令和6年度消費者団体等との意見交換会(香川県)の概要
中国四国農政局では、消費者団体等との意見交換会を高松市で開催しました。 |
1. 開催日時、場所
令和7年2月28日(金曜日) 10時00分~12時00分
中国四国農政局香川県拠点 会議室
2.行政からの情報提供
円滑な食品アクセスの確保について説明
3. 出席者(順不同、敬称略)
- 香川県消費者団体連絡協議会
- 高松市消費者団体連絡協議会
- 一般社団法人 香川県婦人団体連絡協議会
- 高松市女性団体連絡協議会
- 香川県食生活改善推進連絡協議会
- 香川県漁協女性部連合会
- 公益社団法人 香川県栄養士会
- 香川県生活協同組合連合会
- 社会福祉法人 香川県社会福祉協議会
出席者計 | 17名 |
消費者団体等 | 8名 |
社会福祉法人 | 1名 |
農政局 | 8名 |
4.団体からの取組紹介
(1)社会福祉法人 香川県社会福祉協議会
現在、国全体で地域共生社会を目指しているなか、香川県社会福祉協議会は社会福祉法のもと地域貢献や社会貢献に取り組み、食に関しては三つの事業「香川おもいやりネットワーク」「子どもの未来応援ネットワーク」「フードバンク香川事務局」を実施している。
一つ目の「香川おもいやりネットワーク事業」は、平成27年4月から社会福祉法人が中心となり、民生委員・児童委員等と連携して、生活に困難を抱え早急に相談や支援が必要な方に寄り添いながら総合相談活動に取り組んでいる。
具体的に、民生委員から寄せられたこどもの情報をきっかけに、高齢者施設の一角でこどもの居場所(現在こども食堂)が開設された。また市民の土地寄付を受け、誰でも気軽に寄れる地域拠点を建設し、ワンデイキッチンやこども食堂等に利用されている。さらにコロナ禍の頃、大学職員から学生の窮状の相談を受け、フードバンク香川と連携し食料支援を行った。
二つ目の「子どもの未来応援ネットワーク事業」は、生まれ育った環境によって左右されることなく、全てのこどもたちが夢と希望を持って成長できる持続可能な地域づくりに令和元年度から取り組んでいる。
まず、こども食堂や地域食堂が地域でこどもを見守り支える支援の場になるように取り組んでいる。設立支援や寄付、フードバンクの紹介や食品配付、市町へコーディネーターの配置等。現在では、香川県のこども食堂は109か所になり、非常に増えてきている。
支援の場の課題としては、運営費の確保、スタッフや食材の確保が大きい。継続した活動を進めるため、支援の場とサポーター(物、人、場)をつなげるマッチングの役割は重要だ。
三つ目に、「フードバンク香川の取組」を紹介する。平成26年6月にNPO法人格を取得し、県社協に事務局を置く。令和5年度の食品寄付量は約12トンで、毎年10トン前後の寄付をいただき、こども食堂等に届けている。県内四つの地域拠点を社協におき、冷凍冷蔵庫等を設置している。そのうち3台の冷凍冷蔵庫は、県とクラダシ(※)との公民連携協定を通してフードバンク香川に寄贈されたもので、活動費の助成もいただいている。
コロナ禍で、企業から清涼飲料水を1000ケース10トントラックで寄付いただいた。10トントラックはフードバンク香川の事務局前には止められず、JA香川県にフォークリフト作業も含めて協力いただき、県内各地に配送可能となったものの、その後大量の食品はいただいていないのが現状である。
一方、四国4県ではフードバンクが連携する一般社団法人四国フードバンク連絡協議会が令和7年1月に設立され、食品ロス削減や生活困窮者問題の解決に加え、南海トラフ地震や豪雨災害に備え、有事に物資を相互に提供できる体制づくりを目指して連携強化を図っているところである。
最後に、こども食堂やこどもの居場所づくりの活動が広がることで、食を通じてつながることへの理解が広がり、多くの食支援団体、生活関連分野団体とつながることができた。
課題は、継続する財源と管理に必要な人材確保、制度と制度の狭間がどうしてもできてしまうこと。緩やかにつながる「ごちゃまぜ」の仕組みができれば、これらの取組が地域に根付くかもしれない。
(※)(株)クラダシは、従来廃棄されていた食品を企業の協力により協賛価格で提供いただき、消費者に安価で販売して、その収入の3~5%をフードバンク等に寄付する取組を実施している。
5.出席者からの主な意見・要望・質問等
〇買物困難者、経済的に困っている方への支援に関する意見・要望について
- 生産者がフードバンクやこども食堂に野菜を寄付したくても配送作業が困難なため、社協等地域の関係者と情報交換し、よい方法を探していこうと思う。
- こども食堂の運営は、ほぼボランティアに頼っていて、行政と結びついていないことが多い。財源の確保が難しいのは理解しているので、補助金の利用を検討してはどうか。
- 団塊の世代が後期高齢者になる時代に観音寺市のシニア食堂はよいアイディアだと思う。そこでコミュニケーションが苦手なこどもたちを受け入れて、高齢者とふれあいながら介護の体験もでき、スキルを身に付けることにつながった事例がある。
- 運転免許を返納したら買物ができない。500メートル以内にお店がない地域はたくさんある。乗り合いタクシーや移動販売車の状況を含め、買物困難な実態をよく調べてほしい。
- 島では、食料品店がなくなり住民が本当に困っている。食料調達は生きることであり、自治会が協議会を立ち上げて困っている方の足代わりになって頑張っている。
- こども食堂はどこにあるのか、情報はどこから得るのかわからなかったが、広報誌や学校の配付物、公民館の他、社協HPで詳細情報が得られることがわかった。
- こども食堂を貧困家庭が行くイメージにしてしまうと、こどもはなかなか行きにくくなる。こどもが自ら行けるような情報発信の工夫を意識してもらいたい。
- 買物のアクセス手段として、自動運転バスの実証運行やドローンを利用した取組が行われている地域がある。
- 鮮魚はフードバンクに寄付を全くされていないようだ。魚、特に未利用魚をこども食堂等に利用する方法を関係者のネットワークを使って考えていきたいと思った。
- 団体によっては、食品集荷が得意、配送は苦手というように得意分野を活かしたネットワークづくりができればよいと思った。
〇行政に対する意見・要望
- 県の予算を市町がもっと利用できるようにしたほうが効率的である。
- 島の買物困難な状況は特別なものとして、フェリー代の補助など住民の助けになる助成ができないか。
6.その他(意見交換会写真等)
![]() 意見交換会の様子 |
![]() 意見交換会の様子 |
![]() 香川県社会福祉協議会 日下様による取組紹介 |
![]() 意見交換の様子 |
お問合せ先
消費・安全部消費生活課
代表:086-224-4511(内線2322)
ダイヤルイン:086-224-9428