャンルの団体が登録。現在75団体)が月1回当法人の一時保管庫に集まり、食品を受け取り、それぞれの団体を通じて生活困窮者に食材を届けている。
また、こども食堂等が行うフードパントリーの活動も支援しているが、コロナ禍にあって生活困窮者への食材配付の活動をしていたこども食堂が、コロナ禍明けも食材配付の重要性を感じフードパントリーに特化した取組があったことから、当法人もその活動を支援している。
最後に食支援の課題解決に向けた取組として、関係者を集めた交流イベントを開催しており、これまで3回開催したが、第1回目の交流イベントで課題を明らかにして、第2回目で課題整理と、解決のための知恵出しを行った。その後、第3回で先進地に学びながら議論を深め、その結果を取りまとめているので、活用していただきたい。
(2)高知県子ども・福祉政策部子ども家庭課
高知県のこども食堂は、食事の提供を通じて、こどもや保護者の居場所となり、保護者の孤立感や負担感を軽減する場や、地域でこどもたちを見守る場として設置が進んでおり、令和6年9月時点で114か所にまで増加している。
県では、こども食堂の立ち上げや活動をサポートするため、高知県社会福祉協議会に「子どもの居場所づくりコーディネーター」を配置し、開設や運営の相談等を行っている。
また、開催頻度や衛生管理などの一定の要件を満たしたこども食堂を「高知家子ども食堂」として登録し、申請があれば、開設に必要な備品や食材費等の運営経費を定額で補助している。
他にもこども食堂の取組を支援するため、高知県子ども食堂支援基金を設けており、個人や企業からの寄付を募り、集まった寄付金はこども食堂への補助金の財源にしている。寄付金の受入れは、平成29年から令和6年9月で累計7千万円を超え、247件の補助金に活用させていただいた。
令和6年度の取組としては、未開設地域でのこども食堂の立上げや定期的な開催を増やすことを目的に研修会やシンポジウム等を開催し、取組紹介や情報交換等を行っている。また、支援が必要なこども等をこども食堂や他の支援機関に適切につなげるため、こども食堂と地域の支援機関等と地域連絡会を開催している。さらに、見守り機能の充実や家庭の養育力向上につなげるため、子育てに関する講師やボランティア等による講話・相談の実施を後押ししている。
このように、こども食堂が地域における集いや活動の場になるとともに、支援機関とつながり地域のこどもを見守るネットワークが構築できるように県として取り組んでいる。
5.出席者からの主な意見・要望・質問等
〇買物困難者、経済的に困っている方への支援に関する意見・要望について
- 高知県の地形は東西に距離があり、山間部や遠距離地域への配送は経費を伴い採算が合わないため、民間の企業では難しい面がある。当団体は、県内全域に配送ルートを持っており、地場産物等の食材を県内全域のこどもたちに届けられるように協力したい。
- 買物困難者にとって、宅配、移動スーパー等は食品を手に入れる唯一の手段になっており、命を支えるほどの大きな役割を担っている。補助金で継続支援するだけではなく、全国の先進事例を民間事業者に伝え、連携し支え合うことが必要ではないか。
- 「国民健康・栄養調査」の調査員として過疎地域に行ったとき、住人の方から歩いて行けるスーパー・コンビニがなく、食品価格の高騰も影響し、バランスのとれた食生活を望んでもできないと聞き、改めて知った実態もある。
- 現在、高知のフードバンクへの寄付品は激減し、食材を買い足すほど深刻な事態になっているため郡部への支援まで手が届かない状況。大量の寄付品提供があっても大規模な保管場所がないため断らざるを得ない。運搬の課題にも取り組んでいるが、県下一円の食品アクセスの確保に向けた取組がやはり課題になる。
- こども食堂の多くは、安定した食料の確保が難しく、各食堂で企業や農家に支援をいただきながら苦労して活動している。
- 地元高校生の提案で、店舗に値引きコーナーではなく食品ロス削減に貢献できるコーナーを置き、賞味期限月毎に仕分け、ポップを工夫して販売した結果、食品ロスが減ったという。消費者にエシカル消費の意識が確実に根付いていると感じた。
- こども食堂を地域で行っているが、高齢化が進んでいる。地域のお年寄りもこどもも減っていくなか、支援活動の場所を近くの地域で確保することが難しくなっている。
〇行政に対する意見・要望
- 高知で獲れる魚の種類がここ数年ですごく違ってきたと感じる。海の環境の変化に関する情報を提供してほしい。
- 政府備蓄米について、教育現場や保育現場、それ以外でももっと活用しやすい形で対応していただきたい。
- 気候変動対策と食品ロス及び食品アクセスの問題は相反するように思えるが、行政が先を見据えた具体的な指針を示して、しっかり研究をしてほしい。
6.その他(意見交換会写真等)
![]() 意見交換会の様子 |
![]() 意見交換会の様子 |
![]() NPO法人こうち食支援ネット 折田様、井上様による取組紹介 |
![]() 高知県子ども・福祉政策部子ども家庭課 木戸様による取組紹介 |
お問合せ先
消費・安全部消費生活課
代表:086-224-4511(内線2322)
ダイヤルイン:086-224-9428